感染症の発生について

図4 (PNG 92.9KB)

図1 (PNG 11.7KB)

○A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)は、例年「春から初夏」にかけてと「冬」に学童期の小児に流行する感染症ですが、道内の小児科定点からの患者報告数が多い状況が継続しています。今後、さらに流行が拡大する可能性もあるため、十分な注意が必要です。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は主に飛沫感染と接触感染により感染します。予防、拡大防止のために、引き続き、こまめな手洗いや咳エチケット等の基本的な感染防止対策を一人ひとりが心がけてください。
咽頭痛がある場合は早めに医療機関等を受診し、検査を受けましょう。

図1 (PNG 242KB)

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは、A群レンサ球菌による上気道の感染症です。
レンサ球菌は、菌の侵入部位や組織によって多彩な臨床症状を引き起こします。
日常よくみられる疾患として、急性咽頭炎の他、膿痂疹、蜂巣織炎などがあります。
感染経路としては、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことによる「飛まつ感染」、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」、食品を介して細菌が口に入って感染する「経口感染」があります。
症状としては、38℃以上の発熱、咽頭発赤、苺状の舌等があります。
熱は3日から5日以内に下がり、1週間以内に症状は改善します。
まれに重症化し、喉や舌、全身に発赤が拡がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」に移行することがあります。
発症時は抗菌薬での治療を行います。

【治療】
抗菌剤による治療を行います。腎炎などの合併症を防ぐため、症状が改善しても主治医に指示された期間、薬を飲むことが大切です。
喉の痛みがひどい場合は柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけましょう。
【予防のポイント】
予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。
咽頭痛がある場合は早めに医療機関等を受診し、検査を受けましょう。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、レンサ球菌による感染症です。通常は、レンサ球菌に感染しても無症候のことも多く、ほとんどは咽頭炎や皮膚の感染症にとどまります。しかし、稀に通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な疾患となることがあります。
小児が多く罹患するA群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは区別されます。

【原因と感染経路】
上気道感染や創傷感染等がありますが、感染経路が不明な場合も多くあります。
【症状】
初期症状としては、発熱や悪寒などの風邪様の症状、四肢の疼痛や腫脹、創部の発赤などが見られます。発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、筋肉周辺組織の壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。
【治療】
集中管理のもと、抗菌剤による治療が行われます。筋膜炎の場合は、壊死を起こしている部分を切除し感染の拡大を防ぎます。重症化のリスクを下げるためには、早期に治療を開始することが重要です。
【予防のポイント】
傷を清潔に保ち、創部の発赤や腫脹、痛み、発熱など、感染の兆候が見られた場合には、直ちに医療機関を受診して下さい。

感染症の発生について

北海道の感染症流行状況

図1 (PNG 31.8KB)

咽頭結膜熱

咽頭結膜熱とは、アデノウイルスによる感染症です。流行時期は夏期で、「プール熱」と呼ばれることもありましたが、タオルの共用が減った等の理由からプール利用に関連した集団感染報告は見られなくなってきています。

【原因と感染経路】
病原体はアデノウイルス(adenovirus)です。感染力は非常に強く、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染(飛まつ感染)、あるいは、ウイルスが付着した手やタオルなどの患者が触れたものを介して感染します(接触感染)。
【症状】
潜伏期間は5~7日程度です。発熱・咽頭炎(のどの痛み・発赤など)・結膜炎(目の充血、めやになど)を3主症状とし、その他、リンパ節の腫れ、腹痛、下痢などが生じることもあります。症状は1~2週間程度でおさまります。頻度は高くありませんが、重症化した場合は肺炎などを合併することがあります。
【治療】
特別な治療はなく、症状に応じた対症療法が行われます。のどの痛みのため食事がとりづらい場合は、のどごしの良い食べやすいものを食べましょう。また、十分な水分摂取を行いましょう。
【予防のポイント】
アルコールは効きにくいため、石けんと流水による手洗いをこまめにしましょう。プールや温泉施設を利用する際は、前後のシャワーを必ず浴び、タオルは個別に使いましょう。

手足口病

手足口病(Hand, Foot and Mouth Disease:HFMD)は、その名が示すとおり、口の中・手・足を中心に出る水疱性の発しんを主症状とする感染症です。

【原因と感染経路】
コクサッキーA群ウイルス(Coxsackievirus Group A)とエンテロウイルス71型(Enterovirus71)が主な原因となります。
患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染します(飛まつ感染)。また、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します(経口・接触感染)。
【症状】
3〜5日の潜伏期間の後、口の粘膜・手のひら・足の甲または裏などに2〜3mmの水疱性の発しんが現れます。発熱は約3分の1にみられますが、高熱になることはあまりありません。一般的に軽症で、発しんは3〜7日で痂皮(かさぶた)を残さずに消失します。重症化はまれですが、合併症として急性脳炎や心筋炎があげられます。
【治療】
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
口の中に水泡ができ食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
【予防のポイント】
予防接種はありません。
予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。
発しんが消えた後も、3〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、手洗いを徹底し、幼稚園、保育園、学校など集団生活ではタオルの共用を避けましょう。

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症はRSウイルスによる呼吸器系の感染症です。患者の約75%以上が1歳以下の小児で占められています。例年秋から冬にかけて主に乳幼児の間で流行していましたが、近年では7月頃より報告数の増加が見られるようになりました。

【原因と感染経路】
病原体はRSウイルス(Respiratory syncytial virus)です。
患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」が主な感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。
【症状】
潜伏期間は4〜6日です。症状としては、軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々です。低出生体重児、心疾患、肺疾患、免疫不全のある方は重症化のリスクが高いといわれています。初めて感染した場合は症状が重くなりやすいといわれており、終生免疫は獲得されないため、どの年齢でも再感染は起こりますが、一般的には年長児以降では重症化はしません。乳幼児期、特に1才以下でRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。
【治療】
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
【予防のポイント】
予防接種はありません。
予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。
早産児や慢性呼吸器疾患を有するハイリスクな乳幼児には、重症のRSウイルス疾患を予防するためにパリビズマブ(抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体)という薬を使用する場合があります。使用については医師の判断になります。

ヘルパンギーナについて

ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発しんを主症状とした感染症です。主に夏季に流行するいわゆる「夏かぜ」の代表的疾患です。

【原因と感染経路】
ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発しんを主症状とした感染症です。主に夏季に流行するいわゆる「夏かぜ」の代表的疾患です。
【症状】
2~4日の潜伏期の後、突然の高熱、咽頭痛や咽頭発赤を呈し、口腔内に水疱や発赤が現れます。水疱は破れて痛みも伴います。2〜4日で解熱し、7日程度で治癒します。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。
 合併症としては、熱に伴う熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。
【治療】
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。
口の中に水疱ができ食事がとり難いため、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
【予防のポイント】
予防接種はありません。
予防には、手洗い、咳エチケットが有効です。

230803 感染症概要(ヘルパンギーナ) (PNG 179KB)

インフルエンザの発生状況について

図1 (PNG 48.2KB)

腸管出血性大腸菌感染症の発生について

発生の概要
保健所区分保健所受理日備考
室蘭無症状病原体保有者4月10日O008
江別無症状病原体保有者4月16日O111
千歳患者4月24日O103
帯広患者4月30日
O1・VT1VT2
千歳患者
5月7日
O157
上川無症状病原体保有者5月14日O124・VT2

腸管出血性大腸菌とは

概  要:ベロ毒素を産生する大腸菌によって引き起こされる感染症であり、下痢、激しい腹痛、血
     便、発熱などが主な症状である。また、病原体を保有していても症状がない場合もある(無
     症状病原体保有者)。
感染経路:汚染された食品からの感染、患者のふん便に含まれる大腸菌が直接または間接的に口から入
     ることによる感染
潜伏期間:3~5日が多いが、1週間以上の場合もある
予防等:食品の十分な加熱(75℃で1分間以上の加熱で死滅)等
    汚染が疑われる物については、アルコール、熱湯、次亜塩素酸ナトリウム製剤(台所用漂白
    剤)、亜塩素酸水等での消毒

230803 感染症概要(腸管出血性大腸菌感染症) (PNG 228KB)

過去5年間の発生状況

過去5年間
2020年2021年2022年2023年2024年
件数(件)1602411688011

細菌性赤痢の発生について

第26週(令和5年6月26日~7月2日)以降の発生はありません。

発生の概要
保健所区分保健所受理日備考

細菌性赤痢とは

概  要:赤痢菌によって引き起こされる感染症であり、発熱、下痢、腹痛が見られ、重い場合は
     テネスムス(しぶり腹;便意は強いがなかなか排便できないこと)、膿・粘血便(便に
     膿・粘液・血液が混じる)が見られることがある。
感染経路:汚染された食品や水などの摂取、細菌が付着した手や食器などを介した感染(経口感染)
潜伏期間:1~5日(大多数は3日以内)
予防等 :衛生状態の悪い地域では、生水、氷、生野菜など加熱されていない食品を口にしない。
     トイレの後や食事の前には石けんと流水で十分に加熱する。

過去5年間の発生状況

過去5年間
2019年2020年2021年2022年2023年
件数(件)84001

全道の発生状況について

下記リンク先で公開しています。

感染性胃腸炎患者等の集団発生について

道立保健所管内で感染性胃腸炎患者及びその疑いのある者が発生したのでお知らせします(令和6年5月時点)。

発生の概要
保健所施設種別患者数保健所受理日確認したウイルス
中標津小学校43人2月28日ノロウイルス
室蘭小学校21人2月26日ノロウイルス
倶知安医療機関20人3月1日ノロウイルス
江差保育所12人3月12日ノロウイルス
千歳医療機関11人3月14日ノロウイルス
倶知安老人福祉施設11人3月12日ノロウイルス
留萌保育所15人3月19日ノロウイルス
岩見沢介護保険施設22人3月11日ノロウイルス
江別保育所10人3月25日ノロウイルス
岩見沢保育所15人3月28日ノロウイルス
室蘭保育所18人3月28日ノロウイルス
網走保育所23人4月8日ノロウイルス
滝川介護保険施設34人4月8日 ノロウイルス
上川介護福祉施設15人4月15日ノロウイルス
倶知安保育所12人4月16日サポウイルス、アデノウイルス   
岩見沢小学校15人4月17日ノロウイルス
帯広保育所11人4月17日ノロウイルス
北見小学校29人4月19日ノロウイルス
滝川保育所18人4月18日ノロウイルス
室蘭介護保険施設12人4月17日ノロウイルス
深川保育所13人4月24日ノロウイルス
江別保育所23人4月24日ノロウイルス
留萌保育所17人4月26日ノロウイルス
帯広保育所21人4月23日ノロウイルス
帯広介護保険施設14人5月7日ノロウイルス
帯広介護保険施設12人5月8日ノロウイルス
帯広保育所14人5月13日ノロウイルス
帯広保育所17人5月13日ノロウイルス
帯広保育所16人5月13日ノロウイルス
帯広保育所13人5月14日ノロウイルス

ノロウイルスとは

概  要:ノロウイルスとは、世界中に広く分布し、急性胃腸炎の原因の一つとなるウイルスである。
     主症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱(軽度)。通常3日以内に回復し、予後良好
感染経路:ウイルスに汚染された飲食物を口にすることや、ウイルスが含まれるふん便や吐ぶつから人
     の手などを介して二次感染、飛沫感染等の直接感染
潜伏期間:24~48時間
流行の時期:主に11月~3月に集中しているが、一年を通して発生する
予防等:一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いら
    れることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウ
    ムや亜塩素酸水や加熱による処理があります。

サポウイルスとは

概  要:サポウイルスとは、主に乳幼児にみられる急性胃腸炎の原因の一つとなるウイルスである。
     主な症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱(軽度)。通常3日以内に回復し予後良好
感染経路:ウイルスに汚染された飲食物を口にすることや、ウイルスが含まれるふん便や吐ぶつから人
     の手などを介して二次感染、飛沫感染等の直接感染
潜伏期間:24~48時間
予防等:一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いら
    れることがありますが、サポウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウ
    ムや亜塩素酸水や加熱による処理があります。

アストロウイルスとは

概  要:アストロウイルスとは、世界中に広く分布し、急性胃腸炎の原因の一つとなるウイルスである。
     主症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱(軽度)。
感染経路:ウイルスに汚染された飲食物を口にすることや、ウイルスが含まれるふん便や吐ぶつから人
     の手などを介して二次感染、飛沫感染等の直接感染
潜伏期間:1~4日
流行の時期:主に冬から春にかけて発生し、ノロウイルスやロタウイルスに比べ低頻度だが、一年を通して発生する
予防等:一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いら
    れることがありますが、アストロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウ
    ムや亜塩素酸水や加熱による処理があります。

アデノウイルスとは

概  要:アデノウイルスとは、主に乳幼児にみられる急性胃腸炎の原因の一つとなるウイルスで、
     主な症状は咽頭炎や肺炎などの呼吸器疾患、咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎などの
     眼疾患等、胃腸炎。通常1週間以内に回復し、予後良好
感染経路:ウイルスに汚染された飲食物を口にすることや、ウイルスが含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染、飛沫感染等の直接感染
潜伏期間:3~10日
流行の時期:ノロウイルスやロタウイルスに比べ低頻度だが、一年を通して発生する
予防等:一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いら
    れることがありますが、アデノウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウ
    ムや亜塩素酸水や加熱による処理があります。

道内の感染性胃腸炎の発生状況※HP公表月を基準(最新更新日 令和6年5月16日)

R6年月別
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
件数(件)19209107
有症者数(人)327426165212107
年別
2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
件数(件)188148146671878713467
有症者数(人)4,4543,0193,0101,3544,2171,7082,9291,226

定点医療機関からの感染性胃腸炎患者報告数について

下記リンク先で詳細データを公開しています。

図1 (PNG 72.4KB)

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カテゴリー

感染症対策局感染症対策課のカテゴリ

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