札幌市長・知事共同記者会見(令和2年11月7日)

札幌市長・知事共同記者会見

  • 日時/令和2年11月7日(土) 16:00~17:22
  • 場所/危機管理センター
  • 記者数/22名(テレビカメラ9台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  4. 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
  5. 新型コロナウイルス感染症対策について(5)
  6. 新型コロナウイルス感染症対策について(6)
  7. 新型コロナウイルス感染症対策について(7)
  8. 新型コロナウイルス感染症対策について(8)
  9. 新型コロナウイルス感染症対策について(9)

札幌市長・知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

(知事)
 それでは、まず私からお話をさせていただきたいと思います。本日は臨時の会見ということで、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。
 先ほど(北海道新型コロナウイルス感染症)対策本部で決定いたしました警戒ステージ、こちらをステージ2からステージ3へ移行するということです。それと、感染拡大防止に向けた施策の内容、こちらを私からまず説明させていただきたいと思います。
 まずはじめに、感染状況についてでございますが、医療提供体制の負荷の状況についてご説明させていただきたいと思います。昨日時点での入院患者数でございますけれども、314名という状況になっていまして、重症の方はそのうち10名という状況になっています。入院患者数はステージ3の指標が250床でございますので、こちらを超えております。また、急激に増加している状況であります。療養者数、これは入院患者314名と宿泊療養者数399名、合わせて713名という状況でありまして、これは1週間前、10月30日との比較で1.7倍ということで、こちらも急増しているという状況です。
 次に監視体制の状況についてでございますが、直近1週間の検査数については8750件という状況でありまして、陽性率については7.2パーセントということであります。こちらも共に増加が続いている状況です。直近1週間の感染者数、こちらが626名となっていまして、こちらステージ3の指標は133名でありますから、これを大きく超えて急激に増加しています。ちなみに速報でございますけれども、本日の全道の感染者数、こちらも過去最多となる見込みであります。リンクなしの感染者数の割合、リンクなし、感染経路が分からないという方の割合については、直近1週間の平均53.7パーセントでありまして、ステージ3の指標は50パーセントでありますので、こちらを超えて増加傾向という状況です。新規感染者の年代別割合でございますが、昨日時点で30代以下の方が半数以上ということで占めていますが、徐々に40代以上の割合が増えていまして、高齢者の感染者も増加するなど、世代を問わず感染の広がりが見られるという状況です。
 次に、入院でございますけれども、先ほど申し上げましたが、入院が314名、宿泊療養が399名、療養者の総数713名ということでございまして、宿泊療養施設で療養されている方、こちらも増加しております。現在、新たな宿泊療養施設の設置について検討しています。
 次に、地域の感染状況でございますが、石狩振興局管内の感染者数が7割以上ということで多数を占めています。一方で、10月28日以降も空知、石狩、胆振、上川それぞれの振興局管内におきまして集団感染が新たに発生するなど、引き続き全道域での感染が見られるということであります。新規感染者数については、人口10万人当たりの人数で見てみますと、札幌市においては直近の1週間で24人という状況になっていまして、こちら政令指定都市の中でも最も高い数字になっています。札幌市以外の全道の感染者数と比較いたしますと、5倍を超える数字になっているという状況がございます。
 これまでご説明させていただきましたけれども、道独自の警戒ステージの指標のうち、重症者病床、こちらを除くステージ3におけます全ての指標、この基準を超えているという状況であります。ステージ2への引き上げ以降も、新規感染者の著しい増加、こちらが続きまして、世代間や地域での感染症の広がり、こういったものも見られる中、医療提供体制への負荷が急速に増していること、こういったことなどを総合的に勘案いたしまして、専門家の方などからご意見をいただきまして、そちらを踏まえ、本日11月7日をもってステージ3に移行することについて、先ほど開催した本部会議で決定させていただきました。
 ここでちょっと説明したいのですが、道独自の警戒ステージについてでございますけれども、国の分科会で提言されましたステージが4段階あります。道のステージというのは、独自に定めた5段階に分けた警戒ステージになります。これは、国の4段階よりも、このステージ2の段階で早め早めにそういった対策を講じることが必要だということから、より細かく5段階に分けています。そういった状況の中での今ステージ3ですから、国において言うところのIIに相当するということです。ここが、ステージ3ということだけになると、ちょっと分かりにくさが出てくるということで、あらためて説明させていただきたいと思っています。
 ステージ3でございますけれども、社会経済活動への影響を考慮しながら、感染状況に応じて地域や業態を限定し、さらなる協力要請を行うことで、感染拡大を抑え込んでいく極めて重要なステージということになるわけであります。このため、本日から11月27日までの3週間、新たな集中対策期間といたしまして、現下の急激な感染拡大の抑え込みに必要なさらなる強い措置として、集中的な施策、こちらを実施したいと考えています。この期間、ススキノ、札幌市、そして北海道の感染拡大を食い止めて、そして道民の皆さまの命・健康を守るためのこれは戦いであります。道民の皆さまお一人おひとりの行動変容、これを心からお願い申し上げます。私たちに襲いかかっている見えない敵、この敵との戦いに打ち勝っていかなければならないわけであります。これは道民の皆さまお一人おひとりの行動にかかっているところでございまして、この点について心から皆さまにご協力をよろしくお願い申し上げます。
 そして次でございますけれども、集中的な施策について具体的な部分を、札幌市内と道内全体で分けて、特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)第24条第9項に基づいた協力要請を行いますとともに、札幌市と連携いたしまして、道による感染拡大防止対策をさらに強化してまいります。この要請でございますけれども、非常に強い措置でございます。関係の皆さまには大変なご苦労をお掛けするということになります。ここで感染拡大を抑え込んでいくためにも、重ねて皆さまのご理解とご協力を心からお願いするものであります。
 協力要請を具体的に説明させていただきたいと思います。まず、特に札幌市内における要請として、一つ目でございます。飲酒を伴う場面での行動に、特にご注意いただきたいというお願いであります。飲酒をすると、マスクを外してしまうといった行動によりまして、大声で会話をしがちになる、飛沫(ひまつ)が拡散しやすく感染リスクが高まるということから、飲食中はできる限り静かに楽しんでいただきたい。また、飲酒の前後の会話では、必ずマスクをしていただく。飲食の前後の会話では、必ずマスクをしていただく。このことを、いま一度意識的に心掛けて、皆さまには実践していただきたいということをお願いするものであります。
 次に、札幌市内における二つ目の要請といたしまして、感染拡大が続いているススキノ地区において、22時から翌5時まで酒類を提供する施設の利用を控えていただくようお願いいたします。22時から翌5時まで、酒類を提供する施設の利用を控えていただくようお願いいたします。併せて、ススキノ地区において、札幌市のご提案内容を踏まえまして、営業時間等の短縮、こちらを要請いたします。酒類提供を行っております飲食店などの皆さまにおかれましては、営業時間などの短縮にご協力をお願いいたします。こちらの詳細につきましては、秋元市長からご説明があると思いますが、本日秋元市長から正式に財政支援についての協力要請がございました。道としても、今後必要な予算を提案させていただく方向で、道議会とも相談しながら所要の検討を進めてまいります。
 ここからは、北海道全体においての協力要請についてご説明させていただきます。まず、飲食店などをご利用される際に、「新北海道スタイル」の実践を宣言している店舗を選んでいただくようお願いいたします。「新北海道スタイル」の実践を宣言している店舗を選んでいただく、このことをお願いします。これまで感染防止対策に取り組んでいる事業者の皆さまが数多くあるわけであります。こうしたお店を応援する意味でも、ぜひお店選びには「新北海道スタイル」の宣言、ステッカーを確認するなど、皆さまには意識していただきたいと思います。また、基本的な感染拡大防止対策、再度、全道の皆さまには徹底していただきたいと思います。発熱があるなど、体調が悪い場合には外出を控える。体調が悪い場合、外出を控える。外出の際は常にマスクの着用と手洗いの徹底を心掛けていただく、このことをお願いいたします。また、テレワークの推進、時差出勤のほか、コロナ通知システムなどについても、こちらを積極的に活用いただきたい。このことをお願いいたします。そして、事業者の皆さまにはあらためてのお願いではございますが、「新北海道スタイル」の徹底、こちらをお願いいたします。
 道といたしましても、総力を挙げて、相談、診療、検査の体制、さらなる整備を進めています。今後のインフルエンザの流行期を控えまして、発熱患者の診察、検査が可能な医療機関を全道で600以上確保したところであります。またPCR検査体制の強化ということで、1日当たり最大検査件数2550名分の検査が可能となっております。PCR検査を重点的に受検いただきますように、戸別訪問などのローラー作戦、こちらを展開できるように準備も進めているところであります。普及啓発等の強化も進めてまいります。街頭の大型ビジョン、新聞広告、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを用いまして、集中的に啓発、こちらを実施します。さらにはススキノ地区を対象に、事業者の皆さまから利用客の皆さまにコロナ通知システムの登録、こちらを積極的に呼び掛けてまいります。
 最後になりますけれども、本日からステージ3に移行いたしますことで、道民の皆さまをはじめ、道内に滞在される方々、事業者の皆さま、大変なご苦労をお掛けすることになります。社会経済活動への影響を抑えながら、感染拡大の抑え込みを図っていかなければならないという極めて難しい課題にわれわれは向き合っております。何としてもこの11月、この11月で抑え込んでいく。このためには、北海道が一丸となって、そしてお一人おひとりがこの戦いに参加していただいて、この3週間、集中した対策、こちらを実施することについて、どうか皆さまのご理解とご協力を、最後に心からあらためてお願い申し上げます。

(札幌市長)
 今、知事からお話がございましたように、昨今の感染者数の急増を受けまして、本日から北海道の警戒ステージが3に引き上げられ、集中対策期間に位置付けられたところです。このことを受けまして、札幌市におきましても、先ほど(第17回札幌市感染症)対策本部会議を開催し、今後の取り組みについて庁内に指示したところですが、あらためて、市民の皆さま、道民の皆さまに札幌市の今後の取り組みについて説明をさせていただきたいと思います。
 札幌市につきましては、9月下旬頃から感染者数が増え始めまして、本日過去最多となる141人の新規感染者数を確認し、大変厳しい感染拡大局面に入ったと受け止めています。
(資料「札幌市内の感染状況」を指して)
 市内では先月(10月)から集団感染事例が急増していますが、ここでは、ススキノ地区の感染状況とススキノ地区での対策を中心にお話しさせていただきたいと思っております。集団感染事例が急増している中で、10月には集団感染事例が21件ございましたけれども、その3分の2に当たる14件が、ススキノ地区の接待を伴う飲食店などに関連したものになっております。
(資料「すすきの地区の感染傾向」を指して)
 特に顕著な傾向としまして、ススキノ地区の飲食店などでは、10月に陽性者の発生が確認された全59店舗の飲食店のうち、約23パーセントに当たる14店舗が集団感染事例になってございます。そして、その多くが、深夜以降も営業をしている形態の店舗であると思われます。これは、いろいろな聞き取り、疫学調査の中で判明した状況であります。深夜に及ぶ飲食は、感染リスクが高くなると言われておりまして、感染拡大を防ぐためにはこのような場面を避けることが重要であります。
 感染経路の調査では、接待を伴う飲食店などから、家族あるいは友人を通じて、学校や職場、そして家庭へと感染が連鎖している例が確認されております。また、福祉施設ですとか、病院に勤務されている方に感染が広がっていくといった事例も確認しているところでございます。福祉施設でありますとか、病院におきましては、(高齢者や持病がある方がいるので)重症化しやすいという懸念がございます。そういう意味では、こういった感染状況を踏まえ、先ほど知事からもお話がございましたように、ススキノ地区で飲食店等を経営されている事業者の皆さまに、営業時間の短縮などについて、ご協力をお願いしたいと考えております。
 これまでの集団感染事例の発生状況や、接待を伴う飲食店の分布、こういったものを踏まえ、対象とする地域は、いわゆるススキノ地区であります。
(資料「すすきの地区の事業者の皆さまへの協力要請」を指して)
 (中央区)南3条から南8条まで、西2丁目から西6丁目までのエリアとして、要請期間は本日11月7日から27日までの3週間となります。また、対象施設につきましては、接待を伴う飲食店や酒類を提供する飲食店などです。
(資料「対象施設と要請内容」を指して)
 具体的な対象施設についてですけれども、接待を伴う飲食店、それからバー・ナイトクラブなどの酒類提供をする飲食店につきましては、午前5時から午後10時までの営業としていただきたいと思います。つまり、午後10時以降の営業を自粛いただきたいということであります。また、カラオケ店・居酒屋・ラーメン店・そば屋などの酒類提供を伴う飲食店につきましては、酒類の提供は午前5時から午後10時までとしていただきたいと思います。午後10時以降の酒類提供を自粛していただきたいということであります。
(資料「支援金と問い合わせ先」を指して)
 今回の要請に伴い、これらの要請にご協力いただきました事業者の方には、1事業者当たり20万円の協力支援金を支払いたいと考えています。支援の財源につきましては、北海道にもご協力をいただきたく、本日、正式に文書で依頼をさせていただいたところであります。
 事業者の皆さまには、大変な負担をお掛けしますけれども、先ほど知事からお話がございましたように、ここで感染拡大を防止していく、何とかこの11月中に抑えていきたいということで、ぜひご協力をお願い申し上げたいと思います。
(資料「すすきの地区の感染拡大防止対策」を指して)
 この時短要請等のほかに、ススキノ地区における感染拡大防止対策としましては、感染リスクの高い業態に対して、臨時PCR検査センターを開設して、検査の受検勧奨をしてまいりましたが、より多くの店舗の方々に検査を受けていただきたいと考えておりますので、さらに勧奨を進めていきたいと思います。また、検査対象をこれまで接待を伴う飲食店の従業員、あるいは利用者に限定しておりましたけれども、他の飲食店にも(感染が)広がっているという状況もありますので、これらの飲食店以外にも、積極的なPCR検査を実施していきたいと考えております。
 また、感染予防策の徹底のために、ススキノ地区の事業者の皆さまを対象に研修会を実施し、感染者が発生した店舗などにつきましては、その都度、保健所から感染対策を指導させていただいておりますけれども、日ごろから感染拡大防止を続けていただくということで、感染者が発生したお店につきましては、そこで終わるのではなくフォローしていく態勢を取っていきたいと考えております。そういう意味で、このススキノエリアでの(同じ店舗における)再発防止に向けた取り組みを強化してまいります。
 市民の皆さま、そして札幌に滞在される皆さまにおかれましては、先ほど知事からもお話がございましたけれども、あらためて私からも、「新北海道スタイル」を徹底しているお店を利用し、ステッカーのないお店については利用を自粛していただきたいと思います。また、会食時には、どうしてもマスクを外し、感染リスクが高くなるという状況がございますので、飲食している時以外の会話では、できるだけマスクをしていただいて、飛沫の原因となる大きな声を出さないといった感染対策の徹底をあらためてお願いしたいと思います。また、ススキノ地区におきましては、深夜に及ぶ飲酒、この場での感染が拡大をしておりますので、午後10時以降の飲酒をお控えいただくよう重ねてお願い申し上げます。
 あらためまして事業者の皆さまには「新北海道スタイル」、感染対策の徹底をお願いするとともに、営業時間、それから酒類提供時間の短縮の対象となる施設におかれましては、多くのご協力をお願いしたいと考えております。
 最後になりますけれども、これから冬に向けて気温の低い時期がやってまいります。
そういう意味では、換気がしづらい状況になってまいりますので、この点も注意していただきたいと思います。
 また、寒さが厳しくなりますと、体調を崩す方も多くなってきます。発熱のご相談も多く寄せられているところでありますが、発熱などの症状がある場合は、直ちに医療機関に行くということではなくて、必ず事前にかかりつけ医もしくは「#7119」にお電話していただいた上で受診していただきますよう、重ねてお願いを申し上げたいと思います。

記者からの質問

(北海道新聞)
 知事にお伺いいたします。まず今日、そのステージ3への移行というのは、あらかじめ示された警戒ステージの中では、感染が拡大している地域との往来の自粛ですとか、不要不急の外出自粛、こういったことも想定されていたかと思います。今回はその点については、要請とかはありませんでした。そうしていない理由と、これで感染拡大の局面を乗り越えていくには十分な対応というふうにお考えなのか、そこをお聞かせください。

(知事)
 まず、現時点で人の往来を止める段階ではないと思っています。また、このたびの感染拡大、ススキノ地区の酒類を提供する飲食店などの集団感染増加などの影響が大きいのではないかということで、札幌市においても分析されているところがあります。また、国のワーキングループにおいて効果的な感染防止対策として、これもメリハリの効いたエリアや業態を限定しながら、営業時間の短縮要請などが有効であるという見解もございました。こういったものも参考とさせていただきながら、専門家などのご意見を踏まえて、今回の施策に対しては決定しました。

(北海道新聞)
 それに関連したような質問なのですけれども、今回の施策についてはススキノを対象に限定したような施策になっています。これも知事に対する質問になるのですけれども、他の地域の感染についても、先ほどご説明があったように当然見えているわけなのですが、ススキノにだけ集中した、集中させた施策というような受け止めをしているわけなのですけれども、そこはやはり経済的な影響を最小化するというご説明もこれまでありましたが、そういったことも施策を打った理由としてはあるのでしょうか。

(知事)
 感染の実態の中で多くが石狩管内で、特に札幌市での感染が多い状況にあります。また、先ほど言ったような札幌市における分析の状況。一方で全道でその他の地域、空知、石狩、胆振、上川などの管内で集団感染も確認されていますので、そういった状況なども踏まえた中での、全道の皆さんに対しての協力のお願いと札幌市における対応というのは一律ではなくて、そういった対応は分けさせていただく。そして、札幌市における特にススキノ地区における対応、これは全道の方々が当然利用される、そういった往来の多い地域でもありますので、ススキノの対策についてご協力いただく。これは、全ての道民の皆さんに対するお願いとして出させていただくということで、対策を総合的に決定したということです。

(北海道新聞)
 それとですね、ステージ3への引き上げのタイミング、今日なのですけれども、この指標について、とりわけ入院患者の数もこれまで重視してきて、(11月)5日の時点でもうすでに指標である数値は入院患者(の項目)は超えておりました。1日、2日の違いではないかというふうに思われるかもしれませんが、いわゆる知事の第1波、第2波における対応とかを私、振り返りますと、早く、そして広く考える、大きく考えてという部分が、全国的にも、そして国際的にも評価された側面があったのかなと受け止めていたのですけれども、今回出すタイミングがちょっと遅いのではないかな、後手後手ではないかという批判も、厳しい意見かもしれないのですけれどもあるのですけれども、その辺はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

(知事)
 さまざまなご意見は真摯(しんし)にまず受け止めなければならないと思っています。第1波における緊急事態宣言、これは今得られているような知見もなかなか得られていなかった背景があると思いますし、また監視体制や医療提供体制の状況も、2月の時点と現在の11月の時点で状況が異なっているところがあると思います。多くの情報がない中で、やはり私は2月当時、広く構えて、そういった最悪の事態を想定した中で、独自の緊急事態宣言を出させていただきました。今の状況は、いろいろこれまでの戦いの中で得られてきた知見やそういった感染リスクが高くなる場面、また今回ススキノ地区における営業時間の短縮などの評価、分析、これは(新型コロナウイルス感染症対策)分科会でありますけれども、そういったさまざまな新たな知見が得られる中で、どういった対策を講じるべきなのかということについて、やはりこれは専門家のご意見もいただきながら、これは極めて強い措置だと思っていますし、経済的な影響が感染拡大の防止との両立の中でやはりあるわけですから、慎重に検討して、ステージの移行とともに対策を打ち出していくということから、このタイミングで正式に決定したということです。

(北海道新聞)
 最後になります。これは市長にも、併せてお二人にお聞きしたいのですけれども、この間、道と札幌市、連携しながら協議しながら進めてきて、この施策、手を打ったという、そういう状況かと思うのですけれども、この間の協議の中で、対象エリアの選定の仕方ですとか、業種の絞り方、それと支援金の額ですとか、その辺の具体的な中身を協議するに当たってどのようなやりとりをされてきて、その中では当然見解が食い違ったりする部分もあったのかとは思うのですけれども、それらをどのように乗り越えてきたのか、この間の協議について教えていただければと思います。

(知事)
 今回の対策のみならず、札幌市での感染がかなり多い状況の中で、人の派遣をはじめ、また市内における感染状況が極めて全道の対策においても重要ですから、それは秋元市長とも常に携帯電話で、いろんな形で連絡を取り合っています。そういった前提がありますし、また事務レベルでも(道からも)人が入って、そもそも一緒になって対策をやっていますから、そこら辺はさまざまな情報を共有して今対策を進めているということについて、まず理解していただきたいと思っています。
 今回の対策についてですけれども、札幌市内の状況についてある意味では対策を講じる上でいろんな分析をされているわけです。その中で出たススキノ地区における傾向ですとか、また各地域における対策の状況などを総合的に考えた中でご提案がございました。さまざまな意見交換をさせていただく中で、今回このような措置として対策を実施していこうということになりましたので、当然さまざまな意見がないほうがおかしいと思うのですね。いろんな対策をより有効にするためにどういった形があるのだろうということについて、意見交換は常にやっていますから。そういう状況の中で今回のこういう形として皆さんにお願いすることになったということですから、そんなに何か大きく方向性が違うとか、意見がすれ違っているとか、そういったことはないということは申し上げたいと思います。

(札幌市長)
 今は感染拡大の防止、そして、社会経済活動の両立をしていく状況かと思いますので、そういう意味では、経済的影響をできるだけ小さくする、そして、感染拡大の防止に効果がある、そこの折り合いをどこまで付けるかということを考えていかなければならない時期だと思っています。
 具体的には、先ほど来、お話ししましたように、今回、ススキノ地区での、深夜にわたってお店が開かれているところで、若い人たちを中心に感染が拡大をしてきているというような疫学調査に基づいて、そこから感染が広がっていくという状況が実態としてございましたので、11月4日、知事に、ススキノ対策を含めて踏み込んだ対策ということを協議させてほしいというお願いをして、その後、事務的に詰めているということです。ですから、大きな方向性として何かずれていたということはございません。例えば、時間短縮を要請する対象施設をどうするかですとか、酒類の提供にとどめるのかとか、対象施設をどこまで線引きするのかということなど、具体的なことについていくつか議論はありましたけれども、そこに大きな食い違いがあったということではなくて、制度を詰めていく中でいろいろな議論をしてきたということだと思います。

(HTB)
 主に鈴木知事にお聞きしたいのですけれども、今回ススキノが主な集中対策のエリアになっているわけですが、少なからずススキノほどの規模ではないのですけれども、札幌市あるいは札幌市以外にもこういった飲食店街、繁華街はあるわけですが、そういったところに逆に人が流れていってしまう、そこで同様の感染が広がってしまうような、そういった心配というか、そういったことに対する対策とか案はございますか。

(知事)
 全道にさまざまな状態で経営しているお店が当然あるわけですから、そういった現下の感染状況を踏まえて、札幌市以外の地域についても「新北海道スタイル」、この徹底ということで事業者の方にあらためてお願い申し上げるとともに、道民の皆さまについては、これは札幌市だけの話ではないわけでありまして、ご利用に当たっては「新北海道スタイル」の徹底をしている所を選んでいただくことによって、そういった対策を皆さんにも取っていただきたいと思っています。
 今回は全道における新規感染者の7割、また集団感染の7割弱が札幌市内で占められているということや、先ほどのススキノ地区における接待を伴う飲食店等でそういった分析がある中で対策を講じているということがございますので、全体の対策と、エリアや業態を絞った対策ということも含めて、道民の皆さまにはご理解いただいて、お一人おひとりが行動変容にご協力いただきたいと思います。

(HTB)
 道外の方にも、今同様にススキノの利用を主に協力要請をしていらっしゃると思うのですが、道外の方に対して今の状況を周知していくような方策とか、お考えをお聞かせください。
 
(知事)
 これは今までもやってきましたけれども、道外の皆さまがお越しになるに当たっては、空港ですとか、駅ですとか、お越しになるに当たって入り口となるような所や、また今さまざまな啓発活動を札幌市と連携して取り組んでいますので、そういった今までの各啓発活動の媒体や場所などを最大限活用して、道外からお越しになられた方も、道民の皆さまと同様に注意していただくように、これはしっかりとやっていかなければいけないと思います。

(HTB)
 秋元市長に質問なのですけれども、今日支援金の負担について正式に文書を提出されたということなのですが、お考えというか希望として、どのくらいの市と道との負担割合を希望されているか、お考えをお聞かせください。

(札幌市長)
 基本的にお願いをしたのは、事業者に対して20万円をお支払いするという予定で、市のほうで専決という形で予算を組ませていただきましたので、その2分の1を北海道にご負担をいただきたいということで要請をさせていただきました。

(読売新聞)
 鈴木知事に伺いたいのですが、先ほど往来の自粛は今のところ行わないというお話があったと思うのですけれども、この感染拡大が続いた場合は、往来の自粛をお願いする可能性があるのかどうかということとですね、ここ数カ月の北海道内の感染状況を見ると、多分札幌市で増えた後、道内全体で増えていくという傾向があると思うのですね。そうすると、自粛をする場合、札幌市と道内の他の地域との(往来)自粛という形になるのかと思うのですけれども、そこら辺そういった場合はどう対応していくのかというのはありますでしょうか。

(知事)
 基本的には、一律往来を自粛するという段階ではないということは、先ほど申し上げましたけれども、今感染拡大防止と経済活動が両立するということをわが国として進めている状況の中において、今さまざまな場面で、移動そのものが感染リスクの主たる要因であるというよりは、移動した先での行動やその場面で感染リスクを上げることになる、そういった行動や場面が確認されていますから、基本的にはまずは感染リスクを下げるように、環境面だったり行動面というのも徹底的に対策を講じていくということが基本であるだろうと思いますので、これは日本国内の移動だけではなくて、札幌市と他の地域においても、基本的にはそういった考え方の中で対策を強化していくということになります。

(読売新聞)
 秋元市長に伺いたいのですが、かなり細かい点になってしまうのですが、今回ススキノの時短の範囲について南3条で区切ると、飲食店がある狸小路のような商店街では、南3条側と南2条側に店があり、同じ商店街でやっているお店で、お金がもらえる、もらえないとか対象が違うとなると、住民はかなり神経質になっている中で、結構、住民同士で行政の対応に不信感が生まれたりする可能性があるのではないかと思いますが、厳密に住所で区切るというのは、どういった狙いからでしょうか。

(札幌市長)
 一定程度、範囲を確定しなければならないということがあります。狸小路商店街は南3条と南2条に分かれていますけれども、この春先の感染拡大防止対策では、ススキノ観光協会と札幌市で連携し、ススキノ観光協会が中心となって感染対策をしっかりやろうという取り組みをしました。ガイドブック(新型コロナウイルス感染防止対策マニュアル)を作って、それに基づいてしっかり対策を取られているところについてはステッカーの掲示をするというような対策を取って、その事業について、札幌市では1店舗25万円という補助金を出しました。
 その時に確定をしたエリアが、今回対象としたエリアであります。ですから、これまで単に飲食店というよりは、先ほど言いましたように今回の一つの深夜の営業の自粛に対するという取り組みでありますから、飲食店全てというよりは、深夜営業をしているところに自粛をお願いしたいという形で対象としています。
 そこで、先ほど申しましたように、これまで感染防止対策についてご協力をいただいてきたエリアということを対象とさせていただいたということです。それはですから、前回の時も同じように、北側と南側で対応が違っていました。

(朝日新聞)
 ススキノ地区について市長にお伺いしたいのですけれども、スライド2(札幌市資料「すすきの地区の感染傾向」)のところで、集団感染事例となった店舗の多くが朝まで営業している形態というお話でした。この14(店舗)のうちの多くというのは、具体的にはどれくらいの割合か教えていただけますでしょうか。

(札幌市長)
 細かい数値を持っていませんが、7割、8割方という状況です。

(朝日新聞)
 今回の対策全般を見ながら市長にお伺いしたいのですが、例えば、スライド3(札幌市資料「感染拡大につながる可能性」)を見ますと、接待を伴う飲食店等から他の飲食店とか家庭とかへの広がりは分かるのですが、全道における地域の広がりとしては、ススキノがある種の震源地のようになって全道に拡散する、そういう事例というのは疫学調査で把握されているのでしょうか。

(札幌市長)
 大体の利用者の方が複数店舗を利用する、それから従業員の方が他のお店を利用されてそこで感染している事例が多いです。そして、その職場なり家族なりへ広がるという状況ですので、私どもの疫学調査で出るのは、大体市内で感染した方の連鎖を拾っていくという状況ですので、道内・道外のお客さまについては、そう多くの数を札幌市の保健所としては拾えない状況にあります。

(朝日新聞)
 そうしますと、確認までなのですが、札幌のススキノで感染された方が起点となって、例えば釧路であるとか、クラスターの発生した千歳であるとか、もしくは道外であるとか、そういった広がりについては確認ができていないということでしょうか。

(札幌市長)
 それは逆に、例えば釧路で陽性の方が札幌のお店を使っていたということがあれば、
これは出てきますけれども、特段そういう形で連絡をもらったという状況の数はそうない状況です。

(朝日新聞)
 そうすると、知事にお伺いしたいのですが、ススキノを今回重点的に抑えるということで、全道における他の繁華街にクラスターが起きているわけですが、全道におけるその効果はあるとお考えでしょうか。

(知事)
 あると考えているので、この対策を実施させていただこうと思っています。札幌市を中心に感染者が非常に確認されている、そういった数字の伸びと、全道における感染確認の伸びですけれども、同じような形で推移していますけれども、当然感染確認、陽性者として確認ができている方が多くなってきていますが、PCR検査などで確認ができているという方でありますから、そういった意味では当然全ての方を同時に検査しているわけではありませんから、札幌市内においてある程度の見えない感染の連鎖が広がっているだろうということを考えなければいけないと思いますし、どうしても都市構造上、札幌市との往来というのが北海道は多いところがありますので。ただそういった意味では、感染確認の多い地域で、またその分析結果に基づいて対策を講じることによって全道の感染を抑制していくという対策が必要であると思っています。一律で北海道全体で強力な措置をするということではなくて、そういった分析の下で対策を実施することが結果として効果を生む、生まなくてはいけないですね。実効性を上げて。

(朝日新聞)
 今度は市長にお伺いしたいのですけれども、スライド7(札幌市資料「すすきの地区の感染拡大防止対策」)を見ますと、「重点的・積極的なすすきの地区でのPCR検査の実施」と書かれています。従業員等への(PCR検査の受検勧奨)という書き方をしていますが、問題は利用者のほうだと思うのですけれども、店名公表をしない理由として、利用者を把握できているからということをよく聞くのですが、実際、利用者のほうの受検率というのはどの程度あって、利用者側についてはどの程度の把握ができている状況であるとお考えでしょうか。

(札幌市長)
 受検率といいますか、例えば発症者が出たときに、その前何日間ということで、ある程度期間を限って濃厚接触の方がいらっしゃるかどうかを調査します。
 ですから、その中では把握できているという状況でありますけれども、必ずしも、利用された方がここを利用しましたと言っていただいて、検査を受けているという状況ではありません。というのは、その期間以外に、濃厚接触者という形ではなく、何か症状があって検査を受けている方もいらっしゃるかもしれない。そういう意味では、最近特にありますが、どういうお店を利用したとか、行動歴をお話しいただけない方が多くなってきておりますので、その辺は大きな課題だと思います。

(朝日新聞)
 多くの方が、利用者について把握はしているけれども、利用者が実際に、PCRなりなんなりの検査を受けたか、どの程度受けたかというのは分からない、そういう理解でよろしいでしょうか。

(札幌市長)
 そうです、把握しきれないということです。

(朝日新聞)
 お二人にお伺いしたいのですが、今回のススキノでの22時以降朝の5時までの酒類制限もしくは営業の自粛ということによって、3週間後にですね、どの程度のどういった具体的な効果を想定しての今回の施策であるということなのでしょうか。

(知事)
 やはり今、急激に新規感染者数が増加しています。そういった意味では連日100人を超えるような状況になっていますから、この増加トレンドをしっかり減少の兆しが見られる状況にもっていかなければならないと思っています。減少というのは、できるだけ減少の幅が大きければ大きいほど、それは良いわけですけれども、やはりそういった状況にもっていくということを考えていかなければならない。そう考えると、やはり3週間という期間でしっかり実効性を上げるためにこの対策にご協力をいただくこと、そしてわれわれとしてできることを期間中にしっかりとやっていくという中で成果を上げていきたいと思います。

(札幌市長)
 この繁華街でのクラスター対策ということでは、政府の専門家会議の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、このことが議論されています。主に、7月から9月上旬にかけて、本州でも感染が拡大していた状況の中で、例えば大阪や名古屋で、10日から2週間ほどの(営業)時間短縮をしたことが、その後、9月からの全体の感染者数の減少につながったというデータから、こういった取り組みに一定程度の効果があるという報告が出されております。
 ですから、具体的に何パーセント減るのかというのは、まさにこれから皆さんの行動変容または事業者の皆さんのご協力によって、全体の数字をどこまで抑えられるのかということになってくると思いますけれども、他都市のデータなどからして、減少に転じる、そういうきっかけになり得ると判断をして、事業者の皆さんにとっては、非常に厳しい状況だと思いますが、そういう(他都市の)データに基づいて、思い切った対策を取らせていただきたいというのが、今回の要請であります。

(朝日新聞)
 知事に短く1点確認なのですが、つまり今の山、山か何か分かりませんが、それを今回の措置で3週間かけていわゆる下る傾向に、山の頂点から降りる傾向にもっていきたい、そういう理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 はい、そうしたいです。今、もうピークが見えないですね。連日最多の感染を確認している状況ですから。基本的には対策を講じなければ、どんどん増加していくということになるわけですから、そういった傾向になるようにみんなで力を合わせてしっかりと対策を講じていこうと思っています。

(朝日新聞)
 今日、大量に(感染者が)出たことによって、次のステージ4というものの指標を超えてくる部分が多くなってくるのではないかと想像しますが、次ステージ4に上げるということを想定、すでにされ始めているのか、その辺りのお考えをお聞かせください。

(知事)
 まずは今、対策を対策本部の中で決定させていただきました。そして3週間でかなり強い措置として、札幌市のススキノ地区をはじめ道民の皆さんにご協力をお願いしますから、この期間、毎日これからもモニタリングをしていきます。こういう中で必要な対策を打って、先ほど言ったような成果を得る。このことにまずは全力を尽くしたいと思います。

(共同通信)
 お二人にお伺いします。今のこのコロナの感染拡大の現状をどのように受け止めて、感染拡大を食い止めるためにどのような段階かと思われるかということを、もう一度お二人とも教えてください。

(知事)
 冒頭説明させていただいたのですけれども、極めて危機感を持って、感染拡大防止と社会経済活動を両立する上で重要なステージになっているわけですので、これだけの強い対策を講じる状況について、皆さんにもご理解、ご協力いただいて、何とか増加傾向というものを抑え込んでいきたい。特にこの11月中にそれを実現していきたいという認識です。

(札幌市長)
 大変厳しい状況にあるということを、先ほど申し上げたとおりであります。今日は札幌も、初めて100人を超えるという状況にありまして、非常に感染が拡大している。なかなかリンクを追えない方の数も増えているという意味では、市中にかなり(感染が)広がっている状況を危惧しなければいけない。知事からもお話がありましたように、そのために感染拡大の防止と社会経済活動の両方が回っていくようにするとなると、一部厳しい対応を取らせていただかざるを得ない状況になっています。
 何とかここで感染の拡大を防止していく、そういう時期に来ていると思っております。

(共同通信)
  お二人にお伺いします。感染者が増えているというこの状況が、北海道がだんだん寒さが増してきているということが原因に挙げられると考えるかということと、もし考えられるのであれば、その中で注意点として考えられているものがあったら教えてください。

(知事)
 これは私も北海道東北地方知事会や全国知事会でもお話をさせていただいておりますけれども、例えば気温が下がってくると、換気を適切に行う難しさが寒冷地では出てくる。多くの業種別ガイドラインにおいては、換気などはあるわけですね。ある意味では冬期間のガイドラインの見直しですとか、例えば政府の専門的な研究調査の中で作り上げていくべきなのではないかと思っています。また寒くなってきて、空気が乾燥して季節の変わり目で体調を崩されるような方も増えていますので、そういった状況の中で新型コロナウイルスの活動しやすさというのが要因の一つであるのではないかと思います。この点については明確なエビデンスというものはないわけなのですが、ただやはり例えば、西村(経済再生担当)大臣もお話ししていましたけれども、スーパーコンピューターで、飛沫分析ということで湿度が下がればより遠くまで飛沫が飛散するのですね。いわゆる気温低下による環境変化の中で対処すべき対策というのは、北海道だけではないのではないかなというのが私の認識でして、世界での知見だとかを分析して、国としても早急にそういう分析をするべきではないかというのは(西村経済再生担当)大臣にも話しましたし、分科会の尾身会長も重要な要素ではないかとおっしゃっていました。われわれとしては感染が拡大している状況、さまざまな要因があると思いますが、分析をした中で得られた状況に対してしっかり対応していくということで取り組んでいきたいと思っています。

(札幌市長)
 感染が拡大していく要素というのは、複数あると思いますが、専門家の皆さんもおっしゃっているのは、インフルエンザなども含めて、呼吸器系の病気、ウイルスというのはやはり冬に生き残りやすいですとか、湿度が下がることで、飛沫が浮遊している時間が長いと言われています。
 ですから、気温・湿度の低下によって、やはり換気がしづらいとか、どうしても気温が低くなるといろいろな疾患が出るなど、そういうものはやはり複合的に影響はしていると思います。
 ですから、北海道だけではなく気温が下がっていくという状況の中で、新型コロナウイルスの感染が拡大していく恐れ、懸念というのはあるのではないかと思います。

(北海道新聞)
 市長と知事にそれぞれお伺いしたいのですけれども、22時以降バーやナイトクラブは営業時間を短縮、居酒屋やラーメン店などでは酒類提供時間を短縮とありますが、こちらどのように実践したのか、どうやって確認できるとお思いですか。

(札幌市長)
 一つは、ご協力いただいているところに支援金を支払う段階で、例えば、店舗内に午後10時までの営業とさせていただきますというような、取り組んでいただくことの写真などを付けていただいて申請する。いずれにしても、期間中全てということですので、職員が回って確認をするというような実態を把握する仕組みを作らなくてはいけないと思います。全ての店舗といいますか、今後定期的に確認をする必要がある、協力要請をしていく必要があるのかなと思っています。

(知事)
 今市長からもお話があった点について、先ほどもそうなのですけれども、市長ともいろいろ実効性を上げるためにどういった形が良いのかというお話はしていますので、道の職員も一緒になって回るとか、そういったこともやって実効性を上げていきたいと思います。

(北海道新聞)
 対策をしていない場合、例えば22時以降でお酒を出していて、申請を考えている場合のお店に関しては、市職員、道職員の方が何か啓発的なものをその場で言うとかということになるのでしょうか。

(札幌市長)
 具体的な中身に関して、どういう形でするかというのを早急に詰めているところでありますけれども、先ほど申しましたように、3週間で感染拡大防止の徹底をしていくということで、事業者の皆さまにお願いをするわけです。ですから、実効性を担保していくために、数多くのお店にご協力いただかなければいけない状況です。深夜営業ということになると、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の問題などがありますので、北海道警察のご協力などをいただきながらということも出てくると思います。
 今日からの協力要請ということですが、実際には、(11月)11日以降の営業についての支援金の手続きということでお知らせをしますので、まず、その周知をするということで、来週、対象エリアの全店舗にポスティングを行う予定です。
 そういった中で、定期的な巡回、あるいは、ご協力いただいていない店があれば協力の要請をするといったことも含めて対応を取っていきたいと思います。
 この3週間、何とか皆さんに協力いただいて、(感染拡大を)抑えていく。そこの共通認識といいますか、やはり、ススキノ地区が悪いということではなくて、先ほどからお話がありますように、ススキノが感染拡大の要因の一つではありますけれども、ここだけ守れば完全に(感染拡大を抑えられる)という状況ではなくて、他にも、いろいろなリスクの高い場面は存在します。これは、ススキノ以外の市内の場所でもそうですし、道内・道外のいろいろなところでも言えることです。
 まずは、長時間にわたり、深夜にお酒を飲みながら大騒ぎするというようなことなどをやめていただくというような、行動変容が重要かと思います。

(北海道新聞)
 20万円という金額をどう見るかにもよるかと思うのですけれども、それに従わず営業を続ける、もしくは酒類の提供を続けたほうがもうけが大きいということで従わないお店も中にはあるかと思うのですけれども、真面目にやったお店が損をする可能性を指摘する声もあります。そういった従わなかったお店に対して、あくまでも要請、イコールほぼお願いだと思うので、そこに対しての何らかの処分というか、公表というようなことは市長、知事ともお考えはあるのかお聞かせください。

(札幌市長)
 そういうご意見はよくあります。今回の措置は特措法に基づく緊急事態宣言下での要請ではありませんので、あくまでも法律上、協力ということです。知事の権限になりますけれど、それに従わない場合に、何らかの措置ができるというのは、法律の立て付けになっています。感染者が多く出ているので、懲罰的に営業をやめてくださいという趣旨のものでは全くありません。
 ここはぜひ、ご理解をいただきたいのですが、感染拡大を防ぐために、皆さんに今行動を取っていただきたいということ。北海道の警戒ステージが上がり、今は、不要不急の外出自粛要請というようなところまでは至っていませんけれども、大変厳しい状況に来ているので、いま一度、感染対策を徹底していただきたい。ただ、どうしても、お店が開いていれば、行かれる方もいらっしゃいますし、特に若い人たちは深夜帯に営業している店に行くので、取り組みの一つとして、深夜営業の店は営業を自粛していただく。お酒だけではなく料理を出されているところであれば、営業はしていただいても、お酒は出さない、こういうお願いです。
 ですから、感染対策に対する共通認識、それは早く(新型コロナウイルス感染症を)終息させて、ススキノという名前を守っていく取り組みなのだということを、私からもぜひ事業者の皆さんにお話をさせていただいて、ご理解いただきたいと思っています。

(知事)
 この対策はススキノを守る対策でもあるわけです。感染がどんどん拡大していって、その感染者数の多くが札幌市だとか、またススキノ地区においてどんどんクラスターが発生する、そういう状況であれば当然経済との両立の中で、そこにお越しになるお客さまの不安が高くなって、結果としてお店の利用が少なくなってしまうということになりますので、この3週間でみんなで協力して感染を減少傾向に転じさせて、そしてしっかり感染対策を講じた上で、多くの方にお越しいただけるような状況にしていくためには、これは今非常に難しい判断ではありますけれども、皆さんに協力いただいて、そういった対策を講じると。そしてススキノだけではなくて札幌市、そして北海道全体でみんなが協力しなかったらその成果も上がりませんから、結局感染が拡大していくと経済との両立が難しくなる、これはみんな分かっていると思いますので、こういった対策についてさまざまなご意見があると思いますが、われわれとしてはそういった思いで判断させていただいているので、皆さんに心からお願いして、ご協力をいただきたいと訴えるしかないかなと思います。

(北海道新聞)
 最後に知事にあらためて確認です。特措法上の権限をお持ちの知事の言葉として、何らかの公表などを想定した強い措置を取る考えは今のところはないということでよろしいでしょうか。

(知事)
 特措法上に基づいた強い措置は、今の状況下ではできないです。

(HBC)
 秋元市長にお伺いします。先ほどクラスターが出たお店の利用者、PCR検査をやっているかやっていないかというところで、把握しきれていない状況とおっしゃっていたかと思うのですが、それについて何か課題や対策はあるでしょうか。

(札幌市長)
 陽性が確認された方については、行動歴などをお聞きします。これは電話などで、1人当たり1時間程度をかけて、担当の職員がお聞きしています。そういった中で、どういうお店を使ったか言いたくないですとか、何らかの(感染)リスクの高い行動を取ったというようなことについて、お話をしていただけない方も少なからずいらっしゃいます。
 ですから、従業員の方は、お店のほうから検査を受けさせてくださいというお願いをして、十分把握できておりますが、(利用者については)お店の利用者の方に感染者が出たので検査を受けてくださいということをお話しして、(お店から利用者に)連絡をしていただくというスタイルが多いです。保健所から直接お話をする前に、お店からお客さまに連絡をして、そのお客さまがこういう店を利用したと言っていただければリンクしますけれども、そうではない方も少なからずいらっしゃるという状況であり、全ての把握はできない難しさがございます。あくまでも、陽性になった方、あるいは症状のある方にご連絡をいただいて聞き取っている状況ですので、全ての方に、お店と同じように、感染拡大防止に向けて協力するという意思を持っていただくことがかなり重要であると思います。

(HBC)
 続いては知事にお伺いしたいのですけれども、先ほどステージ4についての想定は特段していなくて、毎日モニタリングするなど対策をしっかりやっていきたいということでしたけれども、仮にステージ4になった場合、外出自粛、往来自粛、イベントの自粛も、ステージ4になったとしたら想定しているという理解なのかお聞きしたかったです。

(知事)
 移行を想定していないとかそういうことではなくて、結局それぞれのステージについては指標をお示しして、毎日モニタリングしています。その中で有効な対策について専門家にも聞いていますので、これは今までと同じです。ただ今3週間、このステージ3に移行する中で私どもも対策を講じていきます。

(時事通信)
 知事に伺います。特措法の関係なのですけれども、店名を公表できるのは45条、緊急事態宣言下の知事の権限だと思います。もう一方が24条の休業要請だと思うのですけれども、緊急事態宣言を出さないと店名公表措置ができない、この法体系上の今の形というのは、何か問題意識というのは持たれたりしているのでしょうか。どう思われているのでしょうか。

(知事)
 問題認識はあります。これは全国知事会でも議論になっていますし、特措法における各対策の実効性を上げるために法改正などが必要ではないか。例えば先ほど言った疫学調査、このことに協力いただけないという形になりますと、なかなか感染拡大防止の取り組みの中で進んでいかない状況もありますし、休業要請など緊急事態宣言下になりましたけれども、その実効性を上げるためには課題があるということについては、散々知事会でも議論をし、また政府に対してもその実効性を上げるための法改正など必要な措置をしてくださいということを言ってきました。ただわが国は法治国家でありまして、現下の法律に基づいて、またあらゆる私権の制限ですとか、多くの方々に強力な措置をするというときには、特に慎重であって然るべきだ。これは、われわれしっかり受け止めなければいけませんから、その中で対策をしっかり講じていくというのは基本的にわれわれが今やらなければいけないことだと思っています。

(時事通信)
 それと関連で、もしかしたらこれまでの答えとお答えがかぶる可能性があるかもしれませんが、あえて聞きたいと思っています。24条に基づく要請という、これは強制力で言えば罰則等も設けられていないわけで、そういう中にあって、今回同時流行、季節性のインフルエンザとの同時流行というのがもう目前に迫っているという危機的な状況下にもこれから入っていこうとする。そういう中にあってのこの要請の重みということについて、ぜひ言及いただけたらと思っています。

(知事)
 もともとインフルエンザとの同時流行に備えて、発熱された方の対応をはじめ、さまざまな準備を今も進めているところです。そういった状況の中で、感染が急激に増加しているということについては、しっかり重く受け止めなければならない。だからこそ、より強力な措置を検討していこうということで、今回対策を打っています。この感染拡大ですね、11月でしっかりと減少傾向にしていかなければ、この先、感染拡大のリスクとして考えられる、さらなる気温の低下ですとか、またそういった換気がしにくい環境がより進んでいくだとか、またそういった同時流行や、さまざまな懸念があるわけですから、そういった中でのこの対策を、しっかり皆さんと力を合わせて講じていかないと、これはさらに厳しい状況になっていくと思っていますから、だからこそ皆さんに何とかご協力いただいて、この厳しい現在の状況を少しでも早く改善していきたいと思いますので、ぜひ皆さんにはご理解、ご協力いただきたいと思っています。

(HTB)
 知事にお尋ねしますが、先月の28日にステージ2への引き上げを判断されて、集中対策期間の2週間の終了を待たずに今回ステージ3への引き上げになったわけですけれども、振り返って、ステージ2への引き上げというのが適切だったのか。時期もあって、対策の中身もそうなのですけれども、考えをお聞かせください。

(知事)
 そこはしっかり、引き続き有識者の方々にもこういった対策が適正であったかどうかというのは、さまざまご指摘をいただく必要があると思っています。今回の対策などについても、ステージ2への移行やステージ3への移行についても、専門家、また有識者の方々、市町村、多くの方からさまざまなご意見をいただいた中で対策を講じていますけれども、それはもちろんのこととして、後々検証される中で、これが正しかったのかどうかというのはもちろん結果が出てくると思います。ただ、日々感染状況も動いていますし、一つの基準、そのステージ移行の判断基準の指標などに基づいて、われわれは毎日モニタリングしていますから、その中でどういった対策ができるのかというのを、その中のベストな判断に行き着くように、判断を繰り返していくということに尽きるかなと思っていますので、それは当然これからもさまざまな検証をする中で、どうだったかという意見も出てくるかと思いますけれども、それもしっかり受け止める必要があると思います。

(HTB)
 ステージ2に引き上げた後のこの上昇トレンドというのが止まらないというか、むしろ加速した結果になっているのですけれども、今この段階で、ステージの指標の見直しであったりとか、想定される対策をもっと厳しくするような、もうちょっと予防的な変則的な立場に立って見直すようなお考えがありますでしょうか。

(知事)
 今、ステージを5段階で設定させていただいていまして、国のほうは4段階で設定しています。その中で早め早めの対策が必要だということで、国のステージIIに相当するものを分割して対策を講じていますので、基本的にはこの中で今ステージ3に移行させていただいているということをまず皆さまに一定のご理解をいただきたいと思っています。
 その中でより何か対策を講じることが効果的だということが、われわれの中で判断できた場合については、それはしっかり対策を講じていきたいと思いますし、今まずステージ3に移行して、3週間の対策を示しましたので、これをしっかり実効性を上げながら、全力で取り組んでいく、これをまずやらせていただきたいと思います。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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