職員訓示 (令和2年4月1日)

職員訓示

    令和2年4月1日(水) 記者会見室  

 皆さんおはようございます。新年度のスタートに当たりまして、私から一言みなさまに申し上げます。

 まず、本日から新たに722人の皆さんが、道庁に入庁をされました。皆さんを、仲間として心から歓迎したいと思います。私は、北海道のことを、あらゆる人にとってチャンスに満ちたチャレンジフィールドであるということを申し上げております。一国に匹敵をする、人口、経済規模を有し、恵まれた自然環境や、美味しい空気と水が育んだ素晴らしい北海道の食を背景として、豊かなライフスタイル、これは、国内外からのあこがれとなっております。見て、感じて、味わえるこうした北海道の魅力は、実際に体験をしてもらえば、言語や文化の壁を超えて多くの方々を惹きつけます。地球規模で国際化や情報化が一層進む中にあって、他の地域にはない、さらに大きな強みになっていく、そう私は確信をしております。北海道を活躍の舞台に選んでいただいた皆さんには、ぜひ、この素晴らしい北海道、そして、新しい北海道づくりに思いっきり力を発揮して、道庁に活力を吹き込んでほしい、そう強く思っております。

 本日、職員の皆さんと、令和2年度のスタートを切るに当たりまして、知事部局全体で2,924件の人事異動を行いますとともに、組織体制の見直しも行ったところであります。ほっかいどう応援団会議や民間との協働をエンジンとして、官民連携を一本化して推進する室を設置いたしますとともに、人口減少下での市町村の広域連携の支援や子どもたちの命を守る児童相談体制の強化を図ったところであります。皆様と共に、民間、市町村との連携の力で進める地域づくりのフロントランナーとして、未来に向かってスタートを切りたい、そう思っております。

 皆様、意識は共通のものであると思いますが、目下の最大の道政課題、それは、世界的な拡大を見せている新型コロナウイルス感染症への対応であります。世界では亡くなった方が3万人を超えたとの報道もあり、国内において、大都市で感染が拡大をしている、そういった状況にもあります。道内においては、昨日までで177名の方が陽性患者となり、このうち、7名の方がお亡くなりになられ、38名の方が現在、治療中であります。亡くなられた方々のご冥福、並びに、現在、罹患をされている皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げます。私は、2月末に感染症の拡大が予見をされた時点において、道民の皆様の命と健康を守ることを最優先に考え、「やれることは全てやる」という決意のもとで、先手、先手の対応が重要であるという考えのもとで、全国に先駆ける形となりましたが、緊急事態を宣言し、学校の休業の要請や、不要・不急の外出を控えていただくことなど、道民の皆様にご協力をお願いいたしました。当初、懸念されておりました急激な患者の増加や、それに伴います医療崩壊が起きる、そういった事態は回避できているものの、一連の対応では、子どもたち、保護者の皆様、事業者の方々をはじめ、道民の皆様には大変なご苦労をおかけする中、多大なるご理解とご協力をいただきました。改めて、皆様に心から感謝を申し上げます。本当に、ありがとうございます。

 私は、このたびの緊急事態の宣言をはじめ、この1年弱でございますが、知事として数々の決断をしてまいりました。判断に関しては、様々なご意見があるということは承知をしておりますし、また、様々なご意見をいただいており、その一つ一つにしっかりと耳を傾けていかなければならない、そう考えております。今、北海道の知事の立場にある者として、現在の道民の皆様、そして将来の北海道にとって何が大切かということを自らに問いかけて、判断を行ってきたものでございます。道民の皆様の命と健康、そして暮らしを守るため、職員の皆さんが、道民の皆様や企業の皆様からのご相談や、地域の動きについての情報収集、関係機関との調整などに連日対応してくれている姿を、私も見てきました。もちろん各振興局においても、様々な方からの相談の対応や生活支援といった通常業務を行いながら、職員同士で声を掛け合い、フォローをし合い、道民の皆様に寄り添っていく、このことを基本に、対応していただいているという報告を受けております。皆様に、改めて、心から感謝申し上げたいと思います。職員の皆様、本当にありがとうございます。

 一方、この問題は社会経済活動にも大変大きな影響を与えており、更なる感染拡大の防止をしっかりと図るととともに、これらの経済や生活面への対策は、待ったなしの課題であります。私としては、感染拡大防止の取組をしっかりと進めつつ社会経済活動との両立を目指して、あらゆる分野で必要な手立てを、速やかに打つという考えのもとで、道議会の最終日において、検査や医療体制の強化はもとより、地域の企業の事業の継続や雇用の維持に向けた支援など、277億円規模の緊急対策を道議会に追加提案をし、議決をいただきました。新型コロナウイルス感染症の終息はまだ見通せない中、影響の払拭はこれからが正念場であります。緊急事態の宣言をきっかけに、道民の皆様お一人おひとりが、行動スタイルを見直していただき、爆発的な感染拡大を抑えることができ、緊急事態の宣言は予定どおり3月19日をもって終了いたしましたが、今後は、感染症の克服に向け、「道民や事業者が一丸となって戦っていく新たなステージに移行」していくと呼びかけをしております。道民の皆様が示していただいたこの結束力を発揮すれば、このピンチも必ず乗り越えることができると考えており、職員の皆様には、大変ご負担をおかけいたしますが、これからも私と一緒に戦っていただきたい、このことを年度当初にお願いをしたいと思います。

 さて、北海道150年事業の特別イベントや公共事業の用地取得に関する業務において不適切な事業処理があったことについて、確認をいたしました。担当した職員が、仕事に忙殺される中、コンプライアンスをないがしろにしたことや、悪い情報を上司などに速やかに伝えなかったことが問題を拡大させ、道民の皆様の信頼を大きく損なうことになりました。また、イベントの準備期間が実質2か月ほどで業務の過重な負担や偏りが予見されたにもかかわらず、事業の進捗状況などを掌握しなかった危機管理意識の欠如といった組織としての問題が根底にあったと考えております。キタデミー賞問題の報告書では、「全ての道職員が自らも起こしかねない問題であると重く受け止め真摯に反省をし、全庁挙げて道民の皆様からの信頼回復に取り組まなければならない」との思いを込めております。再発防止に向けては、組織文化を変えていく必要があり、仕事において、仲間とやりとりを共にし、悩みや苦しみを支え合う風通しのよい活力ある道庁を創り上げていきたいと思います。そして、一度損なわれた道民の皆様の信頼の回復は容易ではありませんが、職員一人ひとりが誠実に仕事の積み重ねをしていくことで、そのことでしか信頼を取り戻すことはできない。皆さんには、こうしたことを二度と起こしてはならないとの決意をもって、職務に全力で取り組んでいただきたい。このことを心からお願いいたします。

 今道政は、新型コロナウイルス感染症をはじめ、解決すべき課題が山積をしており、皆さんも日々その対応に追われていると思います。しかし、課題の先に目を向ければ、例えば、新型コロナウイルス感染症の戦いに打ち勝った、その象徴として来年、東京オリンピック・パラリンピックの開催、このことを政府は掲げました。新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組んでいくことは、言うまでもありませんが、そういった北海道の姿を大きく変えていく数々のプロジェクトも控えている、このこともまた事実であります。私たちが目指す活力に満ちた北海道の実現。目の前の課題にしっかりと対応しつつも、顔を上げて、目線をしっかり未来に向けてポジティブに仕事に取り組んでいく、このことも必要であり、大切であるというふうに私は考えております。新年度が、北海道全体が元気を取り戻し、将来に向かって飛躍をする、そのための1年となるよう職員皆様と一緒に、力強く前進をしていきたい、そう思っております。

 皆さん、どうかよろしくお願い申し上げます。

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