知事定例記者会見記録(平成28年8月26日)

   

 

知事定例記者会見

・日時/平成28年8月26日(金) 15:45~16:16
・場所/記者会見室
・記者数/23名(テレビカメラ1台)

会見項目

280826-01.JPG 280826-02.JPG

知事からの話題

1 8月中旬からの大雨について
2 「第30回記念 北海道マラソン2016」・「はまなす車いすマラソン2016」について
3 「空港運営戦略推進室」の設置について 

記者からの質問

1 公社などへの貸付金について
2 北方四島交流訪問事業について
3 北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録について
4 大雨による河川の氾濫について
5 北朝鮮のミサイル発射について
6 大雨による農業被害について

知事からの話題

 

8月中旬からの大雨について

  私からは3点、お話をいたします。
  一つ目は、8月中旬からの大雨についてであります。8月中旬、16日頃から、台風7号、11号、9号の三つの台風が上陸しましたが、それ以前からの前線の活動に伴うものも含め、激しい大雨が降り続き、災害が発生しているのはご承知のとおりでございます。私自身も昨日オホーツク管内に入らせていただいて被害状況を視察し、生産者や首長の皆さまとお話をさせていただいたところであります。また、常呂川に沿った道道の浸水箇所の一名の方がお亡くなりになった場所で献花をさせていただいたところでございまして、あらためて心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた多くの方々、けがをされた方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。
  今、私どもは各部、各振興局を挙げて対策を急いでいるところでございますが、これからの天候については、気象台からの説明によりますと、今日から本道に前線が停滞し、大気の状態が不安定になり、釧路・根室・オホーツク地方、道東を中心に再び断続的に激しい雨が降る恐れがあるということでございます。河川が増水している所、あるいは地盤が緩んでいる所など、通常より河川の氾濫や土砂災害等が発生しやすい状態にある所が多くございます。十分にご注意をしていただければと思います。また、台風10号の動きというものも大変懸念をいたしているところでございます。羅臼町の土砂崩れはまだまだ復旧が難しい状況にございますので、役場とも連携をして適切に対応していくとともに、引き続き各部、各振興局がしっかりと連携をしながらこの度の災害に対応してまいりたいと思っているところでございます。
  いずれにいたしましても、道民の皆さま方におかれましては、今後とも気象台から発表される気象情報、あるいは道や市町村等から、それからマスコミからもいろいろな防災情報が出ておりますので、そういったことに十分に留意をしていただければと、このように思う次第であります。これが一つ目であります。

「第30回記念 北海道マラソン2016」・「はまなす車いすマラソン2016」について

〔配付資料:第30回記念 北海道マラソンの概要(PDF)
〔配付資料:はまなす車いすマラソン2016の概要(PDF)〕 
  二つ目は、ここにポスターがございますが、天候もやや気になるところではございますが、明後日8月28日日曜日、「北海道マラソン」と「はまなす車いすマラソン」を開催することとなっているところでございます。
  「北海道マラソン」は今年30回目の節目を迎えるところでありまして、フルマラソンと11.5キロメートルのファンラン、合わせて2万人を超える方々が参加されると報告を受けております。この北海道マラソンは、今や名実ともに北海道の夏を彩るイベントになったと認識をしているところでございます。今回は30回目の記念ということもございまして、道内179市町村から各1名が参加をしていただくという企画によりまして、オール北海道で大会を盛り上げようと思います。また、有森裕子さんにスペシャルアンバサダーとして応援をしていただくことといたしております。本大会は、2017年にロンドンで行われる世界陸上競技選手権大会女子の代表選手の選考レースという位置付けもあるところでございまして、世界を目指すトップアスリートに参加していただけることになっているところでございます。
  また、今年も合同開催をいたします「はまなす車いすマラソン」では、ハーフマラソンとショートレース合わせて100名以上の方々に参加をしていただき、リオパラリンピックにも出場されるアスリートの方もおられるところでございます。
  札幌市民を中心とする道民の皆さま方には、交通規制などでご不便をお掛けする部分もあるかと思いますが、ご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、大きな声援を送っていただければと思う次第であります。
  「はまなす車いすマラソン」は午前8時半スタート、「北海道マラソン」は午前9時スタートであります。私もスターターとして応援をさせていただきたいと思っております。
  これが二つ目であります。

「空港運営戦略推進室」の設置について

  三つ目は、「空港運営戦略推進室」の設置ということについてであります。第2回定例会においてさまざまな議論を重ねる中で、空港運営の民間委託を推進するために、道の組織拡充ということについて道議会にお約束を申し上げていたところでございますが、その組織を9月1日付けで設置することといたしたところでございます。
  これまで交通企画監の下に置かれていた担当局長以下、専任6名の体制を見直し、総合政策部の中に新たに空港運営戦略を専掌する部長級の「空港戦略推進監」を置きまして、その下に、兼職5名を含む16名からなる「空港運営戦略推進室」を設けることといたしたところでございます。
  この組織改正の狙いは、2020年に移行を目指す空港運営の民間委託、これは北海道の場合には、国管理空港・道管理空港・市管理空港とさまざまな運営主体があるものを一体的に民営化することを目指すという、全国でも初めての試みでございますが、大変限られた時間の中で、スピーディーにしっかりと対応していかなければならないということを狙った組織改正でございます。
  今後は、年末にも国への提出を予定しております北海道発の提案の取りまとめ、それに伴う地元自治体や空港ターミナルビル会社、道内経済界や国との調整もありますし、この入札に参入しようと関心を示してしておられる企業などとの情報交換も含めた各種調整や、制度設計協議、また、道管理空港の中では女満別空港の参画ということを検討しているわけでありますが、そのデューデリジェンス(資産査定)などへの対応、これは第3回定例会にも補正予算として提案することを検討しているところでございますが、こういった仕事を進めていくということを考えているところでございます。道民の皆さま方の目線に立って、しっかりとこのことを進めていきたいと思っております。
  私からは以上3点であります。

記者からの質問

(朝日新聞)
  財政についてご質問します。経営難の出資法人などへの貸付金について、実際には返済されていないのに、翌年度予算で返済されているように見せる会計操作が全国の自治体で行われていて、今年度予算では、北海道が全国で最も多い588億円にのぼっていることが本紙の取材でわかりました。財政破綻した夕張市もこうした財源不足を隠す会計操作をしていて、北海道が解消を求めた経緯もあるわけですが、現状の受け止めと今後の対応方針があればお聞かせください。

(知事)
  御社の報道については私も拝見をしたところであり、夕張市について言及をしておられたのも拝見をいたしました。
  ご指摘の北海道の実態を言いますと、北海道住宅供給公社につきましては、道議会でもご議論をいただいたところでありますが、さまざまな問題点を含んだ会計処理を行っていたところでございます。北海道土地開発公社それから北海道中小企業総合支援センターについては、対応の仕方は違うのでありますが、これらについての報道がなされたところであり、そして、こういった短期貸付というものは不適切な財政運営であるというようなことも総務省からご指摘をいただいているところでございます。
  私どもとしては、住宅供給公社の返済計画の見直し、検討とあわせて、そのあり方についても検討をしていかなければならないという問題意識を持っているところでございますが、あらためて今回の報道を踏まえて、しっかりと対応をしていかなければならないと、そのような思いを強く持ったところでございます。

(朝日新聞)
  今の点なんですけれども、本来的には長期貸付金とするべき性格のものなんですけれども、これが短期貸付のようになっているのが問題の一つかなと思うのですが、これについて知事としては今後見直していくような考えというのはございますか。

(知事)
  本来的に考えた場合には、不適切なものであるという認識は持っておりますので、見直しをやっていかなければならない。ただそのためには、相当な財政的負担を伴うところでございますので、道全体のバランスの中でしっかりと検討をしていかなければならない、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
  先日、北方四島のビザなし交流で国後島を訪問した日本人の男性通訳が一時拘束をされましたけれども、それについての受け止めをお願いします。

(知事)
  今回、訪問団の通訳の方がロシア当局に一時身柄を拘束されたという事案が発生したことは承知をしております。幸いなことに、既に解放されたということのようであり、それは一安心ではございますが、ただこれは政府も公式に見解を出しておられるとおり、北方領土がわが国固有の領土であるということを前提とした場合、身柄を拘束するという一連の動きというのは、ロシアの管轄権を前提とした行為ということに他ならないわけでありまして、日本の法的立場から見て受け入れられるものではなく、大変遺憾であると、こんなふうに思っているところでございます。
  最近、北方領土への訪問事業などについて、ロシア当局の強硬的な姿勢というものが目立っているというふうに感じているところでございまして、こういったものについて私どもも毅然とした態度で対応しておりますが、やはり政府として、外務省として、しっかりと対応していただきたいということ、さらには、今日も東北の皆さま方と心を一つにした北方領土返還に向けての大会(2016北方領土返還要求北海道・東北国民大会)を開催させていただいたところでございますが、日ロ首脳間の協議を加速して、領土返還ということに道筋をつけていただきたいということを、あらためて強く思ったところでございます。

(北海道新聞)
  2点目なのですけれども、来週4道県の知事サミット(第20回北海道・北東北知事サミット)があるかと思うのですけれども、そちらのほうでですね、北海道・北東北の縄文遺跡群、世界遺産登録を目指していらっしゃいますけれども、知事サミットのテーマは健康ということですが、世界遺産のことについても話し合ったりするようなことは考えられているのか教えてください。

(知事)
  そのこと(北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録)については、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。このチームリーダーは青森県知事でありまして、世界的に有名な三内丸山遺跡や、それ以外にも有名な遺跡群を持っておられます。もとより青森県と北海道の道南のほうにいた古代の人たちが、「しょっぱい川」と言われた津軽海峡を簡素な船で行き来をしていたということで、北海道側にも多くの遺跡があるわけでありまして、これらの縄文遺跡群の世界遺産への登録ということはわれわれの悲願でございますので、もう4回推薦候補になれていないわけでありますが、今回の4道県知事の会合の中でも、この問題についてもしっかりと意思の疎通を図り、国に対する要請活動をやっていきたいと、こんなふうに思っております。

(NHK)
  雨に関して追加でお伺いをしたいのですけれど、今回道内でですね、川の堤防については設計上耐えられる水位を上回るというような事例が相次ぎました。川に関しては道だけではなく、国の管理に関わる部分もあろうかとは思うのですけれども、今後の対応につきまして、国への働きかけも含めて知事のお考えについてお伺いしたいと思います。

(知事)
  昨日も、北見市内の常呂町や端野町に比べて農業被害が大きいわけではないのですが、オホーツク管内小清水町の道管理河川の止別(やんべつ)川の付近が、大変厳しい状況になっているのを確認したところではありますが、他にも国管理河川、道管理河川いずれについても多くの河川氾濫があったということはご指摘のとおりであります。
  国は予算の範囲内で維持管理をやっておられるわけでありますが、道管理河川については、昨日も止別川を見て思ったのですけれども、財政が厳しくいろいろな部分を削減している中で、例えば、道管理河川の両側に木が生い茂っており、そのことによって川幅が狭くなり水の流量が制約を受けているということであるとか、あるいは、上方からはよく見えなかったのですが、川の中に土砂が堆積しているなど、平常時における管理に十分な予算を投入できていないことが、今回のこういう異常な大雨の際にいろいろな所で氾濫、浸水が生じたことにつながったのかなという思いもあるところでございます。
  もとより、河川ばかりではなくて、道路や農地なども、ありとあらゆるところで今回は大変な被害があったわけでありますけども、やはりそれぞれの地域の現状も踏まえ、人命優先、生活優先の中で優先順位を付けながら、一つ一つの河川についても、平常時の管理のレベルをどこまで上げられるのかということなども含めて、しっかりと検討をしていかなければならないと、そんなふうに思ったところでございます。

(NHK)
  あともう1点、ちょっと全く別の話なんですが、今月3日と24日にですね、北朝鮮が日本海に向けてミサイルの発射実験を行うということがありました。特に3日に関しては秋田県沖の250キロの我が国の排他的経済水域の中に落下するというような事案がありました。北海道にも関わる地域でもこういった事案が相次いでいることについて、知事の受け止めについてお伺いしたいと思います。

(知事)
  北朝鮮は、国際情勢、とりわけ韓国が米国と連携をしながら、さまざまな動きを強めていることに危機感を持ってのことなのでしょうか、いろいろな事情もあるのでしょうが、最近とみに北朝鮮がミサイル発射を繰り返しているという印象を持ち、それは皆さま方も同じ認識ではないかというふうに思うわけであります。
  今おっしゃられた24日の事案については、早朝5時29分に、潜水艦発射弾道ミサイル、SLBMというものが発射され、日本海に落下したという報告を受けているところでございます。このミサイル発射については、政府においても表明をしておられますけれども、明白な安保理決議違反であるということでございますし、道としても断じて容認することができない、大変遺憾であるというふうに思う次第であります。
  もとより、こういった北朝鮮の動きに対しては、私ども地方の立場でできることには限りがありますので、外務省が中心となって国を挙げて毅然とした態度でしっかりと対応していただきたい、国連の場を活用するということなども出てくるのでしょうか、そういった国の動きを求めていきたいと、そんなふうに思います。

(北海道新聞)
  台風の被害について、お伺いいたします。今回の台風、道内全域で広大な農業被害が発生しているということで、昨日知事もオホーツクのほうに行かれて、現地を視察されたということですが、今回の農業被害、これをどのように受け止めていらっしゃるのかということと、昨日、激甚災害の指定を要請するとのお話もされたということだったんですけれども、改めて今後どのような対応を考えていらっしゃるのかについてお伺いします。

(知事)
  北海道に台風が上陸するということは、あまりないことなのでありますが、それが1週間くらいの間に三つも上陸したということは、統計開始以来初めてのことと認識しているところでありまして、それに加えて前線の影響もあって、大変大きな被害が北海道にもたらされたと思っているところでございます。
  昨日、私はお一人の方が亡くなられた現場を中心にオホーツクのほうに参ったところでございます。今判明している農業被害の面積は、オホーツク、特に東部の被害が大きいのは事実でありますが、ご質問でも触れられましたとおり、全道に被害が広がっております。畑作地帯だけではなく、稲作地帯にも広がっておりますし、また停電等の影響で生乳の廃棄ということも起こっているわけであります。全道の状況把握のために私一人で全てを回るのは不可能でありますので、昨日も荒川副知事、山谷副知事など幹部職員が皆手分けをして対応し、公共土木関係では開発局や市町村と連携し、あるいは農業関係でも関係機関と連携をしながら被害状況の早急な把握を進め、激甚災害指定に向けての被害の報告を29日、30日くらいまでに国にあげていきたいというようなスピード感で物事を進めているところでございます。
  ただ、激甚災害指定の制度というのはご承知のとおりだと思いますが、本激や局激といった区分が法律や政令で決まっているところであり、被害の査定は国が行います。その中で、われわれがこのくらいではないかと思っても、国ではまた別の査定が当然ありますし、本当に激甚災害指定が受けられるかどうかは、まだ予断を持って申し上げる状況にはないというふうに思っております。
  一方で、昨日も常呂町の農協組合長がおっしゃってましたけれども、作物の被害への共済の支払いを早くするとか充実をして欲しいとかそういうご要望も出ておりますので、こういったことも、スピード感を持って、関係機関と連携していかければならないですし、何より北海道は今はまだ夏ですけれども、すぐに冬が来ます。冬が来るとやはり屋外の作業などがやりにくい状況になりますので、手をつけられるところから少しでも早くやっていくという姿勢で私ども道の仕事も進めていかなければならない、そんなふうに思っているところでございます。
  9月には3定議会が始まります。昨日もオホーツクで申し上げましたけれども、できる限り前倒しで3定議会に補正予算の計上などもしながら、道民の皆さま方が希望を持って北海道民として生活を続けていきたいと思っていただけるような形で、今回の災害への対応を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
  また、国土交通大臣が明日、災害視察をするということも聞いております。さらに、内閣府の防災担当の大臣政務官、あるいは農林水産省の大臣政務官も入っていただけるというお話もお伺いしておりますし、また、自民党では災害対策本部を、道連だけではなく党本部のほうでも立ち上げていただいておりますが、(二階俊博)幹事長が今、札幌におられますので、もしお時間が許せば、災害の状況のご報告とご要請をし、あるいはどこか災害の状況をご視察いただけるのであれば、そういったことへの対応などもしっかりとやってまいりたいと、こんなふうに思っております。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

 

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top