知事定例記者会見(令和4年12月15日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和4年12月15日(木)17:20~18:13
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/20名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 令和4年第4回北海道議会定例会の閉会に当たって
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について
  3. 北海道・三陸沖後発地震注意情報について

記者からの質問

  1. 冬季五輪招致について(1)
  2. 冬季五輪招致について(2)
  3. 冬季五輪招致について(3)
  4. 福祉施設における虐待事案について
  5. 畜産物価格等について
  6. 原子力発電所関連について
  7. パワーハラスメントに関する職員アンケート結果について
  8. 知床観光船について
  9. ふるさと納税について
  10. 札幌聾学校の児童による訴訟提起について

知事からの話題

令和4年第4回北海道議会定例会の閉会に当たって

 私から三点お話しさせていただきます。
 一点目であります。11月29日から始まりました第4回定例会が本日、終了いたしました。このたびの議会でありますけれども、新型コロナウイルス感染症をはじめ物価高騰対策など、道政上の重要課題につきまして、議員の皆さまと活発な議論をさせていただいたところであります。また、公共事業費のほか、物価高騰や人材不足への対応に要する経費など、総額約1866億円の補正予算案、14件の条例案について議決いただいたところであります。本日、経済対策推進本部会議を開催させていただいて、迅速かつ効果的な事業の執行について指示したところであります。
 今議会での議論を踏まえて、感染症対策はもとより、道民の皆さまの暮らし、安心、そして本道経済の活性化に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

新型コロナウイルス感染症対策について

 二点目でございます。
 新型コロナウイルス感染症についてであります。北海道の新規感染者数でありますけれども、減少傾向にありますものの、引き続き感染レベルが高い状況にあります。まず、道内の感染状況でありますけれども、本日の新規感染者数は、人口10万人当たりでは761.4人となっています。ピークが11月22日でありましたが、ピークと比べますと、3割以上減少している状況にあります。病床使用率につきましても本日、48.5パーセントとなりまして、減少傾向に転じて、50パーセントを下回る水準になったということであります。一方で、重症病床使用率でありますけれども、こちらは9.5パーセントという状況であります。横ばいが続いていたわけでありますけれども、ここ数日は増減を繰り返しているという状況にあります。道内の感染者数については、人口当たりの感染者数は全国最多という状況が長く続いていたのですけれども、今、どういう状況にあるかというと、北海道は12月14日現在では、47都道府県のうち27番目となりまして、だいたい全国平均の水準にまで減少している状況です。その代わり、ほかのところがぐっと伸びてきているという状況です。北海道は減っていっているけれども、ほかのところはぐっと伸びてきているので、ずっと一番だったのですけれども、今は真ん中ぐらいになったということです。
 病床使用率については、全国的に上昇傾向にある中で、13日現在では、北海道は先週と比べますと7ポイント減少しまして、47都道府県でいうと21番目となっています。そして重症病床使用率で見ますと、横ばいが続いていたわけでありますが、13日現在では、先週と比べて5ポイント増加して、全国の中で15番目という状況にあります。先週よりも順位が上昇しています。13日現在なので、今日の時点ではないのですけれども、こういう状況になっています。
 現在、感染状況は、今お話ししたように減少という状況にあるわけですが、これから帰省、旅行で、人との接触機会が増える年末年始を迎えます。今年の1月には、オミクロン株が道内で初めて確認された後に、置き換わりが進む中で、全道で感染が急拡大したという経緯があります。このため、年末年始における感染拡大防止に向けまして、道民の皆さまには、感染リスクが高まる「3つの場面」において、「5つの行動」についてご協力いただくことをお願いいたします。
 まず、帰省、旅行などの移動の場面ですけれども、年末年始は帰省先で親族の方と、例えば初詣に行くということもあるのではないかと思います。混雑する場所に出かける機会が、やはり増えると思いますので、そうした場所では、入場整理などの感染対策が行われるわけでありますが、道民の皆さまお一人お一人におかれましても、感染対策にぜひご理解とご協力をいただくということ、そして基本的な感染対策の再徹底をお願いいたします。そして帰省する前、帰省から戻った際については、検査を受けていただくことを、ご検討いただきたいと思っています。年末年始を安心して楽しんでいただくためには、今申し上げたようなことについて、ぜひご協力いただければと思います。コロナ禍が長期化する中で、今まで中止されていた行事ですとかイベントが3年ぶりに開催される例が今、多くなっています。年末年始も同じように増えると思います。このために、今申し上げたような感染対策はもちろんのことなのですけれども、混雑の緩和、また、積雪、凍結などの安全対策への配慮も重要となってきます。3年ぶりですので、参加する側も、実施する側も久しぶりという状況だったり、また、冬になってきて、積雪や凍結などの周りの環境などもありますので、さまざま安全対策に配慮していくことが重要になってきます。この観点から、道としては、市町村ともしっかり連携した中で、広く安全対策への配慮についても呼び掛けを行っていきたいと思っていますので、そういったイベントや行事に参加される際には、注意事項などについても、ぜひ皆さまにはご協力いただきたいと思います。
 二つ目は飲食の場面になります。この時期、忘年会、新年会ということで多くの方が集まると。また、成人式の前後などで、飲食を楽しむという場面も多くなると思いますので、こうした場面では、大声を出したりだとか、長時間にわたる飲食は、やはり今、感染が非常に多いところもございますので、特に注意していただいて、心掛けていただくと。そして会話を皆さんと楽しむという場面になりましたら、マスクを着けて会話を楽しんでいただくということで、お願いしたいと思います。
 そして三つ目は高齢者の方などと会う場面であります。重症化リスクがある高齢者の方、基礎疾患がある方、また、そうした方々と会うという方につきましては、双方が基本的な感染対策をより徹底していただく、再徹底していただくということと、そういった方々と会うという場合においては、無料検査とかもありますので、できればあらかじめ検査も受けていただくなど、皆さまにはご検討いただければと思います。
 そして、今ご説明いたしましたいずれの場面においても、共通するお願いが換気です。十分な換気ということで、どうしても寒いですから、冬の換気というのは大変で、どうしても閉め切って過ごすことが多いわけでありますが、換気のポイントとして、室温が下がらない範囲での窓開け、二つの部屋を活用した二段階の換気、こういった方法が国からも示されていますので、大人数で集まるというときには、こうした方法などもとりながら、室温を下げすぎない中で、換気への配慮をお願いしたいと思います。
 また、年末年始に向けては、日頃からの備えとして、解熱剤や検査キットなどの準備を、皆さまにはお願いいたします。そして体調不良時の備え、自己検査、セルフケアの準備をお願いいたします。さらに発熱等の症状がある方につきましては、自己検査の実施や、陽性者登録センターなどをご活用いただくようお願いいたします。そして検査キットですけれども、北海道薬剤師会において、検査キットを購入することができる薬局のリストをホームページで情報発信していただいておりますので、こういった情報などもご活用いただいて、検査キットを入手することもご検討いただければと思います。
 道として、では何をやるのだということですけれども、この時期における医療の逼迫を回避する、社会経済活動をできる限り維持していく、そのために何を道としてやるのですかということについては、病床を確保する、外来医療提供体制を整備する、ワクチン接種を促進する、検査体制の確保、そして観光事業者などとの感染防止対策などを進めていきます。順番に見ていきたいと思うのですけれども、まずは病床確保ですけれども、今後に向けた病床確保、現時点では現行の病床の数を維持、確保できる見込みということで調整を進めています。専門家、関係団体のご意見をお伺いしながら、近く確保病床数につきましては、取りまとめさせていただいて、今月中に病床確保計画を見直します。そして外来医療提供体制については、季節性インフルエンザとの同時流行に備えまして、12月1日から陽性者登録センター、健康サポートセンター、健康相談センターの体制を強化したところですので、こうした体制を維持、確保していきます。また、新たな経口治療薬の「ゾコーバ」についてですけれども、多くの医療機関、薬局にご協力いただき、登録可能な275の医療機関などのうち、12月13日時点でありますが、約9割となります239カ所で登録され、32カ所で処方、投与がされているという状況にあります。そして、本日から登録可能施設の範囲が拡大となりました。今、高い感染レベルにありますので、このことも踏まえて、多くの医療機関などで処方が可能となるように、さらに調整していきます。
 そしてワクチン接種でありますけれども、年内に希望する方全員が、オミクロン株対応ワクチンを接種いただけるように、経済団体の皆さまにご協力いただいて、企業への働き掛けを行うということと、若年層に向けて、これから冬休みになってきますので、冬休み前、冬休み期間中の接種を検討いただくように、呼び掛けていきます。また、道のワクチン接種センターですけれども、1月14日から3月26日まで継続して設置いたします。道民の皆さまに高い関心を寄せていただいておりますオミクロン株対応ワクチンですが、大幅に接種日数を増やして、新たに隔週の日曜日を追加させていただき、延べ18日間で実施することとしました。そしてノババックスワクチンにつきましても、1月15日から接種を開始し、こちらについては隔週の日曜日、延べ6日間でありますけれども、接種を行います。明日16日10時から予約の受付を開始させていただきますので、接種を希望する方につきましては、道のホームページをご確認の上で、ぜひご予約をいただければと思います。
 そして無料検査でありますけれども、各検査事業所のご協力を得まして、全道771カ所で無料検査を実施しているところです。旅行や帰省などで移動が活発になります年末年始については、新千歳空港、札幌駅など全道8カ所の主要な交通拠点におきまして、無料検査を実施いたします。ぜひこちらをご活用いただきますよう、皆さまにはお願いいたします。なお、ご利用の際においては、今お話しした771カ所の登録があるのですけれども、年末年始はお休みという事業所や、予約制というところもありますので、あらかじめホームページでご確認いただくようお願いいたします。
 年末年始に向けて、観光事業者の方々、そして観光でお越しになられます皆さまへの働き掛けも強化させていただきます。振興局の職員が宿泊施設を訪れまして、感染対策の再点検について、協力の依頼をさせていただきますほか、新千歳空港の国際線において、マスク着用などのピクトグラムを設置させていただいて、外国人観光客の皆さまに向けて、感染対策を呼び掛けさせていただく取り組みも行ってまいります。
 そして国の動向でありますが、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の取り扱いについて、現在、国の専門家により、検討が進められているという状況であります。取り扱いの見直しによって、今後の感染防止対策、そして道民の皆さまに対して、さまざまな影響が及ぶことが想定されます。このため、国の検討状況を注視しながら、情報収集を進めていきたいと考えています。また、全国知事会とも連携いたしまして、国に対して、北海道の実情をしっかりと伝えていきます。また、必要な働き掛けについても行っていきたいと考えています。
 そして「HOKKAIDO LOVE!割」についてです。こちらは年内の実施期間については、12月27日の利用分までとなっているわけでありますが、年明けについては、1月10日利用分から3月31日利用分までを実施期間とさせていただいて、12月22日から販売を開始させていただきます。先ほど申し上げましたが、観光事業者の方々、そして観光で訪れていただく皆さまへの働き掛けを通じまして、事業者の方々、利用者の方々双方で、感染症対策を徹底していただけるように、道としてあらためて取り組みを進めていきます。
 道内の感染状況については、繰り返しでありますが、減少傾向が続いているわけでありますが、依然として高いレベルにあるということは、皆さまにご理解いただきたいと思います。行動制限のない年末年始を安心して過ごすためにも、道民の皆さまには、「3つの場面」、「5つの行動」を実践していただいて、皆さんで楽しい年末年始を過ごしていただくように、ご協力をお願い申し上げます。

北海道・三陸沖後発地震注意情報について

 最後三点目であります。
 明日12月16日、国において運用が開始されます「北海道・三陸沖後発地震注意情報」についてであります。このたびの「北海道・三陸沖後発地震注意情報」でありますが、日本海溝・千島海溝沿いで、マグニチュード7クラス以上の地震が発生した場合、続いて発生する巨大地震の可能性が平時よりも高まっているという注意情報が、北海道から千葉県という広範囲にかけまして、震度6弱以上や、津波高3メートル以上となるなどの、道内では63市町村に対して発信されることとなります。後発地震注意情報でありますが、住民の皆さま、企業の皆さまに対して、すぐに避難できる体制での就寝や、非常持ち出し品の常時携帯、家具の転倒防止など、想定される甚大な被害に対しまして、1週間程度、備えの再確認や迅速な避難体制の準備を行うことが呼び掛けられるものになります。
 道におきましても、巨大地震によります被害リスクを可能な限り軽減するために、後発地震注意情報については、ホームページ、ツイッター、フェイスブック、ポスター掲示、チラシ配布などで周知いたしますほか、防災関係機関と連携、協力し、防災イベントや研修会などを活用し、広く道民の皆さまに対して、お知らせさせていただきます。本日お集まりいただいております報道機関の皆さまにおかれましては、後発地震注意情報に関しては、国から事前の説明があったと承知しているところでございます。住民の方々が、適切な防災対策を取れるように、後発地震注意情報の制度の周知、そして発信される際の情報伝達につきまして、引き続き、報道機関の皆さまにはご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 私からは以上です。

記者からの質問

(NHK)
 札幌オリンピック、冬のオリンピックの招致についてなのですけれども、東京大会の汚職とか談合が発生した中で、IOC(国際オリンピック委員会)が先週、2030年の開催地の決定の時期の延期を決めました。こちらの受け止めと、あらためて知事のオリンピックの招致に対する考えをお願いします。

(知事)
 道では、世界中の人々が注目する大会が道内において開催されるということは、スポーツの振興にとどまらず、地域活性化、そして観光の振興などにもつながる、またとない機会になるというふうに考え、札幌市の招致活動に対して、連携、協力しているところであります。
 そうした中におきまして、今、質問の中にもございましたけれども、この東京大会を巡る汚職、そして談合事件によります、この招致活動への影響を懸念する声があります。さらに、IOCでは先般、開催地の決定時期の延期を表明しました。東京大会を巡るこの一連の問題を踏まえますと、このまま機運醸成を進めることは難しいと認識しています。まずは、1日も早く真相を解明していただきたいと考えています。そして、私としては、やはりこの機会にしっかりと議論を進めて、皆さんに対して対応策を示して、そしてご理解をいただかなければ、前には進めないのではないかというふうに考えているところであります。

(NHK)
 あらためてなのですけれど、招致活動については、いったんちょっと立ち止まって、今、国のほうでもプロジェクトチームを立ち上げて、来年2月に結論を出すという話もありますけれど、そこら辺を待ってから、もう1回考えるべきだということでよろしいのでしょうか。

(知事)
 今、機運醸成ということで、札幌市と連携し、取り組みを進めてきたわけでありますけれども、やはりこのまま機運醸成を進めるのは難しいと考えています。ですので、やはりこの機会に、さまざまな問題が東京大会で起きていますので、やはりしっかりと議論を進めて、そして対応策ですよね。それをしっかりと皆さんにお示ししてご理解をいただく。ご理解をいただかなければ前には進めないと、私はそう考えています。

(NHK)
 オリンピックの開催意義とか、それ自体を否定するのではなくて、今はちょっと難しいということですか。

(知事)
 質問をいただいた中で申し上げましたけれども、道内で開催されるということについては、やはりスポーツの振興、そして地域活性化、観光の振興、こういったものにつながるというふうに考えていますので、このこと自体は今でもしっかり、仮に開催されれば効果があると、こういう思いに変わりはないのですけれども、この間、東京の大会で、汚職ですとか談合事件が起きましたし、またIOCのほうでは、開催地の決定時期を延期するということで表明があったわけですから、こういった状況などを考えたときに、私はまずは、このまま機運醸成を進めるのは難しいというふうに思いますし、ここはまず真相を解明してもらうというのを、しっかりやってもらう必要があるというふうに思います。これはもうとにかくやってもらわなければいけないというふうに思うのですけれども、その上でしっかりと議論して、その真相が仮に分かったとして、どういった対応をするのですかということを皆さんにお示しした上で、ご理解いただくということがなければ、やはり前に進めないのではないかという考えです。

(読売新聞)
 五輪の関連で先ほど、このまま機運醸成をするのは難しいということだったのですけれども、真相解明等は東京地検特捜部の捜査だったり、今後、裁判だったりで明らかになったり、それに伴って議論が進むと思うのですけれども、知事としてはいったんこの機運醸成の動きをストップして、まずは真相解明に注力するべきと考えるのか。それとも機運醸成運動を続けながらも、その真相解明を東京だったりそちらのほうで進めるべきなのか。並行して行うのか、それとも札幌においてはいったんストップする必要があるのか、どちらのご意見なのでしょうか。

(知事)
 私は、このまま機運醸成、これは難しいと思っています。

(読売新聞)
 機運醸成運動については、いったんストップするべきというお考えですか。

(知事)
 このままの状況で機運を醸成するというのは難しいと思っています。

(北海道新聞)
 五輪の招致についてお伺いします。今、今後このまま機運醸成することは難しいという話でしたけれども、道として今、機運醸成の活動として、道有施設のポスター掲示だとか、札幌市が主催するイベントに職員派遣したりだとか、活動してきたと思います。こういった事業もいったん停止するお考えなのか。あと、知事は(北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック)プロモーション委員会の副会長を務めていらっしゃると思うのですけれども、ここへの今後、参加を見送るだとか、そもそも副会長の座を降りるだとか、そういうことはお考えになっていますでしょうか。

(知事)
 私としては、今申し上げたような認識を持っていますから、その点については当然、札幌市に対して、このまま機運醸成を進めることは難しいのではないかという点については、共有をさせていただいています。ただ、これは私だけで進めている話では当然ありませんし、主体は札幌市とJOC(日本オリンピック委員会)が、この招致活動を行っていますので、道としての機運醸成、これは難しいと考えていますけれども、その認識を共有した上で、今後の対応については、札幌市やJOCとも共有した中で、取り組みをどうしていくのかということになるのではないかというふうに思います。

(北海道新聞)
 そうすると知事のお考えというのは、秋元市長のほうにはもうご自身の口から伝えていらっしゃるということなのでしょうか。伝えているとしたら、いつごろお考えをお伝えしたのか、お伺いできれば。

(知事)
 さまざま今回は汚職、談合事件、またさらには決定時期の延期、そういったものがございましたので、そういった状況の中で、このまま機運醸成、これを進めることの難しさ、この点については、札幌市にお伝えさせていただきました。そういった状況が見えてきた中で、共有させていただいております。対応策をしっかり示した中で(皆さまに)ご理解いただいてですね、そういったご理解をいただかなければ、前に進めないのではないかということについては、これは私自身の考えです。その考えというのは、直接今、何か伝えているという状況ではないですけれど、ただ、このまま機運醸成を進めるのは難しいということは共有させていただいています。

(STV)
 西興部村の施設のほうで虐待の事案が今、発生していますけれども、道として今後の対応、どのようなことを検討されているのか教えてください。

(知事)
 まずは、福祉施設における入所者への虐待は重大な人権侵害であります。決してあってはならないというものです。虐待の背景には、施設の職員不足などによります業務増といったものに伴う多忙さなどがあるという点については、考え得るわけでありますけれども、この点については、人材確保などに向けた施策を充実するように、あらためて早急に国に要望したいと考えていますが、いかなる理由があろうとも、虐待は決してあってはならないと考えています。
 この法人に対しては、法令に基づく処分などを適正に実施いたします。そして、虐待行為が繰り返されることのないように、適切なサービスの提供が図られるように指導してまいります。また、道が所管する全ての障害者支援施設、そして介護保険施設などに対して、虐待防止委員会の設置、職員研修の実施などの再点検をするよう通知し、そして、虐待防止に向けた入所施設に対する緊急の実態調査を来月中に実施いたします。調査を通じて、介護人材の確保、そして質の向上等に対するご意見についてもお伺いしながら、実効性ある対応策を、関係団体とも検討していきたいと考えています。
 今後とも、入所者の皆さま、そしてご家族の皆さまが安心して施設を利用することができるように、施設における適切なサービスの確保に取り組んでいきたいと考えています。

(日本農業新聞)
 酪農についてお聞きしたいのですけれども、昨日14日、2023年度の畜産酪農対策が正式に決まりました。加工原料乳、集送乳に対して支払う国の補給金等の単価が合計で0.49円高い11.34円、交付対象数量も15万トン少ない330万トンに決まりました。このことに対して知事の受け止めを教えてください。

(知事) 
 令和5年度の畜産物価格が、昨日、国において決定されました。加工原料乳生産者補給金などの単価については現行を上回り、交付対象数量については330万トンとなったものの、緊急対策として別途10万トンが措置され、最大340万トンとなります。これらを合わせますと、今年度を上回る支援額になったところであります。また、関連する対策といたしまして、脱脂粉乳の在庫削減、乳製品の消費拡大などの緊急対策が措置されたところであります。
 本道の酪農は、生乳需給の緩和、配合飼料価格の高騰、牛の個体販売価格の下落など、大変厳しい経営環境にあるわけでありますが、こうした状況について、一定の配慮がなされたと受け止めています。
 道としては、これらの国の対策に加えて、これまで措置してまいりました自給飼料の利用拡大に必要な機械導入をはじめ、配合飼料価格安定制度の生産者積立金への支援、今定例会で措置させていただきました繁殖経費への支援を効果的に活用していただくことと、消費拡大が期待される道産チーズの需要開拓、飲用牛乳の輸出を促進することによって、酪農家の皆さまが、将来にわたって意欲と希望を持って営農を継続していけるように、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 原発の運転期間延長についてお尋ねしたいと思います。経産省が、原則40年、最長60年と定めている原発の運転期間について、停止期間を除外することで60年を超える運転を可能とする行動指針案を、年内に政府のGX実行会議に示して、正式に近々決まる見通しです。知事はこの60年を超える原発の運転期間延長に対して、賛成、反対どちらの立場でいらっしゃるのか。また、現在、全基運転停止中の泊原発の再稼働についても、お考えをお伺いしたいと思います。

(知事)
 まず、国では、エネルギーの安定供給の再構築に向けまして、年末に具体的な結論を出せるようにということで、検討が進められています。経済産業省の審議会で、今後の原子力政策の方向性の案が示されたというところです。
 私としては、原発は何よりも安全性の確保、これが大前提であります。運転期間の取り扱い、こういったものも含めて、原発の安全性、必要性、こういったものについては、国が責任を持って丁寧な説明を行っていただく、国民の皆さまの理解、そして信頼を得ていく、このことが重要であると考えています。
 道としては、ではどうするのだという話ですけれども、私としては、今お話ししたようなこうした考え方について、この延長に当たっての具体的な手続きとか、そういったところなどについても、まだ分からないところがありますので、そういったことなども、やはり国が明確にすべきだと考えていますので、原子力発電関係団体協議会がありますので、こういったところを通じて国に求めてきたところであり、引き続き他の原発立地県とも連携をしながら国に要請をするなど、適切な対応を取っていきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 関連して、この行動指針に基づくと、泊原発のほう、2050年代も全3基の運転が可能となる見通しです。仮に運転するとなった場合に、道や立地自治体の地元同意だとか、その時の知事が安全性などに関して意見を述べる機会が必要かどうか、知事のご認識をお伺いしたいと思います。

(知事)
 それは運転期間に関わる話ですよね。それはまさに、この具体的な手続きというのが、全く分からない状況ですね。そもそも今、案が示されたという状況ですので、そういったことも含めて、国が明確にすべきであるというふうに考えていますが、そういった観点から、国に対してはしっかり要請をしていきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 繰り返しになってしまいますけれど、地元合意だとか、安全性に関する意見を述べる機会が必要かどうかだけ、ちょっと教えていただけないかなと思うのですけれども。

(知事)
 これはしっかり国が、そういった手続き的なものも含めて、まずは示すべきだと思います。その内容を踏まえて、必要な要請をしっかりと道として行っていきたいというふうに考えています。

(北海道新聞)
 先日の議会において、道職員を対象にしたハラスメントに関するアンケート調査の結果が示されました。直近5年間で、パワハラを受けたと感じたことがあると回答した職員が3割に上ったと、報告があったと思います。このうちの3パーセントに当たる職員の45人の方が暴力、傷害を受けたことがあると回答されています。知事の今回のアンケートに関する受け止めと、今後さらに詳しい調査が必要かどうか、ご認識をお伺いしたいと思います。

(知事)
 パワーハラスメントを受けたと感じたことがあると回答いただいた職員の割合が、29パーセントという状況であります。この全てが実際にパワーハラスメントであるといった状況かについては、(そうとは)考えていないわけでありますけれども、少なくとも、パワーハラスメントを受けたと考えている職員の方が、これだけいらっしゃるわけですね。ですから、これはしっかりと対応していかなければならないと、私としては受け止めました。この結果を踏まえて、ではどうするのかということですけれども、今後、ハラスメントの防止指針の見直しを、できるだけ早期にやりたいと考えています。まずは、こういったハラスメントのない、働きやすい職場をしっかりつくっていかなければいけませんので、この取り組みを進めてまいりたいと考えています。

(読売新聞)
 知床遊覧船事故についてお伺いいたします。本日、国の運輸安全委員会が事故原因について経過報告書を国交省に提出いたしました。今年4月に道内で起きた痛ましい事故について、事故原因について、まだ途中経過ではありますけれども、一定の方向性が示された形になります。知事として、今回の出来事について、所見をお伺いいたします。

(知事)
 4月に発生した事故から来週23日で8カ月という状況であります。これまでに、お亡くなりになられた方20名、未だに行方不明の方が6名となっているところであります。お亡くなりになられた方々に対して、心から哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔やみ申し上げます。厳寒期を迎えまして、捜索環境が一層厳しい状況の中で、今もなお、海上保安庁を中心に捜索活動が続けられております。全員の1日も早い発見を強く願うところであります。
 そして、このたびの経過報告でありますけれども、浸水及び沈没のメカニズムとして、船首甲板部のハッチ蓋が完全に閉鎖されずに、大量の海水が流入し、船首区画の隔壁に開口部があったため、各区画に浸水の拡大があったと分析されています。運航の判断ですとか、救助設備の不備などの調査分析が引き続き行われます。国土交通大臣に対して、小型旅客船事業者に対する指導を行うことなどの意見も述べられているところです。
 私といたしましては、来週23日で8カ月ということになるわけでありますけれども、二度と、このような悲惨な事故が起きることのないように、事故原因の速やかな究明と、対策の実施が図られることを、強く願っているところであります。引き続き、道といたしましても、国の対応状況などについて注視していきたいと考えています。

(HTB)
 ふるさと納税のことでお尋ねしたいのですけれども、北海道のふるさと納税について、明日から寄附額が100万円の高額な返礼品が加わるということなのですけれども、この狙いを教えていただけますでしょうか。

(知事)
 明日から寄附額100万円、100万円ですから返礼品は30万円分ということになるのですけれども、極上水産物豪華セットということで、これは限定8セットでございますけれども、用意させていただいて、明日から受け付けを開始させていただきます。皆さま、100万円という非常に大きなふるさと納税の額ではありますけれども、(道庁では)前例のないぜいたくなセットになっていますので、ぜひ寄附のお申し込みをいただければと思っています。毛ガニやウニ、イクラなど、道内各地のえりすぐりの水産物26種を合わせたものです。市場でもなかなか出回らない品についてもラインナップさせていただいております。
 この狙いですけれども、ふるさと納税を通じて、北海道の豊富な水産物の認知度向上を図って、消費拡大につなげていくとともに、北海道としては、限定8セットの豪華セット、それぞれカニですとかイクラですとかあるのですけれども、それぞれの市町村もまたこの年末に(水産物の)返礼品があります。ですので、この年末、北海道の水産物に関心を持っていただいて、この8セットは、できればすぐに申し込みいただきたいと思うのですけれど、そういう中で、素晴らしい水産物を返礼品にしている市町村へのふるさと納税にもつなげていきたいと思っています。これからの時期、年末に、仕事が終わった後、ゆっくりふるさと納税を選ばれるという方が非常に多いのですね。ですから、ふるさと納税するなら北海道、北海道の市町村をぜひ選んでいただくという形につながっていけばと思っています。

(HTB)
 ちなみに知事はふるさと納税をやられているのでしょうか。逆に、気になるような自治体ですとか返礼品が知事の中であれば教えていただいてもいいですか。

(知事)
 私の場合、ふるさと納税をいたしますと、いろいろな影響があるのですが、ぜひ皆さまには、ふるさと納税制度を有効に活用していただきたいと考えていまして、それと、私が、この市町村のこれがお薦めですと言うのも、結構いろいろな影響があるのですけれども、ぜひ皆さんにお薦めしたいのは、北海道は、先ほどの水産物だけではなくて、農業もそうなのですけれども、さまざまな素晴らしい食があります。例えば、高校生などが、その地域の魅力を発信するために返礼品を考えたりとか、返礼品を自ら高校生たちがつくったりとか、そういったことをやっている。北海道には非常に特徴があると思っています。開発に取り組んでいただいている高校は、実に約60校ありますし、また今、返礼品として採用されているだけでも10校程度あるのではないかと思っていますので、ぜひ地域の活性化につながるふるさと納税をしていただいて、その地域を応援するということももちろんのこととして、高校生たちが一生懸命考えた返礼品も、アイデアを出してくれているということも皆さんに知っていただいて、繰り返しではありますけれども、ぜひ北海道にふるさと納税をしていただければありがたいなと思っています。

(HTB)
 続けての質問で恐縮なのですけれども、テーマがちょっと変わりまして、札幌聾学校での手話を巡る問題についてお尋ねしたいのですけれども、今、札幌聾学校の小学3年生が母語である日本手話で授業が受けられない、教育を受ける権利を侵害されたということで、北海道を相手に裁判を起こしていると思うのですけれども、まず知事の受け止めをお聞かせいただいてもいいでしょうか。

(知事)
 この件につきましては、現在、訴訟が進行中でありますので、軽々に申し上げることができないわけでありますが、まず皆さまにお話しさせていただきたいのは、この札幌聾学校においては、これまでも日本手話を含めまして、手話を活用した指導ができる教員については、配置しているということであります。道内全ての特別支援学校において、このケースのみならずですけれども、学習指導要領に基づく適切な教育を提供することが、私は大切であるというふうに考えています。

(HTB)
 係争中の案件ということではあるのですけれども、札幌聾学校のホームページ、今ちょっと削除されている状況ですけれども、さかのぼるとですね、日本手話グループというものがあって、日本手話を使ってですね、基盤として、日本語の読み書き、学ぶ力を育てるというふうに書かれていて、この男の子、去年までは、担任の先生が日本手話ができて、授業を受けられたのですけれども、今年担任の先生が代わって授業が受けられなくなった。日本手話による授業を元々求めていたから、それを受けたいと言っているわけなのですけれども、これについては元々できていた授業が、提供できていた授業が、できなくなっている状況については、どういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 やはり特別支援学校ではですね、(学習)指導要領に基づく適切な教育を提供すること、これが大切だというふうに私は考えています。今、個別の状況についてのご質問であり、また訴訟中のものでもありますので、その点について申し上げることはできないわけでありますが、私としてはそういった教育を提供する大切さ、そういったものを考えていく必要があると考えています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top