麻しんについて

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感染が疑われる場合

  • 症状から「麻しん(はしか)」が疑われる場合、必ず事前に医療機関に連絡の上、速やかに受診してください。
  • 受診の際は、周囲の方へ感染させないよう公共交通機関のご利用を避けてください。

麻しんって何?

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
感染力は強く、感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。
2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。
過去には、平成19年~20年に10代から20代の方を中心として全国的に麻しん(はしか)が大流行し、道内においても中学校、高校、大学などの休校が相次いだことがありました。

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麻しんの特徴
感染経路 飛沫・空気感染
潜伏期10~12日
症状1.カタル期:3~5日間、発熱、せき、鼻水など「かぜ」に似た症状が続く
2.発疹期:一旦熱が下がるが再び高熱が出て、顔・首・全身に発疹が現れ4~5日間続く
3.回復期:発熱はおさまり、発疹は色素沈着を残して消退する

予防方法は?

麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。
ワクチン接種が有効です。
また、集団生活の場で多数に拡がる事例があることから、人混みの多いところへの外出は控えましょう。
特に、感染が流行している地域への外出は避けましょう。

定期予防接種の概要

麻しん及び風しんは予防接種で防げる病気であり、ワクチンの接種は個人でできる有効な予防方法です。麻しん及び風しんは予防接種法の対象疾患とされており、市町村が予防接種を実施しています。

定期予防接種の対象者

  • 第1期 1歳以上2歳未満
  • 第2期 5歳から7歳未満で小学校入学前1年間(いわゆる幼稚園・保育園の年長児)

※いずれも、麻しん風しん混合ワクチン(MR)ワクチンを1回接種します。

※接種券は市町村から送付され、接種可能な医療機関も指定されています。

※実施方法や予防接種の詳細などについては、お住まいの市町村の予防接種担当窓口にお問い合わせください。

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ワクチン接種を受けた方が良いのはどのような人?

定期接種の対象年齢の方々(1歳児、小学校入学前1年間の幼児)は、積極的勧奨の対象ですが、定期接種の時期にない方で、「麻しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は、かかりつけの医師にご相談ください。

また、平成2年4月2日以降に生まれた方は、定期接種として2回の麻しん含有ワクチンの接種機会を得ておりますが、それ以前に生まれた方は、1回のワクチン接種のみの場合が多いと思います。

医療従事者や学校関係者・保育福祉関係者など、麻しんに罹るリスクが高い方や麻しんに罹ることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。

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麻しんQ&A

Q1.麻しんにかかったかも?と思うのですが、どうすればよいのですか

A1.発疹、発熱などの麻しんのような症状がある 場合は、麻しんの疑いがあることをかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。また、麻しんの感染力は非常に強いと言われています。医療機関へ移動される際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。 

Q2.なぜ、平成19・20年に10代から20代の人を中心に流行したのですか?

A2.かつては小児のうちに麻しんに感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でした。しかし、麻しんワクチンの接種率の上昇で自然に感染する人は少なくなってきています。当時、10代から20代の人たちの中には、一度も麻しんの予防接種を受けていない方や一度で十分な免疫が獲得できなかった方が蓄積していたものと考えられています。また、麻しんワクチンの接種率の上昇に伴って、麻しんの患者数が減り、麻しんウイルスにさらされる機会が減少しました。そのため、幼少時にワクチンを1回のみ接種していた当時の10代から20代の方は免疫が強化されず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まって来ていた方がいたことも原因の一つと考えられています。その後、平成20年4月から平成25年3月にかけて、定期の予防接種の接種機会が1回であった中学1年生相当の年齢の方(3期)と高校3年生相当の年齢の方(4期)を対象に、時限措置として2回目の接種を実施し、その後当該年齢層の抗体保有率が上昇し、麻しんの発生数は大幅に減少しました。また、1期、2期の定期接種の積極的な勧奨を行い、2015年3月、日本はWHOより麻しんの排除が達成されたとの認定を受け、その状態を維持しています。現在では2歳以上の全年代において、抗体保有率は95%以上に保たれています。 

Q3.妊娠しているのですが麻しんの流行が心配です。どうしたらよいでしょうか?

A3.妊娠中に麻しんにかかると流産や早産を起こす可能性があります。妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、麻しん流行時には外出を避け、人込みに近づかないようにするなどの注意が必要です。また、麻しん流行時に、同居者に麻しんにかかる可能性の高い方(例えば麻しんの感染歴がなく、麻しんワクチンの2回接種が明らかでない者で、麻しんウイルスに曝露される可能性が高い者など)がおられる場合はワクチン接種等の対応について、かかりつけの医師にご相談ください。 

Q4.外国で麻しんになると大変なのですか?

A4.特に麻しんの発生がない、あるいは非常に少ない国・地域では、滞在中に麻しんを発症すると、感染の拡大防止のため、発症した本人の移動制限だけでなく、同行者の移動も厳しく制限されることがあります。

Q5.海外渡航に際して、麻しんについて注意すべきことはありますか?

A5.多くの南北アメリカ(輸入例とその関連)、中東、ヨーロッパ諸国は、年間数例から2桁までの非常に少ない報告数にとどまっています。日本も2015年3月に世界保健機関(WHO)の西太平洋事務局から麻しんの排除状態と認定されました。その一方で依然として多数の患者の報告があるのは、主にアジア及びアフリカ諸国です。中でも、地図中に茶色でしめされたウクライナ、インド、ブラジル、フィリピン、マダガスカルなどからの報告数が特に多いです。日本を含めたほとんどの先進国では、麻しん対策として麻しんを含むワクチン(主にMMR[麻しん・ムンプス・風しん]ワクチン)の2回接種法がとられています。こうした対策の結果、世界各国では麻しん排除を達成する国が増加しています。2016年9月27日、WHOは、南北アメリカ大陸を含むアメリカ地域が麻しんの排除状態であると宣言しました。しかし、麻しんが多く発生している地域がいまだに多くあることから、麻しんにかかった(検査で診断された)ことがない方が海外渡航される時には、あらかじめ麻しんの予防接種歴を確認し、麻しんの予防接種を2回受けていない場合、又は接種既往が不明の場合には予防接種を受けることを検討してください。

麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の接種をご検討ください

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北海道の麻しん対策

○ 北海道の麻しん対策は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」及び同法に基づく「麻しんに関する特定感染症予防指針」に沿って講じられており、国と道、市町村、関係機関・団体の役割分担の下、各般の施策を推進しています。

〇 また、道は、北海道麻しん及び風しん対策専門会議において、関係機関の協力を得ながら、定期的に麻しんの発生動向、各市町村における定期の予防接種の接種率及び副反応の発生事例等を把握し、地域における施策の進捗状況を評価するとともに、それらを踏まえ、関係機関等との連携の下、道民に対し、麻しんに関する正しい知識に加え、その予防に関する適切な情報提供に取り組んでいます。

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麻しん風しん定期予防接種接種率(全道)

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麻しん対策を取り組む皆様へ

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