令和5年度「未来につなぐ森林づくり交流会」の開催について
道では、林業普及指導事業等の活動報告を通じて、林業普及指導職員の資質の向上と、今後の普及指導活動の充実・強化を図ることを目的に、「未来につなぐ森林づくり交流会」を開催しています。
この交流会では、全道各地の林業普及指導職員による活動実績の報告のほか、市町村や林業グループ、指導林家等から地域における様々な取り組みについて報告され、市町村、林業事業体、森林所有者の皆さんなど、それぞれの地域で森林・林業に携わる多くの関係者が集い、意見交換等の交流が行われました。
開催概要
◆日時:令和6年(2024年)2月16日(金) 10時00分~15時30分
◆場所:北海道大学学術交流会館講堂 (札幌会場)
※令和5年度は札幌会場を中心として、全道各地域の森林室や市町村役場とオンライン形式(ZOOM)でつないで開催し、約300名以上の参加がありました。
開会挨拶(寺田森林環境局長) 札幌会場での発表状況
林業普及写真展(札幌会場) 林業普及写真展(札幌会場)
出席者会場の意見交換 拠点会場の様子(十勝森林室足寄事務所)
開催結果
令和5年度は札幌会場において「市町村林務担当者からの報告」「指導林家からの報告」「林業グループからの報告」「森と緑の会からの報告」、「森林経営管理制度の取組事例」、「林業普及指導活動の報告」「林業試験場からの講演」について報告しました。
報告内容については、札幌会場の参加者からの質問のほか、全道各地の森林室や市町村役場でのweb参加の皆さんからも多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
【普及協力者からの報告】
(1)『市町村林務担当者からの報告 ~町有林管理におけるドローンの利活用について~』
○発表者:下川町産業振興課 森林づくり専門員 伊東 拓馬
<要 旨>下川町では2019年にドローンを導入し、町有林管理に必要な情報を取得するため、造林地の測量や現地調査に使用してきた。これまでのドローンの使用から見えてきた利点や課題について報告する。
(2)指導林家からの報告 ~我が鶴居村に感謝~ 〈林業経営から地域活動へ〉
○発表者:北海道指導林家(鶴居村林友会 会長) 伊藤 順一
<要 旨>鶴居村で生まれ育ち、父親から引き継いだ山林を30年に渡って守り育てた軌跡と、自らの林業経営で学んだ技術・知識を生かしながら、指導林家として地域活動を行ってきた成果と今後の取り組みについて報告する。
(3)林業グループからの報告 ~森町とともに歩んで30周年!~
○発表者:森町林業グループ(森町役場商工労働観光課 課長) 奥山 太崇
<要 旨>今年30周年を迎える当グループでは、①地域への貢献②地域林業及び林産業の発展に寄与③林業知識、技術の習得の3つを基本方針とし、木育や水質浄化、先進地視察など様々な取り組みを展開してきたので紹介する。
(4)森と緑の会からの報告 ~北海道指導林家連絡協議会10年のあゆみ~
○発表者:北海道指導林家連絡協議会 事務局(公益社団 北海道森と緑の会)
広報普及部長 菅崎 治宏
<要 旨>北海道指導林家連絡協議会が、平成25年に設立されて10年が経過した。設立の経過から、これまでの10年間における取り組み状況や成果を振り返るとともに、北海道指導林家連絡協議会の今後の目指す方向について報告する。
【林業普及指導員からの報告】
(1)森林経営管理制度運用への支援と意向調査対象者への計画推進の取組
○発表者:オホーツク総合振興局西部森林室普及課 専門普及指導員 齋藤 紀明
<要 旨>管内では林務経験の浅い市町村担当職員が多く、森林経営管理制度においては意向調査の実施に留まっているため、本制度の知識・技術の習得並びに意向調査回答者への森林経営計画加入の支援を行ったので報告する。
(2)利尻島のスギ人工林の成長過程について
○発表者:宗谷総合振興局森林室 主査(計画指導)棟方 清志
<要 旨>宗谷管内の利尻島には、1967年に植栽されたスギ人工林がある。今年度、成長状況について定期調査を行ったので、その内容について報告する。
(3)森林整備の継続的実施及び拡大に向けた取組みについて
○発表者:石狩振興局森林室普及課 専門主任 國井 清嗣郎
<要 旨>市町村等が行う造林補助事業、森林経営管理制度、森林環境譲与税などの各種取組みを支援し、森林整備の継続的実施及び拡大を図ることを目的に、市町村職員等を対象とした研修会の実施などの取組みを行ったので報告する。
(4)十勝をまもる防風林の維持・造成に向けた取組み
○発表者:十勝総合振興局森林室普及課 主査(計画指導)藤田 真理子
<要 旨>近年、減少が危惧されている十勝の防風林の維持・造成に向けて、農業分野等の関係機関と連携し、農業者への意識調査や対応策の検討を行うとともに、地元高校生と連携した普及啓発等の取組みを実施したので報告する。
【特別講演】
(1)衛星画像を用いたトドマツ人工林内の不成績造林地の把握と広葉樹資源把握の取組について
○発表者:道総研林業試験場森林経営部経営グループ 林業試験場 蝦名 益仁
<要 旨>トドマツ人工林を対象に他時期衛星画像等を使用し、植栽木・侵入木・その他樹種等に分類する技術を開発した。このことによりトドマツ人工林内の不成績造林地と広葉樹資源を一定程度把握することができたので報告する。