知事定例記者会見(令和3年12月24日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和3年12月24日(金)16:30~17:20
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/15名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 牛乳の消費拡大について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  4. 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
  5. 米国艦船の小樽港寄港について
  6. 室蘭-八戸間のフェリー航路の休止について
  7. 札幌市の冬季オリンピック・パラリンピック招致について
  8. 畜産物価格等について
  9. 日本海溝千島海溝沿いの巨大地震に係る被害想定について
  10. 新型コロナウイルス感染症対策について(5)
  11. データセンターの誘致について
  12. 牛乳の消費拡大について
  13. 赤潮の収束について

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 初めに私から二点お話をさせていただきます。
 一点目ですけれども、新型コロナウイルス感染症についてでございます。本日の新規感染者数は12人となっています。2桁の感染が続いているという状況にあります。人口10万人当たりで言いますと2.3人となったところです。先週との比較では、10日連続で増加しているという状況になっています。医療施設での集団感染の影響などによって、感染者数が押し上げられているわけですが、感染者数の増加ペースも早いということ、そして、これからさらに感染リスクが高くなる時期を迎えるということから、引き続き警戒していかなければならない状況であります。入院患者数についてもやや増加しています。今後の動向を注視していく必要があります。特に先日、国内においてオミクロン株の市中での感染が初めて確認されました。このことにも注意が必要です。道内では現在、オミクロン株の感染の確認はないわけでありますが、本道は他県との往来が活発であります。国の専門家においても、今後、感染拡大が急速に進むことも想定すべき状況にあるとの懸念が示されています。これまで以上に高い警戒感を持って対応していきます。
 こうした中、道内では12月に入りまして、飲食の場面での感染事例も見られ始めています。ある事例でありますけれども、大人数で長時間にわたる外食で、マスクの着用が不徹底で、換気が不十分な中で感染が広がって、参加者の職場にも拡大したという事例です。これから忘年会、新年会が増加する(ことから)オミクロン株に対しても基本的な感染防止行動が重要になります。会食の際には、認証店などを選んでいただいて、会話のときはマスクを着用するなど、お一人お一人が感染防止行動を実践していただくことを、あらためてお願いいたします。特に大人数での飲食、そして久しぶりに会う方との会食の場面で注意してほしいと思います。さらに、これまでの感染者の行動履歴をたどってみますと、軽い症状だったため感染を疑わなかったという方。また、発熱後すぐに治ったので仕事を休まなかったという方。その後、検査を受けた結果、陽性となったという事例が確認されています。感染の確認が遅れますと、本人も意識しないままで家庭や職場などに広げてしまう恐れがあるという点に、ご注意いただきたいと思います。
 これから冬休みに入りまして、外出や帰省、旅行などを予定されている方も多いと思います。ご家族、友人、知人など大切な方の感染を防ぐためにも、発熱、咳などの症状、これに加えていつもと体調が違うなと感じた場合は、外出や移動を控えていただいて、積極的に検査を受けていただきたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたけれども、国内でオミクロン株の市中での感染が確認されているところです。道においては、引き続き、海外や道外に滞在歴のある患者の方、感染経路が明らかでない方について、原則全ての検体のデルタ株スクリーニング検査、そしてゲノム解析を実施していきます。今、感染が確認されますと、オミクロン株のスクリーニング検査の体制がまだ確立されていないという状況がありますので、ゲノム解析をやっていますけれども、デルタ株のスクリーニングはできるので、デルタ株かどうかというスクリーニングをやって、感染は確認されたけれどもデルタ株ではないよということであれば、オミクロン株疑いとして対応するということです。11月1日から12月23日までに297件やっています。それ以外はなんでやっていないのだという部分について言うと、例えばクラスター、また、感染が明らかにどのように伝播していったかが分かっているものは、デルタ株だと分かっている。その部分はゲノム解析をやる必要がありませんので、そういうことで基本的に全てやっているということです。その中でオミクロン株は、確認されていないという状況です。今後、道内においてオミクロン株の感染疑いがある事例が確認された場合には入院していただく。そして、濃厚接触者の場合については原則、宿泊療養施設で滞在していただくということでお願いしていきます。感染力が強いという指摘もされています。オミクロン株の対応について、皆さまにはご理解とご協力をお願いいたします。
 次に「ワクチン・検査パッケージ」ですけれども、現在、飲食店などの登録を受け付けているところでございますが、登録店について、1月中旬から順次ステッカーを送付いたします。この制度を適用する飲食店は、今後、緊急事態宣言、緊急事態措置などにおいても、5人以上の人数制限がかからなくなります。また、同様に制度を適用するカラオケ店は、休業が要請される場合でも、収容率の上限を50パーセントとしてカラオケ設備の提供が可能となります。この制度は、現在の感染状況ですぐに適用されるものではありませんが、今後感染が拡大した場合に、制限緩和のメリットを受けることができるという制度です。まだ登録されていないという事業者の方々におかれましては、登録についてぜひ検討いただきたいと思います。
 そして、「ワクチン・検査パッケージ」制度の推進に必要な無料検査などについてですが、これは来週から開始します。現在、最終の調整を行っています。年明け以降、順次薬局など検査実施場所を全道域へ拡大していきます。また、国において、「ワクチン・検査パッケージ」制度などでの活用も見据えて、20日から接種証明書アプリの運用が開始されました。マイナンバーカードをお持ちの方は、簡単に公的な接種証明書が取得可能となりますので、ぜひこちらもご活用いただきたいと思います。
 そして、「新北海道スタイルアイデアコンテスト」についてお知らせしたいと思います。道内の若年層の皆さまに、感染対策の必要性をあらためて認識していただくことが重要であると考えまして、中高生、大学生などの方々を対象にいたしまして、対策を効果的、効率的に実践するためのアイデアコンテストということで実施しています。本当に多くのお申し込みをいただいています。昨日時点で347件応募いただきました。ありがとうございます。応募期限は1月17日までで、まだあります。この提案ですけれども、このアイデアがいいということで、受賞された方には協賛企業賞ということで商品券、そして往復ペア航空券などが贈呈されることになっています。冬休みの時間を利用して、より多くの学生の皆さんに応募いただければと思っています。コンテストの詳細については、「新北海道スタイルアイデアコンテスト」のホームページがありますので、そちらをご覧いただきたいと思っています。
 最後でございますけれども、繰り返しになりますけれども、これから冬休みに入るということで、会食、帰省、旅行を予定されているという方も多くいらっしゃると思います。普段会わない人と会う機会、そしてマスクを外す飲食の場面、どうしても感染リスクが高くなるという状況があります。オミクロン株への警戒も高めていかなければなりません。発熱、咳などに加えて、いつもと体調が違うなということを感じた場合は、外出や移動を控えていただく。そして積極的に検査を受けていただくということを皆さまにお願いしたいと思います。また、会食の際には、認証店などを選んでいただいて、大人数、長時間の飲食を控えていただく。そして、会話が中心になるときはマスクを着けていただくということで、引き続きお一人お一人が感染防止行動を実践いただくように、あらためて皆さんにご協力のほど、よろしくお願いいたします。

牛乳の消費拡大について

 そして二点目です。二点目は牛乳の消費拡大です。
 新型コロナウイルス感染症の影響によって、牛乳・乳製品の消費が低迷するという状況の中で、特に年末年始、学校給食も休止になることなど、生乳を乳業工場で処理しきれない可能性がある。このことから、前回の記者会見の場で、ホクレンの西川副会長と共に、報道各社の皆さまに大変なご協力をいただいて、牛乳・乳製品の消費拡大に向けてPRをさせていただきました。
 その後、岸田総理からも国民の皆さまに対して消費拡大の呼び掛けがありました。この記者会見で牛乳を飲んだ後に、農林水産大臣、中村、武部両副大臣が3人揃って記者会見で牛乳を飲む。そして東京都の小池知事も牛乳を記者会見で飲むということで、消費拡大のPRをしていただきました。また、北洋銀行から児童養護施設に対して牛乳贈答券を寄付するという決定をいただきました。官公庁のみならず、企業の皆さまにも大変なご理解とご協力をいただいております。このことにもあらためて皆さまに感謝申し上げます。
 そして、先ほど小池東京都知事の会見で牛乳を飲んでいただくというものがありましたけれども、全国の知事に対して協力を呼び掛けました。全国知事会の平井会長、それと農業商工常任委員会の達増(岩手県)知事にお力添えをいただいて、本日、皆さまのお手元に(資料を)お配りさせていただいていますけれども、全国知事会、全ての知事の皆さんのご理解、ご協力のもとで、消費拡大を呼び掛けていこうということで、メッセージの発出が決定いたしました。全国的に生産者を応援する取り組みが広がっています。酪農王国、主産地である北海道として大変感謝しております。
 道としても、一杯でも多く消費者の皆さまに牛乳を飲んでいただくよう、呼び掛けを続けていきます。12月30日に、今年オープンしたどさんこプラザ羽田空港店において、道産牛乳のPRを、年内最後のPRですけれども行いたいと思っています。ちょうど羽田空港には年末の帰省などで多くの方が集まりますので、そこでPRを行うということです。年末年始、この危機を何としても乗り越える、乗り切っていくというために、生産団体、乳業メーカーの皆さんと連携して、生産者の皆さまの応援をしていきたいと考えております。報道各社の皆さまにおかれましても、消費拡大への呼び掛けにつきまして、ご理解、ご協力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 オミクロン株について、ちょっと何点かお伺いしたいのですけれども、先ほどのご説明で、現時点で道内での感染は確認されていないということなのですが、濃厚接触者は道内では確認されていないのでしょうか。

(知事)
 濃厚接触者については、今までも公表対象ではないという状況です。濃厚接触者については、宿泊療養施設へ入っていただくということで取り組んでおり、体制も整えていますので、この体制の中でご協力いただけるように対応しているところです。

(北海道新聞)
 関連で宿泊療養施設なのですけれども、濃厚接触者の方は療養施設で待機ということなのですが、今、道が整備している療養施設というのは、今現在で何人分確保、あるいは何室確保されているのでしょうか。

(知事)
 宿泊療養施設1カ所を転用いたしまして、そこでの滞在を求めています。部屋の数は100ぐらいですかね、100人分を確保している状況ですので、今、濃厚接触者が全国的にもかなり増えてきて、宿泊療養施設も限界があるという状況の中で、一部自宅などで対応している県もあると聞いていますけれども、北海道においてはそういった状況にはございません。
 また、そういった増加の状況などがあった場合については、より収容能力の高い宿泊療養施設の活用、また複数施設による受け入れ、こういったもので対応していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 すみません、ちょっとさかのぼった質問ですけれど、では現在100人分確保している宿泊療養施設に濃厚接触者の方は、まだいらっしゃらないということでよろしいですか。

(知事)
 人数など、この濃厚接触者の方は公表していません。この点、ご理解いただきたいと思います。

(読売新聞)
 今の宿泊療養施設数の件で確認したいことがあってですね、設置している場所はどこかというのと、多分北海道は広いので、1カ所だとすごい遠方で濃厚接触者が出た場合も、その1カ所に全部集約していくのかどうかというのを伺うことできますでしょうか。

(知事)
 今、札幌市内の宿泊療養施設を1棟運用しています。その場所などについては、申し訳ないですが、差し控えたいと思っています。基本的には、今100人分対応できる状況になっていて、十二分に余裕のある状況です。札幌市内のオミクロン株のために今、1棟運用していますから、そこへ基本的には入っていただくということを考えています。
 海外からの移動など、今、市中での感染が他の地域で確認されていますけれども、海外からこちらに来られるということ、直接来ることはなかなか今、物理的に無理なわけですから、そういう状況の中で対応していますので、現時点においては、その100人分の中で十二分に対応できる状況ですが、今後さらに確認が増えてきた場合については、先ほど申し上げたように、さらに大きな施設を運用する、また複数(の施設で)対応することで、万全の体制を取っていきたいと思っています。

(読売新聞)
 ちょっと細かい点なのですが、例えば、札幌に1カ所確保して、根室市とか稚内市とかすごい遠方で濃厚接触者が出ても、基本的に札幌市に来てもらうという形なのですかね。

(知事)
 そうですね。先ほど申し上げたように、基本的には空港検疫といったところで確認されているケースが多くて、(国際線が運航されている)空港立地県などが、そういった受け入れも行うという状況で、各県内における市中感染は、今はまだ限定的な対応になっていると思っています。そういう意味では、北海道に直接入ってくるという形、例えば飛行機一機で、その中で一人の方が感染確認されて、全員が濃厚接触者になると、数百人という形になるのは、海外で今オミクロン株に置き換わっていますけれど、現時点では、なかなか想定できないのだと思っています。
 ですから、(国際線が運航されている)空港所在県などは、非常に多くなっている。また、感染が確認された地域は急激に増えているという状況がありますので、そこと北海道は、ちょっと今は状況が違うと思っています。ですので、基本的には、札幌市内の1棟を丸々使っていますので、そこに移動していただくというオペレーションで考えています。今後さらに状況などが変わってきた場合については、当然そこはさまざま検討していく必要があると思いますが、現時点ではそういった形で対応できると考えています。

(毎日新聞)
 オミクロン株の検査について、一応デルタ株のスクリーニング検査をされて、そうでなかったらゲノム解析に回すというお話がありましたけれども、試薬ですとかオミクロン株のスクリーニング検査の導入について、道内の現時点でのスケジュール、例えばいつから始めたいですとか、そういったスケジュール感があればお願いします。

(知事)
 これは全国的に今、同じ状況になっています。今までもそうでしたけれど、スクリーニングに必要な試薬がないと、スクリーニング検査を回せないという状況になっています。国のほうからスケジュールがまだ対外的に示されていないという状況になっています。ですから、それまでは今の体制の中で、ゲノム解析をしていくしかないと思っています。できるだけ早く(国が手法を確立し、)試薬(が供給され)、スクリーニング検査をできる体制ができれば、かなり負担が減るので、ここは国に引き続き求めていきたいと思っています。

(朝日新聞)
 オミクロン株のことで一点教えてください。先ほど、現在のところオミクロン株の感染者は道内ではいないということですけれども、疑い例もいないのかということと、もし今後疑い例が見つかった場合、それは公表の対象になるのかどうかというのを教えてください。

(知事)
 濃厚接触者の方については、公表による不当な差別、偏見が生じないようにということで、個人情報保護の観点から公表していないという状況があります。オミクロン株の陽性者の方は、陽性になっていますから、そういう意味では公表していくのですけれど、陽性者の方の濃厚接触者は陽性になっていない方になりますから、その方の情報についても同様の取り扱いです。ただ、例えば濃厚接触者がある程度の人数で、感染拡大防止の観点から公表したほうが良いだろうという状況であれば、公表することも検討するということはありますけれども、基本的には陽性ではない、感染確認されていない方は、そもそもコロナに感染していないわけですから、そういう方について、いわゆる不当な差別、偏見が生じないように、十分に配慮していくことが必要だと思っています。今現在、マスコミの皆さまに対して、感染拡大防止の観点から広くお知らせするという状況にはないと思っています。

(朝日新聞)
 すみません、私がお聞きしたかったのは、要するに感染者なのだけれども、いわゆるデルタのスクリーニングで引っかからない場合は、ゲノム解析に回す疑い例になるわけですよね。それは疑い例としてはいわゆる公表の対象にならないのかということだったのですけれど。

(知事)
 基本的に陽性の方は全て公表になります。

(朝日新聞)
 それは疑い例としては公表されるということなのでしょうか。

(知事)
 陽性になった時点で公表します。その後、デルタではないということであればゲノム解析に回しますので。ゲノム解析の中で、確認できた場合は当然公表します。当然、陽性になれば公表しますので。コロナ陽性になったら公表します。

(朝日新聞)
 疑い例かどうかというのは結果が出るまでは分からないということですか。

(知事)
 そうですね。結果、オミクロン株になった場合は公表します。

(朝日新聞)
 疑い例の段階では公表されずに、オミクロン株と確定されれば公表されるというそういう理解。

(知事)
 そうですね。陽性になった時点で、当然オペレーションが開始されます。疑いになった場合、オミクロン株の疑いがあるということであれば、疑い事例に対する対応の考え方がありますから、それに則って感染が拡大しないように当然対応します。その上で確定した場合については、公表するという段取りになります。

(北海道新聞)
 アメリカ海軍の駆逐艦のストックデールの件なのですけれども、この駆逐艦はですね、来年の2月に小樽港への寄港を小樽市に打診しました。(さっぽろ)雪まつりの開催期間と重なる時期であるっていうのとですね、沖縄県の米兵海兵隊の基地でオミクロン株の感染が確認されていることなんかを踏まえてですね、小樽市は寄港の取りやめを米側に申し入れていて、道に対しても一致した対応を求めております。道としてどう対応されるのかお聞かせください。

(知事)
 これは昨日でございますけれども、寄港の打診内容、そして道とも情報共有を行いながら対応していきたいということで、小樽市のほうから連絡を受けました。これまで米海軍の入港の前には、在札幌米国総領事館に対して、寄港中の事故防止と乗員の規律の保持などの協力を要請してきました。今のコロナの状況ではない、通常の状況でのオペレーションですけれど。現在のわが国の状況ですけれども、外国人の方の入国規制を行っていますので、予定されている2月の状況を見通せないという状況になっています。今回の寄港による入国の考え方について、連絡を受けましたので、今外務省のほうに確認をしています。まだ、その回答は来ていませんけれども。
 いずれにせよ、感染拡大を防止するという観点から、私としては適切に対応していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 話題がまた変わって恐縮なのですけれども、川崎近海汽船がですね、本日、室蘭から八戸や宮古の航路を、来年の1月末で休止すると発表しました。室蘭市長が、この川崎近海汽船に継続を要請してきたのですけれども、貨物トラック利用の低迷だとか、燃料価格の高騰などを理由に、その開設から3年半で姿を消すことになるのですけれども、知事として受け止めをお願いします。

(知事)
 この休止については、今ご質問の中でありました貨物利用の低迷、燃料費の高騰に加えて、新型コロナウイルス感染拡大による旅客の需要の減少、船舶の老朽化といったことなどが背景にあると承知しています。本航路の再開に向けて、室蘭市とこれまでさまざま連携をしてきました。道としては引き続き、室蘭市をはじめ地元経済団体などと情報共有、連携に努めて、フェリー会社との意見交換を行うなど、必要な対応を図っていきたいと考えています。

(共同通信)
 札幌市が招致を目指す2030年の冬季五輪について伺いたいのですけれども、道民の理解に関して、知事は従前から、まず開催都市、そして競技予定地の自治体、その上でそれ以外の自治体と、こういう順番で理解を得る必要があるというふうにされていたかと思います。この順番について、例えばその住民への負担など、それがその何に基づいている順番なのかということと、また順番を付ける理由について教えてください。

(知事)
 これは2030年冬季オリパラ大会に向けて、IOCが地元理解が重要であると言っています。札幌市も11月に公表した大会概要案を踏まえて、市民の皆さまとの対話、機運醸成を図っていくのだと伺っています。まずは、招致の主体が札幌市になりますので、その札幌市民の皆さまの理解、そして支持を得るということは、私としては最も重要だと考えています。その上で、競技会場の候補になっているところがあります。倶知安町、ニセコ町、帯広市が、この案では、競技会場候補となっていますので、これは当然、候補地の住民の皆さんの理解が、その次に必要だと思っています。さらにそれ以外の自治体、全道の皆さまにも理解を広げていく、こういう優先順位、順番があると思っています。

(日本農業新聞)
 来年度の国の畜産酪農対策が決まりました。生産者に支払われる補給金の単価や交付数量は据え置きになり、このほか脱脂粉乳の在庫解消への支援なども盛り込まれました。内容についての受け止めをお聞かせください。

(知事)
 今ご質問いただいた件は、現在、農水省のほうで正式発表に向けた手続きを行っていると伺っているところでありますけれども、生乳の需給が緩和している厳しい状況の中で、加工原料乳生産者補給金および交付対象数量について、前年と同様の措置ということは、本道の生産者の経営意欲につながると考えています。感謝しているところでございます。
 また関連対策については、脱脂粉乳等の在庫低減や消費拡大のプロモーションの支援を新たに措置するなど、生乳需給に配慮されたというものでございます。
 道としては引き続き、牛乳・乳製品の消費拡大に努めていくと。国の施策などを効果的に活用し、必要な施設、機械の整備、自給飼料の増産、担い手の育成、酪農畜産の生産基盤と競争力の強化に向けて、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

(NHK)
 先日、国が公表、発表した千島海溝と日本海溝の地震と津波の想定についてです。それによりますと、最悪の場合、犠牲者は道内では13万人を超えるとされている一方で、対策を進めることで、この被害を大幅に減らすことができるとしています。これについての受け止めと、さらに今後の対策というところ、具体的なスケジュール感などあれば、それも含めてお願いします。

(知事)
 このたび、国が公表した巨大地震に伴う最大クラスの地震、津波による人的被害、建物等被害の想定において、北海道においては、特に冬季において積雪寒冷地特有の被害が生じるということによって、甚大な被害が生じる、極めて厳しい結果が示されました。一方で、ご質問の中にありましたけれども、今回の被害想定は、津波からの迅速な避難、避難の呼び掛け、既存の津波避難ビルなどを最大限活用するなどの対策を講じることによって、津波からの死者数を8割減とする被害の軽減効果も併せて公表されました。
 一人でも犠牲者を減らす取り組みを実施することが求められています。こうした被害想定は、いたずらに不安のみをあおることではなくて、具体的な被害を算定し、全体像を明らかにすることによって、北海道、市町村はもとより、防災関係機関、事業者の皆さま、地域住民の方々といった全ての関係者が、こういった起こり得る事象を自分事として冷静に受け止めて、最大クラスの災害から命を守るための防災・減災対策を検討していくことが、重要だと受け止めています。
 今後の取り組みですけれども、今回の被害想定は、広域的な対策を検討するためのマクロ想定ということで行ったものです。北海道やその他の県ごとの公表となっていまして、今後、道において、個別の地域における防災・減災対策を検討するために、市町村ごとの地域の実情を踏まえた被害想定などを行う必要があると考えています。この想定を行う上で、道としては国に対して、このたび公表した被害想定の詳細な基礎となるデータ、そして計算手法などを示していただきたいと求めていきます。そのほか、今後、道として被害想定の策定に当たって、国からの協力、助言もいただきながら精査、検討を進めていきたいと考えています。
 この日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震、私も知事に就任して(内閣府の)検討ワーキンググループに参加しています。この防災対策を議論する中で、私からは南海トラフ地震と同様の日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震に係る特別措置法の改正とともに避難施設や避難路の整備のための財政上の措置について、ワーキンググループの場で申し上げてきたところでございます。引き続き法整備、財政支援は強く要請していかなければならないと考えています。先ほど申し上げましたけれども、被害を最小化する、この減災目標を早期に策定することなど、国、市町村や関係機関と一丸となって、道民の皆さまの命を守る防災・減災対策に、全力で取り組んでいきたいと考えています。

(読売新聞)
 話を戻してしまって大変恐縮なのですけれども、オミクロン株の検査体制について一つお伺いします。現状ではPCR(検査)のスクリーニングの試薬がないということで、ゲノム解析で検査を進めることになると思うのですけれども、一日当たりで最大でどのぐらいのゲノム解析ができるのかというのと、今後オミクロン株、市中感染が発生したりとなると、検査対象数がかなり爆発的に増えていくことになると思うのですけれども、そこについてゲノム解析での対応が続くとなった場合に、検査の対応の場所を増やしたりだとか、そういった考えがあれば教えてください。

(知事)
 ゲノム解析は今、(道立衛生研究所の場合)通常だと3日とか、それぐらいで帰ってきていたと思いますけれど、独自にできないところは国立感染症研究所に送って、今多分、全国から依頼が来ていると思いますから、かなり混み合っているのではないかなと思っています。うちの場合は独自にゲノム解析ができるので、やっています。ただ、先ほど申し上げように全部ゲノム解析するということではありません。デルタ株だということが分かっている場合は、する必要がないので、しっかりスクリーニングをした上で、ゲノム解析をしています。
 今、その能力を上回るような状況ではありませんけれども、今後、感染が拡大してきた場合については、今のままでは、さらに確定するまで時間がかかってくるという状況はあると思っています。ですので、できるだけ早く判別するため、スクリーニングの(手法を国が確立し、)試薬を供給していただく必要があると思っています。できるなら、やはり年明けには、そういった状況を国としてしっかり作ることが、私は必要ではないかと思っています。1日どれぐらいかは、ちょっと後で(担当から)お話いただければと思います。

(医療体制担当局長)
 道立衛生研究所では、1回約50(検体)です。札幌市衛生研究所も、だいたい1回当たり同じ規模の検体を回すことが可能なはずです。

(読売新聞)
 知事、先日の22日にデータセンターの件で、東京で、今後日本最大のデータセンターの実現を、北海道で目指していくという方針を打ち出されたと思うのですね。具体的に例えばいつぐらいまでにそういうのを達成したいとか、あるいは何ともまだ言えないところがあるかもしれないけれど、北海道のどこら辺が特にふさわしいのではないかとか、そういった具体的な時期や構想はあったりしますでしょうか。

(知事)
 国内最大のデータセンターを誘致していきたいと考えています。また、本道はこれまでもデータセンターの誘致に力を入れてきましたけれども、国のほうでも東京都や大阪府などに集中するデータセンターの地方分散、そして最適配置を推進していくということを、岸田政権においても打ち出しています。その中で今般、総額1000億円規模の関連予算を打ち出しました。岸田総理からは、21日に記者会見がありましたけれども、その中で、10数カ所の拠点を5年程度で整備するという発言がありました。国としては、そういったスケジュール感を持っているのだろうと認識しています。
 また民間事業者においては、今後のデータ需要の拡大を念頭に、データセンターの一層の整備を進める動きが出てきています。企業誘致については相手があることですので、道としては、今までも力を入れてきましたけれども、私としては、やはり国内最大のデータセンターを、北海道に誘致するという思いです。国の動き、また民間事業者の今の動きを捉えて、早期の誘致の実現に積極的に取り組んでいきたいと思っています。場所などについては言及を控えたいと思いますけれども、さまざま魅力的な地域がありますので、検討している皆さまにそういった情報をしっかり積極的に提案しながら、ワンストップで対応していくということを、セミナーでも申し上げました。企業の皆さんのデータというのは、ある意味これは心臓を預けるということだと思っています。そこにしっかり向き合って、誘致を早期に実現したいと思っています。

(読売新聞)
 分かりました。まだ、具体的には何とも言えないところもあると思いますが、総理のほうで5年というのがあったので、例えば5年以内とか、おおよその目標とかも特にあったりはしますでしょうか。

(知事)
 国のほうで、先ほど申し上げたように総理の言葉として、そういった発言があったということをご紹介いたしました。われわれとしてはこれまでもこのデータセンターの誘致に取り組んできましたし、具体的な動きとして、RE100で京セラコミュニケーションシステムさんが計画している動きなどがあるわけですが、私としてはこういった民間の動き、また国の動きをさらに捉えて、北海道にこそ国内最大のデータセンターを誘致する取り組みが、今、私は必要だと思っていますので、これをしっかり実現していきたいと考えています。当然、この誘致というのは相手のある話でありますから、しっかりとそれを実現するために、まずは積極的に取り組んでいきたいと思っています。

(STV)
 牛乳の余剰問題について、ちょっと単純な質問になってしまうのですけれども、2006年3月に牛乳900トン、北海道で廃棄されたということがありましたが、今回はそのような規模での余剰分というふうに捉えていいのでしょうか。余っているから消費を上げてくださいは分かります。国も北海道も言っています。それがどの程度のものなのか。酪農家の方が毎日ね、これは減らすことがなかなかできないものなので、非常に切迫した問題だと思いますし、この年末年始に限らず、やっぱり冬場の需要ってなかなか伸びずに、一度上げた生産ってすぐ落とせるものではないから、今後も考え得る問題になってくるかと思うのですが、知事のお考えと、今現状どういうものなのかという、2006年と比べてどうなのかっていうのと、今後のお考え、対策、具体的なものをどうお考えか、教えていただいていいでしょうか。

(知事)
 5000トンが廃棄の懸念があるというのは全国の数字ですので、北海道は(全国の)6割の生乳を皆さんにお届けしているという状況で考えると、これは後で事務方に答えてもらいたいと思いますけれども、そういう割合なんだと思っています。ですから、これは単純計算すると2500万人の方が200ミリリットル、コップ一杯飲んでいただければ、それを回避することが可能な量ということで、この年末年始、コップ一杯を、4人に1人ぐらいの方に消費していただくというご協力をいただければ、この事態は回避できるという計算になるのだろうと思っています。
 ただ、今お話があったように、さまざまな状況が重なっています。去年もコロナ禍で大変厳しい状況で、学校の休校、休業などがある中で、皆さまに消費をお願いして、何とか回避しました。ただ、長期保存がきくバターや脱脂粉乳の在庫も併せて積み重なってきました。そういう状況の中で、処理しきれないものがどうしても年末年始に出てくるという、特殊な状況になっています。また、需要が回復してきた場合については、北海道の生乳をぜひほしいという声が間違いなく出てくるという状況もございます。ただ一方で動物ですから、工場で何かを作るといったことと違って、なかなか調整というのが難しい状況の中で、何とか皆さんに今、ご協力をお願いしているということです。
 コップ一杯飲む、これはなかなか難しいという方もいらっしゃるかもしれませんけれども、4人に1人の方が、コップ一杯飲んでいただくことで、今の年末年始の状況を乗り越えることができると思っていますので、できるならば、ご理解、ご協力いただければ大変ありがたいというのが私の思いです。当然これからも消費の喚起、また酪農家に対するさまざまな支援をやって、皆さんがしっかり続けられるような体制は、当然、行政として取り組んでいかなければいけないと思っていますが、今、そういった環境の中にある皆さんに対する協力のお願いであるということで、皆さんにはご理解いただけたらありがたいなと思っています。

(釧路新聞)
 赤潮の被害についてなのですが、一部に収束報道が出されていますけれども、道の見解について教えてください。

(知事)
 道では、赤潮が確認されて、9月22日以降の海水モニタリング調査を、週1回の頻度で実施しています。その結果についても道のホームページで公表させていただいています。モニタリングにおいて、12月6日から12日の結果では、一部地域で高密度のプランクトンが確認されたわけでありますが、直近の状況で、12月13日から19日の結果では、根室から日高まで全体的に低密度となっています。
 道総研(北海道立総合研究機構)としては、収束に向かっているとの見解であると承知しています。しかしながら、依然としてプランクトンの発生が確認されているという状況にございますので、道としては引き続き定期的なモニタリングを継続して、プランクトンの発生状況について注視していく考えでございます。
 ですので、収束に向かっているという見解でございます。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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