林地未利用材の発生量の推計について

林地未利用材の発生量の推計について

近年、道内では木質バイオマスを原料とする発電施設の稼働などにより、木質バイオマスのエネルギー利用量が増加しています。製材などに利用できない細い間伐材や木の根元、末木などの林地未利用材は、多くの発電施設が稼働している地域などでは、調達が難しくなっている一方で、森林の伐採量の増加により、未利用材の発生量が増えている地域もあります。

 

木質バイオマスエネルギーの利用量と利用施設の状況 (PDF 578KB)
 

そこで、道では、地域の実情に対応して、これから木質バイオマスボイラーの導入などを計画する事業者の参考となるよう、林地未利用材がどの地域でどの程度発生するか推計を行いました。

林地未利用材とは

林地未利用材とは、森林の伐採の際に発生する「製材等に利用できない細い間伐材」や「枝条」「木の根元」など、これまでは未利用のまま林地に残されてきた木材で、これをエネルギーなどに有効活用することで、森林資源の価値の増大だけではなく、石油など化石燃料の代替となりゼロカーボン社会の実現にも貢献するため、更なる活用の促進が期待されています。

 

01未利用材図解.jpg

 

 

02末木・枝条.jpg

 

林地未利用材を集める・加工する

林地未利用材は、森林内に広く分散していて、かさばるため、道路までの距離や、ボイラーなどの利用施設との距離や価格など、集荷・加工のコストが利用条件に合うもののみ利用されます。

林地未利用材の更なる利用を進めるため、低コストで集荷・加工するための工夫や取組が進められています。

 

04集荷・加工2.jpg

 

あつめて、はこぶ林地未利用材集荷・搬出作業実践テキスト

林地未利用材の発生量とは

末木・枝条や追い上げ材などの林地未利用材は、森林の伐採に伴い一定量発生します。

発生量の推計にあたっては、道内各地の森林の伐採量と林地未利用材が発生する割合(道立総合研究機構林産試験場調査)に基づき、各地でどの程度の未利用材が発生しているか推計しました。

 

推計した発生量は、森林内で発生している量で、林地未利用材は、集荷・搬出にコストがかかるため、地形や作業効率等によって、発生量の全てを利用できるものではありません。

 

令和元年度における林地未利用材の発生量

令和元年度の発生量について、国有林・道有林・一般民有林の伐採実績と林地未利用材の発生割合(道総研林産試験場調査)をもとに、北海道が独自に推計しました。

※発生量は、林内に発生する数量であり、地形や作業効率等によってはすべてが林外へ搬出できるものではありません。

令和元年度の全道の発生量(推計) (PDF 226KB)
令和元年度の市町村別発生量(推計) (PDF 176KB)

 

令和13年度における林地未利用材の発生量(見込み)

令和13年度における発生量について、北海道森林づくり基本計画等に基づく伐採量の将来見込みと令和元年度の伐採実績をもとに、令和13年度の市町村別の伐採量を推計し、林地未利用材の発生割合(道総研林産試験場調査)により、北海道が独自に推計しました。

※発生量は、林内に発生する数量であり、地形や作業効率等によってはすべてが林外に搬出できるものではありません。

令和13年度の全道の発生量(推計) (PDF 228KB)
令和13年度の市町村別発生量(推計) (PDF 181KB)

林地未利用材を利用する

林地未利用材を化石燃料の代替としてエネルギー利用することにより、地球温暖化の防止だけではなく、原料の集荷や加工など地域での雇用創出効果や地域外に流出していた燃料費の地域内循環など様々な効果が期待できます。

木質バイオマスボイラーの場合、例えば、小学校や中学校などの教育施設で冬期間の暖房のみで利用する場合は、規模にもよりますが年間200~500㎥ほどの木質燃料を必要とし、温泉施設など、年間をとおして加温などに利用する場合は500~1,000㎥ほどが必要となります。

道内でも、木質バイオマスの熱利用が進みつつあります。地域の森林資源をエネルギーに利用してみませんか?

 

06ストーブ・ボイラー・発電所.jpg

 

木質バイオマスの熱利用のすすめ

カテゴリー

林務局林業木材課のカテゴリ

cc-by

page top