事業内容
道では、環境省から委託を受け、令和4年度から令和6年度にかけて、「国民参加による気候変動情報収集・分析委託事業」を実施しました。
本業務は、地域の気候変動適応センターが主体となり、一次産業従事者や企業等との意見交換、地域住民向けのアンケート等を通じ、日頃の業務や生活の中で感じている地域特有の気候変動影響に関する情報を収集、分析・抽出し、その結果をホームページやリーフレット等を通じて情報提供することで、地域の気候変動影響に関する理解促進を図ることとしています。(1年目及び2年目)
また、地域の気候変動影響に関する情報は、分析を深め将来予測を実施することで、地方公共団体が策定する地域気候変動適応計画や適応策の検討に活用していくとともに、本業務に協力いただいた関係者に、気候変動適応に関して意識の変化があったか等の効果検証を行い、改善することで、効果的な取組推進を目指すものです。(3年目)
成果概要
1年目(令和4年度)
農協、漁協、観光業者、スキー場経営者などの事業者や道民の皆様に対し、気候変動によってもたらされる影響についてアンケート調査等(回答数:事業者 約400件、道民 約4,400名)を実施し、道内における状況の変化や影響に対する懸念について情報及び事例収集を行いました。
2年目(令和5年度)
1年目の結果を踏まえ、道民の皆様の関心が高い「暑熱・熱中症」を課題として選定し、道内における「熱中症救急搬送者数」と「熱中症リスク」に係る将来予測を行うため、予測に有用な情報の収集・分析、有識者からのヒアリング等を実施し、広域分散型で様々な地域特性を持つ本道の熱中症に関する将来予測計算を実施するための「将来予測手順書」を作成しました。
3年目(令和6年度)
前年度に作成した「将来予測手順書」に基づき、道内における「熱中症救急搬送者数」と「熱中症リスク」に関する将来予測計算を実施したほか、高齢者、高齢者支援団体、消防関係者、農業従事者、学生など道民の皆様に対して、意見交換やワークショップを開催し、道内の気候変動影響に関する意識の変化を把握、地域特性を踏まえた熱中症への適応策や道内の気候変動影響への適応に対する普及啓発のあり方を検討しました。
年度別事業成果報告資料
3年間にわたる事業成果報告資料を掲載しますのでご参照ください。
1年目(令和4年度)
2年目(令和5年度)
3年目(令和6年度)
熱中症救急搬送者数及び熱中症リスクの将来予測(地方編)
道が実施した気候変動影響に係る調査報告で、道内における熱中症救急搬送者数と熱中症リスクに関する将来予測結果について、熱中症警戒アラートの地域区分をベースとした下記の7地域ごとに整理して作成(PDF形式)しました。
【熱中症救急搬送者数の予測】
過去の気温実績や搬送者数の実績等を基に、将来推計人口や今後予測される気温等から将来(2050年前後まで)における熱中症搬送者数を推計しました。
地域によっては、将来人口減少が予測されていることから、搬送者数も減少する予測となるため、将来の単位人口あたり(10 万人あたり)の搬送者数もあわせて示しました。
【熱中症リスクに関する予測】
北海道全域における熱中症による救急搬送者数が通常より多くなる日の日最高気温を全年齢・65 歳以上のそれぞれの区分で算出し、その日最高気温を超える日を、住民の方々に警戒を呼びかける目安となる「熱中症高リスク日」としました。その年間日数の将来予測を実施しました。
(道内では、65歳以上の高齢者が熱中症救急搬送者数に占める割合が高いため)