～ 北海道知事からのメッセージ ～
昨今、太陽光発電事業などの違法開発行為が散見される中、釧路市北斗の太陽光発電事業において、森林を開発する際に必要な許可を得ずに開発行為が行われるなど、極めて遺憾と言わざるを得ない事案が発生しました。
こうしたことは、未来に引き継ぐべき本道の豊かな自然や優れた景観が脅かされるなど、道民の皆様にとって、様々な不安や懸念を生じさせる事態であります。関係法令の遵守は絶対です。
豊かな自然や景観、道民の皆様の安全で快適な暮らしが守られることが最優先であり、違法な行為は絶対に許されるものではありません。法令違反には厳正に対処していきます。
北海道内で太陽光発電事業を検討する事業者の方々には、法令遵守はもとより、自然環境や生活環境の保全をはじめ、景観や防災対策、地域貢献など、地域の方々と十分に話し合い、その声に最大限配慮いただくなど、「地域との共生」を第一に取り組んでいただくようお願いします。
北海道は、地域と共生できない事業は望みません。地域との共生を大前提に、環境と経済の好循環の実現に向け、良質な投資を促進し、自然と調和して地域とともに歩む事業を応援してまいります。
令和７年１１月２１日
北海道知事 鈴木 直道
地域と共生する６つの要件と規律強化の主な取組
１.関係法令等の遵守
〇 森林法や盛土規制法等の関係法令や、自治体の条例やガイドライン等の趣旨を
理解し、必要な手続きを行い、適用される基準を遵守する
〇 関係法令や条例の必要な手続き等は、あらかじめ国や道、関係市町村に確認や
相談を行う
２.地域住民の理解
〇 地域住民への説明会を開催し、一方的な説明だけではなく、地域住民や自治体
などの意見を聴き、適切なコミュニケーションを図る
〇 説明会の開催にあたっては、関係自治体と積極的に情報共有を図り、地域の実情や
懸念などを踏まえた内容とする
〇 地域住民に十分配慮して事業を実施し、地域への貢献も考慮しながら、誠実に
対応する
３.自然環境の保全
〇 地域にとって重要な動植物の保全にあたっては、専門的な知見が必要となるため、
専門家に相談し、詳細な調査や適切な対策を講じる
〇 事業区域内に重要な動植物の生息・生育地がある場合、事業の中止や区域の縮小
を検討するほか、土砂の流入の防止策などを講じる
〇 重要な動物の繁殖期など特に配慮が必要な時期は、工事時期を調整する
４.生活環境の保全
〇 発電設備等の稼働音による騒音、電磁波による電波障害、反射光による光害など、
生活環境に影響を与えないよう、適切な措置を講じるほか、事業終了後はリサイクル
等の適正処理を行う
〇 飲用などの水利用状況や水資源の保全に影響を及ぼすと考えられる区域は除外する
５.景観への配慮
〇 地域の良好な景観資源への近接を避け、展望地からの眺望に影響しないよう、配慮
や対策を講じる
〇 施設設置後のフォトモンタージュを作成することなどにより、眺望景観の変化の
程度を確認し、影響が懸念される場合は対策を講じる
６.防災対策の実施
〇 土砂流出又は地盤の崩落を防止する措置を講じる
○ 日常から維持管理を適切に行うとともに、管理責任者を明確にする
○ 計画的に設備の撤去等に係る費用を確保するとともに、事業終了後は、適切に維持
管理を行うとともに、可能な限り速やかに設備の撤去・処分を行う
※ 上記の取組は例示であり、関係法令等や地域の実情に応じた対応をお願いします。
ワンストップ相談窓口
関係法令等の遵守の取組
森林法、都市計画法、建築基準法の違反事務取扱要領等を改正しました
【改正のポイント】
・関係部局・市町村との連携、違反の未然防止など取組強化
・悪質性の高い事案は、行政指導を経ずに監督処分を実施
・行政指導は３回を限度とし、監督処分の手続きに移行
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