知事定例記者会見
- 日時/令和7年5月23日(金)14:32~15:19
- 場所/記者会見室
- 記者数/18名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 第28回全国菓子大博覧会・北海道(あさひかわ菓子博2025)について
- 北海道豊かな海づくり大会について
- 赤れんが庁舎のリニューアルオープンに向けた取組について
記者からの質問
- 赤れんが庁舎のリニューアルオープンに向けた取組について(1)
- 赤れんが庁舎のリニューアルオープンに向けた取組について(2)
- 小泉農林水産大臣の就任について
- 江藤前農林水産大臣の発言について
- 赤れんが庁舎のリニューアルオープンに向けた取組について(3)
- 地方創生2.0基本構想骨子案の公表について
- 札幌市の地域おこし協力隊の募集について
- ニセコ町における中国系リゾート破綻について
- 東京都による水道基本料金の無償化について
- 高レベル放射性廃棄物について
知事からの話題
第28回全国菓子大博覧会・北海道(あさひかわ菓子博2025)について
私からは三点、お話しさせていただきます。
まず一点目でありますけれども、いよいよ来週30日から6月15日まで旭川市において「第28回全国菓子大博覧会・北海道」、愛称「あさひかわ菓子博2025」が開催されます。30日には、彬子女王殿下のご臨席のもと、開会式およびオープニングセレモニーが行われます。私もそちらに出席いたします。本道では、57年ぶりとなるこの全国菓子大博覧会であります。彬子女王殿下がご臨席になりまして、開会式においてお言葉を賜るということは、お菓子づくりに携わる全ての皆さまにとりまして、大きな励みになるものでございます。
全国菓子博は、100年を超える歴史と伝統あるお菓子の祭典であります。メイン会場では、展示ドームが設置され、「お菓子の原材料の宝庫・北海道」が来場者に発信をされるほか、全国の職人が技術を駆使して制作する壮麗で見事な90点の工芸菓子の展示、会場内で開催される「全国スイーツマーケット」では、その地域でしか買うことのできない1千商品以上のお菓子が大集結すると。菓子博限定の商品やコラボ商品も販売されるということであります。また、ゲームや珍しいお菓子のサンプリングなど、大人も子どもも楽しむことができる参加・体験型の「ファミリーランド北海道ブース」などの多彩な企画や催事が繰り広げられます。ぜひ多くの方々に、この菓子博の会場に足を運んでいただければと思います。
北海道豊かな海づくり大会について
二点目です。開催日9日前となりました。6月1日日曜日に小樽市で開催される「第1回北海道豊かな海づくり大会」についてのお知らせです。
本大会は、令和5年に北海道で開催されました「全国豊かな海づくり大会」を契機に、今回初めて道の主催により開催されるものです。招待者による式典と、事前参加者を募ったニシンの稚魚放流のほか、当日参加できる地元漁協、農協などが出店する農林水産物の販売や企画展示、官公庁船の一般公開などイベントが予定されています。他にも魚のタッチプールですとか貝殻や木を使ったオリジナルグッズづくりなど、お子様が楽しめるイベントもたくさんあります。ぜひ、ご家族でお越しいただいて海を守り育てる大切さに触れていただきたいと思います。また、今週末24日土曜日、25日日曜日に、イオンモール札幌平岡において、漁業協同組合などによる、水産物・水産加工品の販売イベントである「ほっかいどう大漁祭」が開催され、そこでもこの海づくり大会のPRを行わせていただきます。ぜひ、こちらも取材や報道についてお願い申し上げます。
赤れんが庁舎のリニューアルオープンに向けた取組について
最後三点目でございます。赤れんが庁舎でございます。
令和元年から5年以上の歳月をかけて工事を行ってきたところでありますけれども、このたび、屋根や外装といった建物の工事は終了いたしまして、現在は内装の改修、展示品の設置を進めているところであります。建物の工事は、これまで1400名を超える方々から約2億9千万円ものご寄付をいただきました。この場をお借りして、ご寄付をお寄せいただいた多くの方々に、あらためて感謝を申し上げたいと思います。
オープン後においては、デジタル映像も活用させていただいて、庁舎の歴史、アイヌ文化などの魅力を紹介していく予定でございます。今後は、建物の維持管理だけではなくて、こうした展示品も含めた魅力の向上も重要になってくることから、オープンの2カ月前であります5月25日より、あらためて皆さまに赤れんが庁舎に対する寄付をお願いしたいと考えているところです。なお、オープンに向けてふるさと納税の新たな返礼品として、この赤れんが庁舎の入館券と旅行クーポン券のセットなどを追加する予定で準備を進めているというところであります。多くの方々にこの赤れんが庁舎の価値、魅力を知っていただいて、次の世代に引き継いでいけるように、引き続き、皆さまのご支援、ご協力をお願いするものでございます。
また、このリニューアルオープンに向けまして、機運醸成の一環として、現在3歳から18歳以下の方を対象として、赤れんが庁舎をテーマとした絵を募集するということでありまして、締め切りは6月16日でございます。提出いただいたお子様の作品については、赤れんが庁舎館内でご紹介しますので、ぜひ皆さんには、オープンを盛り上げるということでご応募いただければ、大変ありがたいと思っています。
記者からの質問
(釧路新聞)
今、お話がありました赤れんが(庁舎)へのふるさと納税なのですが、ふるさと納税ということはつまり、道民はできないのですよね。北海道の人が、じゃあ赤れんがへのふるさと納税をしたいと。しかも入館券がいただけるのならしようかなと思う方も、結構いると思うのですよ。じゃあ、別にふるさと納税ではなくて、そういうような返礼品があるような仕組みを何か作ってはいかがですか。道民も結構いると思うのですよね、赤れんが庁舎だから。ふるさと納税と限定すると、道民は返礼品はありませんとなってしまうのですが。
(知事)
そうですね。ふるさと納税制度なので。
(釧路新聞)
ですから、そうではない仕組みをもう一つ作っていただくと、大勢の方が寄付しようとなると思うのですけれど、ご検討いただければと思います。
(知事)
今、ご質問あったように、ふるさと納税制度の中でやろうとすると、(道民の皆さんには)そういった返礼品がないという状況であります。道民の皆さんに、どう、より親しみを持って活用いただけるかについては、これからもしっかり考えていきたいと思います。施設利用の部分では、道民の皆さまが割引になるという料金設定もなされているというところもありますので、そういったことも含めて、より多くの方にご利用いただけるようにやっていけたらと思っています。
(読売新聞)
既に募金いただいてる方々もいらっしゃるんですよね。
(知事)
先ほど申し上げたような金額です。
(読売新聞)
その方々には、招待券とかそういうのをお送りするとか、そんなことは考えていらっしゃいますか。
(知事)
これは、赤れんが(庁舎)にお名前を出させていただくということでやっていまして、それも含めて、ご寄付いただいているということがありますので、ぜひそういう条件の下で、皆さんにも寄付いただいているということであるので、ぜひ、まずそれはしっかりやりたいと。ただ今後、5月(25日)からは新しい形でやっていくと。内容を変えていくということです。
(NHK)
先日、江藤前農林水産大臣が佐賀県での会合で不適切な発言をし、更迭されて、小泉さんが新しい農水大臣に就任しました。小泉さん、明日札幌にお越しということになっていますけれども、まず北海道では、昨今の米の価格高騰などもあって、安定供給のために追加増産を決めたりということもあります。知事として新しく就任した小泉農林水産大臣に対する期待とか、どういうことを対応してほしいか、ということについての思いを聞かせていただければと思います。
(知事)
大臣がご就任されて、今、備蓄米の契約のあり方の変更ですとか、いかにして、皆さまの元に、金額を抑えた形でお米をご購入いただける環境をつくるのかということを、最優先に取り組まれているということであります。
まだ詳細内容については分からないというところはありますけれども、いずれにしても北海道は、コメの主な産地であります。先般、私も田植えに一緒に参加させていただきましたが、北海道は増産ということで、いち早く、その期待に応えるべく対応していくことを表明した地域でもあります。ですから、今お米の流通がなかなか滞っている、価格も上がっている、そういう状況の中で、この農業政策を変更していくようなご発言もされていますので、いずれにしても生産者、関係者への影響があるのだろうと思いますから、そこはしっかり内容を注視していきたいと思うし、また、北海道の実情についても、小泉大臣は何度も北海道にお越しいただいていますけれども、今大変忙しい状況かとは思いますが、時間があれば、ぜひそういった北海道の実情も聞いていただく機会がいただければと思いますし、私もぜひ話ができたらと思っています。
(NHK)
一応、明日来るというタイミングに合わせて、知事も明日会うというようなご予定などで調整をしているという理解でいいのでしょうか。
(知事)
そこはまだ申し上げることはできないですが、ただ、北海道に来られるということであれば、やはり北海道の実情をご覧いただくと。農林水産大臣にご就任されて、初めての地方での発言、また、訪問ということにもなるのではないかと思うわけでありまして、そういった意味では、しっかり地域の声というものを聞いていただく機会が得られるのであれば、それは大変ありがたいことだとは思っています。
(読売新聞)
今の質問に関連してなのですけれども、前大臣の発言そのものというのは、道民の方々もちょっと思うところが多いかなというふうに思うのですが、知事自身はあの発言について、どういうふうに思われていらっしゃいますか。
(知事)
それは大臣自身が、お話しされていることでもありますが、極めて不適切な発言であったと思います。これだけ、社会全体でコメの問題に、国民の皆さんが日々直面している中で、ああいった発言があったわけで、それは非常に極めて不適切であったと私自身も考えているところです。
(北海道新聞)
ちょっと話が戻ってしまうのですけれども、先ほど話題でありました赤れんが庁舎なのですけれども、新たにこのタイミングで寄付を募るということだったのですけれども、これは当初から、都度寄付を呼びかけるというのを想定していたことなのか、あるいはコロナ禍等も挟んで、改修費用がこれまで増大してきたと思うのですけれども、そのあたりを踏まえての対応なのか、それはいかがでしょうか。
(知事)
この赤れんが庁舎については、やはり非常に象徴的な施設であります。このリニューアルにあっても、本当に多くの方にご協力、ご寄付をいただいて進めてきました。リニューアルオープンして終わりではなくて、展示内容なども、やはり工夫もさらにしながら、より多くの方に愛され続ける施設としていかなければならないと思っています。一方で、寄付いただいた皆さまからも、非常に大切な施設なので、ぜひこれからも応援したいという温かなお声掛けなどもある中で、どういった形で、寄付いただく方に対して、やり方というか、どういった形があるのかということも、庁内で検討した上で、ふるさと納税なども制度としてありますし、そういった新しい形で、皆さんに応援もいただいて、お越しいただいて、札幌市をはじめとして、道内を旅行していただいてということも含めて、新しい形でスタートすることが有効ではないかということで、検討したものです。
(北海道新聞)
建築資材が高騰して、当初予定していた予算内でやろうとしていたことができなくなったとか、そういうわけではないのでしょうか。
(知事)
工事は順調に推移して、必要な内容についてはやりましたので、もちろん、高騰というのはあるのですけれども、それ以上にリニューアルした後も、多くの方にお越しいただくと。しかも次の世代につないでいくためには、その施設を維持し続けていくわけですから。ですので、多くの方々に応援いただける機会を、これまでもありましたので、そこはこれからも、新しい形で応援いただけたらありがたいと。ですので、受ける体制というのを、新たに整えたということですね。
(北海道新聞)
昨日、政府が公表した「地方創生2.0」の基本構想の骨子案について伺います。国は、骨子案の中で、今後10年間で取り組む政策として、若者や女性に選ばれる地域づくりだとか、企業、公官庁の地方移転などを打ち出しており、それぞれの達成度合いを測るために、数値目標をこれから設定するとしております。国は、来月6月中旬までに骨子案から基本構想の正式決定という流れにしていますけれども、今回公表された骨子案の内容について、知事としての受け止めをまずお伺いします。
(知事)
地方創生の件は、会見でも皆さんとも、いろいろやり取りしてきたと思っているのですけれど、私自身考えているのは、東京一極集中の是正というものが解消できなかったということです。東京一極集中の是正や人口減少、こういう問題は今も続いていますし、また、より大きな課題にもなっているという中で、やはりこれはどうしても、単独の市町村とか、どこかの県とか、そういう単位で全て解決するというよりは、やはり、国全体で取り組んでいかなければいけない問題ではないかということで、このことは、これまでも、もちろん市町村も頑張るし、都道府県も頑張るのだけれども、国は、何か第三者的な感じというか、後方を支援しますという形ではなくて、市町村も都道府県も国も、みんなで一緒になって、やっていかないと、これはなかなか解決が難しいのではないかということで、これは繰り返し国にも申し上げてきました。
その中で、今回の骨子案では、これまでの地方創生10年の成果と反省と書いてありまして、これは国としてそういうことがあったということで、省庁間の連携不足などが記載されました。これと、地方だけでは解決が難しい構造的な問題への対処ということで、国の制度的なアプローチを強化するということで明記もされました。まだ骨子案なので、そこからさらにどう議論、肉付けが行われるのかということはあるのですけれども、そういう意味では、この今までと違った形でアプローチしていこうという意味では、明記されたのではないかと受け止めています。
それと、石破総理が繰り返し言っているのが、令和の列島改造ということで、それは地方創生2.0の推進に当たっての位置付けというか、目標というか、そういうことで言っています。その中で、国家戦略上の重要分野に貢献可能な地域への国家プロジェクトとしての重点的な投資と、国の力強い後押しの下、地域が主体的に行う創意工夫の取り組み、その両方が必要だと。2層構造が必要だということでこれも繰り返し私も申し上げてきました。
要は、市町村とか都道府県が一生懸命頑張るのだけれども、国としても、その国家戦略上の重点分野、例えば北海道だったらラピダスプロジェクトとかもそうだし、食料安全保障の中でも重要な役割を期待されているということもあるので、そういう国家プロジェクトと、地域の主体的な創意工夫、この二層が展開されないと、なかなか難しいだろうと思っています。その上で、国の省庁、本省だとか、北海道の場合は国の出先機関もありますし、市町村の数は179ということで、日本で一番あるのですけれども、そういった中で道も一体となって政策を進める体制をつくっていくことが重要ということで、この点は私からも伊東(地方創生担当)大臣にこういった体制づくりについて直接提案して来ました。大臣のほうも、「国と北海道で連携して検討を進める」ということで、この体制づくりについては、ご発言もありましたので、ぜひ国として、この対応について、引き続き検討を進めていただきたいと思います。
骨子も出てきましたけれども、6月上旬に、道も国や産官学等の機関で構成する北海道創生協議会を開催させていただいて、今、申し上げたような国の動きなどについての情報の共有、北海道としても、国と北海道の連携の強化、こういうものの議論を進めていきたいと思っています。いずれにしても、そういった今の時点での受け止めというところです。
(北海道新聞)
昨日のうちにご覧になった骨子案の部分で、これまで北海道として伝えてきた部分が何か足りなかった部分とか、まだまだ課題視している部分というのは反映させるべきこととか、そういったものはあったでしょうか。
(知事)
まだ骨子なので、詳細が分からないというところは正直ありますけれど、たださっき言ったように、われわれとしては、これは市町村とか都道府県だけではやはり難しいということとか、あとこの10年間の反省という意味で、国の中の縦割り、各省庁間の連携が不足していたということを率直に国が言うってあまりなかったと思いますので、そういう意味では、一つ前進というか、そういう話なのかなと。
あとやはり、いろいろとこういうことをやろう、ああいうことをやろう、ということを今言っているのですけれど、それをどういう体制でいろいろなことをやっていくのというところが、明確にまだ述べられてないところがあるので、われわれはそれを提案しているのですね。やはり、市町村だけでも都道府県だけでも駄目なら、国の出先も北海道もあるし、でも出先だけだとやはり本省の決定権限がすごく多いので、そこともしっかりと連携しなければいけないし、そういう一体的に取り組む枠組み、体制づくりというのがセットでないと、なかなかその実行体制が整えられないのではないか、ということを投げかけています。それは、国としてそんなことは知りませんということではなくて、知事が言うようなことは確かにあるよねということで、検討を進めようと言ってくれているので、ぜひそこはやっていただいて、それはでも北海道だけではないですよね。全国でいろいろそういう体制については人がいなかったりとか、あとは担当分野が細かく決められているので、それぞれ難しかったりだとか、いろいろことがやはり北海道以外にもあるので。北海道の場合は全て一つなのですね、国の出先機関も。他の県だと、やはり複数県でまたがる形であったりするので、北海道はやりやすいのではないかと思っているので、そこもぜひ検討を進めていただきたいと思っています。
(北海道新聞)
もう一つ、ちょっと地方創生に関連する話題なので、別の話なのですけども、札幌市が本年度初めて地域おこし協力隊の募集を始めました。知事はこれまで、北海道内の郡部でご活躍されている地域おこし協力隊の方と何回も面談されたりして、協力隊員の存在について高く評価されているかと思います。その中で今回、政令市である札幌市で募集が始まることについて、知事として何かお考えはありますでしょうか。
(知事)
これは、道市懇(北海道・札幌市行政懇談会)で、秋元市長にもお話しさせていただいて、ぜひ検討しましょうということで、まずは1名から募るということなのですけれど、私はすごくいいことだと思っています。他の政令市でもやっているので。何がいいかというと、地域おこし協力隊1千人以上、北海道で活躍してくれていて、確か7割ぐらい残ってくれていると思うのですけれど、そういう意味では人口減少が大変な中で、外から来てくれて、活躍してくれて、残ってくれているので、すごくありがたいことだと思うのですけど、札幌市の場合は、東京都とかそういうところから来てもらわなければいけない。今、札幌市も、道内から札幌市に集まってというところが引き続きあるのですけれど、一足飛びにもう札幌市から、本州に行っちゃうということがあるので、やはり、むしろ東京都から札幌市に来てということで、多分、札幌市で活動したいという(方は)結構いると思うのです。東京都に住んでいるのだけれども、札幌市でぜひ活躍したい、そういう方はいらっしゃると思うので、私はこれは、すごくやったほうがいいのではないかと思っていました。
今回やられるということなので、ぜひ札幌市とも連携して、告知だとか募集だとか、いろいろなことがありますので、協力しながら、多くの方に北海道で活躍いただけるように、やっていければいいと思いますし、それと札幌市に地域おこし(協力隊)がいると、全道に1千人、地域おこし(協力隊が)いるので、他の市町村でやっていることを札幌に来てPRとかもやっているのです。だから、でも札幌市のそういう地域おこし(協力隊)の方がいたら連絡も取りやすくなるだろうし、非常にこれは今後いろいろな可能性もあるのかなと思っています。ですので、一緒に連携しながらやっていけたらいいと思っています。
(北海道新聞)
札幌市に、この協力隊の募集要件を確認したのですけれども、札幌市以外の政令市や3大都市圏に応募の時点で住民票があれば応募できるというふうにはなっているのですけれども、元々は道内生まれであったり、今も道内に実家があるということが要件にはなっていないと聞いています。協力隊のその全国的な要件がそうだと思うのですけれども、そうすると、例えば札幌市以外の地域、北海道内の札幌市以外の地域で生まれて育って、大学が関東、東京都に行きました。就職のタイミングで、この地域おこし協力隊の枠組みを使って札幌市に就職しましたという、いわゆるJターンみたいなことが可能なのですけども、こうすると、知事とか北海道が気にされている石狩管内、札幌圏への人口集中の部分で、わずかな数ですけれども、その北海道内の札幌市以外の都市部、札幌市以外の場所から札幌市に人が流れるということを間接的に作る仕組みにもなってしまうのかなというふうには思うのですけれど、その辺りは、知事としてお考えはあるでしょうか。
(知事)
いやそこは、今、例えば地域おこし協力隊で札幌市に住んでいる方が、他の地域に行って地域おこし(協力隊を)やっていたりもするのです。道内で。そういうのもあります。いずれにしても、やはりこれだけ人口が札幌市にいるわけです。社会増減で言って、札幌市も人口が減っていっています。ですので、とにかく札幌市に、そういった大都市から、むしろ帰って来てもらうなり、来てもらうなりということを積極的にやっていかない限り、こういう社会増減の問題というのはなかなか解消できない。その中で地域おこし(協力隊)というのは、交付税措置もありますしね。活動に対する支援などもあるので、だからこそ、北海道で1千人以上来ているのだと思いますから。札幌市というそういった大都市が新しく挑戦しようということ自体、私は歓迎したいと思いますし、そういった個々の間接的な動きとか、そういうことは可能性としてはあり得ると思うのですけれど、とにかく、できるだけ多くの方が、その大都市にいらっしゃる方が純増で、ある意味人口が増える、活動主体が増える、こういうことを選択肢として持って、政策として推進していくことは私は評価されるべきだと思うし、札幌市の取り組みを一緒になってやりながら、課題もいろいろ出てくると思うので、いろいろな課題を解消しながら挑戦していけばいいのかなと思います。札幌市でやりたい人、多分相当いるのではないかと思うのです。道内の市町村、札幌市以外で1千人以上いるのですから。札幌市はいいところだ、札幌市で活動したいという(人は)結構相当いるのではないかと思いますけどね。
(HBC)
ニセコで高級リゾート建設中の中国系の企業が破産手続きを始めているということで、建設を始めていた大型の施設が残されたままになってしまっています。この現状をどのように考えますか。
(知事)
詳細については承知してないのですけれども、ニセコ町において、さまざまなお考えなどもあると思いますので、そこはしっかりお伺いしながら、まずは情報収集などに努めていきたいと思っています。
このいわゆる対日投資、日本に対する投資の関係では、私も会議のメンバーとして、ニセコ町、倶知安町などにおけるさまざまな対日投資における課題などお伺いもしてきました。地域におけるリスクマネージマネジメント力を高めていけるようにノウハウの提供の支援策など、これまでも国に対して意見も述べてきているところでありますが、そういったニセコ町の状況、お考えなどもお伺いしながら、そういった国への要望などについても行っていければと思っています。
(HBC)
対日投資の課題をお伺いしてきたと今おっしゃっておりましたが、ここ最近ですとか、その課題という部分に何か変化みたいなものってありますでしょうか。
(知事)
これは例えば、(倶知安町の)文字町長とかもおっしゃっていましたけれども、結局、いろいろな投資が行われるのですけれども、(投資される方は)ずっとそこに住んでいるわけではないのです。例えば冬の時期に皆さん、活用いただいたりするのですけれども、夏場は冬ほど活用いただけてないと。また、そういった大型施設ができますと、行政としては水道の関係とか、公共駐車場の整備とか、いろいろな行政的なニーズが出てくるのですけれども、先ほど言ったように、それに必要となるような税収が、逆に言えば基礎自治体に多額に入るわけではなくて、その対応になかなか苦慮するという状況などもあり、また地元に住んでいる方々、ずっと前から住んでいる方とのさまざまな課題もありながら地域としては、うまく共生していけるような取り組みをしているのですけれども、国としては、そういった対日投資をどんどん増やしていきたいということなのですが、増やす上で、今申し上げたようないろいろな課題もあるので、そこは例えば、国としてそういう投資に対して、自治体が身の丈以上に対応しなければいけないことに対する財政的な支援とか、逆に言えばそういったものがないと、投資も止まってしまうというところもあるわけです。ですから、そういった課題などについて、国の会議などでもお話しさせていただいてきていますし、そこに対する具体的な国の動きというのが、まだ判然としないところはありますが、そういう地域の声を聞きながら、知事としてしっかり北海道を代表して発言もしていければと思っています。
(HBC)
今回少し大きめの倒産だと思うのですけれども、建物が残ってしまうということは、景観的にも結構印象も強いのかなというふうには思います。今後のニセコやですね、道内の観光業というところに、今回のその破産手続きを始めたという事実が与える影響や懸念というのはどのように感じますか。
(知事)
そこは正直、詳細な内容というのを、ニセコ町以上に今の時点で私も持っている状況ではないので、ニセコ町として把握している情報というものを共有いただきながら、必要なことは対応していければと思います。
(毎日新聞)
冒頭、前半部分で話にあった一極集中の絡みにもなるのですけれども、東京都が20日ですね、物価高騰対策と酷暑の対策ということを兼ねて、島しょ部含めて都内の水道基本料金を4カ月免除するというのを発表しました。
物価高騰とかそういった酷暑というところの部分で言えば、道民にとっても今、現実的に切実な問題ですけれども、まずは東京都のこの施策に対する受け止めというのと、道内でも道としてですね、似たような対応ができるのかというところの部分をお聞かせください。
(知事)
私、元々東京都の職員だったのですけれど、都庁というのは結構特殊な状況で、水道というのは普通市町村がほとんどやっているのですけれども、東京都の場合、(かつて)東京市だったので、23区については、東京都がやっているのです。今回の補助についても多分、多摩地域とか市町村については見合い額を交付するということでやるのだと思うのですけれど、そういう少し特殊な状況です。この4カ月でもいくらだったかな、多分380億円ぐらいですか。
(広報広聴課長)
368億円です。
(知事)
368億円かかるわけです。だからこれは、ほかの46道府県でできるところはないのではないかなと思います。それと、そもそもこの水道料金も、これは私も都の職員だったからあれですけど、水道管とかは結構老朽化しているのです。だから計画的に直していったりとかしなければいけないのです。ちょうど今、その老朽化とかが問題になっていて、穴が開いてしまったりとかいろいろなことになっていますけれど、基本的には料金収入をいただいて、計画的に再編の計画を立ててやっているので、それは4カ月とはいえ、約360億円という形になるということです。財政的な部分で、知事部局から水道事業会計のところで何かやり繰りするのか分かりませんけれども、そういう意味では、なかなかトリッキーなやり方ではあるなと思っています。
多分、財政需要としては、更新とかやっていかなければいけないのだと思いますし、東京でさえも人口が減っていくので、そういう意味では基盤インフラとなる上下水道施設というのは、これから結構お金がかかるので。あとは酷暑対策なのですけれども、来年は酷暑は解決するのですか、もっと暑くなってしまったという時に、それはどうするのですかという話もあったり、いろいろなことがあるのですが、私がここで申し上げることは控えたいと思いますが、政治的背景とかいろいろなこともあって、やっていらっしゃるのではないかと思います。
(毎日新聞)
おっしゃるように、政治的背景というところもあり得るとは思うのですけど、潤沢な財政基盤を持つ、おっしゃっていたように46道府県はなかなか難しいのではないというところもありますけど、そういう夏、東京は水道料金かからないのだったらということで、市民、国民には恩恵になりますけど、東京一極集中を加速するということの懸念というのも今回はありますか。
(知事)
教育費の関係(高校授業料の実質無償化)でも、全国知事会とかで、神奈川県の黒岩知事とか、千葉県の熊谷知事とか、東京都の県境で一歩東京都に入ったらタダで、うちの県では有料ですということで、首都圏の知事の中でも非常に難しさが出てきていると。近隣県の皆さんは東京都で働いて、千葉県とか埼玉県とかで生活はしているのですけれど、そういう状況の中で、ある意味東京を支えている人たちでもあるのだけれど、その潤沢な財源を背景として、本当にもう一歩入ったらそれだけの格差というものがあるということで、さっき言ったように、(いわば)東京市というか、権限が非常に東京都は強いですから、そういう意味で法人二税、企業業績、税収が上がると非常にいろいろなことができます。そういう構造があると。ですので、そういう意味では本当に難しい状況になっていると。広域自治体なのだけれども、逆に言えばもう市町村みたいなことをやってしまっているというところはあると思うのです。広域自治体なのだけれども、権限的にも財源的にも東京市みたいな形で対応していると。そうなってくると、そこに豊富な財源という意味での太刀打ちができるところというのは、神奈川県とか千葉県とか埼玉県ですら、もうかなりのサービスの差が出ているわけですから、ここは、本当は全国でどういった標準的なサービスのあり方があるのかということを、全国的議論をして、考えていかなければいけないというところを、国はある意味で放棄しているので、こういう状況にもなっているということも言えるのかなと思います。
(建設新聞)
核のゴミの最終処分地関連で二点質問があります。
一点目が5月16日にNUMOと神恵内村の対話の場が開かれて、文献調査報告書が提出されてから初めての開催ということもあって、例えば「知事の考えを聞きたい」とか、「出席してほしい」というような参加者の方の意見が多くありました。例えば、今後ですね、道がそういう場を設けて知事が実際に出向いて、そういった地域の方々と意見交換をするようなお考えはあるのか教えてください。
もう一点が、北海道ではないのですけれども、島根県益田市で、文献調査受け入れの請願提出を検討していた地元の団体が、最終的には県知事らの反発を受けて、提出を白紙に戻したことなのですけれども、かねてから鈴木知事が言うように、自治体のいわゆる手挙げ方式でこの最終処分地を選定する手法の難しさというのが今回ちょっと表れているのかなと思うのですけれども、これをどのように捉えているのか教えていただけますか。
(知事)
まず神恵内村の話ですけれど、私自身がその対話の場に参加してということは控えたいと思っています。というのは、これは賛否を問う場ではないということと、あと住民の皆さんが議論していくという形なので、私が行くことによって影響を与える可能性があるのではないかと思っています。ただ、オブザーバーとして道が参加させていただいています。今回パブリックコメントの内容とか、道の考え方とか、そういうのをもう少し聞きたいと言っていただいたというのは、私たちにとって大変ありがたいことなので、担当部局に対してしっかり丁寧に説明させていただくようにお願いしました。ただ事務局は、NUMOがやっているということなので、まずNUMOにわれわれとしては、話を聞いてくださると言っていただいているので、道の考え方をお話ししたいということをお伝えしています。ですので、運営委員会のほうで、説明に来ていいです、説明していいですということであれば、ぜひわれわれの考え方というのを丁寧に説明させていただければなと思っています。
それと、新たな動きの部分の話でいうと、これは他の自治体でもそうでしたけれども、いろいろな地域の方々のお話があってということなのだと思うので、私の立場で、この個別の自治体に対してああだこうだということは、この会見で控えなければいけないのだろうと思うのですが、先ほど質問の中にもあったのですけれども、市町村からの発意を主とするやり方、今のプロセスというのはやはり課題があると思っていますし、それは国にも申し上げてきています。これは、例えば地盤の安定性だとか輸送適性とかそういった中から最適な処分地を選定するという観点でやはり課題があると思いますし、国がやはり全国の適地を調査して候補を絞り込んでいくということ。そして、この都道府県や周辺自治体はもとより、広く住民の皆さまに対して丁寧に説明をして理解を得る(ことが必要)。こういうことを避けるということだとなかなか難しいのではないかと思います。ですから、こういった選定プロセスの見直しが必要なのではないかということで、これまでも一貫して申し上げてきたところでありますので、これは国にも引き続き求めているところです。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)