知事定例記者会見(令和7年8月22日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和7年8月22日(金)15:05~16:17
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/22名(テレビカメラ1台)

記者会見全景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 秋のヒグマ注意特別期間について

記者からの質問

  1. ヒグマ対策について(1)
  2. ヒグマ対策について(2)
  3. ヒグマ対策について(3)
  4. ヒグマ対策について(4)
  5. IR(統合型リゾート)について
  6. 浜里ウインドファームのバードストライクについて
  7. 釧路市のメガソーラーについて
  8. 泊発電所について
  9. 異常気象への対策などについて
  10. ノースサファリサッポロへの補助金などの支給について
  11. 赤れんが庁舎の入館者数について
  12. 北海道日本ハムファイターズ2軍施設の移転について
  13. 令和7年度災害通信連絡訓練(Lアラート訓練)について

知事からの話題

 私からは一点お話しさせていただきます。
 先週8月14日、知床・羅臼岳において、登山中の男性がヒグマに襲われてお亡くなりになる事故が発生いたしました。心より哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔やみを申し上げます。事故の発生を受けまして、北海道、斜里町をはじめとして、関係機関が連携いたしまして、羅臼岳では道警察のヘリ、道消防防災ヘリで入山者71名の救助を行いましたほか、登山道を速やかに閉鎖し、二次被害の防止を図りながら、警察やハンター、知床財団の方々が、被害者の捜索、ヒグマの探索を行って、翌15日にヒグマを捕獲いたしました。道総研(北海道立総合研究機構)による分析の結果、19日、加害個体であることが判明いたしました。斜里町役場職員の皆さんをはじめ、道警察、ハンターの方々など、関係の皆さまの多大なご協力に対し、心から感謝を申し上げます。
 一方、今回の人身被害の加害個体は、捕獲されましたけれども、斜里町や羅臼町と協議の上、ヒグマ注意報が継続しております。両町とも連携して、引き続き注意喚起を行っているところでございます。今回の事案に関しましては、登山者への注意喚起のあり方など、環境省、林野庁などの関係機関とともに、有識者のご意見も伺いながら、必要な検証を行い、人身被害の発生防止に努めていく考えでございます。知床国立公園では、これまでも地域全体で人と自然との共存に向けた取り組みを行ってきております。ヒグマへの餌やり、そして、著しい接近は自然公園法で禁止され、罰則もあります。多くの方々に知っていただくことが必要です。安易なヒグマへの餌やりが、新たな被害の発生にもつながることから、餌やり禁止のルールは全ての人に守ってもらいたいと思います。
 また、先月、福島町での人身事故の際も記者会見でもお話しさせていただきましたが、今回、道のヒグマ対策室には、お電話、メールなど合わせて160件以上のご連絡をいただいております。斜里町には100件以上のご意見をいただいております。人身事故の発生防止のために、適正に行われた捕獲に関して、皆さまの安全、そして生活を守るために必要な行為であるということを重ねてご理解いただきたいと思います。ハンターの方々は、自らの危険を顧みず捕獲に従事いただきました。ヒグマの有害捕獲の重要性については、道内外の皆さまにご理解いただきたいと思いますので、160件以上、また100件以上、まださらにご連絡いただいておりますけれども、こういった対応にわれわれどうしても時間が割かれるわけでありますが、先ほど申し上げたようなさまざまな対策を人命最優先で取り組んでいる中で、こういった捕獲の状況をご理解いただいていない中で、もう100件、160件とご連絡をいただくということでありますので、前回も申し上げましたが、電話をする前に、まずどういった状況なのかということを理解した上で、冷静な対応をお願い申し上げたいと思います。
 道内では今年度に入ってから既に3件の人身被害が発生しています。道警に寄せられた7月の月別目撃通報件数でございますが、過去5年間で最多となった一昨年の534件を上回っておりまして、集計中でございますけれども、700件程度となっているというところでございます。クマの出没傾向が例年とは異なっていると言えると思います。また、現在、道内5カ所にヒグマ注意報を発出しているところであります。上ノ国町は本日までの期限であったわけでありますが、町との協議の結果、1カ月間延長となりました。依然として人里周辺での出没が相次いでいるという状況にございます。今年度は市街地周辺での目撃情報が多く寄せられています。人とヒグマの共生を掲げてきた知床でも人身被害が発生するなど、これまではクマの心配をしたことがない場所、場面でも、より注意が必要な状況になっています。さらに、例年秋にはキノコ狩りなどで、野山に入る機会が増えるということと、ヒグマも冬眠に向け、エサを求めて活発に活動するということがございますので、人とヒグマが不意に遭遇するという人身事故が発生しております。このため、道では例年9月1日から始めておりました「秋のヒグマ注意特別期間」を初めて前倒しすることといたしました。本日8月22日から10月31日までを期間とし、道民の皆さまに対し、ホームページやSNSなどを通じて注意喚起を呼びかけてまいります。野山では、ヒグマに遭遇する恐れがあることから、スライドでお示ししております「ヒグマと出遭わないために」という基本的なルールを守っていただくほか、人里周辺で出没が相次いでいることを忘れずに、これまで以上に注意を払っていただくことをお願い申し上げます。また、ヒグマが出没している地域では、ヒグマに出遭わないための基本的なルールを守っていただくと。そして万が一、人里周辺などでヒグマを目撃した際には、市町村、警察にご連絡いただくということでお願いしたいと思います。報道の皆さまにも、ヒグマ関係においてはさまざまなご理解とご協力をいただいて、報道対応いただいているところでございますので、今こういう状況にもございますので、引き続きのご協力をお願い申し上げます。
 そして今後の対応で、ヒグマ対策に関して、現在、ヒグマ注意報、警報の運用を行っていますけれども、市町村からご意見を伺っています。注意報などの発出に伴って必要な対応、行動を明示していただきたいなどのご意見もございますので、必要な点検を行っていくということと、出没が相次いでおりますので、対応に苦慮している市町村の皆さまには、道のほうから「ヒグマ専門人材バンク」に登録している高い専門性を持った人材を派遣し、電気柵、自動撮影カメラの貸し出しなどの支援も行ってまいります。また、8月8日に実施した町村会との意見交換におきましては、必要な予算の確保をはじめとして、「ハンターの育成・確保」、「ゴミの啓発など出没抑制対策」などのご意見をいただきました。市長会、町村会と連携して、交付金の確保なども含めて、速やかに国に要請を行ってまいります。
 9月1日からは、改正鳥獣保護管理法の施行に伴って、緊急銃猟が可能となります。これに併せて、昨日は国主催によります訓練が下川町で行われましたけれども、このほか、道といたしましても、道内4カ所で、関連機関とともに訓練を行ってきているところでございます。道としては引き続き、市町村、道警察、関係の皆さまと連携いたしまして、緊急銃猟への対応も含め、道民の皆さまの安全・安心が確保されるよう、ヒグマ対策について万全を期してまいりたいと思いますので、ぜひ、引き続きの道民の皆さまのご理解、ご協力をお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上です。

記者からの質問

(NHK)
 何点かありますけれども、まず冒頭、知事のご発言の中でありました今回の羅臼岳の一件に関して、有識者などに必要な意見を聞いて検証していく、という発言があったかと思いますけれども、これは昨日行ったような、いわゆる緊急の連絡会議みたいなものとは別に、今回の事案に特化して、検証などをしていくという理解でよろしいのかどうか、お願いします。

(知事)
 昨日行った(ヒグマ対策関係者会議の)中でも、被害に遭われた中で、スプレーの所持だとか、また、走って駆け下りていた状況など、知床財団をはじめとした皆さまで、例えば、ヒグマスプレーについては、強くおすすめをしているわけでありますし、また、下山にあって、やはり単独で駆け下りるリスクもあります。ですから、そういったことにつきましても、よりしっかり注意喚起していかなければいけないということでありますが、状況が判然としているものだけではないわけでありまして、追加で検証した中で出てくることもあろうかと思いますので、そこは、昨日行ったものプラス、いろいろな方のご意見もいただきながら、しっかり今回の件というのを教訓としながら、対応していきたいという趣旨で申し上げたところです。

(NHK)
 何か会議体みたいなものを立ち上げるとかというわけではなくて、いろいろな情報共有した上で、継続的にやっていくというものなのでしょうか。

(知事)
 はい。昨日の(会議の)中でも全てが全て答えが出たわけではございませんので、そういったことも踏まえて、対応していくことになるということです。

(NHK)
 二点目なのですけれども、先ほどもちょっと言及されていたかと思いますが、道内では今回の人身事故に限らず、各地で出没が相次いでいますけれども、やはり町村会などからは、人的にも財政的にも負担が増しているというような声があります。国に早急に要望していくという話もありましたけれども、具体的にどのような側面をお伝えしていこうと思っていらっしゃるか、また国への要望というのは、知事が直接行こうと思っていらっしゃるのか、そのあたり具体的に、もしありましたらお聞かせください。

(知事)
 ここは、市長会や町村会とも内容も含めて詰めるということと、それとともに、これは早くやったほうがいいだろうということで、市長会と町村会ともお話しさせていただいておりますが、一方で、誰が行くかと日程調整という事務的な話になって恐縮ですけれども、そこら辺を詰めた上で、今こういう状況ですので、前倒しで、この期間も行っていく。緊張感も高い中でありますから、速やかに行いたいと思います。私自身が対応するかどうかについても、今申し上げた内容や、誰が要請に行くかということも引き続き調整していきたい。いずれにしても、市長会、町村会とも思いは一つでございまして、先ほど言ったようなハンターの育成・確保ですとか、出没抑制策など、さまざまご意見をいただいておりますし、やはり財源の確保の点については、共通してお声もありますので、ここは速やかに行っていければと思っています。

(NHK)
 最後にもう一点だけ。今回の事案というよりかは9月1日からの法改正の話になりますけれども、昨日、道猟友会の専務理事が、われわれマスコミの前で、ぶら下がり取材に応じてくださって、いわゆる法改正に当たって、国が示しているガイドラインの中では、なかなかハンターの身分保障についての具体的な言及がないということで、もしも法改正されるのであれば、ある意味ボランティアで参加している側面もあるので、仮に何か万が一のことがあったとしても、猟銃のいわゆる許可については、取り消しがないような身分保障を担保してくださいということを求めています。この点について、道を通して国にも意見照会をしていると昨日言っていましたけれども、いわゆるハンターの身分保障という点に関して、知事の今のお考え、その必要性なども含めてどう考えていらっしゃるかお聞かせいただければと思います。

(知事)
 これは猟友会の皆さまが、かねてからお話しされていることでもありますし、大臣や副大臣に対して、要望をご一緒しながらお話しする際も必ずこの点は、猟友会の会長もご発言をしてきました。猟友会には先ほど申し上げたように、危険を顧みず、先ほどお話ししたような事例の中でも、捕獲に従事していただいているわけでありまして、そういった中での、当然のお気持ちなのだと思います。ですから今、猟友会のほうからお話をお伺いした中で、道から、今国に要望して、しっかり速やかに回答をいただきたいということをお願いしていますので、この点、国には十分その背景をご理解いただいた上で、真摯な回答をいただきたいと思いますし、その回答を共有した中で、各猟友会支部が安心して参加できるということにしていくことが望ましいと思いますから、そこは私自身そう考えていますし、これからも猟友会と連携して、しっかりまず回答を求めていきたいと思います。まだ回答が来てないのですけれども、もうすぐの話なので、そこは速やかに回答してほしいということで、これは重ねて、担当省庁のほうにお願いしているところです。

(NHK)
 繰り返しですけど、その身分保障、ある意味猟銃免許の取り消し部分というのは、やはりその砂川の裁判があったことが大きな要因だということを、猟友会の方も言っていますけれども、その点、しっかりとしたある程度の特例措置というか、その部分というのは知事も必要だと今お感じにはなっていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 とにかく安心して参加できるということを確認したい、ということに尽きるのだと思います。これはケースバイケースで、さまざまな事例もあると思いますから、いかなる場合においても、それは全ての責任がないのだということを言ってくれというのは難しい、ということは私も分かるのですが、ここに参加するに当たって、やはり、先ほど申し上げたように、猟友会としては、市街地出没だとかいろいろな状況があった時に、自らの危険も感じながらも、今までも先輩たちも含めて、そこは協力してきたのだということで、協力することは、やぶさかではないのだと。ただ、苦労して、銃を所持することが認められて、かつ、そういった自らの危険も感じながらも協力した中で、ちゃんと保障してほしい、これは当然そう思うということだと思いますから、そこに対して、しっかり回答していくということが必要だと思っていますので、そのことは国としても分かっていただいていると思っています。それは直接言ってきてもいますので、そこがどんな回答になるのかということで、猟友会と注視しているところです。

(北海道新聞)
 ヒグマに関してですが、今の知事のお答えの中に冒頭ありましたけれども、羅臼岳の件では、昨日示された北海道の調査報告の中で、山を単独で駆け下りていたと、走っていたということも触れられております。知事も今おっしゃっていましたけれども、この点について知事としてこういった被害者が、山を駆け下りていたという事実、そういう想定について、知事としての受け止めを教えていただきたいのと、このことについては、取材情報によると、走っていたというのが具体的にはトレイルランをしていたのではないかという話もあります。そういう情報については、知事が既に把握しておられるのかということ。それからさらにもう一点、近年のこのアウトドアブームだとかマラソンブームの中で北海道でもトレイルランの需要というのが高まっている中かと思います。今回の事故を受けて、そういったものに対してある程度、入山、特にトレイルランをすることについて規制をかけたりですとか、何か検討される考えはあるのか、教えてください。

(知事)
 これは今質問にありましたけれども、やはり単独で行動するリスクということがあります。熊鈴もそうですし、そういう人間がいることをしっかり知らせながら、対応するということがやはり重要でもありますし、地域そのものがクマの生息の多いところでありますから、そういった意味ではクマの出没の可能性が極めて高い地域でありますので、先ほど申し上げたようなスプレーの所持を強く推奨し、また行動についても、集団で行動していただき、かつ、下山にあっても駆け下りるなどなく、やはりゆっくり下山していただきながら安全を確認しながら対応いただくことは今まで何も呼びかけていなかったということではないので、より一層、注意喚起をしていくことが重要だということでもあるのだと思います。
 ただ、一方で、さまざまそういった山があるわけですけれども、一律に全てを規制していくということが与える影響というのも勘案しながら対応していくことが、重要ではないかと思うわけであります。
 いずれにしても、先ほどのクマへの餌やりなどもそうですけれども、例えば法に基づく罰則などもあることについても、十分理解されてないところもあるかもしれませんし、さまざまな課題が示唆されておりますので、そこはやれることをしっかりやり尽くしていくという中で、今ご質問のあった点について、やはり登山者がしっかりそういった内容を理解し、かつそれを自らの命、安全を守るために実践していただくということを、しっかり関係者と取り組んでいくということが、まずは重要なのだろうと思っております。

(北海道新聞)
 下山した時に走っていたという点について、これが具体的に言うとトレイルランニング、山の舗装されてない道を走っていくという行為、アクティビティですけれども、これに該当していたかどうかという話は、知事のほうでは把握されていますでしょうか。

(知事)
 そこは具体的な下山手法の認知というか、そういったところまでは報告は受けていませんが、そもそも下山に当たっては、駆け下りることについての注意喚起はしているわけです。羅臼岳については先ほど申し上げたように、多くのヒグマが生息している中での遭遇機会があるというところですし、かつ、人につきまとうというような注意喚起も、併せて出している中で、結果として、そういった事実関係が証言などによって確認できましたので、そこは、基本的にはゆっくり下山、また複数人で下山していただくということが、事故を防止する観点から必要性があったということは昨日の(会議の)中でも、率直に意見があったというところです。

(北海道新聞)
 若干視点が変わるのですけれども、羅臼岳の事故が起きた14日の前に、12日時点で羅臼岳登山道では、別のクマとのつきまといの事例というのが発生しておりました。この時点では、道からヒグマ注意報を発出するなどという対応はなかったのですけれども、その後、実際14日に事故が起きておりまして、12日時点での道の対応については知事として適切だったとお考えでしょうか。

(知事)
 そこはさまざま、警戒情報などは発信していたわけでありますけれども、この加害個体との違いというのはあれど、いずれにしても人に対してそういった警戒感がなく接触してくるような個体については、人身事故につながりかねないリスクがあるということでもありますので、そこは有識者の皆さんの中でも、危険と判断した場合については、入山を規制していく必要性についても検討していくべきではないか、というご意見などもいただいているところです。そのことも含めて、今後もさまざま検証をしていくということが大事だとは思います。

(北海道新聞)
 道庁として注意報を出すとかそういった対応を当時検討されたとか、それが適切だったかどうかというお話はいかがでしょうか。

(知事)
 そこは、元々難しさがあるのが、羅臼岳にはそもそもクマが非常に多く生息しておりまして、そういう状況の中に人が入っていく中で、先ほどの餌やりもそうですし、熊スプレーだとか、熊鈴、またはそういった注意を促しながら行動するという状況にあります。
 ただ、先ほど申し上げたように、今このような大変悲しい事故が起きたということを考えると、ちょっとここは専門的な助言などもいただく必要があると思いますが、そういった人身事故につながりかねない状況の際には、より一層慎重に対応することになる可能性もあると思います。ただ一方で、そうなってくると、素晴らしい環境を楽しみに、ルールをしっかり守りながら登山する方々の機会を喪失するということも同時にあるわけですので、確かに安全、人命に代えることはできないということですけれども、そこは冷静に、専門家のお話もしっかりお伺いしながら対応していく必要があると思います。注意報、警報などについても、出し方などについては、やはり自治体ともしっかり協議しながら、ご意見などもいただいているので、そこは見直すべきものがあれば、不断の見直しもしていかなければならないと思います。今の時点ではそういう状況ですね。

(北海道新聞)
 次で最後なのですけれども、端的にお伺いします。今回の羅臼岳の事案を受けて、知床半島ヒグマ管理計画、こちら知床半島のヒグマの頭数とかをどう考えていくかというものですけれども、この計画であったり、7月の福島町の事案も含めての、北海道全体のヒグマ管理計画の何か見直しについては、現時点で何か見直す必要があるとか、そういったお考えはあるでしょうか。

(知事)
 現時点で、そこまでの計画を具体的にこのような形で見直そうとか、そういった議論が、今日時点で皆さんにお話しできるような状況ではないのですけれども、ただ先ほどお話ししたとおり、まず、昨日行われました(会議の)中でも、今回、世界自然遺産登録から20年で今までなかった命を失うという大変大きな事故があった中で、やはり二度とこのようなことがないように、ご遺族の皆さまのご協力もいただいた中で、先ほど申し上げたような課題もあったということも、ご遺族のご理解もいただいた中で、同じような不幸なことが起きないように注意喚起しても差し支えないですということで、お話もいただきながら、そういった駆け下りていたお話であったり、スプレー所持がなかったということも、本当にご遺族としては非常にご配慮いただいた中で、こういう情報もお話しさせていただいてるところですけれども、そういったところをやはり、ご遺族の思いも含めて、二度と同様のことがないようにしっかりまずやっていく、このことは、まず、われわれがやらなければいけないと思います。その上で、不断の見直しを、先ほどの注意報、警報もそうですし、クマとの向き合い方の中で、これは道内外の皆さんにですね、今回、報道各社の皆さんも取り上げていらっしゃったわけですけれども、やはり今、スマホでクマがいると写真を撮りたいとか、また、餌をあげてしまったりだとかそういう状況もあると。また、そういう写真を撮ったら見せたくなってしまって、拡散してしまったりだとか、そういう中で人との距離の難しさから出てきてしまっていたりだとか、やはり人側が注意をしないといけないということも当然これは非常にさまざま課題を示唆しているところがありますので、今回、大変残念なことに命を失う、こういうことをしっかり重く受け止めて、二度とこのようなことがないように関係者一同、対応していくということの中に、先ほど申し上げたような対応が必要であれば、そこは対応していくということだと思います。

(TVh)
 先ほどの話に戻ってしまいますが、電話やメールなどで、ヒグマ対策室には160件以上、それから斜里町には100件以上のご意見、苦情が入っていると。実際にどういうような意見があったのか知事はお聞きしていますでしょうか。

(知事)
 やはり捕獲がかわいそうだというご意見です。ハンターの方々も、ヒグマとの共生に深い理解を持っている方々で、大変難しい葛藤の中で、今回、国立公園の中での対応になりましたから、加害個体に対して、それを行うということで、ハンターの方々も本当に難しい判断、決断の中で、人命を守ると。とにかく人命を守らないと、二次被害も含めて起こり得るという中で、捕獲しています。ですから、確かにかわいそうだというご意見なども、お話ししたいということで、ご意見をいただくわけですけれども、しっかり事案の内容を、まずは正確に把握していただいて、ご連絡いただくということがやはり大事だと思っています。
 今回の事案があって、当然、(ヒグマ)対策室では、人命最優先でさまざまな取り組みを、限られた人員の中で行っている最中、こういったご意見をいただくということになりますと、マンパワーの制約を受けざるを得ないということもございます。また、今回も多くの方が道外の方だと聞いておりまして、出没状況や、ヒグマの怖さというものを北海道内に住んでいらっしゃらないと、なかなか自分事として分かりにくいところも、もしかしたら、あるのかもしれません。ですから、そういったことも含めて冷静な判断をしていただいた中で、この問題に向き合っていただきたいということを、重ねて私からもお願いしたいと思います。

(TVh)
 意見があった内容で、今、捕獲がかわいそうという事例を教えていただきましたが、優しい方だったのですかね。結構、過激な方もいらっしゃるかと思うのですよ、かなり。そういった意見もありましたか。実際には。

(知事)
 この160件全部についてここで紹介することもできないと思いますけれども、捕獲に対してやはりさまざまなご意見をお持ちで、ご連絡いただくという方が多いということで報告を受けました。

(広報広聴課長)
 詳細は、ヒグマ対策室のほうにお問い合わせください。

(HTB)
 私からは二点お伺いしたいと思います。
 まず一点目ですが、先ほど知事のお話の中で、今後の対策として、道のほうから専門家の派遣であったりとか、電気柵の設置、あるいはセンサーカメラの提供を支援していきたいという話がありましたが、具体的にどういったスケジュール、どういった流れで行っていくのか、今、決まっていることがあればお伺いしたいです。

(知事)
 これは既に、市町村からのご希望などもいただきながら支援も行っている箇所もありますので、これからさらに出没状況など、そういった対応に苦慮する情報をいただきましたら、速やかに対応していきたいと考えております。直近で何か具体的な動きがあれば、補足で説明していただきたいと思います。

(環境生活部自然環境局野生動物対策担当局長)
 環境生活部ですけれど、江差町でも捕獲の関係で人材派遣とかを行っております。

(知事)
 それはいつですか。

(環境生活部自然環境局野生動物対策担当局長)
 17日、18日ですね。

(知事)
 それは新規ではないということですね。

(環境生活部自然環境局野生動物対策担当局長)
 そうですね。

(HTB)
 もう一点ですが、ヒグマ対策の最前線で活躍されているハンターの方にお話を伺いますと、山の環境、結構外来種の植物が増えてきたりとか、見通しが悪い植物が増えてきていて、やはりハンターの人であったりとか、地元の人だけではもう対処することが難しいという話を伺いました。道としては、そういう山の環境整備であったりとか、そういうところに今後どういう対応をしていくのか、今、決まってることなどあればお伺いしたいです。

(知事)
 これは市街地出没などでもそうなのですけれども、草刈りをして、クマの出没のリスクを減らしていく。また、その捕獲にあって、さまざまな課題をハンターの方々からお話、ご意見をいただくと、これも大切なことだと思います。今回、法改正を踏まえて9月1日から施行される中で、ガイドラインなども踏まえた訓練も行っていくわけですが、地元猟友会、警察、そして自治体、また、地域の関係の皆さまと連携した中で、対応できる点については、やはり人命最優先、また、出没を想定した中での対応で、事前に対応策がとれるようなことがあれば、そこは協議しながら、対応の必要性について検討していくということが必要だと思います。

(北海道新聞)
 カジノを含む統合型リゾートIRの誘致について伺います。知事は、就任1年目の2019年に優先候補地とした苫小牧市植苗地区の自然環境を理由に、誘致見送りを表明しました。一方で将来的な誘致については挑戦するとして、道庁の総合計画でも、北海道らしいIRコンセプトの構築をうたっています。コロナ禍もあって、全国的に議論の停滞が続いていましたけれども、コロナ禍も明けて2年以上が経っています。最新の検討状況について、具体的に教えていただければと思います。

(知事)
 IRについては、国のほうは現段階でさまざま、動きについては未定ですと言っているということでありました。IRは民間投資、そして観光消費の拡大など、本道の発展に寄与する可能性が期待されるプロジェクトだと考えています。一方で、道民の理解の促進をはじめとして、ギャンブル等の依存症などの社会的な影響対策、環境への配慮などの課題があるというところでございます。道としては、観光を取り巻く情勢の変化、そして今、未定だということですが、国の動向を踏まえて、北海道らしいIRのコンセプトの構築に向けて、道議会との議論を踏まえて検討を進めることとしています。

(北海道新聞)
 関連してなのですけれども、IRの道内での候補地について伺います。2019年の時点では、道は苫小牧市植苗地区を優先候補地として検討しましたけれども、6年経って現在も、この苫小牧市植苗地区は当時と同様の位置付け、つまり今も優先候補地と考えていいのか、それとも候補自治体としては、苫小牧市というのはそのままなのだけれども、植苗地区は白紙ということなのか、それとも、そもそも苫小牧市も植苗地区も、一旦、6年経っているので白紙になっていて、あらためて道として選定の必要があると考えているか教えてください。

(知事)
 今、質問にありましたけれども、そういった情勢の変化もあろうかなと思うわけですが、北海道らしいIRのあり方の検討に向けて、苫小牧市長がIRに対する意欲というか、そういったお話もされているということでありますので、苫小牧市も含めて、候補地の検討ということに、今、北海道らしいIRコンセプトの構築を進めると言っていますので、考えていくということになります。

(北海道新聞)
 苫小牧市も含めて考えていくということは、少なくとも苫小牧市ありきではないという、そういう理解でよろしいのでしょうか。

(知事)
 候補の一つということですね。

(北海道新聞)
 知事は今2期目ですけれども、再選出馬をした2023年春に、政策公約を掲げられて、この中にMICE誘致による経済活性化という文言を明記しています。IRという言葉は直接ないのですけれども、2023年3月の政策発表記者会見で、このIR推進というのが、この文言に含まれているのですかと伺ったら、網羅できていると答弁して、つまりIRもこの公約の中に含まれているという認識をお話しされました。2期目の任期も、残り1年半ちょっとということになりますけれども、IR誘致について、やるやらないとかも含めて、この2期目の間に道筋をつける考えなのか、それとも期間とか国の動向というお話もされているので、これなかなか難しいと見ているのか、お考えをお願いします。

(知事)
 これは、やはりさまざまな情勢が動いているというところが率直にあると思っていまして。先ほど少し触れましたけれども、国のほうで今、3カ所と言っていたのが、(今は)大阪府の実質1カ所になっているのですね。ですから、3カ所と言っていた中で、2カ所の取り扱いをどうするのだろうというところも、ある意味では浮いているという状況もあるので、ここがまずどう動いていくのかということなのだろうと思います。総合計画の中でも、IRについては位置付けもさせていただき、そしてコンセプト構築に向けても、議会ではお話もさせていただいていますので、そういった国の動きや、先ほどご質問の中にもありましたけれども、結構、時間も経って状況も変わってきたりもしているので、そういうことも踏まえた中での検討を進めていくということなのかなと、私は考えています。

(産経新聞)
 再エネ関連でお伺いしたいと思います。
 4月の記者会見でもお聞きした幌延町の風力発電施設のバードストライク問題についてです。昨年12月から今年の3月にかけて、オジロワシなど11羽の被害がありまして、このウインドファームでは、一時期、日中の運転を見合わせていました。7月12日から通常運転を再開したのですが、8月4日にハイタカ1羽、これは準絶滅危惧種に指定されていますが、この衝突が確認されました。この事案に対して率直な受け止めとともに、4月の会見のときに述べられていた環境省との情報共有と協議、とりわけ協議という部分について何か進展があればお聞かせいただきたいと思います。

(知事)
 環境省との協議という意味では、環境省から考えを求められるということがあった際には、道として必要なことを申し入れているという状況です。今、お話があった点については、大臣も発言されていて、事業者からの状況を確認するということと、今後の対応を注視するということで、現時点であるということでありますので、しっかり国とも連携しながら、事業者の対応については、適切に対応いただくべく、環境省とともに取り組みを進めていければと思っています。

(産経新聞)
 もう一点なのですが、これは6月の会見の時のお話です。釧路湿原のメガソーラー問題に関連しまして、釧路市が「ノーモアメガソーラー宣言」されたことに対しての受け止めなどをこう述べられていらっしゃいました。このメガソーラー開発については、湿原のすぐ近くのところでの開発行為について、非常に問題だということで、アルピニストの野口健さんのSNSで発信されまして、非常にネット上で大きな問題になっています。知事は6月の会見の時に、環境と経済を両立しないといけないというご趣旨で発言されていらっしゃるのですけれども、この釧路市、SNSで話題になっているメガソーラー開発については、法律には抵触していないのですが、事業者側の対応に問題があるのではないかという指摘が非常に数多く上がっています。先ほどのバードストライク問題とあわせまして、行政としても、業者の善し悪しというのが最近顕著に出ていますので、一歩踏み込んだ対応が必要な時期に来ているのではないかというふうにも感じているところです。あらためて、経済と環境を両立するに当たって、どういうことが必要であるというふうに知事はお考えなのか、そのご見解をお聞かせください。

(知事)
 釧路市の件については、担当の方は今日いらっしゃいますかね。今日の日付なんですかこれ、文書。

(教育庁生涯学習推進局長)
 昨日(釧路市から文書を)いただきまして、今日、文化庁のほうに進達しております。

(知事)
 動きがあったということでありまして、現在釧路市では、地域と共生した事業となるようにということで、今ご質問にもありましたけれども、関係法令の整備ということで、要は、現行法でなかなか対応できないところがあるのではないかという認識の下で、まずは関係法令の整備ということで国に要望しているということがあります。それと、これは昨日、(釧路市から)道のほうに来て、道教委を経由して、今、文化庁に照会しているということでありますが、釧路市においては、文化財保護法の保存に影響を及ぼす行為について照会したいということで、今確認しましたけれども、昨日道教委のほうに来て、本日、文化庁に照会をしたということでありまして、そういった意味では今、釧路市と、この件について連携しながら取り組んでいるという状況です。ですから、一つは法律そのものを整備する必要性があるのではないかという要望の件、もう一つは、今回の具体的なこの事業に関する点において、文化財保護法の保存に影響を及ぼす行為については、照会してほしいということで、道教委を経由して文化庁に照会しているということであります。まずこれは、具体的な今回のこの件に対する今の動きということです。いずれにしても、やはりこの事業については、地域と共生した事業としなければならない、また法令を遵守した上で、地域の皆さんの理解も得ながら、これを進めていくということが前提だと思いますので、これは今回のこの事案のみならず、そこが基本的考え方として必要だと思っています。

(毎日新聞)
 泊原発再稼働についてお伺いします。ちょっと時間が経ってしまいましたけれども、前回エネ庁の長官が来られてから最初の会見だと思うのでお伺いします。確認したいことがあります。地元同意の範囲についてです。8月4日のぶら下がりで、知事はこの考え方を問われて、政府の説明を繰り返されただけだったと思います。これについて、政府の方針、立地周辺4町村に同意を求めるというところの政府の方針が適切という考えであるのかどうか、理由も併せて教えてください。

(知事)
 まず、この会見の場でも繰り返し申し上げてきたのは、原発立地地域共通の思いとして要望させていただいてきたことでもあるのですが、やはりこの地元同意の範囲についてはさまざまな意見があります。これは北海道だけではなくて、原発立地地域は同じです。ですので、これは共通の思いとして、北海道だけではなくて、その範囲も含めて、具体的な手続きについては、やはり国が明確にすべきであるということで要望してきました。そういった中で、今回、経産大臣からは理解要請について、道と立地自治体である泊村のほか、発電所建設予定地が選定される当初から50年以上にわたって岩宇4町村一体で活動が行われて、その後も4町村で取り組みを進めてきたということと、また、その経緯も踏まえて岩宇4町村が同じ立場で事業者との協定を締結しているという状況、さらには、立地自治体の意向など、さまざまな地元の実情を総合的に勘案して、共和町、岩内町、神恵内村に対しても理解要請を行うということで説明がありましたので、このようなことも含めて国として判断されたものと私としては受け止めておりますし、そのことに対する説明というのは、まず国が当然しっかり行うべきだという考えです。

(毎日新聞)
 地元同意の範囲はさまざまな意見があるとおっしゃられまして、知事が持ってらっしゃるご意見というのはどういうところなのか、もう一度教えてください。

(知事)
 だから、それはこれから説明会だとかいろいろなことをやっていくわけでありますので、それは国としても、北電としてもやっていくわけです。その中で、何も考えなしに、話を聞きますよということではなくて、国として判断すべきという中で、今申し上げたような判断の下で考えているのですよ、ということも国として説明した中で、さまざまな意見、これを受け止めるということなのだろうと思います。そういったプロセスも含めてしっかりやってほしいということも、併せて国にも北電にも申し上げているということです。

(毎日新聞)
 泊原発についてもう一点なのですけれども、あと二点あるのですけれど、一点目はプルサーマル発電についてです。地元同意から相当な期間が経っているということで、知事も8月4日にご指摘されていましたけれども、その一方で丁寧な説明が必要というふうな要求にとどめられています。2009年の同意以降ですね、その福島県の事故であったりとか、核燃サイクルの行き詰まりということも非常に多く指摘されている状況の中、状況が大きく変わっている中で、あらためて地元同意の必要、地元同意を求めるということ、北電からですね、そういった対応は必要ないということなのでしょうか。理由も併せて教えてください。

(知事)
 そこは説明する必要があるということを申し上げているので、または慎重に対応していただきたいということをお伝えさせていただいていますから。そのことについて北電として、知りませんよということではなくて、道からそういうことも言われているので、しっかり対応すると言っていますので、その対応をしっかりやってほしいということに尽きるということです。

(毎日新聞)
 最後一点です。住民避難についてです。私どもの取材でですね、泊村であったり、神恵内村とか周辺の方々の住民にお話を聞きますと、やはり地震津波などと放射能漏れなどの複合災害があった場合に逃げることというのは不可能だという、諦めの声が非常に多いです。住民が避難を諦めている現状だというふうに受け止めています。8月4日のぶら下がりで知事は、地域の声を踏まえて不安の解消に取り組むことが重要とお話しされていましたけれども、この住民避難について、不安解消ができる余地があると考えられているのでしょうか。

(知事)
 そこは原子力防災に終わりなしということで、しっかり訓練を積み重ねながら、住民もできるだけ参加いただく形で、また、参加できない方については、当日のその訓練の様子などもご覧いただけるようにしながら、しっかりやっていくしかないということに尽きるのだと思います。今ご質問のあった諦めというお話もありましたけれども、これは現に、原発が存在しているわけで、原子力防災ということをしっかりと地域と一緒になって対応していかなければいけない。これは稼働の有無にかかわらず、やっていかなければいけないことですので、そこはやれることをしっかり、複合災害、厳冬期対策、さまざまな観点で考えながら、ここはやっていく、そのことに尽きるのだろうと思っています。また、住民の方からいろいろな不安、懸念の声は、これも絶えずいただきながら、そこにいかにして応えることができるのかということも含めて、これは取り組んでいく、このことに尽きるのかなと思っています。

(朝日新聞)
 中長期的な観点からお話をお聞かせください。温暖化についてです。一昨日、札幌市中央区で今年の真夏日の日数が33日になって、101年ぶりに年間の最大記録を更新したという形もありましたし、実際、北海道は日本の中でも最も北に位置しているわけで、温暖化の影響を最も受けやすい地域です。このままでいけば、今年、台風も9年ぶりに上陸しましたけれども、太平洋側から大雨を伴う台風が北海道に上陸するようになるのが、かなり普通になるだろうと言われています。そういった大雨災害とかいわゆる自然災害に対して、道民の経験が少ないこともあって、そういう脆弱性みたいな部分もあろうかと思うのです。知事の北海道の温暖化に対する現状認識をまず教えていただけますか。

(知事)
 今、ご質問にありましたけれども、本当に暑い日が続きまして、7月については道内の気温はこれまでの観測記録を大きく上回る歴代1位の高温ということでありまして、それは道民の皆さまが生活される中で、実感しておられる方が多いのではないかと思います。
 ただ、今回の夏の暑さについて、直ちに気候変動の影響ということで、正確には分からないというところが、率直な今の時点のところだとは思うわけでありますが、ただ、長期的な視点で見れば、温暖化による気候変動が進むということが、国際機関から示されていますし、世界が対応すべき喫緊の課題であるということで認識しています。だからこそ、さまざまな取り組みをやっていく必要があるということです。
 そして質問の中にもありましたけれども、地球温暖化の影響を受けやすいということで、高緯度に位置する北海道においても、平均気温は100年あたり、1.75℃の割合で上昇ということで、どうしても北海道は基幹産業、農林水産業などへの影響が顕在化するという状況にもあるわけであります。
 環境と経済を好循環するゼロカーボン北海道の実現、そして温室効果ガスの排出抑制を行う緩和に加えて中長期的に避けられない影響に対処するための適応、こういう取り組みを進めていくことが重要だと思っています。先ほど災害の台風などのお話もありましたけれど、強靭化もそうですし、そういった対応もしていかなければなりません。
 道においては、気候変動適応計画に基づいて道総研などの関係機関とも、情報交換をさせていただきながら、産業、自然環境、災害、生活、健康、こういったさまざまな分野における、気候変動の影響、そして適応に関する情報を収集して、道民の皆さま、事業者の方々、そして市町村の皆さまともその情報収集した内容も提供しながら、関連する施策を展開していかなければならないと考えています。
 短期的なものから中長期的なものまでさまざまな問題に対処していくことが、これは行政だけではなくて経済界も含めて、あらゆる方々と取り組んでいくことが重要だと思っています。

(読売新聞)
 札幌市のノースサファリの関連で質問です。中小企業基盤整備機構が、同園を運営するサクセス観光に対する事業再構築補助金の交付決定を取り消して、返還命令を出しました。札幌市も、事業再構築サポート補助金の交付決定を取り消す方針で準備しているようなのですけれども、道庁のほうでも同社に補助金、支援金ですかね、出していらっしゃって、機構や市と同様に対応の検討を進められて来られていると思いますが、その後の進捗状況をお伺いできますでしょうか。

(知事)
 今ご質問にありましたけれども、中小機構がサクセス観光に支給した事業再構築補助金について、都市計画法違反を理由に、交付決定の取り消しと返還の命令を行ったということや、札幌市においても、これに上乗せしている補助金について、交付決定の取り消しと返還命令を行う方針ということでありまして、このことを承知しているところでございます。道としては、サクセス観光に係る今般の都市計画法違反の事案を受けて、事業者に対して、補助金の対象施設の管理状況などを確認するということと、顧問弁護士とも相談しながら、補助金の取り扱いについては検討しているという状況であります。

(読売新聞)
 検討を進めていらっしゃる段階ということで、いつ頃までにどうしたいであったりとか、また今回の機構や市の対応というのが、市の検討に影響を与えたりするものなのでしょうか。

(知事)
 事業者への補助金の取り扱いについては、今、弁護士とも相談しながらということで、以前、ご質問いただいた時もお話ししたわけでございますけれども、補助事業に係る法令、目的などに照らして、交付決定の取り消し、補助金の返還、この可能性も含めて、適切かつ厳正な対応について検討しているというところでございます。

(読売新聞)
 まだ、めどとかは立ってないという理解でいいですかね。

(知事)
 そうですね。しっかり検討しているということを申し上げたいと思います。

(北海道新聞)
 赤れんが庁舎の件なのですけれども、7月25日にリニューアルオープンして、明日で来館者が10万人を突破する見込みだと聞いています。わずか1カ月で到達したことになるわけでありまして、リニューアル前の水準に比べて客足のペースはいいというふうなことが言えるのかなと思うのですけれども、知事の受け止めを一言お願いします。

(知事)
 7月25日のオープンから約1カ月ということであります。リニューアルに当たっての集中的なプロモーション、そしてイベントの実施、このほか、夏休み期間でもありますので、多くの方に訪れていただいて、赤れんが庁舎をご利用いただいた。このことは率直にうれしく思っています。また、この古い建物であります。大切な歴史的な建物であるわけでありまして、例えば階段とかも、少し昔の階段だったりとかして、慎重に上っていただいたりだとか、トラブルなく、多くの方にご利用いただいて、10万人の節目をまもなく迎えるということでありますので、ご利用いただいた方々につきましては、そういった混雑の中で注意いただきながら、ご利用いただいたということの協力に感謝したいと思いますし、また、管理いただいている「赤れんが未来機構」をはじめとする、関係者の努力の賜物であるというふうにも考えているところでありまして、利用者の皆さん、そして管理いただいている方々にも、あらためて感謝を申し上げたいと思います。この1カ月については開業効果が大きいというふうに思うわけであります。道としては、このリニューアルオープン前、最大年間70万人ということで多くの方に訪れていただいていましたので、こういった目標に向けて、引き続き多くの方と連携して、ご来館いただいた方の属性ですとか満足度も分析しながら、より多くの皆さんにご利用いただけるように、赤れんが庁舎のPRですとか、魅力の向上に取り組んでいければと思っています。

(HTB)
 ファイターズの2軍誘致に関していくつかご質問させてください。まず、道としてファイターズの2軍誘致のサポートチームを発足させましたが、およそ1カ月経って、現状、成果とか、今後どういった活動を行っていくのか、教えてください。

(知事)
 サポートチームを速やかに設置して良かったなと思っています。いろいろな地域で誘致に当たってのさまざまな動きが出てきたということでありますから、ファイターズと現状の情報交換を行うとともに、連携をしっかり取るということで、速やかにこういったものを設置して良かったなと思っています。ファイターズが協議している6市にも、検討状況などについて、それぞれお聞きしているところであります。今後もそういった体制の中で、適切に対応していければなと思っています。

(HTB)
 恵庭市に実際に道のサポートチームの方が、現地の状況というのを視察されたりとかありましたけれども、他の自治体とかでも、今そうした取り組みというのは行われているのでしょうか。

(知事)
 これは市町村がファイターズと個別の協議を行っていく上で、さまざまな課題が想定されますので、担当の部局もさまざまな部局にまたがることもあるので、連携し、必要なサポートはしていきたいと思いますけれども、個別の自治体のやり取りというのは、さまざまな情報の取り扱いがありますから、その点についてのコメントというのは、現時点で控えるべきかなと思っています。

(HTB)
 最後に、札幌市の南区の住民の方が、道立の真駒内公園への誘致を目指して動いていますが、道の土地ということもありまして、この公園について、道としては何か誘致に向けて、規制を緩和したりとか、何かいろいろ考えていることなどありますでしょうか。

(知事)
 これは、市民団体の皆さまが、札幌市に対して要望書を提出したということでございまして、札幌市の担当部局にお伺いいたしましたところ、まずはこの要望の内容を確認している段階であるということでございます。地元札幌市の意向も重要だと考えておりますので、市の動向も踏まえて、道としては適切な対応をとっていきたいと思っています。

(NHK)
 今日、Lアラートの訓練を先ほどやっていたかと思いますけれども、先月の津波警報でも入力に課題があったということが、言及もされていらっしゃったかと思いますが、今後、今日の訓練なども踏まえて、振興局と市町村との情報共有も含めて、現時点で、今後必要になっていく課題について、せっかく訓練もあったので、知事が今後の対応について、何か必要なこと、ご見解があればお伺いできればと思っています。

(知事)
 Lアラートについては入力などにおいて、例えば、避難先にそういう環境がなかったとか、また、そもそも入力のタイミングが大幅に遅れるなど、さまざまな状況がありましたから、いつ来るか分からない状況の中で、まずは訓練をやるということがやはり重要という中で、実施をさせていただいているということです。実際に入力が行われないと、例えばNHKをはじめとしたテレビで情報収集されている皆さまに対して、どういった情報、動きがあるのかが適切に反映されないなどの課題があって、そういった避難所に避難するに当たっても課題がありますので、そもそものLアラートの役割機能、そして誰がそれを具体的に担って、当日対応するのかとか、まさに一つ一つ点検して、やっていくと。これはいつ来るか分かりませんから、そういったことが重要であると思っています。その(訓練の)結果などの詳細な報告は、まだ私のほうに上がってきていませんので、詳細な報告、また、今回の訓練のみならず、さまざまな課題も寄せられていますので、そこで改善できる点などもあれば、しっかり対応していきたいと思っています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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