知事定例記者会見(令和5年11月28日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和5年11月28日(火)16:00~16:47
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/20名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 令和5年第4回北海道議会定例会の開会に当たって

記者からの質問

  1. 経済対策について
  2. 国における「総合的な防衛体制の強化に資する取組」について
  3. 次期「北海道食の輸出拡大戦略」について
  4. JR函館線 函館-長万部間について(1)
  5. JR函館線 函館-長万部間について(2)
  6. 外国人技能実習制度の見直しについて
  7. 道央圏連絡道路について
  8. 国宝「北海道白滝遺跡群出土品」について
  9. 観光振興を目的とした新税について(1)
  10. 観光振興を目的とした新税について(2)

知事からの話題

令和5年第4回北海道議会定例会の開会に当たって

 私から一点であります。本日から令和5年第4回定例会が開会いたしました。このたびの議会では、ヒグマの春期管理捕獲の実施に要する経費や災害復旧事業費など、当面措置を要する経費として総額約110億円の補正予算案と、11件の条例案を提案いたしました。12月1日金曜日から一般質問が始まりますが、こうした予算案や物価高騰対策をはじめとする道政上の重要課題に関し、議員の皆さまと真摯に議論を積み重ねてまいりたいと思います。
  私から以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 今回の議会につきまして、今、政府のほうでも物価対策の補正予算とか審議中だと思うのですが、昨日、各会派からも経済対策の要望というのがあったと思うのですけれど、例えばそういう経済対策とかで、会期中に関連する補正予算案の提出とか、そういったことを検討されるような考えはあるのでしょうか。

(知事)
 今ご質問にありましたけれども、昨日、議会の各会派から、エネルギーや食料品といった価格高騰対策などに関するご要望をいただいたところでございます。まずはこの要望について、しっかりと受け止めなければならないと考えています。道では、今月6日に経済対策推進本部を開催いたしまして、私から本部員に対して、必要な対策の検討を加速するよう指示したところでございまして、現在、庁内で鋭意、検討を進めているところでございます。今後、冬を迎えるという中で、道民の皆さまの生活や事業者の方々の経営を支えていくため、まずは、引き続き支援を必要とする皆さまに一日も早くお届けできるように、物価高騰等経済対策の円滑かつ迅速な執行に努めていくということとともに、今ご質問のございました国の補正予算編成の動きも見据えて、今般の要望を踏まえつつ、地域や事業者の方々の声を丁寧に把握しながら、道として速やかに対策を取りまとめてまいる考えでございます。

(北海道新聞)
 政府が防衛力強化の目的で整備、拡充する公共インフラの候補として、全国38カ所を選定し、その中に道内5港湾が含まれていることがわかりました。有事の際に自衛隊や海上保安庁が使いやすい環境を整えるほか、平時でも訓練などで円滑に利用できる枠組みを設ける方針とのことで、既に道庁を含む地元の自治体との調整も始まっているとのことです。当該港湾への優先した予算付けなどに期待する向きもあるようですけれども、民間利用の圧迫につながる可能性や、有事の場合には、最悪、ミサイル攻撃などの標的となる懸念が拭えないとされています。知事はリスクも含めたこうした政府方針、適切とみるか見解をお聞かせください。

(知事)
 まず、今ご質問がさまざまございましたけれども、この具体的な施設などについては、国から公表されていないという状況であります。私としては、やはり道民の皆さまの安全・安心が第一というふうに考えております。道民の皆さまの不安、懸念については、丁寧な説明を行うように国には求めたいというふうに思っています。まだ国のほうから具体的な内容といったところが調整中ということでございますので、その点については私からのコメントは控えたいと思います。

(日本経済新聞)
 二点お伺いします。まず一点目です。昨日の道議会の委員会のほうで、「(北海道)食の輸出拡大戦略」の素案について、道庁の担当部局のほうから説明がございました。目標水準はまだこれから設定ということでしたけれども、ブリとかですね、牛乳とか、新しく主要品目に加わるものもあったかと思うのですけれども、今回の戦略の中で、そうした新しい品目を追加された目的、それぞれの項目で、特にブリなんかは目新しいところなのかなと思うのですけれども、そういうところをどうして追加されたのかというところ、また、足元は中国の禁輸措置の影響というのが、道内の水産業にも深刻かと思うのですけれども、目標数値を設定していくに当たって留意していくこと、また、目標として水準が1500億円を上回るような水準を引き続き今後も目指していくのか等ですね、その辺のところ、知事のお考えを伺ってもよろしいでしょうか。

(知事)
 まずは強みとなり得る品目などについては、やはり挑戦していくという観点から、考えを整理しています。また、目標水準の部分で言いますと、これは非常に難しい状況になっています。と言いますのも、中国の輸入停止措置の影響が非常に大きい状況にありまして、現時点において目標水準を示すことが難しい状況にあるわけですが、国や関係団体、事業者の動向、対応といったものも注視しながら、この目標水準などについてはですね、慎重に検討を進めていく必要があるというふうに考えています。

(日本経済新聞)
 その強みとなる品目が追加されたということは、現状ですと中国向けであるとか、やはり(ホタテの)輸出がシェアとしてはどうしても多くなっているわけですけれども、分散というかですね、ホタテ一本足の状況からは、やはり脱却していかなければいけないというか、そういったお考えがあるというふうに理解していいのでしょうか。

(知事)
 はい、これは五つの基本戦略を掲げさせていただいていまして、リスク分散への対応として、輸出先国、そして地域の多角化、そして輸出品目の拡大、一次産品の安定生産や効率的な輸送、輸出に取り組む意欲ある担い手の育成、こういったものなど、五つの基本戦略として掲げているところでございますので、今ご質問いただいたように、こういった内容も踏まえてですね、道としては輸出拡大に向けて、基本戦略に基づく各般の取り組みを実施していくということ、そして、海外のどさんこプラザもありますし、また現地の事務所も拠点として、事業者の皆さんはもとより、JETRO(日本貿易振興機構)、そして関係団体とも一層連携しながら、オール北海道で道産食品の輸出拡大に取り組んでいきたいというふうに考えています。

(日本経済新聞 井田)
 二点目に移りたいと思います。明日ですね、貨物鉄道の今後についてですね、有識者会議が札幌市内で開かれます。貨物鉄道を巡っては、特に函館線の函館-長万部間が、新幹線の並行在来線として、存廃を含めてどうなるのかというところが注目が高まっているところではございますが、今回の有識者会議を通じて、どのような議論を進めていくお考えなのか。また今後ですね、道として、この貨物鉄道のあり方、また仮に貨物として何かしら維持するとすればですね、道として具体的な費用負担等ですね、検討されているものはあるのか、お考えをお願いいたします。

(知事)
 さまざまご質問がありましたけれども、明日16時から第1回の有識者検討会議を開催することとしております。会議につきましては、4名の学識経験者、関係団体、鉄道事業者のほか、オブザーバーとして国の関係機関も加えて構成されております。そして第1回の会議は、実務者レベルで取りまとめた論点整理の内容などについてご説明して、構成員の皆さまから、さまざまなご意見をいただくということで、第1回は行わせていただきたいというふうに考えています。
 また、実務者レベルでのやり取りの際もですね、マスコミの皆さまからも、どういった議論が行われているかについては、一定の段階で情報の共有が必要ではないかということもお話がありました。この有識者検討会議におきましては、会議冒頭のみの対応で非公開という扱いではあるのですけれども、これは非常に関心の高いテーマでありますので、この会議内容につきましては、終了後、事務局から皆さまにご説明させていただくとともに、後日、国と道の両方で、議事概要について公表していきたいというふうに考えています。今後のそういった内容については、そういった形で皆さんと情報共有をしながらですね、取り組んでいきたいというふうに思っています。まずはですね、第1回という形で対応したいというふうに考えております。
 費用のお話でありますけれども、費用負担ですとか、線路の保有主体のあり方、そういったことなどの課題について、この点についても有識者検討会議でのご意見も伺いながら、検討を進めていきたいというふうに考えています。

(日本経済新聞 井田)
 おおむねいつ頃までに一定の結論を出すお考えでいらっしゃるでしょうか。

(知事)
 その点についてはですね、まずはこの進め方などについても、この第1回で今の状況について共有した中で、検討していくことになろうというふうに思います。

(朝日新聞)
 今の質問に関連してですけれども、一方で、並行在来線の渡島ブロック協議会ですけれども、昨年8月以来1年余りも開かれていません。その間、今、話の出た有識者会議の設置が決まってですね、貨物線として存続する方向を探るということになっています。また、函館市の大泉市長が新幹線の函館乗り入れ構想を打ち出したりもしています。一方で、並行在来線後志ブロック協議会では、山線(長万部―小樽間)がバス転換することになっていますけれども、バスの運転手不足でバス転換の協議が難航しています。同時期に渡島もバス転換となれば、同じように運転手不足が深刻な影響を与える、影響も出ていると思います。北海道庁に果たしてこれだけの変数にあふれた、予測不可能な事象も含めて、これだけの変数にあふれた鉄路の問題をどう解決していくのかという道筋を、そろそろ示してもいいのかなというふうに考えます。せめてもう少しスピード感を持って解決に当たるべきではないかと思いますけれども、これは地域の公共交通の足に関わる話なので、住民からも不安の声が出かねない話だと思うので、その点、例えばいろいろと同時進行している話を一つの場で協議するとかですね、新しい枠組みを検討してみても良いのかなと思うのですが、その辺りの知事の考えですね、北海道庁の調整能力が問われていると思うのですが、その辺りについてのお考えをお聞かせください。

(知事)
 先般、鉄道利用の活性化協議会におきましても、関係の皆さまとともにですね、この5年の節目を迎える中で、総意として、今後も利用促進に対する考え方、また国に対する要望のあり方などについて認識を共有したところです。また、各沿線においては、それぞれ地域の背景、実情があります。引き続き沿線自治体としっかりとお話ししながら、持続可能な交通のあり方というものは考えていかなければならないと思っています。また、先ほど、(昨年)8月以降、(渡島ブロック)協議会が開催されていないのではないかというお話もありました。この点については、幹事会を複数回開催してきたところでありますけれども、ブロック会議の開催に向けて、今まさに関係者の方々と連携を図りながら、適時適切な対応を図っていきたいということで、今、調整しているという状況でございますので、そこは全体として考え方を整理することも、もちろんやっていかなければいけませんし、沿線、各線区ごとに状況が一様ではないわけでありますので、そこはしっかりと沿線の皆さまとお話ししながら進めていくという考え方に立ってですね、これからも取り組みを進めていきたいと思います。

(朝日新聞)
 それに関連してですけれども、地域住民の足を守るということであれば、例えば後志ブロックで協議している山線などは、バス転換できないという最悪の事態に備えて、鉄路を残すという選択肢も残しておいていいのではないかという気がするのですが、その点についてお考えをお聞かせください。

(知事)
 その点についてもですね、沿線の皆さまと話し合いを続けてきた中で、方向性を見いだしながら取り組んできたところであります。バス事業者の皆さまなどとも話をしながら。いずれにせよ地域の皆さまにとって、交通については関心も高いですし、不安な声もあることは実際、現実だと思いますので、そういった皆さまの声に対応しながら、しかしながら方向性を、やはりしっかり皆さんと共に出していかなければいけないということはありますので、そういった考えの下で取り組みを進めていきたいというふうに思います。

(朝日新聞)
 別のテーマに移りたいのですけれど、外国人技能実習制度を巡る政府の有識者会議が先日、最終報告書(案)を出しました。新たな制度は人材の確保と育成を目的として、名称も「育成就労制度」と改めるということと、あと、これまで原則できなかった別の企業などに移る転籍が、1年以上働けば、一定の技能と日本語能力があれば、同じ分野に限り認めるということになりました。まず、この点について、有識者会議のメンバーである知事のご評価と、あと、実習生頼みが強まる農業、水産加工業を抱える北海道の知事として、主張は十分に最終報告に反映されたのか、この点についてご自身の自己評価をお聞かせください。

(知事)
 転籍制限のところは、かなり議論があったところです。以前示されたたたき台ではですね、一定の要件の下で、1年で本人の意向による転籍が可能とされたことで、道内の自治体、そして事業者の方々からは、外国人材の流出に対する懸念の声がありました。このほか、有識者の中には私しか都道府県で入っていないのですけれども、道として、ほかの(都)府県などの状況について調査しました。転籍要件につきましては、多くの県から懸念の声が示されました。具体的にはですね、回答は全部の県からあったわけではないのですけれども、32県のご回答があったうちですね、25県がそういった懸念の声が示されました。こういったことなども含めて、議論の場で委員として問題提起をしてきました。
 そして、その提案や会議の中での議論、こういう中で、今般の最終報告書(案)でありますけれども、地方や中小零細企業における人材確保が図られるよう配慮することということで、これは文言として、やはりしっかり入れてほしいということを申し上げました。大都市とかですね、また大きな企業といったところに人材が偏るということを、やはり避けるためには、地方、そして中小零細企業、こういった表現でですね、配慮ということを入れてほしいということ。そして、制度移行による急激な変化を緩和するため、転籍要件に必要な経過措置を設けるということであります。政府において検討するということが必要であるということで、報告書案ではですね、こういった形で記載していただきました。
 今後の取り扱いについては、まさにこういった最終報告書(案)に基づいてですね、国においては必要な法改正の整備や具体的な施策、運用方法の策定等が進められていくというふうに考えています。引き続き、国のこうした動きを注視し、必要に応じて北海道の実情などを伝えていきたいと思っています。いずれにいたしましても、今回、私が申し上げたのは、転籍制限についても、かなり最後までさまざまな意見が出て、ある意味では一致を見ているわけではありません。ですから、そういう状況についても、併せて何らかの形で表現はしてほしいということは申し上げたところです。

(朝日新聞)
 新制度になった場合ですね、今お話が出ましたけれども、都会とか大企業に人が流れてしまうということは、本当に地域にとっては切実な問題だと思います。就労の場として、生活の場として、実習生、外国人労働者というべきでしょうか、来てもらう、選んでもらえる北海道になるためには、やはり地域もそれなりの努力をしなければいけないと思います。そこら辺については、知事は今後、この前ベトナムにも行かれたようですけれど、地域ではどういうふうに受け入れ体制を作っていくのか。そこら辺で道として何かビジョンを示すことも必要なのではないかなという気もするので、その点はいかがでしょうか。

(知事)
 まさに先般ですね、ベトナムのほうにもお伺いいたしました。そして、わが国にまさに来ようとしている皆さまとお話しさせていただく機会もいただきまして、まずは、こういった制度を変えていくという議論がなされている中でですね、そういった取り組みをしている事業者の方々は、どういうふうに変わっていくのかについて、まだ非常に不透明な状況に対して、現にこれからも日本にですね、ぜひ送り出していこうとされている方からすると非常に不安なわけですね。ですから、この点についても、私はこの場(有識者会議)で、現にそういう状況がある中で、マスコミの報道などで非常に、なんて言うのでしょうか、まだ方向性が決まっていない中でですね、非常に不安を持っていらっしゃるわけです。そして、それは技能実習生として来ようという方々の人生に与える影響も非常に大きいものですから、最終報告などにあってもですね、今検討している経過や内容などについても、実際に対象となる方々に対する情報の発信が、国として不足しているのではないかということについても指摘したところでありますが、いずれにしても、先ほど申し上げたように地方や中小零細企業ということで考えた際には、そういった地域で、自治体も当然しっかり努力しなければなりませんが、そういった偏在が生まれないようにするためには、国においても制度としての配慮といったものを実効性あるものにしていただきながら、それぞれの立場で役割を果たし、結果として日本全体で多くの方々が活躍できるといった形を作り上げていくことが、私は重要だというふうに思っておりますので、道内の自治体の皆さまとも、そういった観点から、引き続き連携、協力しながら、受け入れ体制の充実について考えていかなければならないと思っています。

(北海道新聞)
 札幌近郊で整備が進む道央圏連絡道路について伺います。千歳市と石狩市などを結ぶ道央圏連絡道路で、来年度、江別市と南幌町の間の中樹林道路が開通予定です。北海道開発局からの意見照会に対して、昨年度、道も整備促進を求める意見を出しています。あらためて道央圏連絡道路の有用性や必要性について、知事のお考えをお聞きします。

(知事)
 今ご質問のありました道央圏連絡道路につきましては、千歳市を起点といたしまして、小樽市に至る延長約80キロの高規格道路でございます。国際的な交流拠点であります新千歳空港、国際拠点港湾の苫小牧港、そして重要港湾の石狩湾新港および小樽港を結び、道央圏における人流、物流の連携強化を図る重要な路線であります。現在につきましては、南長沼ランプから江別東インターチェンジの区間が未開通となっているわけでありますが、令和6年度には、南幌ランプから江別東インターチェンジ区間が暫定2車線での開通を予定しております。残り区間につきましては整備中という状況でございます。
 これまでもですね、当該道路の整備に伴いまして、例えば長沼町などの工業団地におきましては、新千歳空港や苫小牧港などの物流拠点へのアクセス性が向上しました。そして、工業製品出荷額が大幅に増加したところであります。今後のさらなる延伸によって、企業立地の促進、そして新たな雇用の創出など、地域活性化が期待されると考えています。
 また、当該道路整備で、円滑で定時性の高いルートが確保され、空知地域そして道北方面から新千歳空港への利便性が向上するということと、沿線自治体から石狩湾新港や苫小牧港への所要時間が短縮されて、速達性および安定性の高い輸送ルートが確保されるといったことから、農水産品等の物流利便性も向上するというふうに見込まれます。
 そして、ラピダスの立地の効果を全道に波及させるためには、道央圏連絡道路をはじめとする高規格道路の早期整備は大変重要だというふうに思っています。今後も引き続き、私が先頭に立って、国などに要望をしていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今、知事からもお話がありましたけれども、道央圏連絡道路の新千歳空港ランプの本当に数キロ先に今、ラピダスの工場の建設が進んでいるわけですけれども、一方で、先行して半導体産業が集積している熊本県ではですね、周辺地帯で慢性的な渋滞などが発生しています。今後、千歳市でも関連産業の集積が期待されているわけですけれども、道央圏連絡道路の整備も含めてですね、ラピダス周辺地域で交通アクセスの改善とか物流の効率化と、あと渋滞対策について、道として今後どのように進めるお考えかお聞かせください。

(知事)
 熊本県の状況につきましては、北海道と立地の背景が若干異なりまして、そもそもTSMC(台湾積体電路製造)が進出する以前から渋滞が発生しているという状況下で、さらにそういった進出に伴う影響が出ているという状況があります。ラピダスにおいては、今、建設していますけれども、ある意味でゼロから作っていくという状況に相違はあろうというふうに思っています。しかしながら、千歳市において、さまざま必要となるインフラについて、さまざま道も情報を共有しているところでありますので、国のほうもですね、国家プロジェクトとしてのインフラ整備に対する協力について言及しているところでもありますので、そこはさまざまですね、千歳市、また国、ラピダス社はもとよりですね、皆さんと連携しながら、しっかりとスケジュールを達成するために努力はしていきたいというふうに思います。

(北海道新聞)
 オホーツク管内の遠軽町のほうで発掘されて、今年6月に国宝に指定された黒曜石の石器類についてお伺いします。この黒曜石の石器類1965点は、昨年の11月18日に国の文化審議会から国宝指定の答申がありました。そして、今年6月27日に正式指定になりました。なので、数えると答申から丸1年が経ち、国宝の指定から5カ月が経過したのですけれども、先日の鈴木知事の地方視察、いわゆるなおみちカフェでも遠軽町のほうに足を運ばれて、現物もご覧になったのではないかなと思いますが、この国宝指定になった黒曜石の石器類について、あらためて知事のお考えの部分と、これに絡んだ今後の何か施策などの予定があればお伺いします。

(知事)
 まず、本年6月に国宝に指定ということであります。道内では中空土偶に次いで2件目ということで、日本で最古、最北の国宝ということであります。道としては、これまで遠軽町と連携いたしまして、今年4月の「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」のレセプションにおきまして皆さまにご紹介し、また、7月から10月まで北海道博物館で開催されました「北の縄文世界と国宝」ということで、本当に多くの方にご来場いただいたわけでありますが、そういった中での展示、また、SNSや広報紙を活用した情報発信といったことを通して、その価値と魅力を広く国内外にPRしてきたところであります。
 ご質問にもありましたけれども、私自身も訪問させていただいて、視察先で石器作り体験ということでさせていただいて、教科書などでもそういった石器についてはみんなが学ぶのですが、実際にそういったものに触れる機会というのがなかなかない中で、わが国の国宝として認められ、さらに歴史、文化を学ぶことができるというのは大変重要だということで、私自身も実感したところであります。ぜひ、ふるさとの歴史、文化に対する誇りや愛着を育んで、次世代にしっかりと伝えていくことが重要だというふうに思っています。
 遠軽町とも今後連携しまして、国宝について、道民の皆さまをはじめ多くの方々に広く知っていただけるように、さまざまな機会を通じて発信していきたいというふうに考えています。また、適切に保全、管理を行って、地域の皆さまの活動の充実は大事だと思いますし、また、今申し上げたように教育の資源でもあるというふうに思います。そして観光の資源としても魅力を発信していくといったことなど、地域の発展につながるようにですね、全庁一丸となって取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今お話しされたような、弊社とも実行委員会として行った北海道博物館での縄文展なのですけれども、こちら3万人が来場して盛況だったと思います。旧石器時代の黒曜石と縄文時代ということで、ちょっとやや異なるものではあるのですけれども、この北海道の文化として、ここをつなげていったという点では、すごくいい企画だったのではないかと思うのですけれども、今後、こういう今まで点として北海道の各地に点在していたような文化財産が、線だったり面だったりということで、つながっていくことが大事なのではないかなと、そういう何か企画をしたりとか、観光振興に役立てることが、今後、発展するのではないかというふうには思うのですけれども、こういったお考えが知事の中に今あるのかということと、それに関連した施策を行えないだろうかということで、ちょっとお考えをお聞かせ願います。

(知事)
 今のご質問はすごく重要な指摘だと思います。まさにこの「北の縄文世界と国宝」の展示にあってはですね、国宝についても北海道だけではなくて、関係県のご協力もいただいて、国宝が一堂に会するという大変貴重な機会になりましたし、また、縄文だけではなくて、こういった石器の出土品が国宝に指定されたことを受けて、同時に展示させていただいたことによる相乗効果があったと思います。アイヌ文化もそうですけれども、文化に対する関心を高める上では、さまざまな効果的な展示方法や、また教育資源としての活用など、関心を持っていただいている皆さんはもとよりですね、新たに触れていただくことで魅力を感じていただけるような工夫や、そういった取り組みは私は必要だと思っておりますので、遠軽町をはじめとして、関係する団体がさまざまありますので、そういった方々と連携して、より多くの方に知っていただいて、そして、楽しんでいただけるような工夫がですね、必要だというふうには考えています。

(北海道新聞)
 遠軽町との連携をおっしゃっていて、何か具体的に今協議中だったりとか、これから取り組まれること、北海道と連携してやることというのは、何か進んでいるのでしょうか。

(知事)
 今さまざま、これまでの取り組みについて振り返りをしながら、どういった新しい連携ができるかについては、今後しっかり検討していければというふうに思います。

(北海道新聞)
 もう一つ、2007年に函館市の、先ほどおっしゃっていた中空土偶が最初に国宝にされたときにはですね、当時の高橋はるみ知事のほうが、土偶の発見に関わった方に感謝状を贈るということもありました。中空土偶と黒曜石石器では状況は違うのですけれども、前知事のように、こういった石器類の発掘だったり、保存に尽力されてこられた方への表彰だとか、感謝状の贈呈というのは、そういった部分は、知事お考えあるでしょうか。

(知事)
 今ご質問にもありましたけれども、地元の郷土史研究家をはじめとして多くの研究者の皆さま、この学術調査をはじめとして、さまざまな研究が実を結んで、適切に保護されてきたという中で、国宝は1965点で構成されているわけでありますが、国宝として認められたわけであります。あらためて関係いただいた多くの方々に対して、敬意を表したいというふうに思います。今回の国宝指定に関しては、本当に多くの方々が携わっております。公共事業に伴う発掘調査による発見であるということから、どのような対応ができるかについて検討する必要があるというふうに考えているところです。

(北海道新聞)
 それだと、今後、何かそういう感謝状だったり、貢献の表彰だったりというのがあるということでしょうか。

(知事)
 その点については、先ほど質問の中にもありましたけれども、中空土偶と今回の件の状況なども異なっている状況などがありますので、そういった点などから、どういった対応ができるかについては検討する必要があるというふうに考えています。

(朝日新聞)
 観光振興目的税、いわゆる宿泊税のことでお尋ねします。9月の道の有識者懇談会の中で、札幌市をはじめ函館市等7市が福岡方式なるものを提案しましたが、結果として、道との交渉がうまくいかず、結局バラバラでそれぞれ同じ時期にですね、同じ種類の税を導入しようとする動きになりつつあります。そもそも、やはり都道府県と市町村が同じ種類の税を同じ時期に導入しようとする場合は、やはり二重の負担を観光客に強いることになりますから、なるべくそこは両者で調整してですね、わかりやすいもの、負担をなるべく下げるものにするのが良いかと思いますし、実際、2018年に福岡県と福岡市が同時に導入しようとしたときは、政治判断によってですね、一律200円という形にした経緯があります。今回、結局バラバラ、道と市町村がバラバラに導入するような運びになりつつあるのですけれども、そのことについて知事はどういうふうにお考えですか。

(知事)
 それはそれぞれ、都道府県も、また市町村においてもですね、課税(自主)権の下で、さまざま議会や地域住民の皆さまと議論しながら、今まさに検討されているというところだと思います。その上で、事業者の方々や、またご負担いただく皆さまに対して、当然、複雑すぎる内容などにならないような、そういった配慮といいますか、取り組みは当然のことながら必要だと思いますが、そういった意味では、それぞれ検討が行われるということ自体が排除されているわけではない点は、申し上げておきたいと思います。

(朝日新聞)
 お聞きしたかったのは、排除というよりも、そもそも導入する前からですね、今せっかく9月に7市が提案してくれたわけですから、その福岡方式なるものをベースに議論するという余地もあったのかなと思うのですけれども、それをなされなかったということについては、どういうふうにお考えですか。

(知事)
 先ほど申し上げたように、それぞれの地域において、さまざまな議論がございます。福岡の方式というのは、一つの例としてはあるということだと受け止めています。

(朝日新聞)
 実際11月に、札幌市が事業者向けの説明会を行ったのですけれども、やはり事業者の方からも同様に、北海道の税と市の税、二つになると負担が重くなると、もっとシンプルなものにしてくれというふうな意見も多々ありましたし、実際、11月に北海道がアンケートで、市町村を対象に実施した中でもですね、同様の、つまりもっと連携すべきではないかというふうな意見が寄せられたというふうに公表されていますけれども、その辺りはいかがですか。

(知事)
 今ご質問にあったようにですね、さまざま地域の皆さまからご意見をいただいています。使途に関する件で言えばですね、市町村との役割分担を明確にすべきである。また、段階的定額制の考え方には理解はできるのですが、宿泊客の負担感や事務負担を考慮した税率設定としてほしいなど、さまざまなご意見をいただいていると聞いているところであります。今ご質問にもありましたけれども、事業者の皆さま、また宿泊者の皆さまからの、そういったさまざまなご意見を踏まえながら、北海道全体として望ましい税のあり方については、引き続き検討を進めていきたいと考えています。

(朝日新聞)
 最後に、とはいえ区切りといいますか、ある程度の目安を作っておかないと行政も回っていかないと思いますので、現時点で知事のイメージとしてですね、いつごろまでに条例案なるものを作りたいというふうなお考えでしょうか。

(知事)
 時期については、現在、決めて取り組みを進めているという状況にはありません。たたき台をお示しした中で、関係する市町村との調整、また事業者の皆さまへの説明、こういったものを今、行っています。また、さまざまご意見があるという、今ご質問もありました、地域の事情についてもお伺いしているところでありますので、そういった中で考えていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今の他社の質問と重複する部分もあるのですけれども、観光振興税、いわゆる宿泊税についてお聞きします。昨日の道議会の特別委員会の中でも、道と市町村や事業者との意見交換についての経過報告で、さまざまな声が寄せられたと伺っています。意見交換は、9月に行われた第2回有識者懇談会に示したたたき台というのをベースにしたものだったと承知していますけれども、市町村や事業者の理解というのは、一定程度得られたという認識なのか、あるいは、まだまだ十分ではないという認識なのか、知事の現状認識をお聞きできればと思います。

(知事)
 まずは、議会にもご報告申し上げ、先ほど申し上げたようにさまざまなご意見をいただいております。新税導入を進める市町村、そして北海道町村会、宿泊団体、こういった皆さまに対して、このたたき台をお示ししてですね、あらためてご説明の上、意見交換などを行っています。地域訪問をして、ご説明などを行うことと並行して、道内の全ての市町村に対しまして、たたき台に関するアンケート、こういったものも並行して実施しています。これは、今月末をめどにですね、今やっています。税の導入を検討していない多くの市町村に対しても、市長会、また町村会といった皆さまとも連携を図りながら、検討状況の説明や意見交換といったものを行う機会を設けていきたいと考えておりますので、現在、道としては、今申し上げたような状況で、引き続き説明も含めて、行っているところであるというところです。

(北海道新聞)
 意見交換の中では、道に対して、段階制ではなく一律の定額制というのを望む声であったり、低価格の宿泊施設の配慮という観点で、免税点の設定というのを求める声だったり、道のたたき台の内容とは異なる意見も上がっていたと思います。こういった意見を踏まえて、今後、たたき台の内容を修正する余地があるのか、あらためて知事の考えをお伺いします。

(知事)
 今回、さまざまなご意見をいただく中では、たたき台でお示しした内容についてですね、今お話がありましたけれども、関係の市町村ですとか、事業者の皆さまに対して、調整や説明を行いながら、ご意見や地域の実情をお伺いいたしました。その中では、今お話のあったように、地域からはさまざまなご意見といったものがありました。ですので、こういったご意見を踏まえて、北海道全体として望ましい税のあり方について、丁寧に検討を進めているという段階でありますので、たたき台としてお示しした内容を基にですね、そういったご意見をいただいたわけでありますので、現時点で具体的な考え方が定まっているものではないという中で行っているということです。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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