知事定例記者会見(令和4年7月21日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和4年7月21日(木)17:00~17:37
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/17名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. 知床沖における観光船の海難事故について(1)
  4. 知床沖における観光船の海難事故について(2)
  5. 食料安全保障について
  6. JR留萌線について
  7. 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録一周年について

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から一点お話しさせていただきます。新型コロナウイルス感染症についてであります。
 昨日の全国の新規感染者数でありますが、15万人を超えて過去最多ということであります。本日の東京都の新規感染者数は3万人を超えるという状況で、過去最多を更新しております。現在の感染拡大は、これまでで最も大きなものになっているということであります。感染のリスクに最も注意が必要な状況にあります。皆さまには、感染防止行動への意識を、もう一段引き上げていただかなければならない局面を迎えていると考えています。
 全国の感染状況でありますけれども、北海道を大きく上回っている状況になっています。新規感染者数でいうと、北海道もすごく増加しているのですけれども、47都道府県でいうと45番目なのですね。いかに他の地域が急激に増加しているかということだと思っています。病床の使用率についても、全国的に非常に増加しているのですけれども、北海道は今、全国で最も病床の負荷が低いという状況になっていまして、47都道府県の中で47番目という状況なのですが、北海道も増えているのですね。ただ、他の地域がより増えているので、順位として最も低いという状況になっています。しかしながら、首都圏の感染拡大の動きから遅れて、北海道で感染が広がってきたということを何度も経験してきたわけであります。入院患者数も新規感染者数が増加した後に増えるという傾向があります。こうしたことに警戒感を高めて対応していくことが必要になります。
 そして、本道の新規感染者数は本日3965人となりまして、5月13日以来69日ぶりの3千人超えという状況になっています。人口10万人当たりの新規感染者数で言いますと、272.0人となっています。先週比では、2.00ということで増加が続いています。療養者数も昨日(人口10万人当たり)265.6人となりまして、先週比では1.86ということで、こちらも上昇しています。病床の使用率については13.4パーセントということで、低い水準にあるものの、徐々に増加している状況にあります。そして、特に札幌市ですけれども、5月31日以来50日ぶりに20パーセントを超えて20.8パーセントとなっています。こうした病床の状況を受けまして、札幌市からは、「現時点では行動制限を行うような状況ではない」という考え、認識を共有しているところでございます。道としては、医療への負荷が限定的である今、今後の入院患者の増加を見越して、即応病床フェーズの移行について、先んじて、関係機関と調整を進めていきたいと考えています。病床のフェーズ移行の基準には当たっていないのですけれども、急激に増加していくことが予想されるのではないかということもありますので、皆さんと協議しなければいけませんけれども、即応病床のフェーズ移行について、関係機関と調整を進めていきたいと考えています。
 今お話ししたとおり、病床の使用率は低い水準にあるわけでありますが、新規感染者の症状からもその傾向が見られます。陽性になった方1万1898人の状況ですけれども、軽症、無症状の方が9割以上を占めているという状況で、軽症の方が94.0パーセント、無症状の方が5.8パーセントですから、これを足せば99.8パーセントでして、重症、中等症が0.02パーセントと0.1パーセントとなっていますので、病床使用率が低い水準にあるという状況です。感染拡大の要因となっていると指摘されているBA.5系統は、これまでのオミクロン株に比べて、現時点では重症度が上昇するといったことが示されていないというところがありますけれども、道においても、オミクロン株の流行と比べて、感染者の症状の傾向には、大きな変化が今のところ見られていないというところがございます。
 そして現在、感染された方のうち、今お話したように、軽症、無症状の方が多いものですから、その多くの方々が自宅で療養されている状況にあります。そうした方々にお願いでございますけれども、普段からスマートフォンを活用していますという方々につきましては、厚生労働省が開発した健康観察ツール「My HER-SYS(マイハーシス)」というものがございまして、この利用について、今もご協力いただいてるのですけれども、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。毎日、ご自身の健康状態をスマートフォンに簡単に入力していただければ、保健所では、健康状態の変化をより迅速に把握し、適切な対応につなげることができるものになります。また、感染者の今後のさらなる急増も想定されると考えていますので、負担が増加する保健所業務を支えるということにもつながりますので、自宅療養される際に、症状に応じて無理のない範囲で、ご協力いただける方につきましては、健康管理ツールを積極的にご活用いただけると大変ありがたいと考えております。なお、札幌市におきましても、自宅療養者への健康観察の際に、札幌市独自のツールを使っていますので、札幌市にお住まいの方につきましては、札幌市の保健所の方にご相談いただければと考えております。札幌市以外の全ての市町村においては、「My HER-SYS」という形になっておりますので、ご理解いただければと思います。
 先週15日に、政府対策本部において、現下の感染拡大への対応について、新たな行動制限を行うのではなく、社会経済活動をできる限り維持していくと位置づけられました。この国の基本的対処方針を踏まえて、今後対応していくこととなります。社会経済活動を維持していくためには、保健医療提供体制に万全を期すとともに、医療への負荷に直結する、重症化リスクの高い高齢者の方、そして基礎疾患のある方を守ることが重要になります。
 そのためには、ポイントは三点ございます。これまでお願いしている基本的な感染防止行動の徹底、そして検査の活用、ワクチン接種の促進という三つがポイントになります。そして、高齢者の方、基礎疾患のある方、また、高齢者の方や基礎疾患のある方に接する方、双方で感染防止対策に取り組んでいただくということが、感染を抑えていくために、どうしても必要になります。具体的には何をすればいいのかということですけれども、高齢者の方、基礎疾患のある方、そうした方とお会いする方々には、事前の検温など体調を管理すること、事前の検査で陰性結果を確認することのほか、会話のときにマスクを着用するなどの基本的な感染防止行動を、今、感染が非常に増えていますので、これを徹底していただくということを皆さんにお願いいたします。
 検査で陰性確認するというお話をしたのですけれども、無料の検査について8月末まで実施します。道においても、無料の検査事業所の協力を得まして、移動が活発になりますお盆の期間を含めて、新千歳空港、札幌駅、帯広駅など、道内の主要な交通拠点におきまして、無料検査を実施しております。旭川駅については、今月25日から新規で開始いたします。出発前を含めて、感染に不安を感じるときに、無料の検査を迷わずに受けていただきたいと思います。そして高齢者の方々を守っていくためには、高齢者施設などでの検査も非常に重要になります。多くの方が夏休みやお盆での帰省などをされるということから、地域の感染状況に応じて、施設の職員の方々などへの頻回の検査を実施していきます。また、道として、引き続き集団感染への早期介入など、高齢者施設等における感染管理、医療に関する支援を行っていきます。
 次にワクチンです。感染者の増加が続く中で、重症化予防といった効果が期待されるワクチンの接種は、極めて重要になってきます。4回目の接種については、これから8月にかけまして対象者がピークになると見込まれます。道としても、希望される方が円滑に接種できるように、引き続き市町村を支援してまいります。そして国においては、明日22日に開催予定の国の審議会での協議を踏まえて、医療機関や高齢者施設などの従事者を接種対象者に加えることが通知される見通しでございます。こうした方々に速やかに接種が開始できるように、必要なワクチンの配分調整、接種券の発行手続きなど、市町村の支援を行っていきます。
 そして3回目の接種率について、30代は5割を超えてまいりましたが、20代を含めて若年層の接種をさらに向上させることが必要になってきます。道としても、道内の大学、専門学校などのご協力を得まして、学内のメール配信システムなどから、夏休み前、また夏休み期間中の接種を検討いただくように、学生の皆さまに呼び掛けを行っております。旅行や帰省など、移動や交流が活発になりますこの期間、ご自身、ご家族の健康を守るためにも、ぜひワクチン接種のご検討をお願いいたします。また、現在、3回目接種までを対象としたノババックスワクチンの接種を、道や北見市、函館市、旭川市で実施しております。こちらでの接種もご検討いただければと思います。詳しくは道や各市のホームページをご参照いただきたいと思います。
 感染者数が増加している今の状況の中で、今後多くの職員の方、従業員の方々が出勤できなくなる事態が想定されることがありますので、そうした場合でも事業を継続できるように、事業者の方々におきましては、事業継続計画、BCPの策定や、その再確認についてお願いいたします。道庁内はもちろんのことといたしまして、経済団体とも連携しながら、道内のさまざまな事業の継続に支障が生じることがないように取り組みを進めてまいります。
 最後になりますけれども、全国的に新規感染者数の増加が続いているわけでありますが、社会経済活動を維持し、感染の防止との両立を図っていくことが重要になります。そのためにも、高齢者の方、基礎疾患のある方をはじめ、道民の皆さま、事業者の方々には引き続き、感染防止の取り組みをしっかり続けていただくことが必要になります。皆さまお一人お一人が、「普段から」、「飲食では」、「感染に不安を感じるときは」という三つの感染防止行動を実践していただくとともに、皆さまには、事業者の方々が行っております感染防止の取り組みに、積極的にご協力いただきたいと考えています。そしてワクチンの接種促進につきましても、引き続きのご理解とご協力をお願いいたします。
 私から以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 コロナの新規感染者数について、道内では今日3965人と過去3番目の多さになりました。道外を見ても、過去最多を更新する都道府県がすごく多くなっていると思うのですけれども、知事は、北海道も今後過去最多を更新するのかどうなのか、どのように見ているかというのをまず一点お尋ねします。
 もう一点、現状では行動制限等を特に設けてはいませんけれども、今後どのような状態になったら、また、どのような時点になったら、道として何か独自の対策ですとか、もしくは国に対して強い対策を求めていくというような形になっていくのか、その二点教えてください。

(知事)
 まず感染の状況ですけれども、今日3千人を超えています。東京都が3万人を超えています。全国的には、感染者数でいうと北海道は45番目ですけれども、今までも感染拡大局面では、時間の差はあっても、北海道でも首都圏が拡大して時間差で増えてきましたから、本道においても過去最多を更新するというのは、時間の問題ではないかと思っています。病床の状況を見ますと、今の日本の中で最も病床使用率が低いという状況になっています。一方で他の地域も爆発的に感染が増えている中で、病床の使用率も増えていっていますので、今の時点では、病床フェーズは、次のステップに行く基準になっていないのですけれども、ここは先んじて、そういうことを検討する必要があるのではないかと思っていますので、関係者と速やかに協議していきたいと思っています。
 そして、基本的対処方針で国は、明確に行動制限はやらないということを書いています。基本的に各都道府県というのは、この基本的対処方針に沿った中で、その範囲の中での対策をやっていくという流れになっていますので、現時点では、そういった対応をしていきたいと考えています。しかしながら、これは繰り返し申し上げているのですけれども、例えば沖縄県なども病床(使用率)が相当厳しい状況になっています。東京都も(新規感染者数が)今3万人を突破したという状況になっていますので、一部、国の大臣などは行動制限の可能性について言及されていると聞いておりますので、仮にどういった状況になったときに、大臣などが想定している行動制限を国民に対して求めていくのかということ、それからどういう内容なのかということについて、これは全国知事会において私のほうからも緊急要請の中に入れていただいて、(7月)12日に知事会としても強く(国に)求めたところであります。
 ですので、道としては慎重にモニタリングもしながら、まずは高齢者の方や基礎疾患のある方は、重症化のリスクが高いですから、(高齢者の方や基礎疾患のある方に)接触する方も含めて、ここに対してしっかり対策のお願いをしていく。社会経済活動もできるだけ維持していくということをやっていきますけれども、万が一、急激に厳しい状況になったときの行動制限のあり方というのは、国として、やはりしっかり責任を持って示していただくということが重要ではないかと思っています。

(読売新聞)
 札幌市との認識についてお伺いします。先ほど、コロナの状況について、札幌市とは行動制限等をやる段階にはないというようなお話がありました。これは何日の段階でどのような形で認識を共有したのかというのと、札幌市の病床使用率が20パーセントを超える状況になっています。地域を限定してというわけではないですけれども、札幌市においては今後、観光客等も入ってくると思いますので、何かこの地域を限定しての取り組みだったり声掛けというのは、何かお考えあるでしょうか。

(知事)
 まず札幌市における状況確認は、札幌市のほうが(病床使用率が)20パーセントを超えたのですね。20パーセントを超えたのは、今日確認したのですか。

(北海道新型コロナウイルス感染症対策本部)
 今日確認されました。

(知事)
 今日、対策本部会議があるということで、どうしても札幌市は実感染者数も多いし、病床の負荷もぎゅっと伸びていますが、札幌地域の状況というのは、札幌市が一番分かっていますから、その中でそういった状況ではないですよねということで、確認したということです。
 ただ、地域によって、やはり感染の状況とか背景とかも違いますので、それぞれ振興局管内の市町村と連携しながら、注意喚起についてもその地域に応じて、これまでもやってきましたので、そこは呼び掛けも含めて、感染状況を踏まえた中で、これからも感染の状況に合った形で、対応していきたいと思っています。
 ただ、私権の制限というか、法に基づくさまざまな対策、行動制限をやっていく場合については、今、国でその可能性について言及されていますけれども、どういった内容なのかとか、どういった状況で(実施するのか)。少なくとも今、そういったことはやっていないわけですね。沖縄県は確か病床(使用率)70パーセントを超えているのですよね。今まで、50パーセントを超えたら対策を強化するとなっていたのですけれども、70パーセントを超えても基本的には行動制限しませんよということが、今の政府としての考え方なのだと思うのですけれど、ではどういう状況になったときに、そういうこと(対策の強化)が行われるのかというのは、ちょっとわれわれも分からない状況があります。それは示してもらわないと、なかなか皆さん、どういうことが行われるのか分からないというのは不安なので、そこは(全国)知事会でお願いしているところです。
 
(NHK)
 明後日で知床の観光船事故から3カ月ということで、この3カ月に対する知事の受け止めと、あと道内観光への事故の影響について知事はどのようにお考えかという、この二点お願いいたします。

(知事)
 事故が発生してから明後日で3カ月となります。現在、乗員乗客26名のうち、お亡くなりになられた方が14名、いまだ行方不明となっている方々が12名となっております。まずは、お亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔やみ申し上げます。
 今もなお、海上保安庁がエリアを拡大して、行方不明者の捜索を続けているところでございます。道警でも今月26日から28日までの間、知床岬から稚内沖にかけまして、集中捜索を行うところでございます。ご家族のお気持ちを察しますと、行方不明者全員の早期発見を強く願うところでございます。
 こうした中で、国後島で発見されたご遺体2体とサハリン州の南部で発見されたご遺体について、ロシア側から国に対して、外交ルートを通じて、ご遺体のDNAの情報が、日本側が提供した「KAZUⅠ(カズワン)」の乗船者のDNA情報と一致したという旨のご連絡があったと承知しております。国では、ご遺体の引き渡し方法などにつきまして、ロシア側と鋭意調整中であるとお伺いしておりますが、私といたしましては、一日でも早くご遺体の引き渡しを実現していただきたいと考えているところでございます。
 現在、道としては災害対策連絡本部の体制を継続しているところでございます。また、オホーツク総合振興局内の一室を、国の現地本部に提供しているところでございます。第一管区海上保安本部、そして国土交通省の被災者家族支援チームと情報共有を行わせていただいているところでございますので、今後とも国と連携して、必要な対応を行っていきたいと考えてございます。
 そしてお話にもございました、観光のお話でございますけれども、今まさに本格的な夏の観光シーズンを迎えてございます。道内各地を訪れる人が安心して観光していただけるように、観光船事業者の方々自ら実施しております、さまざまな安全対策について取りまとめを行って、発信させていただいております。
 また現在、先の(北海道議会)第2回定例会で計上させていただきました、地域の観光協会、そして全道の旅客船団体が行う情報発信に対する支援事業を展開させていただいているところでございます。各事業者の方々からの申請に基づきまして、先週15日に(観光需要確保緊急支援事業費)補助金の交付決定を行わせていただいたところでございます。また、本日午前中になりますけれども、日本旅行業協会との共催で、斜里町、羅臼町、小樽市の観光協会が旅行会社に対しまして、直接、地域の取り組みをご説明させていただき、今後の送客につなげていただくための(観光船を活用した誘客促進に向けた取組)発表会を実施させていただいたところでございます。今後とも地域や関係の皆さまと連携しながら、さまざまな機会を捉えまして、観光船を取り巻く需要の回復に努めていきたいと考えています。

(読売新聞)
 今の事故に関してなのですけれども、午前中、観光協会の皆さまからいろいろな取り組みですとか、補助金を使ってどういう活動をしていきたいという今後の見通しが示される一方で、なかなかまだ現状、お客さんが戻ってこないという苦しい現状も報告されたと思うのですけれども、道としてそういう今後の方針ですとか、現状を受けて何か具体的な支援策など、考えていることがあれば教えていただきたいと思います。

(知事)
 今申し上げましたけれども、定例会で計上しました事業がございます。先週の15日に(交付)決定させていただきました。提案いただいた事業の(詳細な)内容について、皆さまに周知することがまだできないタイミングでありますが、各地域において、需要を回復するためのさまざまな取り組みをご検討いただいておりますので、道としては、しっかり皆さんと連携して、皆さんに発信して、観光の需要回復につなげていきたいと考えています。今日も多くの皆さまに、地域の取り組みを説明させていただいて、マスコミの関係者の方々にも発表会にご出席いただいたとお伺いしていまして、知床の大変痛ましい事故がございましたけれども、地域の皆さまは頑張っておりますので、これからもマスコミの皆さまにもご協力いただきながら、地域の安全、安心に向けた取り組みや地域の魅力の発信にご協力いただけたら、大変ありがたいと思っています。

(日本農業新聞)
 食料安全保障に関してお伺いしたいです。食料安全保障に関する農政部推進チームなどを立ち上げられたりと、今、食料安保について道内でも関心等々が高まってきていると思いますが、あらためて知事の食料安保に対する思いやお考えをお聞かせ願いたいのと、近く北海道として、農水省を含めて国費要請を検討されていると思いますが、農業分野についてどのようなことを中心に国に要望されたいか、知事のお考えをお伺いしたいです。

(知事)
 まずこの食料安全保障についてですけれども、世界の食料需要等を巡るリスクが顕在化する中において、わが国の食料安全保障の重要度が、これまで以上に増しているところでございます。国の骨太の方針においても、今回初めてでございますが、食料安全保障の強化が盛り込まれたところでございます。わが国最大の食料供給地域である北海道への期待が、ますます高まっているところでございます。
 こうした期待に応えていくために、本道の農業、農村の役割をより強化していくことが重要であると考えております。このことから、昨日になりますが、今ご質問にございました、農政部内に「食料安全保障に関する農政部推進チーム」を、新たに設置したところでございます。今後、道産農畜産物の需要に応じ、増産に向けた検討を進めていきたいと考えております。
 また、国に対して、先ほど要請のお話がございましたけれども、農業農村整備の着実な推進、スマート農業の加速化、研究開発の推進など、食料安全保障に関する施策の提案を行っていくことによって、本道農業の強みである食料の生産力と競争力をより一層高めて、わが国の食料安全保障に最大限寄与していきたいと考えています。

(読売新聞)
 留萌線廃止についてお伺いいたします。JR北海道が留萌線の段階的廃止について提言いたしました。まだ議論が継続する見込みではありますけれども、知事として現段階の所感をお伺いしたいのと、道として今後、何かJR北海道への訴え掛けなどをするのであれば、その点についても教えてください。

(知事)
 本日、JR北海道から、留萌線の「石狩沼田-留萌間」の廃止時期を令和5年3月末、「深川-石狩沼田間」の廃止時期を令和8年3月末としたいという旨の提案がありました。今後、沿線の4市町において、本日提案されました内容について、議会、そして住民の皆さまに説明することなど、取り組みを進めていくという報告を、先ほど受けたところでございます。
 道としては、引き続き、それぞれの沿線の自治体の皆さまと丁寧に協議していくことが、何よりも重要だと考えておりますので、そのように取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今月27日で「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録から1年になりますが、道内の遺跡や関連施設の入場者数は登録前後で増加しているとお聞きしました。一方では、目に見えない縄文文化を知ってもらうという難しさもあると思います。道として1年の受け止めと、今後に向けた課題を教えてください。

(知事)
 登録に向けて一丸となって取り組んでまいりました青森県、岩手県、秋田県それぞれの知事、そして道内の市町、関係団体、民間の団体の皆さん、本当に多くの皆さんと、まさに登録の喜びを分かち合ってから1年ということになりますので、非常に感慨深いものがございます。
 登録後におきましては、コロナ禍の中でございますけれども、地域の皆さまの大変な努力もありまして、各遺跡への来訪者の数が増加しているという状況があります。今年度に入ってもさらに増加傾向にございます。道としては、アフターコロナを見据えて、国内外の多くの方々に縄文遺跡群を訪れていただけるように、関係市町とともに、ガイド養成、受け入れ体制の充実に取り組んでまいりましたほか、道教委や観光関連団体とも連携して、道内外からの教育旅行を含めた観光誘致などを進めているところでございます。今、民間の事業者においても、函館市と青森県を結ぶフェリーにおいては、縄文遺跡応援割引を実施いただいておりますほか、縄文遺跡を巡るツアーも増えています。8月末まで延長されました「どうみん割」、そして「県民割」は、(北海道・東北ブロック内の)エリアで使えます。まさに縄文遺跡群に訪れる機会に活用できるということでございますので、東北の皆さんも含めて、各地の縄文遺跡を訪れていただけたら大変ありがたいと思っています。
 また、今月31日になりますけれども、1周年を記念したシンポジウムを開催させていただきます。このほか、遺跡に関する情報を集約したポータルサイト、縄文遺跡群の世界文化遺産としての価値、魅力を、次世代を担う子どもたちなどに伝えていくための学習動画の作成などに今、取り組んでいるところでございます。今後とも縄文が地域の誇りとなって、にぎわいの創出につながるように、北東北3県はもちろんのことといたしまして、関係する市町、地域で活動されている皆さまと緊密に連携しながら、取り組みをしっかり前進させていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 一点だけ確認だったのですけれども、先ほど知事、現在、アフターコロナを見据えて、国内外のガイドの養成だったりとか、道内外の教育旅行を推進、進めているということなのですけれども、これは現在もやっているけれども、今後も続けていくという考え方でよろしいですか。

(知事)
 はい、そうですね。これは一過性のもので終わる話ではございませんので、しっかり継続して取り組みをしていきたいと考えています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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