知事定例記者会見記録(平成27年3月20日)

知事定例記者会見

・日時/平成27年3月20日(金)16:00~16:25  
・場所/記者会見室
 ・記者数/25名(テレビカメラ1台)

会見項目 

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知事からの話題

1 「本道における人口減少問題に対する取組指針」について

記者からの質問

1 北海道型地域自律圏について
2 国家戦略特区について
3 3期12年間を振り返って(1)
4 3期12年間を振り返って(2)

知事からの話題

 

「本道における人口減少問題に対する取組指針」について

〔配付資料:「本道における人口減少問題に対する取組指針」のポイント(PDF)(  )※容量の都合上分割しています。〕
 それでは、私から、「本道における人口減少問題に対する取組指針」ということで、今週の(3月)17日に開催しました人口減少問題対策本部におきまして、取組指針を決定いたしたところであります。この指針は、人口減少問題に対する基本認識の共有を図るとともに、今後の取組の方向性を示すものであります。
 また、国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、今後、道が策定をいたします「総合戦略」の基本となるとともに、各市町村における「総合戦略」策定の参考としていただくものとしての位置付けもあるところであります。
 指針の資料につきましては、この後、プレスリリースすることにしておりますけれども、今後、連携・協働して取組を進めていく道内市町村には振興局を通じて送付したところでありまして、道のホームページにもアップしております。道民の皆さま方に対しましては、この指針に基づき、フォーラムの開催などさまざまな機会を通じ、人口減少問題に対する認識の共有を一層進め、一体となって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 また、市町村による人口減少問題への取組を支援するため、4月より、全ての振興局に専任の「戦略策定支援担当部長」を配置することとしており、本日、この記者会見の後、私からこの14名の方々に対しお話をし、市町村や地域の方々との十分な信頼関係を築いてしっかりサポートするよう、激励をしたいと考えているところであります。具体的な動きは知事選後とならざるを得ないかなと思いますが、しっかり全庁を挙げて取組を進める必要があると、このように考えます。 
 私からは以上であります。

記者からの質問

(朝日新聞)
 こちらの人口減少問題と重なると思うんですけれども、この前の知事の公約発表(記者会見)の際にですね、国の定住自立圏構想というのは北海道では当てはまらないところもあると、そして日高ですとか留萌、根室といった地域を挙げられて地域自律圏構想というものをこれから取り組むというふうにおっしゃっておられました。そこをもうちょっと、一体どのようなイメージなのかというのをもう少し詳しく教えていただけるとありがたいのですが。

(知事)
 分かりました。国が示している定住自立圏構想というのはですね、典型的な姿としては、一帯の地域、市町村のエリアがあって、その地理的にも真ん中にですね、人口4万人超の、他の市町村よりも規模の大きい市が位置しているという状況を想定して、その中核となる市(中心市)と周りの市町村(中心市と定住自立圏形成協定を締結した近隣市町村)が連携して、さまざまな行政課題に対応する一つの単位となるべしというような意味で定住自立圏構想を掲げておられるのですね。
 これはこれで(連携の)一つの形だという認識はあるのですが、ただ、北海道のこの広域な地域の現状を考えた場合に、先ほどの日高とか根室とか留萌、要するになかなかコアとなる、かつ地理的にも中心になるような中核都市がないようなエリアというのがあって、そういったところで、やはり単体の市町村でさまざまな行政課題に対応するというのが難しいような場合に、じゃあどうするかということの一つの北海道らしい取組として、市町村の方々といろいろな議論を積み重ねて、今回発表させていただいたのが「北海道型地域自律圏」、「律」はあえて律するをちょっと使ってみたのですが、自ら律すると、自ら考えて行動するというような意味も含めてですね、そういうものを提唱させていただいたところであります。
 具体的には、例えば日高だったら日高の各町と道の出先である振興局、あるいは道と言ってもいいのですが、各町と道が同じ目線で、同じ位置付けで参画をして、協力をしながら、さまざまな行政課題に対応していくと。それは今の行政課題への対応もあるし、中長期的な当該地域の発展を目指す取組もあるだろうし。そういったことを想定して、私は発表させていただいたところでございます。
 もとより、国が求めている「(まち・ひと・しごと創生法に基づく)総合戦略」というのは、これは市町村ごとの策定ですよね。これを作らないといろいろな国の財政支援を受けられないだろうからそれはそれで作ることになるのでしょうけれども、ただやはり、190万都市の札幌市と1,000人に満たない人口の村の戦略というのはおのずと違うわけで、やはり近隣の市町村が連携してやっていかなくてはならない事業、行政の営みというのはたくさんあると思うのですね。そういうことを想定して申し上げたところであります。 

(HBC)
 3期目最後の会見ということでですね、前々から本当に僕は個人的には、この4年間最大の謎って言っているんですけど、国家戦略特区にですね、農業特区にですね、新潟市と兵庫県の養父市が選ばれて、北海道があの時選ばれなかった。ちょうど1年前くらいだと思うのですけれども。いろいろ憶測もございましてですね、例えばですね、もともと知事がですね、農業生産法人を参入しやすくしたりとか、農業委員会の実権を取り上げるような、そういうことはあまり望んでなかったんじゃないかという、これは本当に憶測の域なんですけれども。というようなお話ですとか、あるいはどこの市町村でやるっていうところまで決め込めなかったというような、そういうことが背景にあるんじゃないかとかいろんな憶測が今でも流れているわけなんですけれど、実際なぜ国家戦略特区に選ばれなかったのか、それと選ばれなかったことを知事としては今どう受け止めていらっしゃるのか、お願いできますでしょうか。

(知事)
 去年の年末インタビューでもちょっと聞かれたような記憶があるのですが、こういう規制改革、最初は規制改革とも言っていなかったのですね。普通こういう特区を国がやる場合には、こういう制度設計があるので、こういう分野について提案をしてくれと。それが選ばれた場合にはこういうインセンティブ措置があると。例えば税制上とか規制緩和とか財政支援とか。そういうことでこの指止まれ、というふうに公募するというのが普通だと思うのですが、この国家戦略特区というのはですね、もともと分野も決めていない、(政策)ツールも決めていない、各地、これは広域自治体に限らず地方公共団体どこに対しても問い掛けがあったと思うのですけれども、何でもいいからやりたいことを言ってみろというようなところからスタートしたところであります。だから当時、これは(提案内容を)全部オープンにしながらやっていましたので、報道などをチェックしていただければ分かると思うのですが、私どもは食品加工業、農業ではなくその素材の良さを生かした「食」の分野の提案、それから「観光」分野の提案、3つ目は再生可能エネルギーの宝庫といつも言っていますので、「エネルギー」の分野、3つの分野についてわれわれはこういうふうにしたいと、こういうふうにすることが地域の活性化にもなるし国への貢献にもなると、いうふうな提案をしたところであります。
 そうこうしているうちにですね、徐々になんていいますか、われわれが何を言ったかとは別に、国のほうで制度設計を進めたらしくてですね、まず分野として今、私が申しました3分野はないと。一番近いところで農業分野というのがあると。私どもはダウンストリーム(下流)のほうの食品加工業を想定して提案したのですが、そうではなくて、素材のところの上流のほうの農業が分野であるということが分かったと。かつ、その政策ツールも規制緩和のみであるということも分かったと。もともとこの「食」の分野の提案は、道経連(北海道経済連合会)と共に(共同提案で)やってましたので、その前提として、食品加工業というのは事業者数とか出荷額とかいろいろなものが北海道は全国1位ですので、ここに集中的にさまざまな行政資源を投入することによって、日本版のフードバレー、オランダがフードバレーで大成功したということはこれは甘利(経済再生担当)大臣なども言っておられたし、それをやりたいんだと言っていたのを、「いや、分野がないんだ」と言われたので、それで道経連といろいろ議論をして、どうしますかと、もうこれでやめちゃいますかという議論もしたのですが、でもアップストリーム(上流)のほうの農業ということも分野に残っているようなのであらためてちょっと考え方の整理をしようというふうなことでやっていたのが、出遅れたというのは一つあるかなというふうに私は思います。
 それからもう一つは、今、ご質問の中で触れられたこととも関わりがあるのですが、国が岩盤規制と言っておられた一つの柱が農業委員会、これが今回の農協改革等の中にも出ているところでありますけども、農業委員会と農業生産法人の要件緩和でしたかね、前者についてはですね、こういう記者会見の場でも何回も申し上げたのですが、全国的には、例えば養父市などはそうだったらしいですね。養父市におけるいろいろな農業改革、あるいは市全体としての地域発展を考える場合に、どうも農業委員会が足を引っ張って、市の企画立案するいろいろな事業をやるのに障りがあるということで、ここを改革すべしという提案をされたらしいのですが、北海道は、全ての市町村にある農業委員会というのは、篤農家の方というか、農協を一生懸命やられる農業者の方もおられるのですけれども、農業委員会(の委員)をやられる方もみんなやはり専業性が高い地域なので、一生懸命、地域の発展、地域の農業のために成果が上がっているのですよね、道内の場合。ですから、農業委員会が障りとなるから規制緩和を、というのもやはり違和感があるなあという感じは拭えなかったけれども、国は岩盤規制と言っているなと。そこのギャップというのが一つありまして。だから道内で各市町村に(規制改革は)どうですかと伺ってもですね、どこも不都合がないので(提案が)出てこないんですよね。中には、いやそこまで言うなら出してもいいよと、別に利益もないけれども、害もないからいいよという町はいくつかあったような気がしますけれども、そんな状況でした。
 それから、農業生産法人、ご承知のとおり法人格というのは株式会社をはじめいろいろなものがありますけれども、とにかく農業というものを、その農業者だけではなくて、外部の資金なども投入して農業をレベルアップしようというそういう動きでありまして、例えばイオンとかコンビニチェーンなども入って、いろいろな農業生産法人がもう現にできていて、道内でも、規制緩和をしなくても、今の条件の中でも3,000近くの農業生産法人がもう既に活躍をしておられて、この数というのも全国1位、断トツ1位なんですよね。これも当時いろいろ議論しましたけども、こうあったらいいなというのはいくつか、例えば農業者以外の参画の割合を高めるとかという分野もあったり、そういったことがあったらいいなというのがありましたけれども、そのことが障りになって、今、道内で農業生産法人の設立がどうしてもできなくて、北海道の農業の付加価値向上なり6次産業化ということに障りになっているというのは一個もなかったんですよね。それで、どうしようかと言っているうちに(特区の指定が)終わってしまったということであります。
 ホクレンなどとも議論しているのですが、ニュージーランドとの酪農の協力ということも、向こうは雪がないから年間放牧でやっておられて、それをそのまま北海道に持ってくるのは大変だけども、今、輸入飼料も大変値段が高まってきている中で、やはり放牧をしながら北海道の牛の生産性というものをいかに高めるかということで、「ニュージーランドは大変熱心なので、フォンテラ(ニュージーランドの乳業会社)も含めて、そういうことをもっともっと提携して連携してやっていこう」ということなど、ホクレンも大変積極的に、佐藤会長もこの前ニュージーランドに自ら行かれましたし、そういうところで一生懸命やろうと。じゃ、それをやるその農業生産法人として外部の方々も入れて、今の農業生産法人のちょっとこういう部分を緩和してもらうというふうな具体的な事案があるかどうかというのを、頭を整理しながら、JA(農協)の関係の方々とも議論を深めておりますので、そういうことが形になってくれば、また新たな気持ちで、国家戦略特区というのは、第2弾、第3弾というのが出てくると思いますし、かつ、農業というのはやはり北海道が日本国全体の先進地として、(食料)自給率の議論をはじめとして全てを引っ張っているという自負もありますので、そういったチャレンジをどこかのタイミングでしていくということをあらためて考えていきたいなと。地に足のついた、本当にそのことをやることによって、北海道農業の明日のためにつながるような、しっかりとしたものを出していきたいなと、いうふうに今考えているところです。
 
(HBC)
 ということは、国が求めていたものと、北海道が求めているもの、やりたいこととか、というのがどうも食い違いがあったということで、去年3月の時点では、まだ機は熟していなかったのかなというのが今の感想でしょうか。

(知事)
 今から思うとそういうことだったのかもしれませんね。


(STV)
 ちょっと節目のタイミングかなというところで伺いますが、3期12年の道政運営を振り返られて、お答え難しいとは思うんですけれども、自己採点されたら何点ぐらいかなとか、例えば1期目は50点で2期目は60点とか、そういうような採点の仕方もあるのかもしれませんが、ご自身で振り返られて、自己採点されるとしたらどうかということをお伺いいたします。

(知事)
 同じようなご質問というのは、この記者会見の場でお受けしたことは何回かあると記憶をいたしております。点数というのは自分でつけるものじゃないと思っていて、やはり私なり、私がトップにいた道庁がこの12年間どういうことをやってきたかということを第三者の方に評価をしていただく、採点ってそういうことかなというふうに思うところであります。
 でも一つだけ、採点じゃないけれども、私が12年間何をやったかというのはもういろんなところで言いましたので言いませんが、常に自分に気をつけてきたことというのは二つあって、一つは、やはり現場主義ということを徹底的にやるということでした。(平成15年の知事就任後)一番最初に道内出張したのは、利尻・礼文島でした。ここは最初の選挙の時に一度も選挙期間中入らなかった、だから高橋はるみの顔も見たこともないのに、にもかかわらず、私の掲げる政策とか私のポスターとかそういうのを見て、とっても多くの方々に投票をしていただいた。本当にうれしくて、まず利尻・礼文島に行ったのがスタートでありましたけれども、その後、やはり現場主義というのを何よりも大切にしてきたというのは、これは自分自身、胸を張れることかなと思っております。
 それともう一つは、物事を進めるために、常に道民の方々と協働でやると。独断専行、一人でやる、道庁だけでやるということを極力避けて、道民の方々と協働するという形ということを求めてきた。この二つは、私なりにこだわってきたところですね。ただ、それも第三者がご覧になったらまだまだ足りないとおっしゃる部分があるかと思いますけども。以上です。


(共同通信)
 今、知事がおっしゃったことを、もうちょっと細かく教えていただきたいんですけれども、現場主義というのはどういった意味でおっしゃっていて、実際どういった現場主義に基づいてどんなことをされたのかというのを詳しく伺えますでしょうか。 

(知事)
 一つ一つはちょっとここで取り上げるのは不可能でありますけれども、大きく言えば、例えば災害が起こった時とかですね、何か問題があった時にそこに飛び込んで私自身で確認をして、皆さんの話をお伺いするという意味の現場主義というのがあろうかと思います。
 それからやはりもう一つは、いろいろな地域資源が多様だということは私は常日ごろから言っておりますが、そういったものを事務方から情報としていろいろ報告を受けるだけではなくて、自分自身の目で確認をする、そして、自分自身の耳でその地域でそういった資源を活用してさまざまなことに取り組んでおられる方々のご苦労談であるとか、思いであるとか、そういったことをお伺いする、そのような意味ですかね。


【質疑終了後】

[3期目最後の定例記者会見にあたって]
 今日は3期目最後の定例記者会見であります。実はこの週1回の記者会見をやるというのは、私の1回目の選挙の時から公約に掲げ続けている、「顔の見える道政」ということをどういう形にするかということを私なりに考えて、一項目立てたことでありました。以来12年、3期目の4年間だけで見ても、定例と臨時の会見というものを合わせて198回、皆さま方にお付き合いをいただいたところであります。これは、先ほど現場主義の話が出ましたけれども、現地に私が入った時にですね、その場その場におられた単独のマスコミの方、あるいは複数のマスコミの方からお受けするいわゆるぶら下がり会見などはそのカウント外でありますので、その全ては数え切れないわけでありますけれども、多くの場面で皆さま方にお付き合いいただいたことを心から感謝を申し上げる次第であります。
 なかなか私も言葉足らずのことが多くて、また、道政の隅々まで全て分かっているわけではありませんので、お答えの中で大変ご迷惑をお掛けした部分もあったかと思いますけれども、私なりに一生懸命、この記者会見というものも進めさせていただいてきたと思っているところであります。
 いずれにいたしましても、皆さま方におかれましては、私ども道政と道民の方々の間をつなぐ架け橋としてお力添えを頂いたことに心から感謝を申し上げる次第であります。ありがとうございました。


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