知事定例記者会見(平成29年2月17日)

知事定例記者会見

・日時/平成29年2月17日(金) 14:00~14:57
・場所/記者会見室
・記者数/36名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 「2017冬季アジア札幌大会」について
2 平成29年度当初予算等について

記者からの質問

1 平成29年度当初予算等(財政状況)について
2 平成29年度当初予算等(重点政策)について
3 平成29年度当初予算等(ロシアとの交流)について
4 平成29年度当初予算等(少子化対策)について(1)
5 東京オリンピック・パラリンピックに係る施設整備について
6 札幌市との連携について
7 平成29年度当初予算等(観光関連予算)について
8 平成29年度当初予算等(一次産業関連予算)について
9 平成29年度当初予算等(災害関連予算)について10 平成29年度当初予算等(少子化対策)について(2)

知事からの話題

 

「2017冬季アジア札幌大会」について

  今日は予算を含めて2点、私からご報告をいたします。
  一つ目は、「2017冬季アジア札幌大会」についてであります。ご承知のとおり、2月19日から26日まで、札幌市と帯広市において「2017冬季アジア札幌大会」が開催されることとなっております。
  本大会は、アジア地域の冬季スポーツの振興・発展及び競技力の向上を目的に創設されまして、今回で8回目の開催であります。また、1986年に第1回目が札幌市で開催されて以降、これまで国内では3回開催されておりまして、今回で4回目であります。
  今回のこの大会には、32の国と地域から約2千人の選手、役員の方々が参加される予定となっているところであり、スピードスケートは帯広市で、それ以外の競技は札幌市の各会場において、5競技11種別でそれぞれの代表選手による熱戦が繰り広げられることとなっております。なお、オーストラリアとニュージーランドはゲスト参加という形だとお伺いをしております。
  また、天皇陛下の御名代として、皇太子殿下に御臨場いただくこととなっているところでございます。
  2018年平昌オリンピック・パラリンピックを来年に控え、ウインタースポーツへの注目がますます高まる中、素晴らしい記録や感動的なドラマが生まれることを楽しみにするとともに、アジア各国からお集まりいただいている皆さま方の交流が深まることを期待いたしております。
  これが一つ目であります。

平成29年度当初予算等について

〔配付資料:平成29年第1回北海道議会定例会提案補正予算(平成28年度補正)について(PDF)
〔配付資料:平成29年度予算の概要(第一回定例会)〕 ※総務部財政局財政課のページへリンク
〔配付資料:平成29年第1回北海道議会定例会に提案する条例案(38件)(PDF)
  二つ目は、予算についてであります。
  お手元に予算の概要という資料があるかと思いますので、それに沿うような形でご説明を申し上げたいと思います。
  計数的な部分に関しては、昨日(2月16日)、総務部長からご説明申し上げたと思いますので、私からは今回の予算のポイントについてご説明いたします。
  予算の概要の3ページ目、まずはマクロの部分でありますけれども、平成29年度当初予算の規模は2兆7,534億円であります。
  4ページに、歳入歳出の内訳という一覧表がございます。今年もなんとかやりくりをいたしまして、当初予算におけるいわゆる赤字予算というものは回避をいたしました。そのために、財政調整基金の取り崩し等いろいろと知恵を出したということであります。そして歳出のほうにつきましては、例えば、投資的経費については、いろいろなプラスマイナスの要素があり、前年度と比較して微増ということになっております。また、保健福祉部関係の義務的経費も増ということになっているところでございます。
  それでは、18ページからの政策の中身につきまして、ご説明を申し上げたいと思います。
  平成29年度の重点政策の全体的な考え方は18ページにあるとおりでございまして、人口減少対策を道政の最重要課題に掲げて、4期目の1年目、2年目と取り組んできたところであります。少しずつ歩みを進めているところでございますが、新年度におきましては、これまで築いてきた基盤を活かしながら、地域創生をさらに高いステージに押し上げ、進化させていく年という意味を込めて「地域創生進化予算」とネーミングをさせていただいたところであります。
  「新・グローバル戦略の展開」、「地域経済のグレードアップ」、「未来志向の人財育成」、「次代へつなぐ地域づくり」という四つの視点で全体をカバーするような形で構成されているというところでございます。四つの視点の下にあるそれぞれの小見出しに対応する予算の説明が、19ページ以降に整理されているとご理解をいただければと思います。
  まず、19ページの上段「世界の潮流を捉えたグローバル展開」であります。思い起こせば2008年の北海道洞爺湖サミットの誘致のあたりが一つの転換点になったかなと思うわけでありますが、今、北海道ブランドは大変世界の注目を集めているというふうに理解をいたしております。そういった中で、特に近隣のアジア地域の海外市場を着実に取り込むために昨年開設いたしましたシンガポールにございますASEAN事務所などの海外拠点を効果的に活用しながら、さまざまな需要の拡大が期待される地域への戦略的な取り組みや働き掛けを行っていきたいと思っておりまして、ベトナムへの働き掛けというようなこと、私もできれば新年度に訪問したいと思っておりますが、こういったことを展開してまいります。
  また加えて、ハワイ州との提携ということをこの5月に行う予定としているところでございます。ハワイはご承知のとおり、歴史ある世界のリゾートアイランドであります。これに対して、北海道は今売り出し中のリゾートアイランドであり、私どもとハワイが連携や友好提携をすることによって、北海道のリゾートアイランドとしてのステータスをもっともっと上げていきたいというふうに考えているところであります。「アロハ」と「イランカラプテ」、このそれぞれの地域のおもてなしの言葉、このコラボレーションもしっかりとやっていきたいと、こんなふうに考えております。
  それから、もう一つはロシアであります。昨年12月の日ロ首脳会談を踏まえまして、私ども北海道民、そして日本全体の悲願でございます北方領土返還につながる重要な一歩となる可能性のある共同経済活動の推進に向け、私ども道としてもさまざまな活動を行っていかなければならないと思いますし、加えて、これまでの極東との交流に加えまして、いわゆるヨーロッパ・ロシア、広いロシアの西のほうの地域との交流もスタートをさせていきたいと、こんなふうに考えております。
  その具体的な一歩として、経済産業省などと連携をさせていただきながら、この7月にエカテリンブルク市で開催されますロシア最大規模の総合産業博覧会へ参加などもしたいと思っておりますし、道内での商談会にロシア側のミッションの受け入れなども積極的に展開をしていきたいと考えております。
  19ページ中段であります。「インバウンドの加速化による「稼ぐ観光」の確立」であります。アイヌ文化の民族共生象徴空間、先日(2月13日)私も白老町に行ってまいりましたが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催にあわせてこの象徴空間が公開されるというタイミングを捉えまして、アイヌ文化の国内外への発信に努めていきたいと思っているところでございます。また、スポーツツーリズムなどについても磨き上げていくなど、歴史、文化などといったものを活かしてインバウンド需要をさらに喚起していきたいというふうに考えております。
  また、最近特に西日本のほうで活発になっておりますクルーズ客船の道内寄港の拡大に向けても、昨年(10月20日)も私は港のある市町の首長の方々とともに東京のクルーズ関係の企業への働き掛けなども行ったところでありますが、国内外の会社へのプロモーションを強化したいと思っておりますし、また加えて、道内にある13空港において、国際定期航空路線の新規就航促進のための支援もしていきたいと考えております。
  さらには、開業からまもなく1年を迎える北海道新幹線の開業効果を一層高めていく努力もしっかりと進めていきたいと考えております。また、観光産業を地域のリーディング産業へと成長させていくため、稼ぐ観光のかじ取りとなるDMOに対する支援の強化も行っていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。外国人観光客500万人という高い目標の実現に向け、空港の民営化ということにもしっかりと取り組んでまいりますが、さまざまな予算や政策を総動員して、関係者が一体となって、そのための取り組みを進めていきたいと考えております。
  それから19ページの下段でありますが、「食の可能性を最大限に発揮した輸出拡大」ということであります。これまで進めてきた取り組みに加えて、企業と一次産業者の双方の強みを活かし、国際競争力を高めていくため、両者をつなぐ産業連携推進オフィスの設置、コーディネーターによるさまざまなニーズの掘り起こし、高付加価値化や生産拡大を一層進めてまいります。
  また、コメや牛肉など品目別にターゲットを定めた戦略的な売り込みの継続、そしてASEANの百貨店等での1年を通じた青果物の販売なども行いたいと考えております。
  また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをまずは視野に入れ、選手村等で提供される農産物の売り込みのために、国際水準であるグローバルGAPの取得の促進なども取り組んでいく、このことは選手村での食材の売り込みの先にある輸出拡大ということにつなげていきたいと考えております。こういったことを通じて、道産食品輸出額1,000億円、あるいはその先には1,500億円という目標も掲げておりますので、実現を目指していきます。
  また、20ページの上段「世界を目指し未来を担う人づくり」であります。昨年の第4回定例会において議決をいただき、「ほっかいどう未来チャレンジ基金」を設置いたしました。その後、道内外の個人や企業等の皆さま方からのご協力もいただいておりますが、私どもはさらにこのご協力の輪を広げる努力をしながら、例えば食やものづくり、さまざまな分野において留学を希望する大学生の方々への支援、世界に通用するアスリートを育成するスポーツ指導者への支援、国際的な活躍を目指す芸術家、世界レベルの職人を目指す若者などの海外チャレンジなど、未来を担う人づくりにこの基金を活用していきたいと考えております。
  20ページの中段「ライフステージに応じた少子化対策の強化」であります。少子化対策、これは本当に切れ目なく行っていかなければならないパッケージとしての取り組みが重要だということを昨年も申し上げたところでございますが、今回はさらに一歩踏み込んで、多子世帯に対する保育料については、道として一定の所得、これは年収640万円未満ということで、相当高いところに設定をいたしておりますので、多くのご家庭の方々が対象となるというふうに考えております。第2子以降の3歳未満児の保育料を全て無償化すると、一人目が学校に上がったらどうするのかなどいろいろなケースがありますが、どのような場合でも二人目以降の3歳未満児の保育料を全て無償化するということの実現を図る予算といたしたところであり、これは全国的にも相当充実した取り組みであるというふうに考えているところであります。また、不育症に悩んでおられる方々に対する支援、こういった新規のものを含めて、切れ目のない少子化対策をしっかりやってきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
  それから、20ページの下段「北海道150年事業」についてであります。来年が(北海道命名から)150年でありますので、来年の早い時期に民間企業の方々と連携してキックオフイベントを開催したいというふうに考えております。
  また、来年1月から、道民の皆さま方が主役となる「北海道みらい事業」を各地で展開することといたしておりますし、また北海道史の編さん事業の着手などに取り組んでまいりたいと考えております。
  21ページの上段、「攻めの農林水産業の推進」であります。言うまでもなく北海道の基幹産業は一次産業でございます。しかし、人口減少の中、担い手の確保ということが大変重要になっております。そういったことのために、道内の若者の方々に対するさまざまな研修の実施であるとか、あるいは東京にあります「北海道ふるさと移住定住推進センター」における道外の方々への働き掛けなどを通じて、就業促進や担い手確保ということを行ってまいりたいと考えております。
  また、農業の分野では、こういったことに加えて、ICTの活用による生産性、収益性の向上努力、また水産業の分野では、しけ等もあって昨年は残念な状況になったわけでありますが、これからの水産業の発展のために、秋サケ等の生産回復やナマコ養殖など新たな生産体制づくりを行っていきたいと考えております。また林業、木材産業の分野では、道産CLTの普及あるいは生産加工体制の整備、また人材育成の充実などさまざまな観点からの支援も充実をしてまいりたいと考えているところでございます。
  また、ワインでありますが、今年の1月(17日)に東京でイベントを行いまして、道内外からの大きな反響があり自信を付けたところであります。北海道の知名度を活かしたブランド力でワインを売り込んでいくため、さらなる取り組みの充実、強化を図っていきたいと考えております。
  21ページの上から二つ目、「価値を産み出す企業や人の呼び込み」。本道の優位性を活かした食関連産業やデータセンターの誘致などをさらに行い、企業掘り起こしのフォーラム開催など積極的なPRを進めます。
  また、外国人留学生の道内就職を促進するために、道内留学生に対するインターンシップ受け入れ企業の情報提供などを行っていくつもりであります。
  21ページの上から三つ目、「地域(ふるさと)産業の「地力」アップ」でありますが、それぞれの地域で中心的に活動をしておられるのは、やはり中小・小規模企業でありまして、このファンドを新たに設立することによりまして、後継者難など取り巻く環境が大変厳しい状況にある小規模企業の事業継続、これは取りも直さず、地域経済の活性化にもつながるものでありますが、こういったことにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
  また、ものづくり産業の振興につながる自動車産業の集積に向けても、誘致にしっかりと取り組んでいくことは当然でありますが、自動走行の実証試験の誘致などを一層進めてまいりたいと考えております。
  それから21ページの上から四つ目、「次世代を担う成長産業の創造」。ここでは、新たに設置することを決めております「新エネルギー導入加速化基金」を活用いたしまして、北海道は新エネルギーの適地でございますので、経済活性化、雇用の創出につながるエネルギー地産地消のモデルとなる取り組みなどの支援、小水力発電施設の建設の支援、それから水素エネルギーの活用など、いろいろな形でこの基金を活用していきたいというふうに考えているところでありまして、平成29年度は基金に約12億円を拠出し、当面、5年間を集中期間として60億円の施策を講ずることを考えているところであります。それから、水素エネルギーのことを今少し申し上げましたが、水素エネルギーの利活用の推進に向けて、札幌市と連携して行うことを予定いたしております民間事業者の水素ステーション整備への支援であるとか、また、道の公用車としてFCV(燃料電池自動車)の導入ということも予算計上させていただいたところでありまして、やはり、自然エネルギーの宝庫である北海道において、水素を含めて、さまざまな新しいエネルギーを道民の方々に身近に感じていただくために積極的なPRをしていきたいと考えております。
  それから、21ページ上から五つ目「女性・若者の力が発揮できる環境づくり」であります。とりわけ、女性の活躍ということを想定し、就職活動に踏み出せないでいる子育て中の女性の方々を対象とした職場体験などに取り組むということ。それから女性の感性を活かした農業の取り組みといったことも支援をしていきたいと考えております。
  21ページの一番下であります。「働き方改革によるワークライフバランスの実現」。昨年12月に「ほっかいどう働き方改革支援センター」を設置し、働きやすい環境づくりに向けて、ワンストップの相談窓口体制をスタートいたしました。こういった拠点を最大限活用しながら道がモデルプランを作成し、働き方改革の全道展開を図っていきたいと考えております。
  22ページの上であります。「「北海道暮らし」の魅力創造と発信」。昨年、東京都の有楽町に設置をいたしました「移住定住推進センター」、「どさんこ旅サロン」などと連携をしながら若者、シニア層など多様なニーズに対応した道内移住をはじめ、交流人口拡大に向けた取り組みを推進してまいる考えであります。
  22ページであります。上から二つ目、「世界に誇る「ふるさとの歴史文化」の浸透・発信」であります。世界遺産、北海道遺産があって、日本遺産もその後できたわけでありますが、それに今、江差町が認定に向けて頑張っており、われわれもフルサポートをしているところであります。北海道には歴史がないといわれますけれども、ふるさとにはしっかりと歴史があります。世界に誇る「ふるさとの歴史文化」の浸透・発信、このことに取り組んでいきたいと思っております。
  道議会の皆さま方から「北海道みんなの日」を制定する条例が提案されると伺っております。道議会と連携しながら気運の醸成を図っていきたいと考えております。
  22ページ、上から三つ目、「獲る活かす・道産ジビエのブランド展開」については、エゾシカの活用についても取り組んでまいります。
  22ページの上から四つ目「暮らし・交流を支える交通ネットワークの形成」。このことにつきましては、予算と直接は関係いたしませんが、鉄道網のあり方についてワーキングチームの検討結果の報告を受けました。これを踏まえてわれわれとしてもしっかり取り組んでいくということが何より重要だというふうに思っているところでありますが、鉄路に加えて、道路、航空などトータルとしての公共交通ネットワークと地域交通の確保に向けて、全力で取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。そういった中で、当初予算では、乗合バスへの支援や、新幹線開業効果の波及拡大に向けて北東北3県との連携強化などについて計上をいたしております。
  22ページの上から五つ目の「活力ある地域を支える健康づくり・地域医療の推進」。メディカルウイングが国で予算化がされましたので、私どもとしてもしっかりと予算措置をし、全国で初めての実用化を図ってまいります。また、がんに罹患(りかん)する方々が大変多い昨今でございます。がん患者の方々の支援ということもやってまいりたいと考えております。
  22ページ最下段「安心のユニバーサル北海道づくり」であります。高齢者の方々ができる限り住み慣れた地域で、安心して暮らせるような24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問サービスなどの普及、それから介護現場の職場環境の改善へのサポート、離職した介護福祉士の方々の再就職の支援、あるいは障がいのある方々にいきいきと働いていただくための企業へのコーディネーターの派遣など、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
  23ページの最上段「北の住まいるタウンの推進」であります。コンパクトなまちづくり、住みやすく、環境負荷を減らしながら、高齢になっても安心して生活できる、この構想のモデルとなる鹿追町、当別町の取り組みを支援するとともに、こういったモデルの全道展開を促進してまいりたいと考えております。
  その次は「現場力を活かした地域政策の推進」。14の振興局と市町村が一体となった地域づくりを推進をしていきます。また、北方領土問題の早期解決に向けた取り組みもしっかりと行ってまいります。
  23ページ最下段であります。「強靱でやさしいまちづくり」であります。昨年は大雨災害や地震などもございました。ハード・ソフト両面から防災減災の取り組みをさらに強化をしてまいります。ハード面では、特に昨年の台風などの経験を踏まえまして、河川対策を国とも連携をしながらしっかりと取り組み、ソフト面では「Doはぐ」という避難所運営ゲームの普及の推進であるとか、都市型災害を想定した防災総合訓練を札幌市と共同で実施するほか、防災関係機関が必要な災害情報を共有できる防災共通地図の作成などを行ってまいります。また、昨年の大雨災害の際に、道内外のボランティアの方々に大変お世話になったところであります。こういった経験も踏まえて、全道レベルの災害ボランティアセンターを常設で設置し、ネットワークづくりや人材育成などにも取り組んでまいる考えであります。
  また、東日本大震災の被災地から、本道へ避難されている方々で今年度をもって住宅の無償供与が終了となる世帯に対して、安定した生活基盤の確立に向けて、以前から申し上げております道営住宅の優先的な入居枠に加えて、家賃補助など、道独自の支援を行ってまいる考えであります。
  24ページ以降は施策ごとの主な取り組みなどを、予算額も入れながら掲載をいたしております。また、49ページ以降は振興局が中心となって展開する施策などを掲載をいたしております。
  私からの説明は以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
  道財政は厳しい厳しいと知事が就任されてからずっと認識されてきたと思うのですが、現段階での知事の道財政に対する認識、どういう状況なのかということをまずお伺いします。

(知事)
  先ほど申し上げましたとおり、新年度の当初予算について、いわゆる赤字予算にはしない形で、いろいろなやりくりをしたところでありますが、昨日も総務部長からご説明申し上げたと思うのですが、財政は大変厳しい状況にあるところでありまして、次年度以降について、さらに財政規律を守っていくということをしっかり考えていかなければならないと、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
  知事就任以来、かなり厳しい状況もあって、職員給与の独自縮減も続けてきたのですが、今年度からそれ(一般職員の給与独自縮減)もしなくてよくなり、ひと頃に比べるとという思いはあるのかなと思うのですが、そういう中で今回の予算、政策の目玉、特にこれがというものがあればお教えいただきたい。

(知事)
  確かに今おっしゃられたとおり、私に知事をバトンタッチされた十数年前は、予算が組めないほど本当に厳しい状況でした。2,000億円以上の収支のアンバランスがある状況でありまして、本当に職員の方々には申し訳なかったと思うのですが、私も含めて全国にも例がないくらいの大幅な給与カットなども行い、公共事業の道債の発行も最小限にするといったいろいろな見直しを続けながら、なんとか少しずつ良い方向になってきたということであります。ただ、他県と比べてどうかという目で見ますと、たぶん道の現在の財政というのは、それでも全国の中では最も厳しい状況にあると、こんなふうに認識をいたしております。
  そういった中で、なかなか難しい予算編成ではあったのですが、政策の目玉については、18ページのこの四つの視点の中にある21の施策、これがまさに今の質問に対するお答えということになろうかと思うわけでありますが、若干掘り下げて言いますと、やはり北海道の地域創生の中で最も重要な分野の一つが少子化対策であります。多子世帯のお子さん方の保育料の無償化、3歳未満児への保育料の無償化というのは、相当思い切ってやらせていただいたつもりでございます。所得制限が年収640万円未満というのは低すぎるのではないかということをおっしゃられる方も中にはおられると思いますが、私どもとしては、この年収640万円未満という所得制限の範囲で対象の約80パーセントはカバーされますので、その範囲内において無償化を実現したということであります。それが一つです。
  それから、将来を担っていく北海道の人材の育成、そして輩出、これについても基金の活用も含めてしっかりと取り組んでいきたい、人づくりは来年150年を迎える北海道のこれからの50年、100年を考えると重要な分野だろうなと思います。
  それから、北海道ブランドの海外発信力の強化、このことも重要でありますし、また新たな基金を活用した新エネルギーの導入促進、先ほど水素エネルギーのことや、エネルギーの地産地消のことも申し上げましたけれども、風力発電で送電網を使って電気を運ぶという方法もありますし、その風力で発電した電気で水素を作りそれを運ぶという方法もあるわけでありまして、いろいろな形で広大な北海道における新エネルギーの導入ということをしっかりと充実していく、これも今回の一つの目玉の分野かなというふうに思っております。

(日本経済新聞)
  重点政策の中でロシア関連のところでお聞きしたかったのですけれど、先ほどお話がありましたが、昨年の日ロ首脳会談で北方四島での共同経済活動に取り組むという新しい動きも出てきた中で、あらためて、来年度以降、ロシアと道の経済交流にどのような視点で、あるいはどのような戦略で取り組まれるのか、その辺をお聞かせください。

(知事)
  いつも二つの視点ということを申し上げておりますが、私ども北海道というのは、戦後の日本全体の大きな課題である、まだ解決されていない北方領土問題を抱える地域であります。その意味では、この領土問題の解決に向けての環境整備という意味で、ロシアとの交流拡大ということが重要であるという認識のもとに、このことに取り組んできている、これからも取り組んでいくという、そういう視点があろうかと思います。一方で、北海道はロシアとお隣同士の地域でございますので、その意味では、北海道内においては人口減少問題への対応をはじめとする地域活性化が今、強く強く求められている中で、ロシアにおけるニーズの似通った部分、例えば、寒冷地の住宅技術であるとか舗装技術、それから農業分野でも寒冷地であるが故の課題という共通する部分があり、そこには北海道の生産者あるいは企業に対するニーズ、ビジネスの需要がありますので、そういう意味では、北海道の活性化を実現していくためにロシアの各地域との交流拡大をしていく、実利を目指していくというこの二つの視点を持って、常に北海道とロシアとの交流を展開をしてきていると、こんなふうに考えているところであります。
  そういった中で、新年度につきましては、もとより共同経済活動、北方領土の関係にについては、もっともっと国に提案をしていかなければならないし、道としても、いろいろ取り組んでいかなければならないところがあると思いますが、一方で、ロシア全体との交流拡大では、今までは極東地域のサハリン州、沿海地方、そしてハバロフスク地方、サハ共和国の辺りが交流の中心であったわけでありますが、今後はロシア全体を視野に入れて、ヨーロッパ・ロシアのほうとも交流を目指していこうといろいろと内部で議論をして、そのような方向で進めていこうということにいたしましたので、新年度からスタートということにしたいというふうに思っております。その第一弾として、エカテリンブルク市で開催されます総合産業博覧会に参加をしようと思っておりますし、これには私自身も出席をしたいと思っておりますけれども、その際に、できればそれ以外の都市にも、モスクワも含めて訪問できればということも、今考えているところでございます。

(HTB)
  少子化対策についてなのですけれども、先ほど知事も最も重要な分野という言葉で、切れ目のない対策をしっかりやっていきたいというお話をいただいたのですけれども、もうちょっとだけ詳しく、知事も子育てをされてきたと思うのですけれども、この政策に対する思いをですね、もう少し伺えればなと思います。

(知事)
  まず、子どもを産む、産まないというのは、これは極めて個人的な判断になりますので、単に私は出生率を向上させることだけが大変重要だと言うつもりはありません。ただ、いろいろな意識調査を行いますと、結婚してできれば子どもを持ちたいと思いながら、さまざまな理由でそれが実現できていないカップルの方々、あるいは結婚をしておられない方々が多いという現実の中で、私ども行政が行うべきことというのは、子どもが欲しいけれども経済的に大変だという方々には、経済的な負担の軽減を図る政策が重要でしょうし、また、先ほど不育症について申し上げましたけれども、経済的な理由以外の身体の問題などで、お子さんができにくいカップルの方々もおられるなど、子どもを持ちたいけれども持てない理由というのは、それは本当に多様だと思いますので、そういう中で私ども行政として認識をし、かつサポートができる分野については、一歩でも二歩でもしっかり取り組んでいきたいという思いの中でこれまでもやってきましたが、新年度についても相当思い切った形で、多子世帯における保育料の軽減策ということを、全国的に見ても大変胸を張ってここまでやっているというふうに言えるようなものを用意をしたところでございます。ぜひ市町村の皆さま方のご理解をいただき連携して、この取り組みをしっかりと進めていきたいと、こんなふうに思っております。

(NHK)
  先ほど、東京オリンピック・パラリンピックの話があって、ちょっと予算とは外れてしまうのですけれども、今日、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会が大会の整備費で437億円に上るというような話がありまして、北海道の札幌ドームでも26億9,000万円ということで、今後数字が変動する、ないしは地元自治体に負担を求めるというようなことなのですけれども、こういった試算が出たことについて、また、26億9,000万円という数字に対してどのような受け止めをされているのかということをお聞かせください。

(知事)
  この数字は、内部で検討されている数字とお伺いをしておりますので、確定的なものかどうかは分かりませんが、一部報道で私も承知しているところであります。これは、北海道や札幌市だけではなく、東京都以外の地域で、埼玉県や神奈川県それから静岡県などでありますが、それぞれの地域の総意として、昨年の12月に6道県4市で、大会運営に係る役割分担と費用負担については立候補ファイルや開催基本計画に基づくことが原則であること、すなわちこれには、地元負担はなく、仮設経費は組織委員会が負担する旨書いてあるのだそうでありますが、そのことを原則としてほしいということの申し入れをした経緯がございます。その意味では、そのことに尽きるのでありますけれども、まだ一部報道が出ただけでありますので、情報収集をすることが不可欠でありますが、私どもとしては、地元にあまり大きな負担とならないように組織委員会等に必要な働き掛けということを今後行ってまいりたいと、こんなふうに考えております。

(北海道新聞)
  先ほど知事が冒頭でもおっしゃられていたのですけれども、間もなく冬季アジア札幌大会が開幕になりますが、札幌の冬季五輪招致も見据えた大会というふうにも聞いております。今後、札幌市と五輪招致を含め、行政的な課題も含めて全般で連携がますます欠かせなくなると思いますけれども、札幌市との連携についてどのようにあるべきかということをコメントいただけたらなと思うのですけれども、知事のお考えを。

(知事)
  今までも連携していますし、これからも連携していくということであります。今、例としてあげられた冬季オリンピック・パラリンピックの誘致についてもそうでありますし、誘致以外では人口減少問題ということについては、やはりこれはある意味、道と札幌市の問題であると思いますので、連携が大変重要であるという認識のもとにすでに連携を図っており、共同で検討し作業を進めるという体制になっておりますし、今日の予算との関係で言えば、新エネルギーの導入促進ということの中で申し上げました水素ステーションの整備の支援ということにつきましては、札幌市長からの申し入れもあって、私ども道と札幌市とのコラボレーションの形で実施をするということになったところであります。これからも、札幌市との共同事業、連携ということに、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
   
(室蘭民報)
  今回の予算の関係で、観光についてちょっとお聞かせください。今回の重点施策の中でも稼ぐ観光の確立というのがありましたが、今回、道予算の中で観光関連予算というのがどのくらいの規模になるのかという点がまず一点。
  あとですね、今回の予算を議会に提案して、議決をいただいたとした場合に、知事の4期目の中での公約の達成率というのはどのくらいになるのでしょうか。

(知事)
  一つ目は、予算費目をどのように足し上げるかによって全く違います。観光というのは大変裾野が広いので、ハード整備までを入れると大きく予算が膨らむのは当然でありますが、われわれが継続的にここまでやってきた促進費や調査費などのいろいろなソフト関係でいいますと、新年度予算は20億5,000万円ということでありまして、これは今年度予算が17億6,000万円でありましたので、若干の増ということであります。

(総合政策部次長)
  公約の達成度については、達成というより、着手という言い方になりますけれども、ほぼ着手しているというふうに考えていただければと思います。

(北海道新聞)
  農業、一次産業関係の予算についてお伺いいたします。昨年はTPPの対策ということもありまして、関連予算ということで1,075億円という当初予算がついていたかと思うのですけれども、現状、トランプ政権の発足でTPPが離脱というそういう流れにもなっているわけですが、引き続きTPPがなくなった後もですね、道内の農業の強化のために施策を続けていくというようなお話もあったわけですが、昨年と比較するという意味でどのくらいの予算を計上されているのかというのを教えていただければ。

(知事)
  予算額につきましては、後程、ご説明させていただきます。農業は基幹産業ですので、しっかりと取り組んでいきます。

(北海道建設新聞)
  今回の予算で災害関連予算についてお伺いいたします。昨年夏に発生した大雨台風災害を受けて、今回の予算に河川の氾濫を防ぐことなどを目的とした投資的経費に、樹木の伐採などの経費が計上されています。災害対策に対する知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
  昨年8月、9月にこれまで前例がないような形で台風などが北海道に上陸、接近し、道内全域に56水害の被害額を超える大きな被害を受けたところであります。あらためて自然災害の恐ろしさということを実感いたしました。また、熊本地震(4月14日)の少し後(6月16日)だったと思うのですが、函館市で相当大きな規模の地震もありました。やはり、日頃からこういう自然災害にハード面、ソフト面で対応していくということは、広大な北海道の知事として大変重要な課題であるという認識をあらためて持った年でもございました。その意味では、限られた予算の中ではありますが、特に昨年の8月、9月に大きく問題になりました河川の氾濫などの対策を、国としっかり連携を図りながら進めていくということ、それからソフト面では、先ほどの繰り返しになりますが、ボランティアセンターの常設化などを通じて、ボランティアの方々に来ていただくことが必要になった場合の対応に向けての市町村とのネットワークづくりであるとか、あるいは人材育成であるとか、ハード・ソフト両面で災害対策をしっかりと進めていかなければならないと、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
  少子化対策のことについて重ねてお聞きします。先ほどの冒頭にもですね、最も重要なのが少子化対策だということと、あと記者の質問に対しても、子どもを持ちたいけれど持てない方がいらっしゃる中で行政がやるべきこととして、一歩でも二歩でもやっていきたいということだったのですけれども、財政が厳しい中で、今回、保育料の無償化については6億4,000万円の単費事業となっていると思います。こうした規模というのは結構大きいと思うのですけれども、知事の中で少子化対策というのが一丁目一番地といいますか、最も重要視していることだと思いますけれども、少子化対策にそこまで力を入れる理由をさらに踏み込んでお聞きしたいというのと、こうしたさまざまな支援策の結果、北海道がどういう地域になってほしいのかというか、目指す地域像についてもあらためて教えていただけますでしょうか。

(知事)
  少子化対策が一丁目一番地という言い方はなかなか難しくて、いつも申し上げているのですが、道知事というのは国であれば総理大臣でありまして、全方位に政策を行っています。ですから、例えば農業政策のご質問が先ほどありましたが、農業政策と防災政策と医療政策と、どれがどれよりも優位するということはありません。全方位で全てに目配りをしながらやっていくということが道の仕事でありますので、先ほどは、順番で最初に少子化のことを申し上げたとご理解をいただければと思います。
  少子化対策への思いというのは先ほども申し上げましたが、子どもの笑顔があふれる北海道づくりを私は目指していると、そんな言い方をさせていただければと思います。

 


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