知事定例記者会見記録(平成27年5月14日)

   

 

知事定例記者会見

・日時/平成27年5月14日(木) 16:45~17:10
・場所/議会知事室前
・記者数/24名(テレビカメラ2台)

会見項目

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知事からの話題

1 平成27年第1回臨時会の開会にあたって
2 自動車税の納期内納税について
3 「北海道どさんこプラザ楽天市場店」のオープンについて

記者からの質問

1 道議会との議論について
2 北方四島交流事業等の中止について
3 幹部職員の人事について
4 日豪EPAについて
5 道と札幌市との二重行政について
6 安全保障関連法案について 

知事からの話題

 

平成27年第1回臨時会の開会にあたって

 それでは私からは3点であります。一つは、今年の第1回北海道議会臨時会が開会いたしました。(本会議の)冒頭、特別発言の形で、私から本当に一言でありましたけれども、道政運営に臨む私の思いなどを申し上げさせていただきました。
 この度の臨時会は議長、副議長の選出、あるいは各常任、特別委員会の委員の選任などが行われるわけでありまして、私からは人事案件などについて提案をさせていただきたいと、このように考えております。

自動車税の納期内納税について

〔配付資料:自動車税の納期内納税について(PDF)
〔配付資料:インターネット上の専用サイトからクレジットカード納税が利用できます!!(PDF)
 それから2点目はですね、この時期の恒例でありますが、自動車税の納期内納税についてであります。今年度の自動車税の納税通知書は、道内の約209万台の自動車所有者に対して5月7日付けで発送し、納期限は6月1日というふうになっているところであります。
 自動車税は、予算規模が760億円で、平成27年度の道税収入予算額5,696億円の約13パーセントを占める基幹税目であります。道内における自動車税の納期内納税率は年々向上はしているところでありますが、平成26年度は、全国平均が77パーセント台に達しているのに対し、道内は71パーセント台というふうに下回っている状況にあるところであります。
 道では、啓発のためのポスターの掲示などいろいろ行っているところでありまして、コンビニエンスストアや企業にもご協力を要請しているところでありますが、今年度は新たにインターネットを利用したクレジット納税というものを開始したところでありまして、ぜひマスコミの皆さま方のご協力をいただいて、納期内納税率の向上を図っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

「北海道どさんこプラザ楽天市場店」のオープンについて

〔配付資料:「北海道どさんこプラザ楽天市場店」のオープンについて (PDF)
 3つ目であります。「北海道どさんこプラザ楽天市場店」のオープンについてであります。
 明日、5月15日付けをもって、道産品のアンテナショップ、「北海道どさんこプラザ楽天市場店」を、インターネット上の店舗として初めてオープンさせていただきます。こういった試みというのは、自治体がインターネットを使って直接販売するというのは聞いたことがあるのですが、こういった形でのアンテナショップのインターネット活用というのは、たぶんあまり例がないのではないかなというふうに担当部局からは聞いているところであります。
 道と楽天株式会社とは、平成21年に包括連携協定を締結しておりまして、さまざまな本道の情報発信を行わせていただいているところでありますが、今回、インターネット上に店舗を開設することによりまして、現在どさんこプラザが設置されていない地域の方々に対しても道産品のPRを図ることができるわけでありまして、道産品のさらなる販路拡大を推進できるというふうに考えております。
 オープン時には、どさんこプラザ有楽町店の販売品目の中から、昆布やジンギスカンといった食材やスイーツなど約150品目を取り扱うことにしているところでありまして、今後順次拡大の予定であります。北のハイグレード食品、きらりっぷ(北海道認証食品)など、北海道の施策関連商品も販売をしてまいりますほか、夕張メロンといった一次産品、あるいは北海道コスメの販売なども予定しているところであります。
 今後、道といたしましては、どさんこプラザ有楽町店の運営を受託しておられるコンソーシアムの方々などとともに、既存店舗、直近で埼玉に出店(さいたま新都心店)したわけでありますが、その既存店舗とインターネットの店舗との購買動向の違いなどを調べることによりまして、道内企業が行うマーケティング活動にも役立てていきたいというふうに考えているところでございます。ぜひ積極的な報道をお願いいたします。
 以上、私からは3点でありました。

記者からの質問

(朝日新聞)
 今日は統一地方選の後の初めての臨時会で初日ということでしたけれども、道議会には28人も新人議員が加わってですね、新しい会派も結成されました。こういう中でですね、知事としては議会でどのような議論を展開していかれるおつもりか、お考えをお聞かせください。

(知事)
 その時々のさまざまな行政上の課題ということについて、われわれ理事者側と議会側が議論を戦わせて、そこで政策の方向性を見いだして、その後、われわれが実行部隊としてやっていくということで、道議会と私ども道庁側というのは車の両輪というふうに位置付けて、私どもも真摯(しんし)に対応をさせていただいているところでありますけれども、今、この時点での道政上の最重要課題ということにつきましては、私も本会議冒頭の特別発言の中で述べさせていただきましたが、やはり人口減少問題ということに対する課題をいかに一つ一つ丁寧に乗り越えていくのかということが、何よりも重要な道政上の課題だと思っておりますので、私どもの考え方はもう固めつつあるわけでありまして、また、道内179の市町村長さんそれぞれが、特徴を生かしながらまた地域を活性化する、あるいは、それは人口減少の歯止めと、あるいは豊かな過疎とおっしゃる方もおられるわけでありますけれども、人口減を一定程度前提とした地域づくりをどのように展開するかということも含めてですね、われわれ広域自治体たる道自身のこれからの立ち振る舞い、それから道内の179市町村に対して私どもも連携しながら、いろいろ助言などをしながら、それぞれの皆さま方の人口減少問題の対処についての方針、ビジョンということもこれから出していっていただかないとなかなか連携もできませんので、そういったことのベースとなる議論をはじめとして、道議会の皆さま方と真摯(しんし)に議論を展開していきたいと思う次第であります。
 今回、28人ですか、多くの新人議員の方も当選されたところでありまして、また会派構成もですね、今までとはちょっと違う新たな第3のグループの皆さま方も立ち上がられたわけでありまして、大いに政策議論が深まっていくことを期待するものであります。

(朝日新聞)
 昨日の夕方ですね、北方四島の訪問事業に絡んでロシア側から今年度第1回目の事業(平成27年度第1回北方四島交流事業)を中止すると言ってきましたけれども、これについての知事自身の受け止めと、道としての対応の方針がありましたらお聞かせください。

(知事)
 一言で言えば、大変残念であります。
 これまでもですね、私自身が参加をしようと思っておりましたこの交流事業(平成21年5月)が前日になってドタキャンをされたこと、そういうこともございまして、総じて言えば、ロシア側の都合で直前になって中止になった事案がこれまでもあったかなというふうに思っております。今回は、このビザなし交流事業、これは領土問題についての相互理解を深めるための事業としてやっているものの1回目が行けなくなったわけでありますし、また、引き続き自由訪問の1回目(平成27年度第1回北方四島自由訪問事業)も残念ながら中止ということにならざるを得ない状況なわけでありまして、今年は、こういった中止分も含めますと、道が推進するものも含めて18回、北方領土への訪問事業を予定しているところでありますので、今回、中止に追い込まれたもの以外(の事業)がきちっと行われることができるように、外務省がこういったことの窓口ですので、しっかりと調整していただきたいということをあらためて申し入れをしていきたいと、こんなふうに考えております。 

(北海道新聞)
 報道でもあったんですが、(道の)特別職人事の報道もあったと思うのですが、それを含めてですね、今後の幹部人事の考え方をあらためてちょっとお聞かせください。 

(知事)
 人事につきましては、今議会中に、議会のご承認をいただくというふうにルール上決まっております特別職の人事案件を、私のほうから提案させていただきたいと思っているところでありますし、また、そういった特別職の人事を含めて、幹部職員の人事につきましては、適材適所ということでやっていかなければならないと考えているところであります。
 政策課題は、先ほど申しました人口減少問題への対処をはじめとして、さまざまあるわけでございますので、そういったわれわれの課題をにらみながら、適材適所の人事をやっていきたいと、こんなふうに考えております。

(TVh)
 日豪EPAに関してでございますけれども、今年1月(15日)発効ということなんですが、畜産家の中ではそれほど大きな影響がないと言う方もいるというふうに聞いているんですけれども、道はだいぶ前に、1兆3千億円以上の影響があるというふうに試算を出していましたが、これは知事、実際に始まってみてどのように受け止めていらっしゃるのか、また、その如何によっては、例えばTPPも同様なという試算を出していてですね、大きく言うと反対というかそういう方向で、農畜産業への影響というのを懸念されていると思うんですが、この辺、実際、日豪EPAが始まってみてですね、今後TPPへの対応等の考えですとか改める必要があるのか、ここら辺の見解も併せてお伺いできればと思います。

(知事)
 日豪EPA、国会の承認もありましたので、発効してから4カ月という状況であります。
 その前に私どもが影響調査を出した時には、こういった交渉事というのは当初の状況では関税をゼロにするという、撤廃をするということを前提に交渉を行うというふうに聞いておりましたので、そういったことを前提に道内への影響がどのようになるかということを、これはもう全て計算の方法もオープンにした形でお示しをしておりますので、ご存じのとおりでありますが、試算をした結果というのは数字としてあるところであります。
 その後、例えば日豪の間で、北海道においてはやはり牛肉の関税の問題が一番大きな影響があるかなと。もちろんそれ以外にチーズの関税割り当てとかですね、いろいろありますが、私どもとしては牛肉の問題を一番ウォッチをしていたところでございますけれども、ご承知のように、18年間かけて少しずつ(関税を)引き下げていって、最後ゼロということではない、それでも20パーセントくらい下げていくという計画でしたかね。今、その2年目(平成27年4月1日から2年目の関税率となっている)という状況でありますので、18年間のうち2年間でその応分の率が下がってきているという現状であります。
 今、ご質問の中で触れられましたとおり、今現在のこの(牛肉の枝肉の)価格動向、これは国産のものも含めてのマーケットの状況がどうなっているかということについては、価格はそれほど厳しく急激に下がっている状況にはないというのはそのとおりでありますし、輸入量そのものも、急増しているという状況にはないというのも、これは数字が出ているとおりであります。ただ、こういったことの背景の一つにですね、やはり円安ということの影響も入っているでしょうし、為替というのは全くこのEPAといったこととは別世界の論理で動いてくるものでありますので、今の状況がいつまで続くかどうかについては誰も何も言えないわけであります。
 また一方で、国内生産がいろいろな中で今、少しずつ縮小しているというようなこともですね、今申しました価格の状況などにも影響が出ているのかなと。現在この関税の引き下げということについての影響がそれほど出ていないということの背景にはそういうことがあるかなというふうに思っているところでございますが、私ども北海道の生産者が生産する牛肉というのは、ご承知のとおり、肉質でオーストラリアビーフと競合する部分が大変多い。これは、他府県の牛肉の場合には25パーセントくらいしかないこの乳用種というもの。ですから、ホルスタインの雄であるとか、もうお乳を生産することから卒業した雌の牛、といった乳用種の牛肉が生産の(全体の)3分の2を占めているのが北海道の牛肉生産でありますので、今後とも、この競合するオーストラリア産の牛肉の動向というものをしっかりウォッチをしていかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。
 ご承知のとおり、輸入量が急増した場合にセーフガードが発動するということで、その(発動要件の)基準のレベルというのが今の輸入量の実績に近いような形で設定されているということもあるわけでありますけれども、日豪の状況については、私どもとして、道内の畜産経営の安定が図られるようにしっかりウォッチを続けていかなければならないというふうに思っているところであります。
 そして、その状況をしっかり見極めながらですね、今、もう一つご質問のございましたTPPに対しても、私どもの利益、利害を踏まえて、しっかりと要所要所で政府に対して発信をしていかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。日豪EPAという1対1の国と国との関係にとどまらず、TPPというのはマルチ(多国間)でありまして、より複雑な様相を呈するこういった関税の動向、あるいはその影響になってくるというふうに思うわけでありますので、引き続きTPPについては政府に対し「国会決議をしっかり守るべし」という私どもの主張を適宜適切に、道内の関係の皆さま方、道議会の方々とも連携をしながら国に発信をしていくという、私どもの基本的なスタンスには何ら変わりはありません。

(HTB)
 日曜日(5月17日)に大阪都構想の住民投票があるわけですけれども、北海道と札幌市の間にも二重行政の、似たような業務をしているところがあるかと思うんですけれども、札幌市長も新しくなりまして、これからあらためて、どのようにこの点について取り組んでいきたいか、お話を伺いたいと思います。

(知事)
 この前(5月8日)、秋元市長が(道庁に)来られたときには、(冬季)オリンピック・パラリンピック(札幌誘致)など、緊急のことについて、とりあえず早くやろうねということを話したわけでありますが、今回の大阪都構想で議論になっております、政令指定都市を抱える都道府県と当該都道府県の中にある政令指定都市との間の二重行政の問題というのは、常に言われている問題でありまして、私どもも財政が厳しい、多分札幌市以上に厳しい状況にありますので、重複行政をする、そういう無駄をするゆとりはないわけでありまして、できる限り納税者の目線、道民目線、市民目線で重複のあるところはしっかりカットをし、重複を整理していくという考え方は大変重要なことだというふうに認識をいたしております。
 今までですね、そういったことを私から事務方に指示することによって、同じような業務をやっている消費者向けの相談センターとかですね、いくつかのそういう重複行政の現場で、連絡を密に取り合うとか、情報共有をする、そういうことでやってるという報告は受けているのでありますが、私はこれは全く不満であります。本当に同じことをやっているのであれば、何というか、情報共有ではなくてですね、どっちかがやめればいいだけでありますので。ただ、そういう大胆なことを言いますと、今まであった組織、あるいはそこに従事しておられる職員の方々の処遇をどうするかとかですね、いろいろとやはり組織運営の中で考えていかなければならないことも出てくるわけでありますので、せっかく実務にたけた市長さんが向こう(札幌市)もなられましたので、あらためて私どものほうから問題提起をして、無駄を省いていこうということで、あらためてのしっかりとした議論を展開していければと、こんなふうに思っております。

(STV)
 安全保障法制関連法案、これが閣議決定されまして、まもなく安倍総理が記者会見をされると思います。道内にも自衛隊員がたくさんいらっしゃって、家族もたくさんいらっしゃいます。これにつきまして、知事はどのようなお考えをお持ちかお聞かせください。

(知事)
 世界全体、これはアジアエリアに限らず、政治情勢、軍事情勢が目まぐるしく展開、変化をしている中で、この議論というのは起こってきたのだろうなというふうに、一国民として理解をいたしているところでございます。そして、与野党、今日も昼の報道なども見ておりましたけれども、賛成、反対、いろいろな動きが世の中で出てきていると、国会で議論をする前に、いろいろな立場の方がいろいろな運動をしておられるということも拝見いたしたところであります。そういった方々は、私個人も含めて、みんな世界の平和を目指すという、その目的はみんな一緒だと思うのであります。ただ、それを実現していく、それに少しでも近づけていくための日本の立ち振る舞いについての方法論において差があるので、議論が起こってくるということだと私は思っているところでございます。
 そういった中で、政府を支えておられる与党の皆さま方、自民党、公明党、もうこれまで20回以上ですか、与党協議(安全保障法制整備に関する与党協議会)を続けてこられたというふうに理解をいたしておりますので、それぞれの党も政府任せにせずに丁寧な有権者の方々に対する説明、特に具体的な事例なども踏まえた分かりやすい説明をまずはしていただく必要があるのではないかなと、いうふうに思っているところでございます。
 国際平和支援法案と平和安全法制整備法案ということで、後者の法案というのは、いくつかの法律の一括改正法案というふうに理解をいたしているところでありますけれども、そういった提案をするサイドの方々は分かりやすい説明をしっかりやっていただきたいと思いますし、また、議論をしっかり十分にやらなければならないと言っておられる野党の皆さま方におかれても、なぜ反対をするのかというところを、これも国民目線で分かりやすくご説明をしていただいて、しっかりとした論戦を展開していただく、こういったことが重要な事案だというふうに思っているところでございます。私自身もこれから一生懸命勉強をしなくてはならないなと、そんなふうに思っております。

(STV)
 知事ご自身のお考えというのは特にはないですか。

(知事)
 今段階は勉強中ですね。

 


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