知事定例記者会見(令和7年8月29日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和7年8月29日(金)16:08~16:52
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/18名(テレビカメラ1台)

全景

顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 「ほっかいどう秋の大収穫祭」について
  2. 「北海道マラソン2025」 「はまなす車いすマラソン2025」について

記者からの質問

  1. ヒグマ対策について(1)
  2. 上富良野駐屯地へのスタンド・オフ・ミサイル配備について
  3. ヒグマ対策について(2)
  4. 三菱商事連合の洋上風力発電事業の撤退について
  5. 泊発電所について(1)
  6. メガソーラーについて
  7. 泊発電所について(2)
  8. カムチャツカ半島付近の地震に伴う対応について
  9. 泊発電所について(3)

知事からの話題

ほっかいどう大収穫祭の開催について

 私から話題について二点お話しさせていただきます。
 これから、実りの秋を迎えるわけでありますが、昨今の米価格の高騰など、農業に地域の皆さまがご注目いただく中、北海道が食料供給地域としての重要な役割を着実に果たしていくためにも、生産者と消費者の距離を縮めて、共感し、応援していただくことが大切であります。
 そのため、10月3日金曜日から5日日曜日の3日間、赤れんが庁舎前庭「赤れんがガーデン」と、札幌市北3条広場「アカプラ」において、本道の豊かな大地が育んだ秋の恵みが、道内各地から一堂に会するイベントとして、「ほっかいどう秋の大収穫祭」を北海道の主催によって開催させていただきます。北海道の「食」と「農」を多くの皆さまに、食べて・知って・体験していただけるような機会として、今年度初めて開催させていただくものであります。
 具体的には、全道14振興局から33の市町村などの生産者の皆さまや、JA青年部など15の農林水産関係団体の計48団体が出店いたします。この秋に採れたばかりの新米、新じゃが、旬の野菜や果物など、さまざまな農林水産品を消費者の皆さまに対面販売させていただきますほか、フライドポテトやチーズ、ローストビーフ、ホタテ焼きなど、美味しい道産グルメの提供、抽選で道産食材などが当たるデジタルスタンプラリー、漫画家の荒川弘さんの人気コミックが原作のアニメ「百姓貴族」に関する体験型イベント、農業漫画「十勝ひとりぼっち農園」の作者の横山裕二さんによるスペシャルトーク、農業高校生による座談会など、子どもから大人まで幅広い世代が楽しむことのできる催しも盛りだくさんの内容となっています。多くの皆さまに会場に足を運んでいただいて、爽やかな秋空の下で、北海道の「食」と「農」の魅力を存分に楽しんでいただければと思います。
 なお、本日から特設ホームページを開設させていただきます。開催告知動画をYouTubeチャンネルにて公開し、出店者の情報などを随時、特設のホームページでアップさせていただきますので、ぜひこちらもご覧いただければと思います。

北海道マラソンの開催について

 二点目でございます。
 「北海道マラソン2025」、「はまなす車いすマラソン2025」についてであります。8月31日日曜日に、夏の一大イベントとして開催されます。マラソンについては、東京2020オリンピック競技大会のマラソンコースを基本としたレガシーコースを、道内外から参加の2万人以上が駆け抜けるほか、車いすマラソンについてはハーフマラソンとショートレースが行われ、合わせて100人以上が参加する予定になっています。
 今年の北海道マラソンでありますけれども、2028年ロサンゼルスオリンピックの日本代表を決めるレースの一つと位置付けられています。全国のマラソンファンからも大きな注目を集めています。今年は大変暑い日が続いているところでありますけれども、出場される選手の皆さまには、熱中症対策、体調や安全に十分ご留意いただきながら、それぞれの目標に向かってベストを尽くしていただきたいと思います。
 道民の皆さまにおかれましては、本大会の成功に向けて、交通規制などへのご理解とご協力をお願いいたしますとともに、熱中症に気をつけながらでありますけれども、暖かいご声援を送っていただければうれしく思います。今年は、ゴール直前の赤れんが庁舎の改修工事が終わりました。(工事用の囲いに)覆われていたわけでありますけれども、これが取れて、再びランナーの皆さまをお迎えできるという環境にもなっています。私も当日、車いすマラソンのスターターなどとして参加したいと思っています。ランナーや道民の皆さん、ボランティアやスタッフの皆さんとともに、大会を盛り上げることができればと思っています。
 私からは以上です。
 

記者からの質問

(TVh)
 まず緊急銃猟に関してのお話でお伺いしたい内容がございます。猟友会は捕獲従事者の責任などについて不安払拭を図るため、回答を国に求めていました。道としても、国に説明を求めてきたと思います。国から回答が26日にあったというお話を伺いましたけれども、そういった内容は、教えていただくことできますでしょうか。

(知事)
 今、ご質問にあったとおり、道から環境省に照会しておりました。
 北海道の猟友会からは、緊急銃猟に伴い、人身事故が発生した場合の捕獲従事者の責任、銃砲所持許可の取り扱い、さらには捕獲従事者の自損事故への救済措置といった三点について、確認ということで照会していました。
 今、ご質問にもありましたけれど、26日に環境省からは、緊急銃猟は、市町村長の安全確保の下、実施され、通常、捕獲者の責任を問われることにはならないということ。銃刀法に基づく銃砲所持許可の扱いについては、緊急銃猟制度の背景をよく知る警察庁において適切に対応していきますということであります。また、捕獲従事者の自損事故に備えて、市町村があらかじめ保険に加入することを推奨していますということで今、三点こちらから照会した内容について回答がありました。この回答でありますけれども、国から一定の考えが示されたものと受け止めています。
 こうした国からの回答については、道の担当者も同席の上で、国の担当者から直接、猟友会に対して、丁寧に説明をしたというところであります。引き続き、市町村や猟友会の方々の不安解消に向けて、猟友会などからのご質問、ご意見に対応していくということと、緊急銃猟に備えた訓練を積み重ねていくなどしながら、市町村、道警察、関係団体の皆さまと連携して、道民の皆さまの安全・安心が確保されるようにしっかりとヒグマ対策に取り組んでいきたいと考えています。

(TVh)
 ちなみに猟友会に説明されたのはいつになりますでしょうか。

(知事)
 文書が26日に来て、説明については(道の担当者の)同席の下、本日対応いただいたと(事務方から)報告いただいています。

(TVh)
 先ほど保険の加入を推奨するというお話がありましたけれども、保険に入るための加入の費用の負担については誰が持つのでしょうか。

(知事)
 これは市町村が加入する保険ですので、市町村に負担が生じるということなのですが、緊急銃猟に伴う市町村の負担への支援については、道として検討しているところです。

(TVh)
 猟友会に聞きましたら、今日、各支部に発砲要請を拒否しても良いとする通知を送るというお話をしていました。ガイドラインにも載っていることですので、ハンターの権利でもあるというのは重々承知しているのですけれども、やはり責任問題を恐れ、なかなか駆除に踏み切れないということもあるかと思います。今、保険に加入すればという話もありましたが、やはりちょっとそこが不安を払拭できるのかできないのかというのは、ハンターのそれぞれに任せられるということですので、やはり困るのはハンターやそこに住む人たちかなと考えています。結果として、各支部に通達するということについては、どのように受け止めますか。

(知事)
 そこは、猟友会からもお話もお聞きしています。今回、環境省への照会も一緒に(道から)しましたし、回答についても同席をして国から説明いただいて、必要な確認なども行いましたので、まず、この猟友会として三点、それぞれ回答がありましたので、これを各支部で共有しなければいけないということや、保険加入などについても、やはりあらかじめ確認していく必要があるということだと思いますので、そこは安心して、猟友会の皆さんが判断をできるように、道としても不安解消に向けて、猟友会とも連携して対応していきたいと思っております。
 いずれにしても、猟友会の皆さまにこれまでさまざまご協力をいただいてきたわけでありまして、そういった危険も顧みず、ご協力いただいているわけですので、その不安に寄り添って対応していくことが大事だと思いますし、そのことが道民の皆さまの安全・安心にもつながることでありますので、これまで同様、引き続きしっかり対応していきたいと思います。

(北海道新聞)
 安全保障について質問させていただきたいのですけれども、防衛省が今日、敵基地攻撃能力を持つ長距離ミサイルのスタンド・オフ・ミサイルの配備場所を公表して、道内では26年度中に陸上自衛隊の上富良野駐屯地に配備されるということが発表されました。防衛省はかねてから設置する自治体に丁寧に説明するということを言っていますけれども、既に道にも説明があったのかも含めて、今回の決定の受け止めをお願いいたします。

(知事)
 本道の安全保障環境が急速に厳しさを増している中で、道では道内全市町村で構成する北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会と連携して、道内自衛隊の体制や機能強化が図られるように国に求めてきたところであります。こうした状況がある中で、先週22日金曜日に、道防衛局から、担当部局に対し情報提供があり、また、本日午前にあらためて説明があったと報告を受けているところであります。
 ご質問のありました、国産スタンド・オフ・ミサイルの配備でありますが、国家防衛戦略に基づき、わが国の防衛力を強化する上で重要なものであると認識しております。認識しておりますけれども、道としては、道民の皆さまの生活に不安や支障を与えることがないように、国防を担う国の責任において、丁寧な説明、情報提供を行っていただきたいと考えているところでございます。本日、先ほど申し上げたように、道防衛局から説明を受けた際、担当部局から、今申し上げた旨申し入れを行い、道防衛局からは必要な情報提供などについて努めていく旨も回答いただいていることも、併せて皆さんと共有したいと思っています。
 今後とも、道防衛局、関係自治体とも、情報共有を図りながら適切に対応していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今の回答でちょっと重複する部分もあるかもしれないのですけれど、長距離ミサイルということで、近隣諸国との緊張が高まるとか、そういう地元住民の不安が根強くあるとか、そういう状況の中で、道としては今知事がおっしゃったような申し入れをしたとともに、今後何かあれば、随時防衛局のほうとは意見交換なり、情報共有なりを図っていきたいというふうなお考えだということでよろしいでしょうか。

(知事)
 これまでも情報共有というか、必要な共有は求めてまいりました。これは、訓練をはじめさまざまな場面で求めてきました。今回についても、お話がある中で必要な申し入れも行わせていただいておりますので、また、その必要な情報提供などについては努めていく旨の回答もいただいておりますので、その状況も含めて、われわれとしては適切に対応していきたいと思っています。

(NHK)
 先ほどのヒグマの関係も含めて、何点か質問があるのですけれども、今日、猟友会が出した通知についてなのですけれども、弊社の取材の中で、通知の中に書かれていた内容としては、捕獲者の留意事項として、たとえ市町村長が安全であると、設置したエリアであっても、跳弾の判断など自分で確認して、猟銃の実施に懸念がある場合は、ハンターの判断で中断または中止して、市町村の職員に伝達することというようなことが書かれていました。今回、道を通じて国にもいわゆる懸念部分についての確認をしていたかと思うのですけれども、そのハンターの方たちのまさに一番懸念しているところというのは、仮に跳弾などをした場合に、鉄砲の猟銃許可が取り消されるのではないかという部分が一番の懸念だと思うのですけれども、その国からの回答ではさっき知事もおっしゃってくださったように、いわゆる警察庁において、適切に判断するというような回答になっていて、ここの部分がややその心配が、完全に払拭できないという部分につながっているのかなというふうに、話を聞いていても思いました。この点についてはなかなか行政的には、「完全に100パーセント間違いなくあなたのその責任は免れますよ」ということを明記するというのも、なかなか難しいのかなという部分もあるのですけれども、その点についての猟友会の心配という部分について、知事は今どのように受け止めてらっしゃるかというのをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 今ご質問にあったとおり、苦労して所持を許可されて、対応している中で、そこへの懸念ということが、各猟友会支部、また猟友会としてもお持ちであるということの上で、この照会も求めたというところです。
 今回の三点の回答については、猟友会としても一定の理解はしているわけでありますけれども、そのことも含めて、それぞれの猟友会支部にしっかり情報を共有した上で、各判断をしていただくということから、通知文の詳細はまだ私は見ておりませんけれども、そういった対応を取られているのだと受け止めています。今ご質問にあったとおり、さまざまな背景のもとで、その全ての責任が問われないということは、なかなか明言ができない難しさがあるとは思うのですが、ただ今回、この緊急銃猟制度の背景をよく知る警察庁において、全国的な対応をしっかりしていくということが示されたということ自体は、やはり一定の理解というところに、猟友会の受け止めとしてはつながっているのではないかと思います。
 ただ、いずれにしても、今回の回答もそうですし、過去の状況などもある中で、さまざま猟友会の支部において思いがありますので、まず共通の情報を共有した上で、先ほど申し上げたような、猟友会の方々の不安解消に向けて、われわれだけではなくて国も含めて、しっかり向き合って対応していくということが大事だと思いますので、これで全てが終わりということではなくて、しっかり引き続き対応していくということが大事かと思います。

(NHK)
 もう一点、話が変わってしまうのですけれども、今週、三菱商事が洋上風力発電事業を巡って、採算性などを理由に事業撤退するということを表明しました。これについては、道内でも洋上風力の促進地域の指定などで、事業化に向けた動きというものが進んでいますけれども、今回の三菱商事の事業撤退について、北海道が今進めているこうしたその事業への影響の有無について、今どう考えていらっしゃるのかご見解を伺います。

(知事)
 今ご質問にありましたとおり、8月27日、最初の公募で発電事業者となった三菱商事連合が、秋田県と千葉県の3区域で進める洋上風力発電所の建設計画から撤退するということで、公表がありました。このことは承知しているところです。今回の件でありますけれども、国においては、洋上風力は再エネの切り札として、この洋上風力プロジェクト、国の再エネ政策に大きく影響を与えるということになるほか、これまでご協力をされてこられた地元の皆さまの期待を、ある意味では裏切ってしまったということでもあると思いますから、再エネのポテンシャルが非常に高い北海道でありますが、そういった観点からも、遺憾であるというところであります。
 私が言うまでもございませんけれども、三菱商事は日本を代表する企業です。公益性の高い事業を手がけている責任と、そして国内他地域における案件への影響につきましても、あらためて重く受け止めていただくことが必要ではないかと思います。今申し上げたとおり、北海道は風力発電においては、国内最大のポテンシャルを有しているところでありますし、また7月に松前沖・檜山沖が促進区域に指定されたところでありますので、私も先日、道南地域を訪問させていただいた際には、地元の方々からは、今後の公募への影響についての不安の声についても、訪問する中で、直接お聞きしたところでもあります。今回のプロジェクトの撤退によって、今後のスケジュールによっては、松前沖・檜山沖について、公募の開始時期などのプロジェクトの進行に遅れが懸念されるということであります。このため、道としては、27日の当日でありますが、国に対して、道内のプロジェクトに対する影響が懸念されることを踏まえ、地元の不安を払拭するため、今後の見通しなどに関する正確な情報をできるだけ早期にお示しいただくようにということで、申し入れを行ったところであります。また、本日、経済産業大臣が会見において、三菱商事が撤退に至った要因は、しっかり検証していくということ、そして地元のご意向を踏まえて、再公募を速やかに検討していくこと。事業環境が変化する中でも、洋上風力プロジェクトが着実に実施できるように、必要な制度見直しを含め、事業環境整備を進めていくということで、発言があったということです。国においては、本件についてしっかり検証していただくということと、速やかに公募制度の見直しの検討を進めていただきたいと考えています。国や関係機関とも連携しながら、この再エネの利活用拠点、地域と共生したゼロカーボン北海道に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 話題変わって原発の関係でお聞きします。原発立地地域の振興に関する特別措置法の関係です。石破総理は今日の午前、原子力関係閣僚会議で、特措法の対象地域を拡大する方針を示しました。知事はこれまで対象拡大を求めてきましたが、政府の方針について、現時点で考えを教えてください。

(知事)
 本日、今ご質問のあった原子力関係閣僚会議において原発特措法の対象地域、おおむね30キロメートル圏内に拡大するということによって、インフラ整備支援を拡充するなどといった方針が示されました。原子力災害対策重点区域の指定に伴って、防災対策の強化が求められた地域では負担のみが増大しているということで、私も原子力発電関係団体協議会の会長として、原発立地地域の振興に関する制度の見直し、予算、財源の確保については要望などを行ってまいりました。
 また、先般、理解要請ということで、資源エネルギー庁長官が来られて、その際にも、原発に関する道民の皆さまへの丁寧な説明、そして安全対策の徹底などに加えて、原発立地地域の振興に関する制度の見直しなどを、直接、エネルギー庁長官にも要望をさせていただいたところでありまして、このたび、国として、関係閣僚会議において、この考え方、方針が示されましたので、こうしたわれわれの声を受け止めた上で制度の見直しの方針決定がなされたと考えています。
 しかしながら、この見直しの詳細については、今後、国において検討が進められて明らかになっていくということでありますので、そういう意味では、こうした国の詳細な検討状況というものを注視していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今のご発言と重なるのですけれども、取材をすると、今回新たに対象となる自治体からは、どのような施設が対象になるのかですとか、あとは補助率をもうちょっと増やして欲しかったといった声が聞かれました。この対象拡大による恩恵、メリットを知事は現時点でどのようにお考えか、また今後、立地地域の振興で国に求めたいことがあれば教えてください。

(知事)
 やはり範囲拡大されるという点においては、負担のみが増大しているのだという中で、そういった考え方、方針が示されたことについては、われわれの声を受け止めていただいたと。そして、この見直しをするということで方針を示していただいたということは、受け止めるわけでありますけれども、今、まさに地域に聞いていただいて、ご質問の中にも触れていただいたように、中身がまだ分からないという状況なので、その点はぜひ、今までも地域として、さまざまな要望や、地域の不安もお話ししていますので、ぜひこの制度詳細をつくり上げる上においては、北海道だけではなくて、原発立地地域全体の共通の課題なので、そういった地域の声を聞いていただいた上で、詳細な制度設計に向き合っていただくことが大切かと思っています。その上で、今後、考え方は出てくると思うので、そこは注視していきたいと思っています。

(産経新聞)
 前回も会見でお伺いしていますが、メガソーラー関連で二点お聞かせください。政府は使用済み太陽光パネルのリサイクル義務化を断念しています。リサイクルされるべきパネルですが、2030年の後半には、耐用年数を超えた廃パネルが全国で大量発生するということはもう皆さんご存知のとおりなのですが、この処理に関わるさまざまな懸念がいろいろくすぶっていることも知事はご存知かと思います。こうした中にあって、新しい太陽光発電事業というのは今も着々と整備が進んでいまして、問題は解決されないというような状況なのですが、このリサイクル義務化を断念に対する知事の率直な受け止めを、お聞かせいただければと思います。

(知事)
 当然設置されれば、その使用期限が過ぎた場合、廃棄などは課題であると。特にこの再エネを促進して、全国のかなり広い範囲において、太陽光発電に必要なソーラーパネルなどが設置された中で、国会においても、今後の取り扱いがさまざま議論なされてきたものと承知しているところであります。
 リサイクルはもちろん、使用できるものについては有効な資源として活用していくことは重要だと思いますが、現に設置されて、その処分の問題というのはリサイクルの難しさとともに残る課題だと思いますので、国としての対策については、今後もしっかり検討を進めていくことが重要だと思いますし、また、リサイクルの課題もある中での、太陽光の設置のあり方についても、さまざまな新しい技術なども出てきた中で、既存の太陽光パネルとはまた違った形での太陽光発電の手法も出てきています。
 特に海外に依存しない形で、国内で製造が可能なものを進めていく必要性などの議論も行われていますので、いずれにしても、エネルギー資源の乏しいわが国において、エネルギーの活用や導入によってもたらされるさまざまな課題については、しっかり向き合っていくことが重要であると思っています。

(産経新聞)
 もう一点お聞かせください。太陽光の発電設備に関連して設置を規制する条例というものを、全国で300を超える市町村が制定しているということが分かりました。都道府県の単位でも9つの県、青森県なんかがそうらしいのですが、制定しています。北海道において、この条例というのはですね、導入できれば179市町村全てに網をかけるというかカバーできることになって、条例が既にある自治体と、なくても道の条例で守られるというか、グレーな事業が進めにくくなるということが考えられますが、知事のほうとしては、北海道としての条例制定に向けたお考えというのは、いかがかなと思いまして、お伺いしたいと思います。

(知事)
 これは議会議論でもあったことであります。ある意味で市町村も、それぞれ、例えばエリアを指定した中で、ポジティブなゾーン指定をして、ぜひこういうエリアに誘致をしていきたいということであったり、また、逆に言えば、それ以外の地域での推進に対しては慎重な思いもある。または、その太陽光のパネル設置に対して、景観であったりだとか、地域におけるさまざまな課題を抱える中で、慎重に考えている、そういった市町村など、一様ではないそういう179市町村の状況があると感じているところです。
 当然のことながら、さまざまな開発行為などについては、環境と経済の好循環を目指す取り組みとしてのゼロカーボン北海道の実現のための関係法令を遵守し、また、その地域の理解と共感を得ながら、しっかり事業を進めることが叶わなければ、例えば一定のそういったルールを、事業者として踏まえた上でも、地域の理解が得られないことによって、その事業を停止したり、または、事業実施を諦めるという状況にも一部なっているわけでありまして、そういった意味では、地元の理解と共感も得ながら、丁寧に説明会を行うなど対応をしていかなければならないと思っています。そういった背景がある中で、道として一律に条例制定するということを、直ちに今考えている状況ではないということで、議会でも、お話しさせていただいているというところです。

(北海道新聞)
 北海道電力泊原発3号機の再稼働に関して伺います。北海道は9月20日から後志管内で住民説明会を開く方針を固めたという報道もありましたけれども、あらためて、知事がこの再稼働の是非を判断するに当たって、道民世論、道民の声をどのように把握し、どのように集約していくか、お考えを伺います。

(知事)
 この場でも何度か申し上げてきたと思うのですけれども、先行県においては、住民の皆さまを対象とした説明会の開催や、関係自治体からの意見聴取などを経た上で、地元知事が再稼働の是非を判断するといったプロセスをとられているという状況です。道としては、こうした先行県の事例も参考とさせていただきながら、道議会での議論も踏まえて適切に対応していく考えであります。
 今、説明会のお話がございましたけれども、現在、立地自治体であります泊村をはじめ、共和町、岩内町、神恵内村、さらにはUPZを含む後志管内での説明会の開催に向けた準備を進めているところであります。また、先行県では一部を除いては、立地自治体、及びUPZ圏内の自治体で説明を開催しているところなのですけれども、やはり、道としては、より丁寧な対応が必要だと考えておりまして、こうした地域以外での説明会の開催についても検討を進めている状況であります。

(北海道新聞)
 道民の声を聞くというのに当たって、住民説明会以外での手段、方法というのは何か検討されているものはありますでしょうか。

(知事)
 今、まず説明会自体も検討を進めている状況でありますが、いずれにしてもさまざまな形で道民の皆さまからの声をお伺いできればとは考えています。

(北海道新聞)
 最後もう一点、先ほど先行県の事例の中で首長との意見交換というお話が出ましたけれども、知事はかねがね、関係自治体、道民の声などを踏まえてというふうにお話されていますけれども、この関係自治体、首長たちの声を聞く手段方法というのは、現時点で考えられていますでしょうか。

(知事)
 そこは先行県の取り組みを参考にしながら、今後考えていきたいと思っています。

(北海道新聞)
 現時点で、全道の首長であるとかあるいは市長会とか町村会とか、そういった何か具体的なイメージを持ってらっしゃるわけではないということですか。

(知事)
 関係自治体ですね。関係自治体の皆さまの声を先行県では聞いているということを参考にしながら考えていきたいと思います。

(NHK)
 もう一点ちょっと追加で聞きたかったのですけれども、明日でカムチャツカの地震の津波警報などから1カ月というタイミングになります。弊社がちょっといろいろ取材とかをしていると、浸水地域に市庁舎とか役場とかがある自治体の中では、今回の警報の発令によって、一時的に庁舎を代替して対応したというケースもあったのですけれども、その代替施設のところで、例えば防災行政無線がなかったりとか、いろいろな課題というものが見えてきています。今回の警報や注意報の発令に当たっては、道のほうでも、例えば避難の際に車が使われて、渋滞が発生したとか、今、さまざまな課題について市町村から意見を聞いたりして情報を取りまとめている最中だと思いますけれども、先週も聞いてしまって恐縮なのですが、あらためて今、その知事の中で、今回の先月の対応を踏まえての対応についての課題ですとか、今後の対応についてのこういうことやっていかなければいけないというような必要性などについて、ちょっと現時点でのお考えを伺えればと思います。

(知事)
 今、ご質問の中でもありましたけれども、今回の対応については、庁舎移転に時間を要したということなどによって、避難指示の発令、そして、Lアラートでの発信が遅れたという市町がありました。こういったことや、自動車避難によって渋滞が発生しました。また、避難所などにおいては暑さ対策が脆弱だったということ。また、道においても、被害状況、そして避難者数の取りまとめに時間を要したことなど、課題が明らかになりました。やはり皆さんが、課題などを把握しているうちに、速やかに振り返りを行おうということで、市町村の協力も得て、早急に振り返りを行って、すぐに見直しを行うという考えの下で、今月、市町村に対して、避難発令基準の緊急点検を要請して、そして、市町村職員向けの防災情報システム入力マニュアルの修正も行いました。また、先週22日には、実際に、道と市町村でLアラートの訓練も行ったところであります。今後とも、市町村、防災関係機関と連携して、避難時の渋滞解消対策、避難所などの熱中症対策、そしてご質問にありました市町村の代替庁舎での災害対応力の強化などの検討を進めて、防災計画の修正、防災教育・訓練に適切に反映するということのほか、このたびの対応で各県共通した課題などについては、国にも要望する必要があると考えていますので、このことも検討していきたいと思いますし、いずれにしても、今回の件が、防災・減災対策の強化につながるように取り組んでいきたいと考えています。

(HBC)
 先ほどの泊原発の住民説明会の関連についてです。道が主催する後志地域の住民説明会というお話でしたが、北電も各地で説明を行っているわけですが、道が開くこの説明会ではどのように中身を分けて、その役割を果たしていくお考えでしょうか。

(知事)
 これは北電が電力事業者として、説明会については既に開始し、行われています。これとは別に、道が主催して、北電と国にも参加いただいた中で、説明していくということでありまして、そこは違いますよね。電力事業者が主催して、自ら説明するものと、道が主催する中で、丁寧な説明をわれわれが国と電力事業者に求めている。そういう中で必要な説明を行っていただくと。こういう違いがありますので、そこを検討しているところです。これは、各県、先行県においても、そういった形で説明が行われていると承知しています。

(HBC)
 もう一点、電気料金の関係です。北電は再稼働と併せて電気料金の値下げを検討しているのですが、知事としてはその値下げの幅というのは、再稼働を判断する上で、何か評価の軸になるとお考えでしょうか。

(知事)
 皆さんご承知のとおり、北電の電気料金については全国的にも高い水準にあります。道民の皆さまの生活、そして道内経済に大きな影響を与えているという中で、北電は泊発電所の再稼働に伴う電気料金の値下げについて、一定の前提の下で試算して、2025年中に示すことができるよう検討を進めているということで、北電は発言しているところであります。そして、電気料金については、先ほど申し上げたようにさまざまエネルギー価格が高騰しているという状況の中で、道民の皆さまの関心も高いわけであります。値下げの考え方については、北電が道民の皆さまに対して丁寧に説明していくことが重要であると考えておりまして、引き続き、北電の動向には、注視をしていきたいと考えています。再稼働については、これは申し上げていますけれども、道議会や関係自治体、そして道民の皆さまの声などを踏まえて総合的に判断していくという考えです。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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