木質バイオマス熱利用のすすめ

そもそも木質バイオマスって何?という方はまずこちらをご覧ください。

木質バイオマスの熱利用とは

 熱利用とは、燃料の燃焼で得た熱を、暖房や給湯に直接利用することです。
 私たちは遙か昔から、薪を燃やして暖をとり、調理をするなど生活を営んできました。化石燃料の登場に伴い熱利用の主役の座を譲った木質バイオマスですが、近年の脱炭素化の気運の高まりにより、再び注目が集まっています。
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木質バイオマスは熱利用に向いている?

 寒冷地である北海道ではとりわけ、冬場の暖房などにおいて、熱の形でのエネルギー利用が欠かせません。
 国が目指す2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、節電や高断熱などの省エネルギーの取組も必要ですが、化石燃料により生み出していたエネルギーを太陽光や風力、木質バイオマスなどの再生可能エネルギーで代替していく必要があります。
 風力や水力といった再生可能エネルギーは、回転エネルギーを利用するため発電に向いていますが、木質バイオマスは燃焼によりエネルギーを生み出すため、発電よりも熱をそのまま利用する熱利用に向いており、暖房や給湯など熱利用を行う化石燃料の代替に適しています。

地域で広がる木質バイオマスの熱利用

道内でも、地域で木質バイオマスを熱利用する取組が広がりつつあります。

下川町

 11基の木質バイオマスボイラーによって31の公共施設に熱供給を行っています。公共施設全体の熱エネルギー需要の68%を木質バイオマスで賄っており、年間約3800万円の燃料コスト、約3,070tの二酸化炭素発生量を削減しています。 
 下川町事例紹介 (PDF 465KB)

上川町

 町内4施設において木質バイオマスボイラーが稼働しており、地域資源の活用、化石燃料使用量の削減に貢献しています。そのうち1施設では、導入コストと必要なスペースが小さい、地上コンテナ型が採用されています。
 上川町事例紹介 (PDF 225KB)

知内町

 木質バイオマスボイラー2基によって4の公共施設に熱供給を行っています。指定管理者制度を用いて地元民間企業を活用し、産業の活性化と雇用の創出を実現しています。
 知内町事例紹介 (PDF 317KB)

美瑛町

 交流施設と町民プールにそれぞれ1台の木質チップボイラーが導入されています。また、燃料の木質チップは町内事業者から購入し、地域経済の活性化と雇用の創出にも取り組んでいます。
 美瑛町事例紹介 (PDF 397KB)

 全国の熱利用・熱電併給の事例については、林野庁が事例集を作成しています。
 木質バイオマスの利用推進の取組(林野庁ホームページ)

北森カレッジの木質バイオマスボイラー

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 北海道の林業・木材産業を担い、幅広い知識と確かな技術を身につけた人材を育成する「北の森づくり専門学院」では、生徒に木質バイオマスの利用を身近に感じてもらえるよう、木質バイオマスボイラーを導入しています。
北海道立北の森づくり専門学院についてはこちら

北森カレッジの設備について

導入機種:Herz(ハーツ)社(オーストリア)Firematic251
燃料:木材チップ
定格出力:250kW
ボイラー効率:93.1%
貯湯タンク容量:1500L×2
チップサイロ容量:45㎥
導入事業費:46,399千円
(北海道新エネルギー導入加速化基金活用)
北海道新エネルギー導入加速化基金について

用途:施設の暖房(冬期間のみ稼動(24時間稼動))
施設延べ床面積:1,299.94平方メートル(校舎棟)
北森平面図.png
チップ供給元:ウッドチップス協同組合(令和3年度)
チップ種別:乾燥チップ(含水率WB25%以下)
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RIMG0529.JPGDSCN3068.JPGDSCN3038.JPG

ボイラーの導入効果等

稼働実績
年度 令和3年度
稼働状況 181日/年(24時間稼働)
チップ消費量 144㎥
CO2削減量 25.4t・CO2
燃料費節減効果 66万円


(注1)CO2削減効果は、「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(環境省・経済産業省)」に基づき灯油ボイラーと比較
(注2)燃料費節減効果はチップ消費量から算出した発熱量と同等の灯油(資源エネルギー庁石油製品価格調査)で比較

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