知事コラム210729

7月29日配信:『北海道・北東北の縄文遺跡群』の世界文化遺産登録決定

 一昨日、ユネスコ世界遺産委員会において、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録が決定しました。私も、赤れんが庁舎で開催した世界遺産委員会のライブ試聴会に出席して審議の模様を見守っていましたが、多くの道民の皆様とともに、決定の瞬間を迎え、喜びを共にすることができました。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中にあって、私たち道民にとって明るい話題となり、大変嬉しく思っています。

 本道初の世界文化遺産となる「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道・青森県・岩手県・秋田県に所在する17の遺跡で構成されており、紀元前約13,000年から紀元前約300年までの1万年以上にわたって、採集・漁労・狩猟により定住した人々の生活と精神文化を伝える貴重な遺産です。
 私自身、知事就任直後の2年前に、函館市の垣ノ島遺跡と大船遺跡を訪問し、縄文人が残した遺跡の価値や魅力、そして豊かな精神性に直接触れるとともに、地域の皆様の熱い思いを肌で感じたところです。長年にわたり縄文遺跡群の優れた価値を守り、継承されてきた地域の方々など、世界遺産登録に向けてご尽力をいただいたすべての皆様に、深く敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。

 自然と共生しながら1万年以上も続いた縄文文化には、持続可能な地域社会の実現を目指す私たちにとって、学ぶべき貴重な示唆が多くあり、未来に継承したい大切な「宝」であると考えています。この私たちの「宝」が「世界の宝」として認められたことを誇りに思うとともに、将来にわたって確実に引き継いでいく、という大きな使命に、改めて身の引き締まる思いです。
 私としては、遺跡群の適切な保存・活用はもとより、その普遍的な価値と魅力を国内外に向けて積極的に発信するなど、縄文が地域の誇りとなり、北海道の新たな活力に繋がるよう、今後とも関係者の皆様と一丸となって取り組んでまいります。

 このたびの世界文化遺産登録を契機として、より多くの皆様に「北の縄文ファン」となっていただけるよう、私の名刺では、世界文化遺産に登録が決定した道内の遺跡群をご紹介しており、昨日から早速、お客様と交換させていただいています。道民の皆様はもとより、国内外の多くの方に、縄文の価値と魅力に思う存分触れていただけるよう、新型コロナウイルス感染症の収束に向けてしっかりと取り組んでまいりますので、引き続き、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。 

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