知事定例記者会見(平成27年11月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成27年11月19日(木) 14:00~14:30
・場所/記者会見室
・記者数/24名(テレビカメラ2台)

会見項目

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知事からの話題

1 (仮称)今後の行政改革と財政健全化に向けた取組方針【方向性】について 
2 北海道どさんこプラザシンガポール店の開設について  

記者からの質問

1 JR日高線について
2 保育料算定の改正について 
3 北京首都航空の函館・青森への新規就航について
4 道発注工事における杭工事データ流用について

知事からの話題

 

(仮称)今後の行政改革と財政健全化に向けた取組方針【方向性】について

〔配付資料: (仮称)今後の行政改革と財政健全化に向けた取組方針【方向性】について(PDF)
 それでは私からは2点、お話をいたします。
 一つ目は、今後の行政改革と財政健全化に向けた取組方針についてであります。お手元に配付資料があるかと思います。より詳細な計数の話などは今日(午後)4時から総務部長よりご説明をいたしますので、私からは方向性だけをお話をさせていただければと、このように思います。
 今年度までの方針は既にあるわけでありますが、このたび、来年度以降の行政改革と財政運営についての方向性を取りまとめたところであります。来週26日から第4回定例道議会(平成27年第4回北海道議会定例会)が始まりますので、25日の前日委員会(総務委員会)において、この方向性をご説明申し上げようというふうに思っております。そしてそれにさらに手を加え、状況変化を加味しつつ、平成28年度当初予算編成などを経て、来年3月までに成案を得ようと、このように考えているところでございます。
 道ではこれまでも「コンパクトな道庁」の構築、そして赤字再建団体への転落回避のための「財政立て直し」に一体的に取り組んできたところでありまして、おおむね所期の目的は達成されたと、このことは前からいろいろな場で私も申し上げているところであります。
 財政面では着実な改善は図られていますが、しかしながら、例えば配付資料の6ページ目にもございますとおり、平成28年度当初予算、これはこれから精査が必要でありますが、要調整額は40億円のマイナスであり、今段階では収支不足の解消がなかなか見通せないという現実もあるわけでありまして、少し緩和はしてきてはおりますが、厳しい状況に変わりはないという認識を持っているところでございます。
 こうした中にあって、攻めの道政ということを時々言っておりますが、人口減少問題などへの課題に対処するにはやはり一定程度、私どもも積極的な財政投入も含めてやっていかなければならないという状況にあることを認識をしているところでありまして、こういった中で行政サービスの質の維持向上と、加えて、規律ある財政運営の両立ということに取り組んでいかなければならない、こういった観点から来年度以降5年間の取組の方向性を案としてお示ししたところであります。
 そうした中で、先般も決特知事総括(平成27年決算特別委員会知事総括質疑)で表明させていただきましたとおり、一般職員に係る給与の独自縮減措置については、今年度で終了するということにしたところでございまして、一方、管理職員につきましては、現在の独自縮減措置を緩和した上で、2年間継続せざるを得ないとの判断をしたところでありまして、これは、配付資料の5ページに記載をさせていただいているところでございます。この内容につきましては、本日午前中に職員団体にご提示を申し上げたところであります。具体的には管理職員について、課長級以上は給料7パーセント、これは現行が8パーセントのものを若干緩和します。また、管理職手当については現行どおり10パーセント。主幹級は給与7.4パーセントから3パーセントへ、管理職手当は現行どおりの8パーセントとしたところでありまして、今後この取り扱いについて職員団体との協議を行っていきたいと、このように考えています。
 これが1点であります。

北海道どさんこプラザシンガポール店の開設について

〔配付資料: 北海道どさんこプラザシンガポール店の開設について(PDF)
  北海道どさんこプラザシンガポール店の開設についてであります。
  いろいろな場で触れてきたところではございますが、11月20日に、いよいよ、北海道どさんこプラザシンガポール店をオープンすることといたしました。場所は、シンガポールの繁華街にある高級スーパーマーケットのシンガポール明治屋内に設置することとしております。
  店舗の概要は、これは配付資料に書いてあるとおりでございますが、160品目くらいを取り扱いたいと思っております。現地で大変人気のある水産加工品であるとか、乳製品等の冷蔵品も新たに加えたいというふうに考えているところでございまして、海外展開を目指す企業のための実演販売コーナーの設置、あるいは年間を通じたテスト販売の実施等、これは国内のどさんこプラザでもやっております、道内企業のマーケティング支援という観点でやっているものをシンガポールにおいても展開し、私どもとして道内企業の海外進出をしっかり支援していきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
  さらに、今回のオープニングでは、どさんこプラザに隣接する、道内から進出された飲食店と、販売商品を活用したメニューづくりなどの連携企画も行うほか、観光ポスターの掲示やパンフレットを配付するなど、北海道のさまざまな情報発信もしっかり行っていきたいと思っているところでございます。
  まだ正式に発表はしていないと思いますが、来年の1月に、私自身もシンガポール事務所のオープンに合わせる形で、この新しいどさんこプラザも訪問させていただければというふうに思っております。
  私からは、以上です。

記者からの質問

(NHK)
 JR日高線についてなんですけれども、昨日、4回目の三者協議(JR日高線検討会議)が行われたかと思います。その場でJR北海道のほうから、地元自治体とですね、道なりが入って利用の促進など、鉄道を維持していくための協議会を立ち上げてほしいというような話があったかと思います。それについて、道はどのように動いていかれるのでしょうか。 
 
(知事)
 ずっと水面下で、いろいろ調整をさせていただいてきているということを、この場でもご説明しておりましたが、久しぶりに4回目の正式な形での三者協議が開催できたことは、まずうれしく思っているところでございます。
 事前にいろいろな報道がありまして、実際にどういう会議になるかと思って、私も注目しておりましたが、実際、その場でさまざまなご説明が国からもあったように聞いておりますが、JR北海道のほうから、鉄道会社と地域が一体となって鉄道を維持する仕組みの構築に関して相談を行う協議会を立ち上げるという提案があったと。それで、三者協議ですから、それぞれが持ち帰って検討をしようということになっているところでございます。この協議会は、利用者の増加等を通じまして、利用者というのは、もちろん地域住民の方々の通院とか通学もあると思うのですが、やはり、今、観光立国北海道をさらにレベルアップしていくという努力をしておりますので、そういった幅広い観点の利用者増ということもあろうかと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、利用者の増加等を通じまして、日高線の継続的な維持を目指すものというふうに位置付けられると思うわけでありまして、日高管内の首長さん方が、(日高総合開発期成会として)ご検討された利用促進策などについて、国にも要請をされたようでありますし、また、(11月)16日には、JR北海道に協議の実施を提案されているというふうな報告も受けているところでございますので、もとより、あらためて首長さん方など、地域のご理解をいただく必要はありますが、私どもとしても、協議会というものの設立ができるように、可能な限りそれが早くできることが再開にもつながるということだと思いますので、可能な限り早期に協議会が立ち上がるように、われわれ道としても、一定の役割を果たしていきたいというふうに思っているところでございます。
 考えてみますと、今年の1月に被災した箇所の復旧工事のみで30億円という多額な費用が掛かると。これは、三者協議ですから、三者で出すとしてもそれぞれ大きな金額です。JR北海道にはJR北海道のご事情があると思いますが、私ども道にとっても、これだけ大きな金額を、一部の地域のみの事業ということで特別に支出をするかどうかということを、これから道議会とご相談をしていく上ではですね、道議会というのは、いつも申し上げておりますとおり、全道の道民の代表からなっておられますので、やはりこの事業がしっかりと役に立つものであるということをご説明ができなければならないと。では、その一番大きなポイントは、長期にわたって継続的に利用され続けることが重要だと、私自身もそのように思うわけでありますので、そういう観点からも、この日高線の継続的な利用促進に向けて協議をするというのは、考えてみると、私どもの道費の支出という観点からも、道議会等へのご説明の上でも必要なのかなという思いを持つに至ったところでありますので、いずれにいたしましても、地元の方々の理解をいただけるかどうか、考え方を調整をしていきたいと、こんなふうに思っております。
 一昨日(17日)、交通の会議(第1回地域公共交通検討会議)を初めて開催した時に、委員それぞれのお立場からご意見があったのですが、北大の吉見教授から、道外の同じような事例、自然災害は今多発していますので、そういった中で鉄路が被害を受けて、それをどういうふうに復旧にもっていくかと、いずれにしろ多額の費用が掛かるという中で、その例として、三重県内の名松(めいしょう)線、松阪市を始点とする路線、そこは、渓谷を通っている鉄路が災害で大変な状況になったという、その事案のご説明があって、これはJR東海の運行になるのですけれども、JR東海というのは、(超電導)リニア(による中央新幹線)を建設しようというくらい大変、財政力がある会社でありますが、この名松線の復旧に向けて、大変慎重な態度を示されて、いろいろな議論の中で、災害があったのが平成21年、ようやく(復旧)工事に着手したのが平成25年だそうであります。こういうことのご紹介が、吉見先生からございまして、そういったことも、もう少し詳細に勉強しなければならないと思うのと、併せて、いろいろ見ておりましたら、福島県と新潟県の間の只見(ただみ)線という、これもやはり風光明媚(めいび)だけれど大変険しい地形のところを走っている路線のようでありますが、ここにつきましても、JR東日本の運行ですが、同じような災害があって復旧に向けて、ここはまだ決着がついていないそうであります。平成23年7月の新潟・福島豪雨により被災をして、いまだに運休のまま、そういう中で、今、人口減少の中で、利用者が減ってきていると思うのですが、やはり地域の方々が、どうやって鉄路を維持するのかという、総力を挙げて知恵を出し合っているという、そういう道外事案なども、われわれも少し勉強しながら、ただ、私どもとして、1日も早い工事の開始を目指すという点と、それに伴って運行再開を目指すという点、ここのスタンスは一切変わっておりません。

(NHK)
 1日も早く(協議会を)立ち上げるということなんですけれども、もう被災から1年がもうすぐたとうとしているわけですけれども、めど的に、今月中に協議会を立ち上げたいのか、年内だとか、そういっためどみたいなものっていうのは、知事の考えはいかがでしょうか。 
 
(知事)
 そうですね、できる限り早くということでありますけれど、すみませんが、ちょっとめどは言えません。

(NHK)
 あと1点いいですか。日高線に関して、今回、財政の支出とかですね、利用促進の協議会を立ち上げるというような対応をされるかと思うのですけれども、道内のJRの路線には、赤字路線がたくさんあってですね、大変厳しいところがたくさんあるんですけれども、今回の日高線のような対応がですね、他の路線にも当てはまるのか、前例として同じような対応を取っていかなきゃいけないんじゃないかというような見方もあるんですけれども、知事のお考えはいかがでしょうか。 
 
(知事)
 そうですね、日高線はやはり先ほどの繰り返しになりますが、これだけ多額の(復旧)経費が掛かると、分担をしたとしても、それぞれの持ち分が結構なものですよね。そういったことなどを考えた場合には、私は、これは例外的な扱いかなというふうに思いますが、またいろいろ議論を深めていきたいというふうに思います。

(HTB)
 今年度からスタートしました、国の子ども・子育て支援新制度について伺いたいのですけれども、札幌市ではですね、子どもが3人以上の世帯で、子どもが多ければ多いほど保育料が値上がりするという実態が浮き彫りになっているのですが、この少子化対策に逆行するような実態が浮き彫りになっている中、人口減少問題に力を入れる知事として、この制度をそもそもどう捉えていらっしゃるのか。

(知事)
 制度自体はこの4月からスタートしたものでありまして、スタート当初よりもやはり保育料のお話ですから、半年ほどたって切り替えの時に具体的に影響が出てくると、また市民の皆さんが困ったなというふうに思われたということで、現在、4月から半年くらいたった段階で、いろいろな議論が出てきたというふうに理解するところであります。
 このたびの新しい制度というのは、平成22年の国の制度改革で出てきたもので、その施行が今年になったということであります。(保育料が)保護者の所得に応じて定めるということになって、今おっしゃられたとおり、実態として、子どもが多くなるほど保護者にとっての負担が増える可能性があるという制度になっているところでありまして、さらに激変緩和措置として、制度上、これは国も道も、そして当該市町村も負担をする形で、在園児については一定の激変緩和措置が設けられています。札幌市は当初は激変緩和措置はやらないと言っておられたのを、市民からの強い声もあって、在園児についての激変緩和措置を実施するということで市長がご判断をされた状況であると聞いております。ただ、本当に制度が複雑なのですけれども、これからの新入園児については適用がないので、ここをどうするかという問題はいずれにしろあると思います。
 そもそも、これはやはり国の制度設計がおかしいと思います。平成22年から決まっていたことだとおっしゃるかもしれませんが、平成22年というのは民主党政権の時で、その時に子ども手当を出すということの一方で、こういう年少扶養控除ということを廃止することが決まったということなのでありますが、その後自民党政権に替わって、子ども手当は廃止し、新たな子ども・子育て支援制度を作るということで、いろいろと検討されているのはわかりますが、少なくとも私が事務方から説明を受けた範囲では、その検討の具体的な中身が明らかになる前に、国も少子化対策をしっかり国是としてやらなければならないと言っているにもかかわらず、現に、子どもを増やしていかなければならないのに、むしろ子どもが多い家庭のほうの負担が増えるというのは、これはどう考えても国の制度設計がちぐはぐであると、このように私は思う次第であります。
 われわれから全国知事会を通じて、あるいは道単独でも、しっかりとした制度設計を行ってほしいということをこれまでも申し入れをしておりましたが、そのことはこれからもさらに言っていかなければならないし、もっともっと世論も盛り上がっていただければ、私どもの追い風になるかなというふうにも思う次第であります。国におかれては、いろいろな条件のもと、多子世帯の保育料を無償化にするという方向性は出しておられるようなので、それはそれでこれから実現を目指すということなのでしょうが、今まさにやらなければならないことなのではという思いも、私も子どもを2人育てた立場から思っております。
 そういう国の制度の不備というのはそのとおりなのでありますが、ただ目の前で、やはり負担増で困っている方々もおられて、先ほど札幌市の在園児までの激変緩和措置については言及しましたが、実は道内の市町村に調査をしたところ、これは今年の6月の調査なので、あらためてもう一度調査するように指示しましたが、20の自治体では、この激変緩和措置についても、国の助成のない新入園児も対象として続けようということを現に検討あるいは実施をしておられるようでありまして、私どもとしては、先ほど申しましたとおり、6月の調査ですので、今段階でどうなのかというのはあらためて調査する必要があるかと思っておりますが、そういったことを実施する際の市町村のいろいろなご相談に応ずると同時に、国にとにかくそういうところもきちんと対応するようにということを言い続けるのは当然なのですが、加えて、道として何か今できることがあるのかどうか、そのことを検討するように事務方に指示いたしました。

(HTB)
 保護者の皆さんがですね、道にも多子世帯の保育料軽減のための予算措置を行うよう要望していますけれども、自治体によって措置を取るところ取らないところと判断が分かれる中で、道の今後の対応を何か考えられるものをお聞かせいただきたいのですが。

(知事)
 今、申し上げたとおりです。

(共同通信)
 先ほど発表がありましたけれども、中国の北京首都航空、函館-杭州便が就航するということだったんですけれども、その就航に対する知事の期待するところをお聞きしたいのですけれども。 
 
(知事)
 これは、私はまだ詳細の報告を受けていませんが、もしそういうことであれば、それは大歓迎ですよね。

(北海道新聞)
 旭化成建材の杭打ちデータ流用問題なんですけれども、2点お伺いしたいことがありまして、道の独自調査の進捗状況とですね、あともう1点がですね、業界大手の不正も道外ではありますけれども、明らかになりまして、あらためて道発注工事で他社の調査もするのかどうかをお聞きしたいんですが。

(知事)
 まず、旭化成建材が関与した工事についての道発注分の調査状況でありますが、67件が総数であるということは前から申し上げていたとおりでありますが、うち60件について調査が終了いたしております。本当に他の事案も、書類があれば早急にやりたいのですが、一部不備なところがありまして、旭化成建材等とその確認を今やっているところでありますので、できる限り早く調査を完了しなければならない、そんなふうに考え取り組んでいるところでございます。
 それから、もう一つは他社の調査ですが、これは北海道だけではなくて全国の問題になるわけでありますが、国の委員会(基礎ぐい工事問題に関する対策委員会)のほうの検討状況をフォローさせていただきますと、旭化成建材の事案と他社の状況は少し違うのではないかという認識のもと、他社分については、簡易な調査ということもあり得るのではないかというふうな議論も行われているやに聞いているところでございます。
 そういったこともございますので、私どもとしては、もとより道民の皆さま方の安全・安心を守るということが何より重要なのでありますけれども、国の委員会の検討内容等の状況なども踏まえた上で対応をしていきたいと、こんなふうに考えております。
 やはり、そういう中で私どもとして優先したいのは旭化成建材が関与した工事の流用事案がこれで本当に最後なのかどうかということを確定したいということと、そこで流用が明らかになった道発注分の7件、他の公共主体発注のもの、あるいは民間主体のものも、これから、さらに出てくる可能性はあるわけでありますが、そういった個々の事案の安全確認ということを、確実にやっていくことが重要かなというふうに思っております。

 


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