知事定例記者会見(令和7年10月3日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和7年10月3日(金)15:33~16:16
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/19名(テレビカメラ1台)

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会見項目

知事からの話題

  1. 令和7年第3回北海道議会定例会の閉会に当たって
  2. 「ほっかいどう応援セミナー」の開催について

記者からの質問

  1. メガソーラーについて(1)
  2. メガソーラーについて(2)
  3. 洋上風力発電について
  4. ヒグマ対策について(1)
  5. ヒグマ対策について(2)
  6. エゾシカとの交通事故について
  7. IR(統合型リゾート)について(1)
  8. IR(統合型リゾート)について(2)
  9. IR(統合型リゾート)について(3)

知事からの話題

令和7年第3回北海道議会定例会の閉会に当たって

 私からは、二点お話しさせていただきます。
 まず、本日で第3回定例会が終了いたしました。このたびの議会でありますけれども、ヒグマ対策の強化をはじめ、災害対策の充実、そして開発行為への対応、さまざまな議論を議員の皆さまとさせていただきました。ヒグマの緊急銃猟における市町村支援に必要な経費など、総額約184億円の補正予算案、そして8件の条例案について議決をいただきました。このたびの議会での議論を踏まえて、道民の皆さまの安全・安心、暮らしを守るということと、北海道経済の活性化に向けて、これからもしっかり道政を進めていきたいと考えております。
 

「ほっかいどう応援セミナー」の開催について

 二点目でございます。
 7日火曜日に、「ほっかいどう応援セミナー」ということで、大阪市内で開催させていただきます。令和元年に「ほっかいどう応援団会議」が発足、多くの企業・団体の皆さまに参画をいただいて、企業版のふるさと納税をはじめとして、官民連携によるさまざまな取り組みが、具体的に進んでいるところでありますけれども、こういったセミナーなどを通じて、応援の輪を生かした取り組みを進めています。この応援団会議の活動の一環としてのセミナーでありますけれども、道内外の企業の皆さまに向けて、市町村長や地域おこし協力隊の方など、地域の魅力、そして応援を求める取り組みなどをPRする場として実施させていただいています。これは令和元年度より毎年やらせていただいています。今回の特徴としては、初めて参加しますという市町が6カ所あります。これまでの大阪で開催した中では、最も多い10の市町が参加する形になっています。万博もやっていますけれども、そういうのもあるのかなと思います。そして市町村のプロジェクトのPRセッションということで、企業の皆さまにも積極的に参加していただけるように、プロジェクトを発表しているときに、質問だとかいろいろなものをリアルタイムに投稿できるツールを活用して、双方向型のセッションを今回も予定しています。地域の魅力を発信する交流会も同時開催して、参加する市町村は特産品ですとか、いろいろなものもPRしていきたいというところであります。そして、今回新たに、関西圏に北海道のふるさと会があるのですけれども、そういう皆さんとも懇談をする場もセットさせていただいて、今、関係人口や二地域居住、交流人口だとかがありますけれども、関西圏で、私は北海道出身ですとか、毎年多くの方が集まって活動されているので、そういう方々とも懇談の機会を設けたいと思っています。ぜひ、これからもふるさと北海道を応援いただけるように、対応していければと思っています。道内外の企業や団体と地域との新たな連携のきっかけとなるように、このようなセミナーなども活用して、取り組みを進めていきたいと思っています。
 私からは以上です。
 

記者からの質問

(uhb)
 釧路湿原のメガソーラーについてちょっとお伺いしたいのですけれども、昨日、登山家の野口健さんが現場を視察されまして、現場を確認した上で、知事に中止命令などを含めた建設を止める明確な姿勢を示してほしい、ということをおっしゃっていたのですけれども、それについての受け止めをお願いします。

(知事)
 中止命令ができるのではないかということで繰り返しお話しされていると聞いているのですけれども、詳細は承知していないところです。今、皆さんと考え方を共有したいのですけれども、まず森林法の違反ということで、道として工事の中止勧告を行っています。そもそも面積が0.8ヘクタールで、森林法で許可が必要な0.5ヘクタールを超えていますということになりましたので、それを受けてこの工事をまず中止勧告しました。
 勧告を受けて、事業者はどうしたのですかと言ったら、工事を中止するということになっていて、勧告に従わない場合、命令をするということなのですけれど、勧告して中止しているという状況ですので、まず事実として理解していただかなければいけないと思います。
 ただ、これは森林法における範囲の話であって、工事全体を中止しているとか、そういう命令を出しているとか、勧告しているという状況ではないです。ただ一方で、事業者としてはいろいろな遵守事項が守られていなかったりだとか、釧路市ともこれから協議をするということも言っていますけれども、工事全体を今、止めているという状況になっていると承知していますので、そういう状況だということですし、いろいろな法律が関わっています。森林法だけではなくて、文化財保護法だとか、いろいろなところで事業者に必要な改善を求めていたり、必要な書類を出してくれということだったり、そういった対応をしている状況であるということをご理解いただきたいと思います。

(uhb)
 そういった状況の上で、「もっと強い態度を示してほしい」と言っていらっしゃることについてはいかがでしょうか。

(知事)
 そこは、できることを徹底してやっていくということで、厳正に対応したいと思っていますし、今回の議会の中でもさまざまな議論がありましたけれども、やはり新しい考え方を、今回の件も含めてしっかり出して、地域との共生を図っていくために、しっかり事業者に理解していただくべきことを新たに策定して、広く発信していきたいと思っています。これは、議会の議論でもあったことですし、有識者のご意見などもいただきながら速やかにやっていきたいと思っています。
 また、さまざまな改善できるところがあるので、これは後ほど資料も皆さんにお配りしますけれども、水資源保全条例、道が作っている条例があります。この部分もさまざまな開発行為に関して、現状の場合は、複数の無届け事案が確認されないと悪質ケースへの対応ができないということで、やはりこの手続きをやはりしっかり見直そうということで、この議会の中でも、(10月)1日の知事総括質疑の中で、閉会後、速やかに見直すとお話ししましたので、本日、その見直しをいたしました。そこで、この事務手続きの要領を改正して、直ちに悪質ケースに対応できる形に本日付で改正しました。
 これ以外の部分も含めて、国に求めるべきことは立法府である国にも求めますし、道としてできることをしっかりやっていく、新しいメッセージもしっかり出していく、道のほうで改善できる事務取扱の部分も変更していく。こういうできることを徹底してやっていく、毅然として対応していくということをやっていきたいと思っています。

(uhb)
 もう一点、メガソーラーに関してだったのですけれども、実際、道民の方々からメガソーラーを止めてほしいというようなことを知事に求めるデモ行進というのも、ちょっとリコールという強い言葉を使うような形で行われていて、今後も予定されているようなのですけれども。そういった状況というのはご存知だったりしますでしょうか。

(知事)
 そこは正直、どういう詳細なのかは承知していませんけれども、いろいろなご意見があることは受け止めなければならないと思いますし、ただ大事なことは、できることを徹底してやっていくということだと思います。
 今、(自由民主党の)総裁選挙においても、やはりこういったメガソーラーの問題、さまざまなテーマで議論されていると承知しています。そういう意味では、エネルギーの問題、再生可能エネルギーをどう有効に活用していくのか、また、環境と経済をどう両立しながら、地域の理解、共生を図りながらやっていくのかということに対して、さまざまな国民的な声が上がっているということを受けとめた中で、次期総裁、総理にもなる可能性の高い、そういう中でも争点として上がっている。どうしても立法行為になってくると、唯一の立法府である国会において、しっかりルールを設定していくということにならざるを得ないところはあると思います。都道府県や市町村でなかなか限界がある点については、まさに立法府でしっかり受け止めた上で、必要な法改正があれば適切に対応していただきたいと思いますし、その中でわれわれとして具体的な提案もさせていただいていますので、そういった声にも耳を傾けていただきながら、立法の是非を判断してもらいたいと思います。
 いずれにしても、多くの方が不安や懸念を抱いているということにしっかり寄り添いつつ、道としてできることを徹底してやっていくということが、私に求められることだと思いますので、正しい情報をしっかりお伝えしながら、毅然と対応していくことが大事かなと思います。

(uhb)
 一点確認だったのですけれど、デモ行進が行われていることは把握しているけれども、内容を詳細には把握してないという理解でよろしいですか。

(知事)
 正直、そのデモ行進の詳細について、私も承知していないので。

(産経新聞)
 先ほどお話がありました、道議会予算特別委員会の知事総括質疑の関係で、ちょっとお伺いさせてください。再エネに関する北海道としての考え方を新たに策定する方針が明らかになったと承知しています。地域との共生などの見解を盛り込む方向と、再エネに関しては今、知事がおっしゃられたように、メガソーラーですとか、風力発電なんかもそうですが、地域の環境に影響を及ぼしているということで、反対する動きが全国に広がっていることは、もうご存知のことかと思います。地域において、このタイミングで新たな指針を策定する方針に至った経緯ですとか、その理由、目的、そして期待する効果ということについて、可能な範囲で教えていただきたいと思います。

(知事)
 やはり関係法令を遵守していただく、これは当然のことである一方で、そういった遵守がなされない中での開発行為などが複数確認され、そのことに対して道民の皆さまをはじめとして、多くの不安や懸念の声もある中で、しっかり対応していくということがやはり必要だという考えであります。北海道だけの話ではないですけれど、日本全体で考えた時にも、やはりエネルギー資源の乏しいわが国において、再生可能エネルギーも活用しながらも、どうやってそういった形で安定的なエネルギーを確保していくのか、これは非常に重要なテーマだと思います。
 ただ、その対応にあっては、地域と共生した事業が適切に行われること、その法令の遵守は当然のこととして、地域の皆さんとしっかりお話ししながら事業を進めていくことが重要ですし、また、良質な投資を促進していくことが環境と経済の好循環につながると思っていますので、そういった重要な基本的考え方をベースに、道独自に関連投資に関して、関係法令はもとより、例えば自然環境、また景観、そして防災など、地域との共生を盛り込んだ道の考え方を新たに策定して、それを広く皆さんに発信した上で、その遵守を求めていきたいと思っています。
 そういった基本的考え方については、庁議においても庁内共有を図りながら、環境と経済の好循環を進めていく前提としてポリシーを共有してきたところですけれども、やはりしっかり広く発信していくということ、そして今回の議会議論や、さまざま懸念や不安の声もある中で、市町村のお考え、そして有識者のご意見もいただきながら、ただ、一方で、そんなに時間をかけ過ぎてもいけないと思いますので、速やかに検討を進めていきたいと考えています。

(産経新聞)
 これは指針という捉えでいいのでしょうか。もしくはもう少し時間をかけて、より先には条例化も視野に入っているのかなという印象も受けたのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

(知事)
 まず、先ほど申し上げたような背景がある中で、しっかり環境と経済の好循環につなげていくという重要な基本的考え方のもとに、やはり道の考え方を関係する方々に広く発信して、理解していただいた上で、良質な投資を呼び込んでいくという道の考え方を、しっかり皆さんに知っていただくことによって、さまざまなトラブルを未然に回避していくためにも、そこをまずしっかり、できるだけ速やかに検討を進めてやっていくことが大事だろうと思います。
 一方で、先ほど言ったような国政の場においてもさまざまな議論があるように、先ほどの森林法もそうですけれども、開発に係る、何と言うのでしょうか、当たり前のことですけれども、条例の中で、法律を超えてその法律以上の対応を求めるということが、建て付け上難しいというか無理なわけでありまして、そこはやはり国政の場でしっかり議論していただかなければならないと思います。私どもも、メッセージを発信するにあっても、やはり市町村の皆さんもそれぞれお考えがあります。ある意味では、地域と共生する形で適切に景観や地域にも配慮した中で、積極的に太陽光発電を長年にわたって取り組んできたような町などもありまして、今回、釧路市で起きている件については、複数の法令を遵守しない行為なども確認されているわけですけれども、そういった取り組みと、ある意味では異なった形で地域と適切に対応しているケースもあるということも事実でありますので、市町村のお話もお伺いした中で、しっかり目的が伝わる中身にしていかないといけないとは思っています。

(産経新聞)
 そうすると、条例まではいかないけれども、道としてのメッセージというか、指針みたいな形で道内全域に網をかけてというような印象でよろしいでしょうか。

(知事)
 そうですね、まず基本的考え方を共有しないことによって、なかなか地域との共生が軽視されるようなことは、われわれは望まないということを、これはメガソーラーだけに限ることではないと思いますけれども、そういう意味でしっかり発信することが大事。大事なのは、やはり良質な投資。また、地域の理解、共生、こういったものをわれわれは重要視しているのだということを、しっかり検討しているであろう、そういう方々にも伝わるように広く発信していくことが大事だと思います。先ほど言ったような法改正だとかいろいろなことも、北海道だけではなくて、他の県も含めて、知事会として対応を求めている点などもありますので、国と都道府県と市町村がそれぞれの役割を果たした中で、取り組んでいかなければいけない課題でもあると思いますので、しっかりとできることはやっていきたいと思っております。

(産経新聞)
 もう一点だけ、加えて、洋上風力の関係で、協議会の立ち上げという話もありました。この設立の目指す目標というか、いつぐらいに作ってどんな取り組みを進めていくかというところもご教示いただければと。

(知事)
 これは議会でお話しさせていただきましたけれども、秋田県と千葉県で洋上風力の事業撤退があって、かなり不安と懸念の声もあるという一方で、北海道においては、洋上風力のポテンシャルが非常に高い中で、促進区域にも指定され、また、地域においても、その可能性に期待する声もある中で、さらに公募の要件、中身についても国としてもしっかり見直しした上で、再度、取り組み自体は不変のものとしてやっていきたいという状況が示されている中で、皆さんの不安や懸念をしっかり、今の状況を例えば国にお話ししていただくなど、そういったこともやりつつ、道内のサプライチェーンや参入促進だとか、できるだけいろいろな形で経済効果をしっかりしたものにしていく、また、洋上風力への期待が揺るがぬものとして、国としても政策として進めていくということであれば、今回懸念されているようなことをどうクリアしていこうとしているのかとか、そういう正しい情報の共有も含めて、しっかりやっていかなければいけない、という考えの下で取り組みを進めていこうということです。まだ、具体的にいつ、何月何日にこういうことをやりますということは、今日、ここで発表できる状況にはありませんけれども、議会でお話ししたとおり、そのことも踏まえた中で、これもあまり時間もかけずにやっていきたいと思っています。

(Tvh)
 今日、道議会から意見書が出ていて、ヒグマのことで、緊急銃猟のこと、ハンターの処遇改善に向けて意見書が採択されましたけれども、以前から道としては、猟友会から意見をもらって、責任の問題等も、一応、国にいろいろと聞いてきた中なのですけれども、意見書については、道としてどうお考えでしょうか。

(知事)
 緊急銃猟をはじめとして、クマの出没がこれだけ増えている中で、ハンターの皆さんがそこに向き合っていただいている中での体制充実強化を、しっかり進めていかなければならないという思いは、これまで道議会も含めて、猟友会もそうですし、関係者の皆さんと同じ思いで取り組んできています。国のほうでも、これは次年度要求になると思いますけれども、いわゆるガバメントハンターのような、市町村が雇用することに対する支援の要求などもしています。今回、道としても補正予算を議決いただきましたので、必要な人員の確保や備品の購入、あとは保険の加入などの平時からの体制の整備についてもしっかり予算を議決いただいたことも踏まえて、対応していきたいと思っています。今申し上げたような国の対応、道の対応、そして市町村と連携した対応、こういう状況の中で、少しでもハンターの皆さんの懸念もしっかり解消しつつ、今、目の前にあるヒグマの出没も増加している中での対応をしっかり行って、道民の皆さんの安全・安心につながるヒグマ対策を進めていきたいと考えています。

(NHK)
 今の質問に関連してなのですけど、ご承知のようにクマの出没というのが道内をはじめ札幌市でもここのところ相次いでおります。今あったように、道議会でも意見書が採択されたりとか、道民の中にも、大変ヒグマの市街地への出没に危機感を持っていらっしゃる方も多いかと思いますけれども、道の、今後の秋に向けての対応ですとか、あと注意の呼びかけなどについて、もしあれば、まずお聞かせいただければと思います。

(知事)
 ヒグマの人身事故が札幌市西区でもありました。まずは、被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。道内各地でヒグマの出没が相次いでいる状況でありますけれども、今、札幌市西区においても、ヒグマ警報を発出していますし、注意報についても7カ所に発出していますし、本日、八雲町でも新たに注意報を発出するという状況でありまして、今までにない状況の中で、人とヒグマとのあつれきが高まっている状況にあります。
 道としては、こういった状況も踏まえた中で、前倒しして、秋のヒグマ注意特別期間として、あらゆる手段を講じた中で注意喚起を呼びかけているところですので、まずはヒグマと出会わないための基本的なルールを守っていただくということにご協力をいただきたいと思います。そして、これまで以上に、基本的なルールを念頭に十分にご注意をいただくということ。それと、皆さまに今もご協力いただいていますが、ヒグマを目撃した際に、市町村や警察への通報、これは本当に多大なるご協力をいただいておりまして、通報情報を受けて対応させていただいているところもございますので、引き続き、情報の提供をぜひ皆さまにはお願いしたいと思います。
 今回、札幌市において出没が頻発している状況がございます。自動撮影カメラの増設をはじめとして、加害個体の捕獲を最優先で札幌市としても対応していくと、昨日、市長会見もありましたし、その他会議もやられているということでありまして、道も参加させていただいていますけれども、一方で札幌市としては、これまでのような状況ではなくて、かなり頻繁に出没が相次いでいる状況の中で、札幌市の職員の方々が大変な状況にあるということでありまして、道として職員を派遣させていただいて、現地の確認ですとか、必要な助言、そして電気柵を設置しようということで、その設置協力、そして道総研のほうではこのDNAの分析など札幌市と連携して対応しているところであります。引き続き、自動撮影カメラの貸し出し、そして専門人材の派遣など、札幌市とも連携しての必要な協力をしっかりやっていきたいと思っています。
 そして、道民の皆さんの安全・安心につながるように、道としても、札幌市としっかり対応、連携して進めていきたいと考えています。

(NHK)
 ちょっと個人的にですが、知事の今のご認識としては、今年に関してはすごくクマは多分出没や目撃情報なども相次いでいると思いますけど、やはり例年にないほどの危機感は持っていらっしゃるという認識で今いらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 そうですね。そういった背景の中で、要は毎年秋のヒグマ注意特別期間は出していたのですけれども、その時点で分かっていた出没機会の前年比や過去の比較でも、当該月、今はもう月が変わりましたけれども、こういう状況になり得るのではないかということを推測した上で、専門家の助言もいただいて前倒しして、特別期間をやっているという状況であります。ですので、とにかく今までにない状況にある中での対応というのは、これは残念ながら、今、活動が活発な時期で、今日明日その状況が改善するというよりは、一定の期間続く可能性が高いと思っていますので、しっかり警戒しながら、市町村と連携して対応していく必要があるという認識であります。

(NHK)
 クマではなくて今度はシカのほうなのですけれども、シカについても、毎年秋頃になると出没が相次いで、例えば車との事故だとか、列車との事故なんかも起きていて、経済活動などにも影響を与えられるほどの課題になっていると思いますけれども、この辺のシカ対策としての、道としての対応ですとか、今後の安全運転などに対する呼びかけなどがあれば、併せてお願いできればと思います。

(知事)
 シカについても、これは個体数増加に伴う重点的な対策を行っているところでありますけれども、今、お話のあったような生息数の増加などを背景として、平成29年以降は毎年交通事故が増加して、大体平成29年までは年間2000件ぐらいだったのです。ただ、その後はもう年々増加して、昨年でいうと5460件ということで、2000件程度で推移していたものが倍以上の状況になって、昨年は過去最多という状況になっています。では、今どういう状況なのですかということで、これは一番新しい数字で見ても、直近2年の月別の発生件数は、10月と11月、今まさにその10月なのですけれども、この2カ月で年間の40パーセントが交通事故発生の重点的な期間になっているということです。このことを受けて、ちょうどこれは話題で話そうかなと思っていたのですけれども、こういった背景を踏まえて、来週から対策を強化しようということでありまして、これは国とか道とか市とか、道路というのは、それぞれ管理者が違うのですけれども、そういった道路管理者で協力しながら、来週から順次(モニターを指して)こういった道路の情報表示板で注意喚起を強化しようと、先ほど言ったように10月、11月で直近だと(年間の)40パーセントの(シカとの)交通事故が起きていますので、これはもうとにかく強化しようということで、来週から速やかにやっていこうと思います。
 それと実は、地元の方は、どこでシカが出てくるかを日常の中で分かっている方も結構いらっしゃるのですけれども、例えば、旅行で来られて、レンタカーを運転されているような方は、住んで暮らしていないので、どこで出てくるというのが日常的に分かってない方もいるので、レンタカーの会社や保険会社とも連携して、来週から、衝突事故防止のポスター掲示と呼びかけを強化していきたいと思っています。あらゆる機関と連携して警察、道路管理者、レンタカー会社、いろいろな方に協力してもらって、とにかく事故に遭わないようにしようということでやっていきたいと思います。ドライバーの皆さんにも、そういった時期だということで、特に10月、11月は40パーセントがそういう交通事故につながっているということがあるので、シカがどうしても繁殖期に入って、行動が活発化することが背景にあるのと、日没が早くなると、どうしても車の運転の時の見通しが悪いという状況も事故につながっているのではないかというところがありますので、スピードをあまり出し過ぎてしまうと、どうしても飛び出してきたときに止まれないということでもありますので、そういったことも心がけていただきながら、注意をしながら運転していただくことも、ドライバーの方にお願いしたい。行政や関係者としては、こういった対策も来週から強化して、とにかく今の状況にあった対応を強化してやっていければなと思っています。

(NHK)
 一応確認なのですけど、この対策強化というのは、毎年この時期にやっているのか、それとも、今年この傾向を踏まえて新たにやる対策という理解なのか。

(知事)
 今回、特にそういった状況を踏まえて、これはもう来週から順次やっていこうということで、今、道路管理者も含めてやっています。当然、一部やっていたりとか、そういうのもあるのですけれど、今回、来週からやるのも一斉にできるかというと、そういう部分もあって順次と言っているのですけれど、今の状況を踏まえた中で、やはり臨機応変に、できることは来週から直ちにやろうということで、道路管理者同士で共有しています。レンタカーのところは、前もやっていたと思うのですけれど、まず出没特別期間も前倒ししていますし、10月、11月を見越して、こういう取り組みを連動させてやっていくというのが効果的ではないかなと思っているので、今後さらにできることがあれば、検討してやっていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 話題変わってIRについて伺います。知事は、今定例会で、北海道が2019年に策定したIRに関する基本的な考え方を改定するとし、次期定例会に骨子を示す考えを示されました。2019年に策定した基本的な考え方には、優先候補地として苫小牧市が書き込まれています。今後示す骨子案で、優先候補地も新たに示すのか、そうでない場合はいつ頃までに優先候補地を示す想定か教えてください。

(知事)
 議会で答弁させていただいて、今ご質問いただいたとおりでありまして、考え方を改定すると。そして、今後のスケジュールとしては、この骨子を11月に開会が予定される定例会にお示しすることを議会でもお話しさせていただきましたし、今日時点で、今、皆さんの前でお話できるというのは、この範囲になるということです。議会にご議論いただいたことも、しっかり踏まえていかなければいけないと思いますけれども、市町村、そして経済団体、こういった皆さんなど、さまざまなご意見もいただかなければならないと思っています。そして、国に対しても必要な要望も行いながら、今申し上げたような北海道らしいIRの検討を進めていきたいと思っています。候補地についても、今申し上げたような取り組みを進める中での、どういう形で表現していくのか、いかないのかについても検討していくということになります。

(北海道新聞)
 関連で、今、国への要望ということもおっしゃいましたが、そもそも国は現在、IRに関して、正式には残る2カ所の候補地選定に向けたスケジュールを示していないという状況です。その中で、知事の二期目の任期も残り1年半という状況で、今任期中にどこまでIRに関する議論を進めるお考えか、現時点のイメージを教えてください。

(知事)
 今、考えているのは、先ほど申し上げたような11月(の道議会定例会)開会に向けて、骨子をお示しできるようにやっていくということです。国の動きについては、国がどうしてもやっていくことになってしまうので、国がどう考えていくのかということに、どうしてもならざるを得ないというところなのだと思います。今の時点で、国においては区域整備計画の申請受付期間などについての考え方を全く示してないという状況ですので、そういう状況も、当然意識はしながら対応していくということにはなろうと思います。

(朝日新聞)
 今のIRに関連してなのですけれども、11月開会に向けて骨子を示すということですけれども、このプロセスと、その変化させることの中身で、現時点で、言えることと言えないことがあるかもしれないのですけれども、想定している中身を教えていただければと思います。

(知事)
 そこはさまざま、この間、令和元年から現在に至るまで、コロナもありましたし、またギャンブル依存症においても、新しくネットを利用したカジノ、そういった動きなどもありました。そういう意味では、さまざまな状況もある中でのIRの経済効果の明確化もしっかりやっていかなければいけませんし、施設の機能ですとか規模のあり方、継続的な事業運営に向けた課題、また先ほど申し上げたような依存症などメリット・デメリット、この両面から論点を整理して、骨子を11月に向けてお示しできるようにやっていきたいと考えているところです。先ほど言ったように、これは道として当然やっていくのですけれども、市町村ですとか経済界、いろいろな皆さんの意見もいただきながらやっていくということで考えていますので、そういった考え方の下で、北海道らしいIRの検討を進めていければと考えています。

(日本経済新聞)
 関連して、道の考え方の部分なのですけれども、トーンとしては、基本的にニュートラルなものになるのか、それとも誘致に前向きな姿勢として打ち出していくものになるのか、その辺いかがでしょうか。

(知事)
 道における総合計画においても、IRについては、その可能性というものを、非常に経済的な効果もありますし、そこはIRについて位置付けています。そういった考えの下で、今、令和元年に作った考え方がありますから、そこからはだいぶ時間も経っていて、必要な改定を行っていくということです。一方で、先ほど他の記者の方からご質問がありましたけれども、大阪府以外の取り扱いがどうなるのですか、ということなどについても、まだ何もないという状況ではある中で、その北海道らしいIRの考え方については、整理をしていこうというのが、今の道の立ち位置というか、考え方です。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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