制度概要
応急危険度判定士の認定制度について
平成7年の阪神・淡路大震災において我が国で初めて実施された応急危険度判定は、平成28年の熊本地震においても、道内判定士を含む約6,800人により約57,000棟の建築物について判定が行われました。また、平成30年の北海道胆振東部地震においては、道内判定士が9月7日から9月12日まで延べ108名参加し、判定に従事しました。
平成8年3月にスタートした北海道震災建築物応急危険度判定士認定制度は、これまで多くの方々にご協力いただき、道内の判定制度を支えていただいております。
建築物の安全性を確保する第一義的責任は建築物の所有者にありますが、大規模な地震により多数の建築物が被災した場合、所有者が自ら安全性を確認することは困難となり、二次災害の発生が懸念されます。特に、被災建築物が道路や隣家に影響を及ぼすおそれがある場合には、第三者に新たな被害が生じる可能性が高くなります。
このため、応急危険度判定は、被災建築物の危険性を評価し、その結果に基づき所有者等に使用の可否を情報提供することで、二次災害の防止を図ることを目的としています。また、地震発生後には、住宅の安全性に不安を抱いた被災者が避難所に避難することが想定されることから、被災程度が少なく安全と判断された住宅については、安心して自宅に戻るための判断材料を提供することも重要な目的の一つです。
応急危険度判定は、余震の発生が懸念される数日間のうちに迅速に実施する必要があります。建築技術者が自身の知識や技能を活かして応急危険度判定活動に参加することは、技術資格者としての社会的使命を果たし、地域の安全に貢献するものであり、道民からも大きな期待が寄せられています。
認定制度改正(令和7年10月1日改正)について
令和7年10月の認定制度改正により、新規に認定を希望される方は講習会の受講が必要ですが、現地集合開催またはWeb講習のいずれかを選択できるようになりました。一方、更新対象者の講習受講は免除となり、申請書の提出のみで更新手続きが可能です。また、従来必要だった認定証用写真の添付は不要となりました。なお、令和7年度からは、新規・更新いずれの場合も申請書を郵送・持参に加え、メールによる提出も可能となりました。 (※Web講習は令和7年11月10日から受講開始)
認定制度改正概要
(1)更新(再認定)対象者に係る認定講習会の受講義務を免除
これまで更新時には認定講習会の受講が必要でしたが、改正により、更新申請書の提出だけで更新が可能となります。有効期間を超過した場合でも再認定申請により更新でき、再認定時の講習会受講は不要です。
(2)新規認定対象者に対するWeb講習の導入
新規認定対象者の認定講習会は、従来の集合形式に加え、Web講習も選択可能となり、札幌会場での集合講習(年2回開催)または道ホームページ掲載の「制度編」「技術編」の講義動画のいずれかを受講できるようになりました。
(3)メール申請の導入
認定講習会の受講申込や認定申請はメールで行うことが可能となり、申請書にはメールアドレスの記入欄を設け、認定や講習に関する連絡は原則としてメールで行います。
(4)受講票及び受講証書の交付廃止
認定講習会では、これまで交付していた受講票や受講証書を廃止し、当日の出席確認と受講記録は名簿により管理します。
(5)認定証の写真・公印の廃止
認定証への写真貼付や公印の押印を廃止することで、更新時等に認定証を返却する手続きが不要となります。
(6)認定証第二面の有効期限表記を変更
認定証は表面に有効期限を記載せず、裏面に更新年度や有効期限を記載する方式に変更されるため、認定証の回収は不要となり、旧認定証は本人が破棄します。
関係要綱・様式等
応急危険度判定士になるには
認定の流れ(新規・更新の概要)
北海道震災建築物応急危険度判定士認定制度要綱に基づき開催される「認定講習会」を受講した後、知事に認定申請を行うことで、応急危険度判定士として認定されます。
認定要件
道内在住の下記資格をお持ちの方
・建築士(一級・二級・木造)
・建築基準適合判定資格登録者
・特定建築物調査員
・建築施工管理技士(一級・二級)※技士補も可
・官公庁の建築技術職員で建築行政等の実務経験者(経験年数5年以上)
・地方独立行政法人の建築に係る研究職員で震災建築物調査等の実務経験者(経験年数5年以上)
認定講習会及び認定申請の案内
本年度の認定講習会および認定申請手続きについては、以下のパンフレットをご参照ください。
認定講習会について
認定講習会(現地集合講習)
本年度の認定講習会(現地集合講習)については、こちら(一般社団法人北海道建築士会ホームページへ移動)をご覧ください。
認定講習会(Web講習)
【準備中】 ※Web講習は、令和7年11月10日から随時受講可能となります。
受講申込方法・手続
現地集合講習
現地集合講習を受講される方は、受講申込書(第2-1号様式)を(一社)北海道建築士会本部あてに、メール・郵送・持参のいずれかでご提出ください。
【申込書】
【提出期日】
第1回(11月10日開催):令和7年10月31日(金)まで
第2回(2月4日開催):令和8年1月28日(水)まで
【申込先】
一般社団法人北海道建築士会
〒060-0042 札幌市中央区大通西5丁目11番地 大五ビル6F
TEL:011-251-6076 Mail:oq@h-ab.com
Web講習
Web講習は受講申込不要です。(随時、道ホームページから受講可能)
北海道震災建築物応急危険度判定マニュアル
認定申請手続
新規認定対象者の手続
認定講習会受講後に申請可能です。
【申請書類】
2.資格を証明するもの(資格区分に応じて次のいずれか)
(ア)建築士の方:建築士免許の写し1部
(イ)建築基準適合判定資登録者の方:建築基準適合判定資格登録証の写し1部
(ウ)特定建築物調査員の方:資格者証の写し1部
(エ)建築施工管理技士の方(技士補も含む):合格証明書の写し1部
(オ)官公庁の建築技術職員で建築行政等の実務経験者等:【第13号様式】実務経験証明書 (DOCX 15.3KB)
3.【第14号様式】応急危険度判定士登録者カード (DOC 42KB)
【申請先】
一般社団法人北海道建築士会
〒060-0042 札幌市中央区大通西5丁目11番地 大五ビル6F
TEL:011-251-6076 Mail:oq@h-ab.com
【注意事項】
・上記申請書類をメールで提出する際は、必要事項を記載したうえで、PDFに変換せずに
元のファイル形式(Word)でそのまま提出してください。
・資格を証明する書類は、PDF形式のデータでご提出ください。
・現地集合講習を受講した方:
申込受理通知に記載された「受講地」「受講番号」「受講日」を申請書に記入してください。
・Web講習を受講した方:
「受講地」に「Web講習」と記入し、「受講番号」は不要です。
「受講日」は、複数日に分けて受講した場合は、受講完了日を記入してください。
更新(再認定)対象者の手続
有効期間満了年度内に随時申請が可能です。
【申請書類】
1.【第4号様式】認定更新(再認定)申請書 (DOCX 21.9KB)
2.【第14号様式】応急危険度判定士登録者カード (DOC 42KB)
【申請先】
一般社団法人北海道建築士会
〒060-0042 札幌市中央区大通西5丁目11番地 大五ビル6F
TEL:011-251-6076 Mail:oq@h-ab.com
【注意事項】
・上記申請書類をメールで提出する際は、必要事項を記載したうえで、PDFに変換せずに
元のファイル形式(Word)でそのまま提出してください。
・制度改正前の認定証は返納不要です。新しい認定証受領後に、旧認定証を破棄してください。
【認定証の有効期限が切れていた場合の申請方法】
・更新申請は有効期限満了年度に行いますが、有効期限が切れている場合は「再認定申請」
が可能です。再認定申請も、更新申請と同じ書類を提出することで手続きできます。
その他手続
認定事項変更届
氏名、連絡先など登録情報に変更があった場合は、認定事項変更届が必要です。
【申請書類】
1.【第5号様式】認定事項変更届 (DOCX 19.2KB)
2.氏名が変更になったことを証する公的書類の写し(運転免許証等)
※氏名変更の場合のみ
3.資格証明書の写し
※資格変更の場合のみ
再交付申請
申請書類提出先
判定士の補償制度
判定士の活動中の事故等に対応するため、全国被災建築物応急危険度判定協議会において、補償制度を定めています。
| 適用事由 | 保険金額 |
| 訓練活動中の傷害担保条項 (行事参加者傷害保険) |
死亡2,000万円、後遺症傷害2,000万円(上限) 入院5,000円(日額)、通院3,000円(日額) |
| 判定活動中の傷害担保条項 (国内旅行傷害保険) |
※ 被保険者が、判定活動十時の目的を持って自宅もしくは職場を出発したときから自宅もしくは職場帰着したときまでの間の6泊7日 死亡2,000万円、後遺症傷害2,000万円(上限) 入院5,000円(日額)、通院3,000円(日額) |
| 賠償責任担保条項 (施設賠償責任保険) |
支払限度額:1億円(対人・対物賠償共通) 免責金額:なし |
判定資機材
判定調査表及び判定ステッカーはこちらからダウンロードできます。
市町村応急危険度判定担当部局において色紙にコピーの上御活用ください。
| 判定調査表 | 判定ステッカー |
| ・鉄筋及び鉄骨鉄筋コンクリート造 Word版 PDF版 ・鉄骨造 Word版 PDF版 ・木造 Word版 PDF版 |
・調査済(緑) Word版 PDF版 ・要注意(黄) Word版 PDF版 ・危 険(赤) Word版 PDF版 |
