知事定例記者会見(令和6年4月25日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年4月25日(木)15:32~16:17
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/24名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 大型連休における注意喚起について

記者からの質問

  1. 高レベル放射性廃棄物について
  2. 人口戦略会議の発表について(1)
  3. 人口戦略会議の発表について(2)
  4. 苫小牧地域でのアンモニア供給拠点について
  5. 長谷川岳参議院議員の報道について
  6. 北海道新幹線の開業時期について
  7. 知事公館・近代美術館エリアの活用について
  8. 観光における安全対策について
  9. ラピダス社のIIM-1建設現場の視察について
  10. 知事就任後5年間の振り返りについて

知事からの話題

大型連休における注意喚起について

 私から一点お話しさせていただきます。
 今週末から大型連休を迎えるところであります。新型コロナウイルスが5類に移行してから初めての大型連休となりますので、旅行やイベントなど、楽しみにしておられる皆さまも大変多いと思います。皆さまには、この期間中、事故などに十分注意をしていただいて、安全に過ごしていただければと思います。
 一昨日、「知床遊覧船事故被害者追悼と知床観光の安全を誓う集い」に参列いたしました。知床はもとより、道内各地を訪れる方々に安心していただけるよう、全力で取り組んでいくという思いを、あらためて強くしたところであります。地域のレジャー施設や観光事業者の皆さまにおかれましては、お客さまが思いがけない事故に巻き込まれることのないよう、安全基準の遵守や利用者への安全対策の徹底をあらためてお願いいたします。
 これからの季節は、雪解けによる雪崩、河川の増水や土砂災害、林野火災のほか、山菜採りやレジャーによる事故などにも注意する必要があります。特に、この時期は山菜採りで野山に入る機会が増え、夢中になって方向を見失う遭難事故も例年多く発生しています。道としても、SNSによる注意喚起のほか、道警や北海道森林管理局、北海道山岳連盟といった関係機関の皆さまとともに、注意喚起の取り組みの徹底を確認し、事故の防止に努めてまいります。
 道民の皆さまにおかれましても、遭難事故を未然に防ぐために、単独行動を避け、天候の急変に備えて、携帯電話など通信機器や非常食を携帯し、行き先を必ず家族や知人に知らせるなど、出かける前の準備をしっかりと行っていただくようにお願いいたします。
 加えて、この時期は、冬眠から目覚めたヒグマが活発に活動をはじめ、過去に多くの人身被害が発生しています。このことから道では、5月31日までを「春のヒグマ注意特別期間」として、注意を呼びかけておりますほか、本道を訪れる外国の方向けに、ヒグマと出遭わないためのルールなどを記載したリーフレットを作成して、レンタカー会社などで提供していただいて、注意喚起を行っております。野山に入られる際は、食べ物、ゴミの持ち帰りの徹底、笛や鈴の音で人の存在をヒグマに知らせるなど、ヒグマとの事故を防止するための行動をとっていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、交通安全についてであります。これから車を利用する機会が多くなると思いますが、スケジュールには余裕を持ち、こまめに休息を取っていただいて、安全運転を心がけていただきたいと思います。自転車に乗車する際にヘルメットを着用することなど、交通ルールの遵守に努めていただくようお願いいたします。
 道では5月2日、道警察、札幌市などと連携して、札幌駅周辺でヘルメットの着用を含む自転車の安全利用について、街頭啓発を行う予定であります。また、連休中には、飲酒の機会も増えると思いますので、飲酒運転は「しない、させない、許さない、そして見逃さない」ということを徹底していただくよう強くお願いいたします。
 私からは以上です。

記者からの質問

(NHK)
 本日、佐賀県の玄海町が核のゴミの調査に関して、文献調査を受け入れることについて、議会の特別委員会のほうで請願が可決されたということがありました。町の判断というのが待たれるところではありますけれども、現時点で知事のこの件に関する受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 これは以前もお話ししていますが、それぞれの自治体、さまざまな背景の下で議論が行われているところであると考えています。私の立場から個別自治体についてコメントすることは控えたいと思います。

(NHK)
 個別の自治体についてコメントすることは控えたいとこれまでもおっしゃっていたと思いますけれども、その上で現時点で道内で行われてきた文献調査、これが概要調査に進むかどうかというところかなと思いますけれども、これについての知事のお考えは変わりないでしょうか。

(知事)
 これは一貫して申し上げていますが、現時点で反対の意見を申し上げることに変わりはありません。

(NHK)
 仮にですけれども、玄海町が文献調査をするとなった場合についてですが、これまで知事は、会見等の場でも、北海道だけの問題になることを危惧されているような発言をされてきましたが、もしこの新たな調査地点が増えた場合には、どういった影響があるとお考えでしょうか。

(知事)
 今まさに、さまざまな背景の下で議論が行われているところかと思いますので、そういった個別自治体についてのコメントについては、控えたいと思います。いずれにしても、私の考えに変わりはないということも申し添えたいと思います。

(NHK)
 もう一点なのですけれども、全く別のお話で、昨日公表された調査に関してお伺いしたいのですけれども、消滅可能性自治体の調査に関して、道内では117の自治体がこれに該当すると、最終的には消滅する可能性があるというような分析が、民間の有識者でつくる団体のほうで公表されたということがありました。この件に関して、知事のお考えをお聞かせ願えますか。

(知事)
 この件については前回、これは10年前ですけれども、前回と比較しますと、消滅可能性自治体については、全国では896自治体から744自治体、北海道内では147自治体から117自治体となっている状況です。全国、道内ともに該当する自治体の数は減少しているものの、若年女性の人口減少に歯止めがかかっていないという中で、依然として厳しい状況が続いていると受け止めています。このシンポジウムにおいては、パネルディスカッションも行われて、知事なども参加したということでありますが、今回のそうした提言を受けて、さまざまな知事からも発言があったと報告を受けていますが、例えば、このコロナ禍で地方回帰といった人口の移動のトレンドが見られたわけですが、こうしたパラダイムシフトを後退させるべきではないといった意見ですとか、またこの世の中の仕組み、そして価値観を変えていく必要があるのではないかというご発言もあったと聞いています。また、国として政府として、官房長官は、人口減少問題は日本社会の最大の戦略課題であり、政府が掲げる少子化対策を着実に実行していくとともに、若年層を中心に、地方に対してしっかりと人口を戻していくため、地方創生の取り組みを加速させるなど、政府一丸となって取り組む旨の発言があったということであります。道としては、この人口減少問題への対応については、北海道、そして市町村の取り組みはもちろんしっかりとやっていかなければいけないと思っているわけですが、これはどうしても日本全体、全国的な課題として、長期的な視点に立って取り組む必要があると考えていまして、今申し上げたようなこうした動きなども踏まえて、結婚、妊娠、出産、子育てで希望をかなえる環境をつくっていくことや、また、シンポジウムで知事からも発言があったわけですけれども、この都市部から地方への人の流れ、これを拡大させていく、これに向けて支援をどう行っていくのか、この点については知事会として国に連携を求めていきたいと考えています。それと、道としても、来月開催を予定していますけれども、北海道創生協議会がありますので、こちらにおいてこの情報をまず皆さまと共有を図った上で、この人口戦略会議の提言等を参考にしながら、次期創生総合戦略の策定に向けて検討を進めていきたいと考えています。

(読売新聞)
 今の人口の件で、まずお伺いしたいのですが、昨日の調査結果を見ると、北海道は地域的に見ると、やはり旧産炭地だったりとか、渡島地域とか、そちらのほうの数字というのがだいぶ減少率が高かったと思うのですが、知事の中では、人口減少対策というのを、その地域ごとに特別な対策が必要だという考えなのか、それとも全道的に同じような対策が必要なのかということをお聞きしたいのと、結婚とか出産の支援というのと同時に、道はこれまでもここ数年やはり関係人口とか交流人口とか、そちらのほうの対策にも力を入れてきたと思うのですが、あらためてその両睨みといいますか、どのように両立させていくのかという考えをお聞かせください。

(知事)
 先ほど町村長の総会(北海道町村会定期総会)も札幌市で行われていて、この今回の提言なども話題になっていたところでありますけれども、人口減少が他の地域に先行する形で進んでいる本道においては、過疎地域も多いですし、それぞれの基礎自治体である市町村が、そうした人口減少の厳しい状況を認識しながら、これまでもさまざまな取り組みを進めてきています。地域によっては出生率の改善や、社会増減の中で社会増に転じるなど、一定の成果が出ている地域もあるのも事実です。ただやはり、単独の市町村のみで対応していくことの限界や、これは広域自治体としてもしっかり連携して取り組むわけでありますが、先ほど申し上げたように、日本全体でやはり国家として、どういった人口規模を維持していくことを前提として政策を実行していくのか、こういうことをいよいよ議論していく、そういうタイミングでもあると思っています。
 2100年の人口規模、例えば、今出ている日本全体で8千万人程度の人口ということを一つの目標で置いた時に、どういった人口バランスで日本全体を維持していく必要性があって、どういった都市との偏在是正を図っていく必要があるのかですとか、そうしたことについては、やはり本来であれば、国会などにおいても、今さまざま政治資金の問題などで議論に多くの時間が割かれているということはあるのだと思いますが、まさに国家をこれからどうしていくのだという話ですから、本来こうしたところにこそ、しっかりした国家像をどうしていくのだということは、ぜひ集中的に議論していただきたいと思いますし、われわれとしても、これから予算に向けた提案とかもありますから、今回の提言なども踏まえた中で参考としながら、国に求めるべきは求めていきたい。北海道は市町村としっかり連携して、粘り強く対策を講じていくとともに、そういった国家全体で考えていくべきことについても提案していく、そういうことが大事かなと思っています。

(読売新聞)
 もう一点、全然別件の質問ですが、本日、北海道電力とか苫小牧市が、苫小牧地域のアンモニアの製造のサプライチェーンの共同検討の開始というお知らせを出していると思うのですが、知事は、昨年の9月の苫小牧市のCCS施設の見学の時にも、アンモニアとか水素の製造の拠点供給網の整備の後押しというか、そういったところも発言されたと思うのですが、アンモニアの製造は多分日本ですと、山口県の周南市とか愛知県の碧南市とかが拠点として有名だと思うのですけれど、それ以外に北海道の拠点の検討が進むということについての受け止めと、どうしてもやはり碧南市とかのほうが結構進んでいるところがあると思うのですが、そこに仮にこの共同検討が進んでいって、サプライチェーンができていくという時に、どのように道として後押しできるのかというのを、お考えを聞かせてください。

(知事) 
 今回私もコメントを出させていただくわけですけれども、以前も、この2月にENEOSや出光興産などが、ある意味ではそうした今までの企業の垣根を超えた中で、水素サプライチェーンの構築、こうした取り組みについての検討を表明されましたけれども、今回については、例えば丸紅、三井物産といった商社が、ある意味では垣根を越えて、趣旨に賛同する中で共同検討を行うことに合意して発表されたということですので、そういった意味では、水素、アンモニアの供給のサプライチェーンを実現する上で、今までになかった動きであると思います。次世代のクリーンなエネルギーとして有望視されている中で具体的なこういった企業名が出てきた中で、共同検討が行われることは率直に期待しているところです。
 また、苫小牧エリアについては、CCS、CCUS、さらにこの水素、アンモニア、合成燃料、こういった形で、関連産業の集積を図る観点から、ゼロカーボン北海道の実現、そしてわが国全体のカーボンニュートラルの貢献、これにもつながる重要なプロジェクトであると認識しています。それぞれの提案というのは一つ一つですけれども、そのエリアの中で、こうしたさまざまな積極的な動きがあって、具体的な検討表明も相次いでいることは、点ではなくて、それぞれが相乗効果をもたらしていくものでもありますので、ぜひこれは国にも、そういった視点でこのプロジェクトを見ていただきたいと思っているところであります。
 いずれにしても、この国が進める水素・アンモニア拠点、こういうものがありますので、こちらに選定されるように、苫小牧市をはじめとする地域、そして関連する企業の皆さまなどと連携しながら、取り組みを進めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 長谷川岳参議院議員をめぐる対応についてお伺いします。札幌市の秋元市長が今週23日に長谷川参議院議員から威圧的な言動を受けた時の防止対策として、面会でのやり取りを原則録音するという方針を打ち出しました。知事は道でも同様の対応を含めて、威圧的言動の抑止策を講じるお考えというのはございますでしょうか。

(知事)
 これは既に講じているわけですけれども、まずは、これ振り返りというか、長谷川参議に対しては、改めるべきは改めるべきであるということで、これは具体的な内容を踏まえた中で2回ほど直接申し上げた上で、ご本人からは、しっかり改めていきたいということでお話がありました。そして、こうした状況を踏まえた中で、道としては、幹部職員に対して、威圧的な言動があった場合、速やかに報告するようにということで、これは4月5日になりますけれども、私から指示を行っています。そして4月5日以降、現在まで、そうした威圧的な言動があったとの報告は受けていないという状況であります。
 そして、録音のお話ですけれども、道としては、これは当然のことといえば当然のことなのですが、録音するしないに関わらず、当然事実があった場合は、迅速に、その事実関係を共有の上、申し入れを行うなど、組織的に対応していかなければなりません。そのことをまずはしっかりやっていくということです。それで、録音については、これは率直な意見交換を妨げる恐れがあるということ、そして、これも当然ですけれども、必ずしもその全ての場合において録音できるとは限らない。例えば立ち話とか、いろいろな場面で威圧的と感じる言動などにつながる場面もあるのではないかと思っています。そういうことも考えられますので、現時点では一律録音するということは考えていませんけれども、これは国会議員に限らずさまざまなハラスメント、こういった状況について、過去のものも含めて、またこのハラスメントなどを受けた職員はもちろんなのですが、そうした状況を見ましたとか、聞きましたとか、そういった職員についても声を上げやすい仕組みをつくっていくことが大切だと思っていますので、先ほど申し上げましたけれども、まずは迅速に事実関係を共有して、組織として対応していく。そして、当然のことですけれども、つらい思いをしている職員は一人でも減らす、そのために、こうした仕組みをしっかりつくって、職員に対して速やかに周知して、その活用の徹底を図っていきたいと考えています。
 録音は、札幌市においてもいろいろな対応があるということですけれども、これは録音するとかしないに関わらず、やってはいけないことは当然やってはいけないわけですし、言うべきことをしっかり組織として言っていくということが大事だと思うので、そういった威圧的な行動があったから、次から本人に確認して、(録音しても)いいですかと聞いて録音する、そうではなくて、最初にまず(威圧的な行動が)あるわけですから、その時点でしっかり改めてくださいと言うことで、組織で対応している人、一人とか複数かもしれませんけれども、そういう方々が声を上げやすい状況をつくった上で、組織的に対応するということが大事なのだと思うので、そこを徹底していきたいと思っています。

(北海道新聞)
 今、原則一律録音することはないとおっしゃいましたけれども、場合によっては、ケースによっては録音することも、指示だとかそういうものを出していく可能性はあるのでしょうか。

(知事)
 やはり、これはマスコミの方の取材もそうだと思いますけれども、いろいろ意見交換する時に、いきなり録音しますよと言って、なかなか率直な意見交換ができないことも、事実としてあるのです。ですから、あらゆる人を全部録音して、そういうことをやるとなると、やはりざっくばらんにいろいろな意見交換に支障をきたす恐れもあると思います。ただ、録音するとかしないとかが問題ではなくて、そういう事実があったら直ちにやめてくださいと言うことが、次からではなくて、その事実があった時にもうやめてくれということを速やかに言っていくということが、やはり大事だし、それを組織として対応していくということが大事だと思います。いずれにしても、一人でもそういう状況を減らしていく、これが大事なことだと思います。それと、過去にもそうしたことがあったとか、見たとか聞いたとか、そういうこともあるかもしれませんので、しっかり声を上げやすい状況をつくって徹底してその仕組みを運用していく、これが大事だと思いますので、道としてはそのように対応したいと思います。

(北海道新聞)
 一応確認ですけれども、先ほど4月5日に庁内的に何か威圧的な言動を受けた場合は、すぐ報告するようにというようなものを周知したという話だったと思うのですけれども、他には、長谷川氏自身には知事のほうからも、今後は威圧的な言動はないようにというような話を多分されていると思うのですけれども、他に抑止策みたいなものは、特段今のところは考えていないということでよろしいでしょうか。

(知事)
 私もしっかりどういった対応があったかということについても共有していきますからということもご本人にもお伝えしていますし、しっかり対応していくことが大事だと思っています。

(北海道新聞)
 もう一つ関連で、札幌市のほうが出張の記録に関して23年度分のものを市長も含めて今回の調査結果を23日に公表しました。道も今調査中だと思いますけれども、いつ頃までかかるのか、その見通しをちょっと教えていただければと思うのですが。

(知事)
 これはですね、結構な作業量になっています。具体的に申し上げると、道の場合は振興局も含めた知事部局、そして課長級以上、約700名の職員に対象範囲を拡大して、さらに令和元年度から5年度までの5年間についての延べ3500人以上の対象を、その出張回数、出張に応じた金額などについて確認しています。かなり膨大な状況になっています。できるだけ早く作業を進めるということでやっていますけれども、どうしてもそういった3500人以上の対象状況をしっかり調べていますので、公表できる、皆さんにお知らせできる、そういう状況になったらしっかり目途というか、お話できればと思っています。

(北海道新聞)
 これ、大体全体のどれぐらい終わっているのでしょうか。

(知事)
 そこはどういう状況ですか。

(総務部次長)
 全体の中でどのぐらいというか、(調査が)始まって少し経っているという状況でございます。まず各部から(調査表を)集めて、出てきたところから、今作業を進めているという段階になっています。

(日本経済新聞)
 北海道新幹線関連で伺います。30年度末の札幌延伸を断念することをJRTT(独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が近く発表する方向で国交省と調整していることが取材でわかりました。知事の受け止めを教えてください。

(知事)
 国や鉄道運輸機構から報道のあったような内容については、説明を受けておりませんので、私としては承知をしていないところであります。

(日本経済新聞)
 仮に30年度末断念となった場合の北海道経済への影響はどのように考えられていますでしょうか。

(知事)
 これは何度も皆さまとともに、北海道新幹線の札幌開業については道民の悲願であるということで、本道経済にとって大きな影響をもたらすものであることから、皆さんと連携しながら早期開業に向けて要望してきたわけであります。札幌駅前再開発をはじめとした街づくりもそうですが、沿線の自治体、地元関係者、官民一体となって、1日も早い開業に向けて取り組んできたわけであります。ですので、こうした状況の中で、今まで取り組んできたということでありますので、その点はこれまでも国や機構にも申し上げてきたところです。

(日本経済新聞)
 取材の中では30年度末断念というのは出るけれど、その先の延期時期は示されないのではということも報道されていますけれど、そういった点に関してはどのように考えられていますか。

(知事)
 それはまず内容の説明を受けていませんので、仮定といいますか、報道自体は承知していますけれども、そうした状況であります。そのような中でコメントすることは難しいと思っています。

(HTB)
 一点お伺いします。近代美術館と知事公邸のありました居住エリアの再整備について伺います。現在、検討が進んでいると思いますが、その検討状況と取りまとめの時期について知事のお考えをお願いします。

(知事)
 エリア一帯が、この長い歴史の中で築き上げられてきた、大切に守られてきた大変魅力的な場所でありますので、道民の皆さまの貴重な財産、私としてはそのように認識しています。今、知事公館の庭園について開放しています。以前の会見で申し上げましたけれども、桜が、今綺麗に見頃を迎えている中で、22日から開放させていただいています。常日頃、例えば保育園の園児の皆さんとか多くの方が庭で散策などいただいてるということで、私も実際に皆さんとお話ししたこともありますけれども、そういった地域の方にご利用いただいていて嬉しく思いますし、ぜひこの機会に多くの方に、知事公館ですとか、近代美術館などについて知っていただいて、より親しんでいただけるように、引き続き、道としてもPR、発信をしていきたいと思っています。
 そしてこのエリアについては、道の「文化」「芸術」「歴史」の発信の拠点として活用するということなど、これまで以上に魅力あふれる道民の皆さまに親しまれる場所として、次の世代へと確実に引き継いでいきたいと考えていまして、この考えの基に取り組みを進めていきたいと考えています。

(朝日新聞)
 冒頭おっしゃられたように連休を前にしていろいろな遭難についてとかの注意喚起をされたわけですが、今回知床のことで、基地局の整備の問題がいろいろ進もうとしています。当方の理解では、この件は長谷川議員が積極的に関与して進めてきたポジティブな、政策としてはポジティブな部分もあるかと思うのですが、先日、アドベンチャートラベルなどに関しても言及がありましたけれども、今後、北海道がさまざまに、そういったアドベンチャートラベル的なリスクの伴うような観光、もしくは観光船のような観光の安全対策について、他省庁間で協議しなくてはいけない部分というのはさらに増えていくと思うのですが、長谷川議員の件もありましたし、今後、知事として、まずは政策の方向として、安全対策とアドベンチャーだけでも安全だという方向でどうされるのか、次に中央(国)との協議を今後進めていく際には、そういった場合、どういうことに気を付けていかれようとするのか、その二点をお伺いします。

(知事)
 AT(アドベンチャートラベル)については、特に自然、そして身体的体験、アクティビティメニューがやはり北海道は非常に魅力的ですし、それを非常に魅力と感じて、海外から多くの方に、お越しいただいている一方で、例えばスキーなどでもそうなのですけれども、新雪を楽しみたいという状況の中で、雪崩などに巻き込まれるような、そうした被害なども大変残念ですけれども、現実に起こっているということがあります。当然、そうした唯一無二の身体的体験アクティビティメニューを楽しみに来られる方については、ガイドなども含めて十分に安全対策をご説明するのみならず、安全対策を実行していただく中で楽しんでいただくということがやはりセットになってきますので、説明を申し上げてもなかなかそれを実行していただけないということであると、どうしてもそうした自然というのは時に非常に厳しい側面を見せる、そうしたものでもありますので、しっかりとそこは多言語対応ですとか、いろいろな形であらゆる国の方々が安全の中で楽しんでいただけるという取り組みを、ガイドの育成のみならず、しっかり対応していかなければならないと思っています。これは道として、ATのさらなる誘客を図っていく上で、ガイド育成とともに重要なポイントになってくると思いますので、事業者の方々や地域とも連携して、安全対策をしっかりとやっていかなければならないと思っています。そして国においても、骨太の方針の中でもアドベンチャーツーリズムにつきましては明確に記載がありますし、また、観光の高付加価値化の中でそうした期待に応えていくことが、インバウンドのさらなる獲得に向けても、大きな可能性を持っているということについては、北海道も国も、そういう意味で共通の認識を持っています。むしろわれわれは、その先進地域だと自負していますし、国もモデル的な地域指定を行うなど、期待も大きいと思っています。そういう意味では、これまでもそうですけれども、緊密に連携しながら、多くの方を迎えることができるということは重要だと思っています。
 国の考え方、また、道の考え方、国も都道府県も、それは上下関係では当然なくて、お互いがお互いそれぞれの背景の下で、どのように、お互いの目標である多くの方々に安全の下で楽しんでいただけるのか、ということでしっかり議論をして、政策を前に進めていくということで、やはりしっかりとその対話、または協議、またはさまざまな勉強会など、そういったことは行っていかなければいけないと思っています。

(朝日新聞)
 フォローアップ一点だけお尋ねします。北海道は阿寒国立公園、1934年だと思いますけれど昭和9年ですか、それぐらいから古く国立公園とかの伝統があります。環境省であったり、もしくは道内ほとんどが国有林であって、林野庁との協議とかも欠かせないです。その際に、その2つについて申し上げたのは、例えば、知床という場所はそういう場所であって、今回の基地の関係とかでも複雑に絡み合っていると、そういった中で、道として、勉強会とかもそうなのですけれども、道選出の先生方とかを通じて打診したり、意見交換したりという場面で、他省庁にまたがる場合、特に国会議員の先生方などと、どのような理想像を持ちつつ、実務をしていこうと思うのか、知事のお考えをお伺いします。

(知事)
 そこは確かに環境省や国土交通省などの各省庁が、エリア別に管轄や、権限の下で、担当が分かれていたりとか、そうしたケースは結構あります。そういう場合についても、基本的には市町村もそうなのですけれども、われわれ都道府県は特にそうなのですが、各省庁と連携して取り組んでいく事例は結構ありますので、そこはそれぞれ国会議員の先生にもご協力いただく場合もあれば、むしろ道が呼びかけを行って皆さんにお時間をいただいて、ディスカッションさせていただくケースというのも、多分そちらのケースのほうが多いのではないかなという感覚はありますけれども、そういった状況の中で、議論をしっかりしていくということがやはり大切です。また、相手方がありますので、環境省や国土交通省の皆さんのご都合とか、政策における考え方、必ずしもわれわれがやりたいことに対して、完全に同じ思いでというよりは、ある意味、規制当局でもあったりするので、ここは難しさがあるのですよ、というお話をいただくこともあるわけですが、そこはそれぞれの立場の中で、どうやれば課題が解決できるのかということで、しっかり事務レベルもそうですがお話をしていくことが、基本的なスタンスとしては重要なのだろうと思います。関心の高い国会議員ですとか、道議の先生もそうですけれども、それはそれぞれいらっしゃいますので、そうしたところに情報共有していくということは、日常的にやっていることで、これは、各省庁でもありますので、そこはやはり一定の対応をしていかなければいけないとは思っています。

(朝日新聞)
 簡単になのですが、ワンストップショップ的に対応してくださる国会議員なり、道議の方々がいらっしゃれば、政策遂行者としてはありがたい部分があると思うのですけれども、そういった方々の今回の問題は距離感が問われてしまった部分もあろうかと思うのですが、最後に、その部分については何かお考えはありますでしょうか。

(知事)
 これは繰り返しになって恐縮ですが、やはり改めるべきは改めていただくということに尽きるのだと思っています。そして私たちも、そういった威圧的に感じた状況などがあれば、やはりこれは速やかに組織として対応して、是正を求めていく、ここはしっかり徹底した中で、道民のために、また国全体のために、それぞれどういう形で有効に議論して答えを出していくのかということをしっかり実践した中で、長谷川参議も言っていますけれども、やはり再び信頼を取り戻していく。私たちも、道民の皆さんの期待にしっかり応えていく、このことを徹底していきたいなと思っています。

(北海道新聞)
 知事は、明日ラピダスの工場現場を視察されますけれども、この視察の目的、狙いなどを教えてください。

(知事)
 まず、このラピダス社の次世代半導体製造拠点の整備事業については、国において、5900億円を支援上限として、2024年度の計画・予算が承認されたところです。道としても、用水、道路などの必要なインフラの整備、そして、人材育成、確保などに向けた取り組みを進めているという状況であります。いよいよ来年の春に迫るこのパイロットラインの稼働、そして、その先の2027年の量産開始を実現するためには、今年度が特に重要な年になります。そういう状況の中で、私自身、昨年の9月の起工式以来になるわけですけれども、やはり建設現場を直接訪れ、自分の目で現場の状況を確認させていただいた上で、小池社長にもお越しいただいた中で、また意見交換させていただきたいと考えています。プロジェクトの進捗状況、そして課題などをあらためて共有させていただければと考えています。
 この非常に大きな国家プロジェクトの成功に向けて、各般の取り組みを着実に進めていければと考えています。

(北海道新聞)
 別の話題になりまして、先週もお尋ねして、重ねて恐縮なのですが、23日に知事就任5年を迎えられました。その関係で、知事のこの間のスタンスについてお聞きしたいと思うのですけれども、当初コロナ禍においては、独自の緊急事態宣言を出したりして、大きな存在感を示してきたという印象を私自身持っているのですけれども、二期目以降、道政運営に、ご本人はそうは思わないかもしれないのですけれど、慎重さというのが目立たれているのかなと、何をされようとしているか、ビジョンがあまり見えないというような声も聞くわけなのですけれども、その点に関しては、行政マンとして不断のサービスを提供するという意味においては、ある種当然とも言える部分なのかもしれませんが、今お聞きしたいと思っているのは、慎重さが際立っていて、何をやりたいのか見えないというような指摘に対して、知事自身どのように受け止められているのか。存在感を発揮しきれているか、その辺について少しお考えをお聞かせください。

(知事)
 あらゆるそういう声を、やはり謙虚に受け止めた上で、しっかり知事としての役割を果たしていきたいと思います。私自身の評価については、まさに道民の皆さまが評価されることだと思いますが、コロナ禍における緊急事態宣言をはじめとした危機管理対応フェーズと、ある意味では、通常の状況でさまざまな課題を具体的に解決していく意味での慎重さというのは、私はやはりどちらも重要なことだと思います。これからも慎重に期すべきは、慎重に対応しながら、また、北海道民のためにさまざま国や対外的に発信すべき必要がある、知事として発信すべきことがある時には、しっかりと多くの方に北海道の立場、また考え、こういったものを理解していただけるような努力をし、十分存在感が発揮できていないのではないかという声もあるということも、それはさまざまな声がありますので、その全ての声を受け止めながら、しっかり真摯に知事としての仕事に向き合っていきたいと思っています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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