JA 北海道厚生連 ニセコ羊蹄広域 倶知安厚生病院
地域医療研修センター長 総合診療科主任部長
木佐 健悟
医師プロフィール

出身
北海道恵庭市
略歴
- 2004年 北海道大学医学部 卒業
- 2004年 JA 北海道厚生連 帯広厚生病院勤務(研修)
- 2005年 北海道大学病院勤務(研修)
- 2006年 JA 北海道厚生連 帯広厚生病院総合診療科勤務(研修)
- 2012年 北海道大学大学院医学研究科博士課程修了
- 2012年 JA 北海道厚生連 ニセコ羊蹄広域 倶知安厚生病院に勤務
資格 / 役職
- 日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
- 日本内科学会認定内科医、総合内科専門医・指導医
- 博士(医学)
- 日本医師会認定産業医
- 日本プライマリ・ケア連合学会北海道ブロック支部長
趣味
鉄道旅行、北海道コンサドーレ札幌の応援
座右の銘・モットー
物事にはすべて理由がある
ニセコ羊蹄エリアの特徴
倶知安厚生病院は、2024年11月の一部改築に合わせて、「ニセコ羊蹄広域 倶知安厚生病院」へと名称を改めました。
当院のあるニセコ羊蹄エリアは、蝦夷富士と呼ばれる秀峰・羊蹄山を望む自然豊かな地域であり、世界有数のウインターリゾート地としても知られています。
冬場は外国人観光客も数多く訪れますが、地域を支えているのは開拓期以来この土地を守り続けてきた農家の方々です。
私たちは、基幹病院の役割を担うと同時に、地元の方々にとって”最初にかかる身近な医療機関”でもあります。「この地域を私たちが守っている」という感覚は、やはり郡部ならでは。うまくケアできたときには、「あの人、先生のおかげで元気になったね」と地域の方から声を掛けていただくこともあり、そうした反響をダイレクトに感じられるのが、この地で働く一つの魅力だと思います。

バランスの取れた専門研修プログラム
私たちの専門研修プログラムの特徴は、セッティングの「バランスの良さ」にあります。
当院の総合診療科には10人前後の医師が在籍し、外来・病棟・救急に加えて、倶知安町内を中心とした訪問診療も行っています。
病棟を持たない診療所であれば、入院が必要と判断した時点で他院に紹介することになりますが、当院では診断から治療、入院、退院後のフォローまでを院内で完結できます。
また、一口に病棟があると言っても都市部では、医療機関ごとに急性期・回復期・慢性期の役割が明確に分かれていますが、当院は急性期病院でありながら、地域で暮らす住民の退院後の生活までを見据えてケアすることが多いのが特徴です。
一人の患者さんのさまざまなフェーズを、一つの医療機関の中で継続して診られる。それが当院ならではの強みです。
ですから、総合診療医として「どこで」「どう働くか」がまだ定まっていない方にとっては、総合診療医の活躍の場を満遍なく経験できる、バランスの良いセッティングだと思います。
他科での経験を持つ中堅・ベテラン医師の研修も受け入れており、初期研修修了後の医師と同じように総合診療・家庭医療のプログラムに登録して研修する他に、キャリアや希望に応じて業務内容を調整することで無理なく総合診療を始めてもらうことも可能です。
ニセコエリアでの暮らしも、大きな魅力の一つです。大自然に抱かれた環境で、アウトドアが好きな方にはこれ以上ないロケーションといえるでしょう。
車で2時間も走れば札幌や新千歳空港へもアクセスでき、北海道人の感覚では「札幌に近い」と言える距離感です。
忙しい日もありますが、当直や時間外勤務は当番制とし、オンとオフのメリハリをしっかりつけられるようにしています。

地域包括ケア、求められる連携
課題もあります。一つは、「頼られすぎる」ことです。私たちは原則として、どんな患者さんも断らないよう受け入れていますが、あまり私たちががんばりすぎると、周囲が「全部病院に任せておけばいい」となってしまい、地域の解決力が下がってしまう懸念があります。
例えば、地域の高齢者が何らかの疾患で日常生活を送れなくなったとき、「とりあえず入院してもらって、問題を整理してから次の居場所を探しましょう」ということがあります。もちろん、診断や薬の処方といった医学的アセスメントは病院が担うべきですが、その方がどこでどう生活するのがよいかについては、地域の保健・福祉分野との連携が欠かせません。
そもそも、その方が健康なうちから健康寿命の延伸に取り組んだり、困難を抱えたときに「その人らしく」生活を維持できるよう支援する体制を整備しておくことが重要です。いわゆる地域包括ケアですね。ところが、地域のマンパワー不足や連携の難しさもあり、病院に負担が偏っているのが現状です。
隣接する町村の中には熱心に取り組む地域もあります。生活改善のための運動教室や健康講座の講師を依頼されることもあり、先日は専攻医の横山先生に担当してもらいました。こうした講演会の実施を通して、住民の方との接点が深まり、地域の人たちが生活をどう考え、医療に何を求めているのかも見えてきます。地域にとっても、私たちにとっても、まさにWin-Winの取り組みだと感じています。
地域を診る医療の面白さを、見に来てほしい
当院の診療圏人口は羊蹄山麓の3万5000人ほど。この規模で、あらゆる分野の専門医をそろえるのは現実的ではありません。だからこそ、幅広い健康問題に対応できる総合診療医の存在が、とても大きな意味を持ちます。
2018年に「総合診療専門医」が誕生したことで、この分野を目指す医師にとってもキャリアの道筋が見えやすくなりました。
私たちが所属する日本プライマリ・ケア連合学会北海道ブロック支部でも、行政と協力して学生向けのフォーラムを開いたり、大学で学習会をしたりしています。
とはいえ、総合診療の魅力って、正直なところ座学だけではなかなか伝わりにくい。同じ「総合診療科」でも、病院かクリニックか、都市部か地方かによって、働き方もまったく違います。だから、できるだけいろんな現場を見て、比べて、感じてほしいと思います。
もし少しでも興味を持ってくれたら、ぜひ見学に来てください。
ニセコの自然も、人も、きっとあなたを歓迎してくれます。


世界に名だたるウインターリゾート、ニセコエリア。
その地域医療を、基幹病院として支えるのがJA 北海道厚生連 ニセコ羊蹄広域 倶知安厚生病院です。
同院は道内でも屈指の総合診療科を有し、「地域をまるごと守っている感覚がある」と木佐健悟先生は語ります。
救急、外来、病棟、訪問診療といった多彩な機能を備え、急性期から回復期まで、一人の患者さんのさまざまなフェーズをみることができるのも、この病院ならではの魅力です。
地域の人々の暮らしとともにある医療。その最前線で、木佐先生が見つめるものとは。