知事定例記者会見(令和4年5月20日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和4年5月20日(金)16:30~17:14
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/19名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 知床沖における観光船の捜索救助について
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について
  3. ガーデンフェスタ北海道2022について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 知床沖における観光船の海難事故について
  3. 北海道・札幌市行政懇談会(道市懇)について
  4. 丘珠空港の滑走路延伸について
  5. JR北海道社長の交代について
  6. 江差高等看護学院について
  7. てん菜生産について

知事からの話題

知床沖における観光船の捜索救助について

 定例の記者会見を始めさせていただきます。私から冒頭、三点お話させていただきます。
 まず一点目でございます。知床沖における観光船の捜索救助事案についてです。事故が発生してから4週間になります。関係機関によります懸命の捜索が続いているわけでありますが、残念ながら、いまだ乗客、乗員全員の発見、救助には至っていないという状況にあります。
 昨日からは飽和潜水によります捜索も始まっているわけでありますが、行方不明者の発見につながるような情報はなく、本日午前中に行われました飽和潜水による捜索活動でも新たな情報はなかったところでございます。
 加えて、国後島で二人目のご遺体が発見されたとの情報があります。第一管区海上保安本部に確認させていただいたところ、現在、外交ルートを通じて、事実関係の確認に努めているということでございます。私といたしましては、海上での捜索も含め、何らかの手掛かりが見つかることを強く願っているところでございます。
 また今週17日に、斉藤国土交通大臣に直接お会いし、道内における海上保安庁の救助、救急体制を強化していただくこと、北海道の気象、海象や事業者の実情を踏まえた安全対策の検証を行っていただくことなどについて、緊急の要望を行ったところでございます。
斉藤国土交通大臣からは、「今回の事故で迅速な人命救助が必要と痛感しており、救助、救急体制の強化について前向きに検討していきたい」、「先般設置した知床遊覧船事故対策検討委員会において、再発防止に向けた安全対策の検討をしっかり行っていく」との発言があったところでございます。さらに一昨日、海上保安庁長官から記者会見において、緊急で要望いたしましたヘリコプターの増強や、機動救難士のいない航空基地について、新たに配置を進めるなど、必要な体制を整備する旨の発言があったところでございます。国土交通省、海上保安庁、いずれも緊急要望を踏まえて、ご発言いただいたと受け止めているところでございます。
 道としては、二度とこのような悲惨な事故が繰り返されることのないよう、国の動向を注視するとともに、引き続きしっかり連携しながら対応してまいります。

新型コロナウイルス感染症対策について

 二点目でございます。新型コロナウイルス感染症についてでございます。
 本日、新型コロナウイルスに感染され、3人の方がお亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみ申し上げます。
 道では、春の感染拡大防止に向けまして、基本的な感染防止行動、飲食の場面における対策の徹底など、三つの行動を道民の皆さまにお願いしているところでございます。現在、道内の人口10万人当たりの新規感染者数でございますが、338.6人となっております。ゴールデンウィーク後に増加した新規感染者数でございましたが、今週に入り減少し、連休前とほぼ同じ水準になっています。現時点では昨年と異なりまして、ゴールデンウィークをきっかけとした感染拡大という状況には至っていないと考えています。また、病床の使用率につきましては19.9パーセントと、増減しながら横ばいで推移しているという状況にあります。
 次に全国の感染状況を見ますと、北海道の新規感染者数は、沖縄県と大きな差はあるのですが、全国で2番目の人口10万人当たりの感染者数となっています。全国的には、連休後に増加した新規感染者数については、減少傾向という状況になっています。次に病床の使用率について見ますと、こちらは沖縄県が高い水準になっています。50パーセントを超えるという状況になっています。それ以外の都道府県で大きな変化が見られないのですけれども、北海道はどういう状況かと言いますと、全国の中で21番目の病床使用率となっています。医療提供体制の負荷を高めないためにも、感染の拡大を抑えていくことが必要になります。
 感染状況は今申し上げた状況でありますが、道内の新規感染者数の動向を年代別に見ますと、注意が必要になります。本道において、これまで感染が拡大していく局面では、若年層で感染が広がって、それが高齢者等の重症化リスクの高い方々に伝播して、医療への負荷が高まったという経過があるわけであります。年代別の割合について、連休前と現在を比較しますと、若年層と高齢者層はともに増加しているという状況にあります。この動向には警戒感を高めなければならないと考えております。
 また、感染力がより強いBA.2系統の状況ですけれども、国の専門家からは、全国で見るとおおむね置き換わったとされています。道内の検出数や検出率も増加しまして、80パーセントを超える状況になっています。道立(保健所管内)が82パーセント、札幌市が88パーセントとなっていますので、全国的におおむね置き換わったという、全国の状況と同様の状況になったと考えられると見ています。こうした感染状況を踏まえますと、今後の感染拡大を抑えていくためには、気を緩めることなく感染防止行動を実践していく必要があります。道民の皆さまには、現在お願いしております基本的な感染防止対策などの三つの行動をあらためて徹底していただいて、また、ご自身、ご家族の命、健康を守るためにも、ワクチンの3回目接種をぜひ検討していただきたいと思います。
 三つの行動ですけれど、まず普段からの行動になります。BA.2系統を含めてオミクロン株に対しては、基本的な感染防止対策が有効とされています。お一人お一人が三密の回避、人との距離の確保、マスクの着用、手指消毒、換気の徹底をお願いいたします。
 二つ目は飲食の場面での行動になります。会食を楽しむ際には短時間、深酒をせず、大声を出さず、会話するというときにはマスクを着けていただくということをお願いいたします。
 三つ目は感染に不安を感じるときの行動になります。道民の皆さまには感染に不安を感じたときは迷わず、無料の検査がありますので、これを受けていただきたいと思います。
無料の検査については、繰り返しですけれども、無症状の方を対象にしています。症状がありますという場合には、医療機関を受診していただくということをお願いいたします。
 そしてマスクの着用について、最近さまざま話題が出ているわけであります。マスクの着用については、気温や温度が高くなりますと熱中症のリスクが高まるため、屋外で人との距離が十分あるときはマスクを外すと。道としては、子どもにはマスク着用を一律に求めず、無理に着用させないといった取り扱いをしてきたわけでありますけれども、昨日、国の専門家からマスク着用の考え方ということで、あらためて提言がなされたところです。この提言を受けまして、本日、厚生労働大臣が国の方針を公表するとされているわけでありますが、現時点で公表がされていないという状況です。具体的な運用に当たっての課題があるのではないかと考えていますので、このことを国に確認するなど、道としても国の方針が今日公表されるということですので、速やかに対応していきたいと考えています。
 そして医療施設や福祉施設における集団感染が、道内各地で継続して発生しているという状況があります。このため、高齢者施設等におきましては、市町村や関係団体と連携して、集団感染を防ぐ取り組みの再度の徹底をしていただくとともに、道民の皆さまにも、高齢者の方など、重症化リスクの高い方と接する際には、検温などの健康管理の徹底や積極的に検査を受けるというご協力をお願いいたします。
 先ほども申し上げましたけれども、感染に不安を感じる方を対象とした無料検査については、5月31日まで実施期間としてまいりましたが、今回、6月30日まで延長します。感染していないか不安というときは、6月30日まで延長いたします無料の検査を活用していただければと思います。道としても、希望される多くの方々に対しまして、できる限り検査を受けていただけるように、引き続き、事業所となります薬局など関係機関に対して協力の働き掛けを行っていきます。
 次にワクチンの3回目接種についてです。国の専門家からも、ワクチンの種類にかかわらず、時期が来れば早めに受けていただくことが重要と示されています。オミクロン株では、軽症や無症状の方が多いとされる一方で、感染すると若年層でも重症化や後遺症が見られるということもあります。3回目の接種には、こうしたリスクが低くなるといった報告もあります。接種ができる時期になった方は、接種について積極的に検討してほしいと思います。
 ワクチンの効果についてでありますけれども、道内の新規感染者数の動向にも影響があるのではないかと考えられます。今年の新規感染者数とワクチンの接種率の推移を見てみますと、60歳以上の状況になるのですけれども、2月以降、接種率が急速に上昇しています。現在86.5パーセントとなっているわけですが、その動きに合わせるように、新規感染者数は2月中旬をピークに、その後、減少し始めまして、連休後は、2月のピークから比べますと43.1パーセント減少となっています。一方で、20代から30代について見たいと思いますけれども、他の世代と比べますと、接種が進んでいないという状況があります。当然、接種券がまだ届いていないという、接種時期の関係もあるわけですけれども、増加してきて(接種率)39.7パーセントにはなっているのですけれども、こちらは先ほど見た60歳以上の方と比べますと、感染者数のピークもむしろ4.1パーセント増えてしまっています。ですので、これはそういった可能性があるという話、影響があるのではないかというお話でございますけれども、ワクチンの接種と新規感染者数、年代別に見るとこういった状況がございます。現在、3回目の接種率は、全世代では約6割まで上がってきたわけでありますけれども、今ご説明した20代、30代の方々は約4割という状況になっていますので、若い世代の方々の一層の接種促進に向けまして、道においてはSNS、チラシなどのさまざまな広報媒体によりまして、普及啓発を行っていきますので、ぜひ皆さまにも接種のご検討をいただければと思います。
 また、これまでのワクチンで副反応が強く出たという方々などへの接種を想定したノババックス社製のワクチンが、国において新たに承認されまして、道内でも接種ができるようになります。対象の方は18歳以上の方で、3回目接種まで、それぞれの間隔も設けられました。そして、ノババックスのワクチン接種を進めるために、道のワクチン接種センターを引き続き開設いたします。接種につきましては6月5日から開始させていただいて、9月まで毎週日曜日に行う予定といたします。6月5日から開始するのですが、ご予約については5月27日から開始しますので、コールセンターまでお申し込みをお願いいたします。また詳細につきましては、道のホームページにも掲載いたします。なお、5月29日までの土日は、3回目接種を受け付けています。個人の申し込みのほかに、企業や団体、大学など、10人以上のグループでの団体接種の予約も受け付けています。これはモデルナのワクチンの3回目の接種になりますけれども、こちらについても積極的にご活用いただければと思います。
 次に「どうみん割」でございます。道では現在、5月31日までの利用が対象になっているのですけれども、こちらについて、6月30日まで延長することとします。そして、明日の正午から販売についても開始いたします。これまでも観光関連事業者の方々には、徹底した感染対策の取り組みにご協力いただいておりますので、旅行者の皆さまにおきましても、マスクの着用などの感染対策の徹底のご協力をいただきまして、旅行を楽しんでいただくということに、引き続きご理解いただければと思います。
 最後になりますけれども、ゴールデンウィークが明けて2週間が経過いたしました。現在、高齢者の方々の感染が増加しているという状況があります。医療への負荷を高めないためにも、感染の拡大をみんなで防いでいかなければなりません。道民の皆さま、お一人お一人、「普段から」、「飲食では」、また、「感染に不安を感じるとき」ということで、三つの行動を実践していただいて、引き続きご協力をお願い申し上げます。

ガーデンフェスタ北海道2022について

   最後三点目でございます。
 熊本県において、現在開催中の第38回全国都市緑化くまもとフェアについて、3月にくまモンが来庁いたしまして、招待状をお渡しいただいたところなのですけれども、明後日22日に閉会式がございますので、こちらに出席いたします。次期開催者ということで、大会旗を熊本県から引き継ぐということで出席します。
 そしていよいよ、6月25日から7月24日までの1カ月間、恵庭市の花の拠点「はなふる」がメイン会場になりますが、道内32カ所の公園などを協賛会場といたしまして、第39回全国都市緑化北海道フェア、愛称として「ガーデンフェスタ北海道2022」ということで開幕いたします。メイン会場では市民参加のコンテスト作品の展示など、色とりどりの花壇を楽しむことができますほか、コンサート、また飲食ブースの出店といったものも予定しています。北海道はこれから花と緑が美しい季節を迎えます。ぜひとも、道内外から多くの方々にお越しいただきたいと考えています。彩り豊かなガーデンの魅力を皆さんに楽しんでいただきたいと考えていますので、報道関係者の皆さまには大変PRにご協力いただいているのですけれども、チラシなどをお配りさせていただいておりますので、PRにお力添えいただければと思います。

記者からの質問

(北海道新聞)
 コロナの関係でまずちょっと事務的な確認だったのですけれども、道のワクチン接種センターを引き続き開設して、ノババックスのワクチン接種のために9月まで毎週日曜日に開くということですけれども、私の認識が間違っていたら恐縮なのですが、今まで3回目接種にモデルナを使っていたものは5月29日で終了して、ワクチン接種センターに関してはノババックス用に代わるという理解で良いのか。もしそうだとすると、なかなか今ワクチンの3回目接種、進んでいるとはいえ、若者で足りない部分もあって、ワクチン接種センターで3回目のモデルナが打てなくなるということは、一定程度役割を終えたというご認識なのか、そこだけ確認させてください。

(知事)
 ノババックスは、毎週日曜日に行うという形になります。ノババックスだけにするのでしたか。(新型コロナウイルス感染症対策本部指揮室より「ノババックスのみ」との回答)ノババックスだけだということです。

(北海道新聞)
 そうなると3回目ワクチンの促進が求められている中で、3回目のモデルナについてはやらなくなるということになるので、このあたり役割を終えたということなのかなと、その確認ですね。

(知事)
 今の時点でも予約率30パーセントぐらいでしたか。3回目の接種の予約状況は確かそれぐらいだったと思うのですけれども、まだ空きがあるような状況になっています。他の市町村が設置している接種会場でも、皆さん受けられるという状況になっています。札幌市でも予約なしの取り組みなども行っていきますので、混雑していて接種が難しいという状況ではない状況もあります。
 ただ一方で、ノババックスは、各都道府県が1カ所以上(接種会場を)設置しなければならないとなっています。ファイザー、モデルナで副反応が非常にきついという方だったり、アレルギーなどで接種が難しいという方もいらっしゃいます。そういう方々のための(接種の)場所をつくっていくという必要がありますので、道としては、今まで実施してきた場所を活用した中でやっていくという形になります。

(北海道新聞)
 もう一つ前のマスクのほうなのですけれども、冒頭ご発言があったように国の専門家の助言機関がですね、昨日マスク着用についての考え方をまとめて、本日これから厚生労働大臣から国の方針が示されるとのことで、国の方針がない中で恐縮なのですけれども、おそらく専門家の助言機関の内容が踏襲されるのかなとも言われていて、現時点で、可能な範囲で、助言機関の見解が妥当であるですとか、適切であるかなどの評価をいただきたかったのと、また、冒頭発言の中で、具体的な運用に当たっての課題があるとも考えているとおっしゃっていたので、この部分も今教えていただける範囲で教えていただければと思います。

(知事)
 以前の会見でも、私は、屋外で距離が確保できている場合だとか、これから暑くなってくるので、小さいお子さんとかはマスクを自分で外せませんので、むしろ危ないということもあるので、マスクの着用については、屋外で一定の距離が取れるといった場合はマスクを外してもいいですよということだったり、小さいお子さんの場合は、今申し上げたようにマスクを自分で外せませんということがあるので、マスクをするということがこれから気温が高くなってくると危ないので、そういうこと(マスクを外すこと)を奨励していると、この記者会見でもお話させていただいた。その後、提言が国から出てきましたけれど、多分考え方としては同じような話をしているのではないかなと思うのですが、ただ、厚生労働大臣が今日、提言を受けて方針を出すということなので、それがどういう中身なのか私もまだ分からないので、そこはしっかり見た上で対応を考えていきたいと思っています。
 ただ、専門家の提言で、屋外での活動についてさまざまありまして、一定の距離が取れた場合、また、距離は取れなくても家族のように一緒にいる人だったらマスクを外しても良いのではないかですとか、あまり会話が多くなければというような形で、結構ふわっと書いてあって、例えばイベントとの関連性がどうなのだとか、今までやってきた事業所ごとの業種別ガイドラインとかいろいろなものがあるのです。そういう中でマスクの着用を、みんなやってきているのだけれど、そことの関連性だとか実際の運用部分で、専門家の提言がどういう形になるかまだ分からないので、なんとも言えないですけれども、専門家の提言がそのまま出てくるのだとしたら、提言の中に具体的な例示で、ちょっと手元にないけれども、サイクリングとか、散歩とか、そういうのが何点か書いてあるのですけれども、そこら辺の具体的な運用面で国のほうに確認していったり、たぶん都道府県においても、今の提言のままであれば、これはどういうふうに運用すれば良いのかなと思うところがあると思うので、そこは全国知事会とかも含めて確認していければなと思っています。

(北海道新聞)
 念のため再度確認なのですけれども、先ほどのお話の中でも国に確認するなどして速やかに対応していきたいということですけれど、何かしら今日の厚生労働大臣のお話を受けて、道としてもマスク着用の考え方ですとか運用について、何か取りまとめて共有していくという、そういうプロセスがこの後あるという理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 国のほうで方針が出ますので、それを受けて、それぞれ地方にも対策本部を設置していますから、マスクというのは基本的感染対策として、皆さんに着用していただいているわけですから、その扱いの方向性が変更になるということであれば、その内容を皆さんと共有して、分からない点があったら国に聞いてやっていくということが必要だと思っています。

(NHK)
 観光船の関係で一点お伺いしたいのですけれども、先週の会見でも、事業者として対策をやっているところを道としてホームページで公開して、そういった風評被害みたいなものがないようにといった対策を打ち出していくと言っていたと思うのですが、それからこの1週間で新たに道として打ち出す対策が何か決まったりとか、大体日程的に、そのサイトを立ち上げる日程がどれぐらいになるとか、その時から何か進んだことがあれば教えていただければなと思います。

(知事)
 現時点で、具体的にこの日時で、こういった形でホームページを更新しますといったことを、まだ申し上げられる状況にはありません。決まりましたら、私はぜひ多くの方に知っていただく必要があると思うので、マスコミの方にも取り上げていただけるように、情報共有していきたいと思っています。
 当然、道としても観光シーズンを迎える前に、事業者の方々に取り組んでいただいている取り組みですとか、観光関連団体の皆さんとも情報共有させていただきながら、安心して北海道にお越しいただけるような環境づくりを、しっかりやっていかなければいけないと思っていますけれども、先ほどの斉藤国土交通大臣に緊急要請した内容もあるわけですけれども、7月、8月に観光の本格的なシーズンを迎えますので、でき得るならばその前に、さまざまな国としてできる対応も、でき得る限り行っていただきたいと申し上げてきておりますし、またそのように対応していただきたいと考えております。

(読売新聞)
 道市懇(北海道・札幌市行政懇談会)の関係で伺いたいことがあって、24日に北海道庁と札幌市で道市懇、2年半ぶりくらいに開催すると今日発表があったと思うのですが、オリンピックとか脱炭素とか、いくつかテーマは出ていたと思うのですけれど、知事としてどういった懇談にしたいかとか、どういったところを重点的に話し合いたいかというのを伺いたいです。

(知事)
 テーマは皆さんに(報道発表資料で)お示ししたとおり、冬季のオリパラ(札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致)、脱炭素の取り組み、コロナの関係、この三つをテーマに設定することを札幌市とも調整の上で決めましたので、このテーマで話したいと思っています。
 この道市懇については、確かに2年半ぶりの開催という形にはなるのですけれども、今日も秋元市長と一緒でしたし、昨日も一緒でしたし、コロナ対策で言えば、本当に頻繁に連絡を日常的に取り合いながらやってきました。これは道市懇だけではないですけれども、感染状況を注視しながらいろいろな形でのイベントとかも再開されていますけれども、道市懇についても、前もってこうやってテーマを決めて、直接会って、忌憚のない意見交換をすることも、やはり大事だと思います。ですから、そういった形で秋元市長とも忌憚のない意見交換をできればいいなと思っていますので、そのような考え方の下、臨んでいきたいと思います。

(読売新聞)
 ちょっとまだ報道ベースで出ている話なのですが、札幌市のほうで、丘珠空港の滑走路を1500メートルから1800メートルに延長する方針というのが報道で出ていると思うのですが、これは仮に300メートル延伸した場合、地元負担で札幌市と北海道庁の負担分も発生すると思うのですね。そこら辺の負担や、延長のそもそもの可否について知事としてはどうお考えでしょうか。

(知事)
 これは今ご質問の中にもありましたけれども、確かに報道はありましたが、札幌市から正式な公表はないとお聞きしています。「北海道航空ネットワークビジョン」というのがあるのですけれども、この丘珠空港については、道内各地の経済・医療・防災を支える幅広い役割を果たす道内航空ネットワークの拠点空港を目指す、という将来展望を(このビジョンの中で)示しています。滑走路の延長をはじめとする空港機能の強化は、こうした将来展望を実現することに向けて重要なものだと考えています。
 札幌市のほうから近々に案を公表して、秋にも将来像を策定すると聞いておりますけれども、さまざまな段階の中で内容を踏まえながら、札幌市と連携しながら対応していきたいと考えています。
 その財政的な負担などについても、将来像の内容を踏まえた中で、適切に対応していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 JR北海道の社長人事について伺います。政府は本日の閣議で、新たな社長に綿貫副社長を昇格させる人事案を了解しました。島田社長は会長に就く見込みです。
 道は地方路線などでJRとの連携が求められているとは思うのですけれども、今回のこの人事案について知事の受け止めをお伺いします。

(知事)
 島田社長は2014年に就任されていますので、私が夕張市長だったときに、石勝線夕張支線の廃線を地域から提案するという形で取り組んだときも、島田さんが社長で、さまざまなやりとりがありました。また、知事に就任してからも、島田社長とはさまざまやりとりをしてきました。2014年の就任以来、本当に長きにわたってJR北海道の経営の改善、そして安全対策など、多くの課題に対して陣頭指揮にあたってきた。このことに関して敬意を表したいと思います。
 今後、会長に就任するとも伺っていますので、新しく社長になります綿貫泰之さんと、引き続きJRの経営自立、そして路線の維持活性化に向けて、地域の皆さまと一体となって取り組んでいただくことを期待したいと考えています。

(HTB)
 北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題について質問をさせてください。江差高等看護学院で2019年に学生お一人が亡くなられていまして、先日遺族からパワハラに関する調査の申し出があったかと思います。今後の道の対応についてまずお伺いできますでしょうか。

(知事)
 今週17日の火曜日になりますが、ご質問にありました学生のご遺族の方から、代理人弁護士を通じまして、道に対して第三者委員会によるパワハラの有無等の早期調査と、その結果の回答などを要望する旨の文書を受理したところでございます。
 道としては、相手方のお話をよくお伺いした上で、誠実に対応していきたいと考えています。

(HTB)
 当時の学院長がですね、遺族のもとを訪れて教師によるパワハラがありましたというふうに謝罪されているみたいですけれども、道としてはですね、今の時点で亡くなった学生に対して教師によるパワーハラスメントがあったというふうに考えていらっしゃるのでしょうか、そのあたりの認識をお伺いしたいです。

(知事)
 前学院長が個人のお考えで、訪問もそうなのですけれど、メールで送信したということで、これは後日、前学院長ご本人に確認させていただいて、道としても(前学院長が)メールを送りました、ということについては把握しています。
 この事案につきましては、昨年度の第三者委員会によります調査の際には、ご遺族からの申し出がなく、直接の調査対象とはなっていなかったものの、事案の重大性に鑑みまして、他の事案の調査を進める中で、可能な範囲で聞き取りを行った結果、関係教職員や学生から核心的な証言がなく、ハラスメントは確認されていないという状況であり、現時点では、道としてもそのように認識しています。
 いずれにしても、先ほど申し上げましたけれども、調査のご要望をいただいていますので、相手の方からお話をよくよくお伺いした上で、誠実に対応していきたいと考えています。

(HTB)
 最後に一点だけ、ちょっと質問の内容は若干変わるのですけれども、教員のですね、養成のあり方についてなのですけれども、道議会などで担当部局のほうから厚労省に直接赴いて、教員養成のあり方について申し入れを行うことも考えているというふうな話がありましたけれども、そのあたり具体的にどういった申し入れを道として行っていくのかですとか、時期とか、その辺はどういうふうにお考えになっているのでしょうか。

(知事)
 まず、学院の運営の適正化についてですけれども、ハラスメントの影響の大きかった江差高看においては、再発防止に向けまして、学院運営適正化会議を設置し、学院運営アドバイザー等のご助言もいただきながら、教員の再教育等の取り組みを進めますほか、道立高看全体の問題として、今年度から事務を担当する副学院長を配置し、内部牽制体制の強化を図るとともに、ハラスメント発生時の情報共有、対応のあり方をルール化するなどして、学生の皆さまが安心して学べる環境となるよう、必要な対策を講じているところでございます。
 今ご質問のあった国に対する提案等の部分につきましては、後ほど担当局長のほうからご説明させていただきたいと思います。

(日本農業新聞)
 畑作物のてん菜についての質問です。国は砂糖原料のてん菜についてですね、農家の赤字をなくすなどのために交付金を充てていますけれども、農水省はこの交付金を支払う現在の上限の64万トンをですね、砂糖の消費減などを理由にして、最大で49万トンまで引き下げる必要があるだろうという試算をしています。これは面積に換算しても1万3000ヘクタールと非常に大きくて、量でも非常に大きい数字であります。てん菜は北海道の輪作体系には欠かせない作物であります。こうした農水省の試算への受け止めとですね、何か方針などがあれば教えていただければと思います。

(知事)
 今ご質問にございましたけれども、砂糖の消費量が減少している中、JAグループ北海道、道内にある糖業3社、そして農林水産省において、てん菜の生産について本年3月以降、意見交換が行われていると承知しています。今後、てん菜生産、てん菜糖業のあり方について、引き続き、今お話した3者による意見交換を続けていく予定であると聞いておりますけれども、今お話のあった削減のお話につきましては、17日火曜日の金子農林水産大臣の会見におきましても、「現時点で何ら方針が決まったわけではない」というご発言がありますので、そのような現時点での状況であると考えています。
 道としては、てん菜は本道の畑作に欠かすことのできない基幹作物であると考えています。製糖工場をはじめとする地域の経済、雇用に結び付いていることを考慮した上で、検討を進めていただく必要があると考えていますので、引き続き、今お話した関係者によります議論を注視してまいりたいと考えています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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