北海道立文書館所蔵資料案内~私文書 食糧配給公団北海道支局塩谷出張所文書

分類記号:B0-147

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本私文書群を最終的に取り扱ったのは食糧配給公団北海道支局塩谷出張所であるが、同公団設立以前に主要食糧の配給を担当していた北海道食糧営団の塩谷出張所から引き継いだ文書を含む。

1 私文書群の作成者に関する情報

(1) 存在年月日

北海道食糧営団

 設立 不明(1942(昭和17)年12月以降)

 廃止 不明(1948(昭和23)年1月19日北海道食糧営団解散、2月20日北海道食糧営団閉鎖)

 (塩谷村出張所については不明)

食糧配給公団

 創立 1948(昭和23)2月

 廃止 1951(昭和26)

 (北海道支局、塩谷出張所については不明だが、食糧営団の業務を継承している。)

(2) 職務・職業及び活動

 北海道食糧営団は、地方食糧営団の一つとして、北海道庁長官の指示のもとに、北海道地方に於ける主要食糧の配給と貯蔵を行った。

 塩谷村出張所は、同営団の出張所として、代位配給の指導監督、取扱物資の需給情報の作成、日報の報告、精米(搗精)に係る事務等を行った。

 食糧配給公団は全国を対象とした主要食糧の配給機関で、政府が卸機能を営み、公団が末端までの配給を行なった。北海道支局、塩谷出張所はその出先機関として実際の配給事務を行った。

 食糧営団、食糧配給公団の詳細については、下記参照

(3) 内部構造

 団体の内部組織など、詳細は不明。

 ただし、北海道食糧営団の出張所は所長1、主任1とされていた。(瓜生田岩喜著『代位配給の実態と運営』)

2 私文書群の入手経緯

 平成21年度に、文書館が古書店から入手した。

3 私文書群の概要

(1) 資料総点数

 2点

(2) 資料年代

 1945~1951(昭和20~26)

(3) 資料内容

 本資料は、食糧配給公団北海道支局塩谷出張所に蓄積された文書の綴である。

 1948(昭和23)2月に食糧配給公団が設立される前に主要食糧配給業務を担った北海道食糧営団の塩谷村出張所の文書、及び食糧配給公団北海道支局塩谷出張所の文書、各1冊からなる。

 北海道食糧営団の文書は、同営団を始め、道庁、国、中央食糧営団等からの通牒、指示が大半を占め、塩谷村における配給の実態が伺える資料はわずかである。

 食糧配給公団北海道支局の文書も、同支局や公団からの通牒、指示が大半を占めている。

(4) 私文書群に関連する主な地域

 後志地方(小樽市)

(5) 私文書群に関連する主な主題

 政治・経済

4 利用条件

 閲覧・複写・出版物等への掲載~通常どおり(購入資料のため)

5 参考文献

北海道編『新北海道史 第5巻通説4』758頁~、1277~79頁

瓜生田岩喜著『代位配給の実態と運営』

 

記 北海道の食糧営団について

1942(昭和17)年、国民の食糧の確保および経済の安定をはかるため食糧を管理し、その需給、価格の調整ならびに配給の統制をおこなう目的で食糧管理法が制定された(2月21日公布、7月1日一部施行、9月15日全面施行)。

この法に基づき、9月に中央段階で日本米穀株式会社など5団体を吸収して中央食糧営団が設立された。

それに続き、地方段階で地方食糧営団が設立された。

中央食糧営団は中央統制機関として、政府の定める食糧配給計画にもとづき、地方食糧営団に主要食糧を配給するとともに、非常用食糧の一元的貯蔵をなすことを目的としていた。

一方、地方食糧営団は、地方長官の定めた食糧配給計画にもとづき、地方的に主要食糧を配給するとともに、地方長官の指定する食糧を貯蔵するため必要な事業をおこなうことを目的としていた。

小売段階に相当する末端配給機構の理想形態としては営団の直営機関であるが、ただちに実現することは困難であったため、政府の方針は、純消費地、卸と小売の団体が完全に統合している場合、計画配給上とくに必要と認められる地方等では営団直営で行い、その他の地方では代位配給といって、末端配給業務の一部を他の機関に代行させる方法で行うというものであった。

北海道食糧営団は、北海道米穀商業組合聯合会(略称道米聯)、米穀移出組合3、米穀商業組合10および北海道小麦特約店卸商業組合の業務を継承して設立されているが、道米聯は卸段階のものであったため、末端配給機構が必要であった。

札幌、小樽、函館、旭川、室蘭、釧路、帯広、苫小牧等8市と岩見沢、留萌、根室の3町で営団直営となったが、他の郡部の各町村では従来の小売店及び購買組合(産業組合)または購買会等がだいたいはそのまま代位配給機関として認められ、営団に代わって配給業務にたずさわることとなった。

ただ、北海道では、農村地帯の262か町村に営団が出張所をおき(所長と補助員1名をおき、その給料や出張所の維持費は営団が負担)、代位配給の指導監督から取扱物資の需給情報の作成、日報の報告等(元来は代位配給所でやるべき仕事)は出張所が行い、代位配給所では配給の現業だけを行っていればよいという仕組みであった(ただし米の搗精は営団直営)。

全国的には多くは純然たる代位配給という形(取扱物資の数量に応じて代位機関に支払うという契約)がとられたのにたいし、直営に準じた形であって、北海道の特色をなしていた。

【参考文献】

  • 北海道編『新北海道史 第5巻通説4』758頁~、1277~79頁。
  • 瓜生田岩喜著『代位配給の実態と運営』
  • 吉川弘文館『国史大辞典』「食糧営団」の項

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