職員訓示 (令和元年6月3日)

職員訓示

    令和元年6月3日(月)   知事会議室  

 

 本日から、新しい体制の下で、仕事を進めていくに当たりまして、私からお話しをさせていただきたいと思います。

 知事に就任して一月余りの時が流れました。
 様々な方々とお会いをし、そして、地域に足を運ばせていただきまして、道民の皆様のいきいきとした姿や笑顔に触れまして、私自身、力をいただきながら、仕事をする中で、日々、北海道の広大さと本道の多彩な魅力や潜在力の高さに改めて驚かされ、地域の多様性を実感しているところであります。

 一方で、私たちは今、人口減少や高齢化の急速な進展により、需要の減退や、産業や地域の担い手不足への対応や、医療、交通の確保など、向き合わなければならない困難な課題に直面をしているところです。
 また、国際貿易交渉の進展など、加速化する経済のグローバル化の動きを踏まえて、海外との競争に打ち勝つ力強い農林水産業づくりや世界の需要を取り込む食や観光の振興にも一層取り組んでいかなければなりません。
 先月、胆振東部地震の被災地を訪れまして、町長の皆様、被災者の方々から直接お話をお伺いいたしましたが、そうした皆様に対して、目に見える形で、復興を進めていかなければならないという思いも改めて強くしたところであります。
 こうした様々な課題を乗り越えて、躍動する未来に向けて新たな道を切り拓いていくことこそ、私に課せられた使命であると思っております。

 このため、いま申し上げた、胆振東部地震災害からの復興をはじめ、地域創生の取組、医療・福祉の充実や交通体系の確保など将来にわたって、道民の皆様が安全・安心に暮らせる、豊かな地域づくりを進めていくことが極めて重要であります。
 また、女性や高齢者、外国人など全ての人々が活躍できる環境づくりや、特色ある文化・スポーツの振興など多様性のある地域社会をつくっていきたいと思っております。
 そして、食や観光といった北海道ブランドの向上や地域の基幹産業である農林水産業の競争力の強化、本道の優位性や独自性を生かした経済や産業の活性化を皆様と共に着実に推進したいと思っております。

 こうした私の思いを反映し、迅速に政策展開をしていくため、市町村や民間など多様な主体と幅広く連携して、地域創生などに取り組む、地域振興監を総合政策部に配置するとともに、適材適所の考えのもとに、人事配置を行い、新たな体制を整えたところであります。

 今日から、この新しい体制で、道政を進めていくこととなりますが、仕事に臨む姿勢について、皆さんに私からお願いをしたいと思います。

 まず、繰り返し就任してから申し上げておりますけれども、「地域とともに歩み、地域のために働く」ということであります。
 それぞれに個性のある地域の力がつながることによって、世界から注目される、魅力ある北海道が成り立っております。
 夕張市長としての経験も踏まえて申し上げさせていただければ、市町村は、極めて厳しい職員体制と総じて厳しい財政状況の下で、住民の方々の切実な声に応えるために、懸命に地域経営に当たっております。
 そうした中、道庁が有する情報やノウハウを積極的に生かしていただいて、今まで以上にもっと地域に入り込んでいただいて、地域とともに行動をして、市町村をしっかりお支えしていくと、そのことによって、人口減少傾向が続く中にあっても、賑わいのある、豊かな地域をつくることができる、と思っております。
 これまでも地域のために取り組んでこられた皆さん、改めてここで、道庁が地域に寄り添って仕事をする組織であるという基本的な認識を皆さんと共有したいと思います。

 次に、「新しい発想、知恵やアイディアを取り入れる」ということであります。
 行政は、継続性や公平性の観点から、従来の仕事の進め方や取組を容易に変えることができない中で、また一方で、特定の意見を重視することも難しいという性質があると思います。
 しかしながら、環境が大きく変わり、前例のない事態に直面しているときには、これまでのやり方にこだわっていては、新しい展開を生み出すことはできません。
 道庁はこれまでも市町村や民間との連携を進めてきたわけでございますけども、更に裾野を広げ、より多くの方々の知恵やアイディアを柔軟に取り込むということを、実践していただきたい。
 皆さんそれぞれにも、今のやり方が妥当なのか、自らに問い直していただきまして、異なる角度から課題を考えてみるなど、そういった努力を改めてお願いしたいと思います。

 最後になりますが、「私とともに、困難に挑戦をしてほしい」ということであります。
 現時点で、私は日本一若い知事として就任をいたしました。一部には当然のことではありますが、経験不足ではないか、というご懸念もあるのが事実だと思います。
 しっかりと皆さんをはじめ、多くの方々と手を取り合いながら、道政運営を進めてまいる所存ではありますが、一方で若いからこそ、前例に囚われないからこそ、困難な課題に恐れず挑戦することができるのではないかという道民の皆様のご期待もあると私自身あるのではないかと思っております。
 道民の皆様からは、そうした姿勢や考え方をもって取り組む、そのことが私に、そして道庁に対して求められていると考えております。
 さらに、北海道には、人口減少や大規模災害への対応といった全国的に注目される取組を、むしろ、けん引していくんだという気概を持って取り組んでいかなければならない課題もありますし、食や観光分野においては、47都道府県の先陣を切って道庁はチャレンジするという役割も期待されていると思います。
 ぜひ、皆さんには、私とともに、勇気をもって困難に挑戦をして、北海道の未来をみんなでつくっていくんだという気概を、ぜひお一人お一人が持っていただくよう、お願いしたいと思います。

 最後にもう一つだけ、言わなければならないお話があります。大変残念なことに、先日、職員が飲酒運転により検挙されるということがございました。
 道民一丸となって、飲酒運転の根絶に取り組んでいる中においては、率先してそれを実践していかなければならない道職員が、飲酒運転ということは、絶対にあってはならないことであります。
 「飲酒運転をしない、させない、許さない」という誓約を改めて全職員の皆さんは肝に銘じてほしいと思います。

 ここまで、私の思いを申し上げてきましたけれども、私もある意味では道職員としては、1年目なんですね。
 ですから、知らないことは率直に様々あると思います。先輩である職員の皆さんに様々教えていただいて、また、従来の仕事の仕方がおかしいと思えば、私もまっさらな気持ちで皆さんのお話をお伺いして、これはおかしいな、と思ったことは、率直に申し上げて、そのうえで皆さんと丁寧に議論をさせていただいて、そして職場は、風通しが良い方が良いわけでありますから、風通しの良い、活気に満ちた道庁を皆さんと共につくりあげていきたいと思っております。

 私と一緒に力一杯新しい北海道づくり、道庁づくりに、皆さん取り組んでいきましょう。
 皆さんの力を貸してください。これから皆さんよろしくお願いします。

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