知事定例記者会見記録(平成25年10月25日)

知事定例記者会見

・日時/平成25年10月25日(金)14:30~14:59  
・場所/記者会見室
 ・記者数/23名(テレビカメラ1台)

会見項目 

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知事からの話題

1 児童虐待防止推進月間の取組について

記者からの質問

1 JR北海道について
2 医療施設の防火安全対策について
3 統合型観光リゾート(IR)誘致について(1)
4 米の生産調整の見直し等について(1)
5 土砂災害警戒区域の指定について
6 米の生産調整の見直し等について(2)
7 統合型観光リゾート(IR)誘致について(2)
8 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果公表の取扱いについて
9 北海道エアシステム(HAC)について

知事からの話題

 

児童虐待防止推進月間の取組について

〔配付資料:「児童虐待防止推進月間」の取組について〕
〔配付資料:11月は児童虐待防止推進月間です。〕
 後ろにポスターもございますし、リボンとポケットティッシュなども皆さんにお配りしましたけれども、児童虐待防止推進月間の取組についてでございます。
 今月に入りまして、和歌山県で、2歳の男の子に虐待をして死に至らしめたのではないかというようなことで、父親が逮捕されたという事案もございました。道内でも、昨年度だけで見ても登別市、札幌市、倶知安町で、4人の尊い命が虐待という形で失われたと、そんな状況にあるところであります。
 そうした中、来月11月は、児童虐待防止推進月間でございます。児童虐待防止法の施行が平成12年11月20日でありましたことから、毎年この期間に、全国でオレンジリボンキャンペーンなどを集中的に展開しております。私もここ(胸元)にリボンを着けておりますけれども、(オレンジ色は)里親の元で育った子どもが選んだ色だそうでありまして、子どもたちの明るい未来を守ろうというメッセージが込められているということであります。
 昨年度、児童相談所の児童虐待に関する相談対応件数は全国で約6万件、北海道では約1,700件と、いずれも過去最多となっているところでございます。残念なことであります。
 道では、11月1日にJR札幌駅で札幌市とともに街頭啓発を行うほか、道内8カ所の児童相談所で、それぞれ11月中にシンポジウムを開催する予定です。今年の標語は、「さしのべた その手がこどもの 命綱」でございまして、こうした標語やシンポジウムなどの取組を通じまして、道教委(北海道教育委員会)、道警(北海道警察)などの関係機関と連携しながら、道民の皆様方の理解や関心を深め、児童虐待防止を着実に推進していきたいと考えておりますので、マスコミの方々におかれても協力方よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。 

記者からの質問

(HBC)
 来週の月曜日、28日にですね、JR北海道の問題に関連して全庁会議をやられるということなんですけれども、それに当たってですね、いろんな各地の懸念される影響というようなことを今取りまとめたと思うんですけれども、今のところどういうようなですね、影響というのがいろんな地域で懸念されているのか、それに対してですね、まさにその全庁会議で対策を考えているということだとは思うんですけれども、現段階でですね、そういった声に対してどういうふうな対策というのを知事としてお考えになっているのか伺えればと思います。  
  
(知事)
 昨日、あらかたの報告は受けたのですが、道議会でもお約束申し上げた対策会議を、関係の部長に加え、テレビ会議システムを使って全道の振興局長にも参加してもらう形で行いますので、その場で、各振興局長などから現場の切実な、いろいろな影響等の声などをまずは出していただいて、メンバー全員でそういうことの認識の共有を図っていくと。その上で、それぞれの部なり、それぞれの地域の政策的な対応の方向性についての議論を深め、1回目ですべて終わるということではないと思うのですが、方向性を出すための一つの議論の出発点としたいと、このように考えております。
 月曜日までまだ時間もございます。それまでにまた新たな情報も入るかと思うわけでありますが、やはり何といってもJR北海道における、国から、あるいはJR東日本からのサポートも踏まえた安全対策をしっかりやっていただく、粛々とやっていただくということが大前提でありますが、私どもとしては、11月のダイヤ改正ということも視野に入れながら、道民生活、道民の足への影響が出るとすればそれをいかに緩和していくのか、あるいは経済活性化という観点から物流面への影響をどのように考えていくのか、さらには観光をはじめとする分野にどのような対策を考えていくのか、そういったことの議論を深めていきたいと、このように思っております。 
 
  
(北海道新聞)
 福岡市の診療所火災に絡みまして、道内の医療機関の防火体制の管理についてお伺いします。病院や診療所の防火体制に関しましては、医療法と建築基準法と消防法の三つの定めがありまして、道でも保健福祉部、建設部、総務部の3課にまたがりますが、今後ですね、道として速やかな対策のために、何かお考えのことがありましたらお聞かせください。
 
(知事)
 まず福岡市の病院火災というのは、本当に大変痛ましい事案でありまして、こういったことを北海道内を含めて日本国どこでも、二度と繰り返してはならないという思いを強く持ったところでございます。
 実際、今ご質問の中でも触れられましたとおり、医療施設の防火安全対策というものは、医療法とか消防法とかいろいろな法律体系で規制するということになっておりますので、関係省庁がまたがっています。道庁内で見ると、やはり部がまたがっているという現状にあるわけでありまして、こうした関係部局が、所管を超えて連携を取りながら対応していかなければ、道内の医療機関の防火安全対策を講じることはできないわけでありまして、(10月)22日に、道庁内の関係3部からなる医療施設の防火安全対策に関する連絡会議を設置いたしまして、昨日、第1回目の会合を開き、あらためて道内の医療機関における防火安全対策に万全を期すということについて議論をスタートしたところであります。
 
 
(北海道新聞)
 昨日、小樽でカジノのサミット(第8回日本カジノ創設サミットin小樽)がありましたけれども、カジノ誘致、先日(10月22日)も知事のほうも東京に要請に行かれたと思うんですけれども、苫小牧、小樽、釧路がカジノの誘致に関して候補地として手を挙げていると思うんですが、その一方で地域では治安の面もあってですね、なかなか一枚岩になりきれないという面もあると思います。そこで治安面なり、不安視するような地元自治体との調整役に今後、道が乗り出したりとか、そういうことはあるのかということとですね、まだ国の法整備もまだなので、そこの国に今後道内にカジノができるためにどのようなことを求めていくのかという、この2点を教えていただければと思います。
 
(知事)
 先日、超党派の議連(国際観光産業振興議員連盟)の会長、私がいた経済産業省の先輩の国会議員でいらっしゃいますけれども、細田自民党幹事長代行に要請を行ってまいりました。その際はご都合がつく方々ということで、小樽市長と苫小牧市長と、それから釧路市はどうしても市長が別のご用件がおありになったようで、副市長とご一緒に行かせていただいたところであります。これから国のほうは、まず基本法というものを議員立法でこの臨時国会に提出する方向で、一部の党は反対のようですが、過半数以上を占める各党からなる超党派の議連で進めておられるので、たぶん法案は成立する方向になるかと思いますが、その後、今度は政府に球を投げる形でしっかりとした実施に向けての法整備をするというような流れになるというご説明を細田先生から頂いたところです。ですから、そういった国なり国会の動きということを見極めながら、今明確に要請してこられたのは3市ですが、道内にはそれ以外にも関心を持っておられる基礎自治体があるかもしれませんので、そういった方々のご意向もしっかり踏まえながら、われわれとして対応を急いでいきたいというふうに思っているところであります。 
  
 
(北海道新聞)
 今日、各紙の報道にもあったのですが、国がコメの減反政策を見直すというような報道もありまして、それに関して減反政策の見直しをどう評価というかですね、見直しについてどうお考えかということとですね、あと北海道への影響というものが考えられるとしたらどんなものがあるのかということをお教えいただければと思います。
 
(知事)
 結論的に言えば今後の政策の制度設計次第ということだと思いますので、なかなか明確にお答えできない部分は多々あろうかと思います。
 まず、ご承知のとおり、道内は、これはコメに限らないわけでありますけれども、大規模経営、単位農家当たりの耕地面積も全国平均の20倍と大変広いですし、専業性も高いわけですよね、圧倒的に。そういう中で、コメ生産についても、当然大規模で専業農家の方々が多く主体となる形で展開されているという現状を踏まえた場合に、今回の産業競争力会議における議論の方向性、政策的な目標というのは、コメ生産における大規模経営へのシフトというふうに私自身は理解しておりますので、これ自体は、道としては一定の理解はできるものと、このように考えているところです。
 しかしながら、先ほども少し申しました制度設計の中身によっては、道内のコメ生産者は都府県の方々と違って専業性が高いがゆえに、中身によっては負の影響というものも懸念されるところがあるわけでありますので、そこはしっかりと国における制度設計の議論を見極めつつ、必要であればしっかりとした提言を行っていかなければならない、そんなふうに思っております。
 
 
(北海道新聞)
 土砂災害の件でちょっとお伺いしたいんですが、先日弊紙の報道でもですね、道の土砂災害警戒区域の指定に向けた調査が遅れているという報道があったんですけれども、今、伊豆大島の深刻な土石流災害というのも全国的に注目されている中ですね、今後の速やかな指定に向けて、道として今後どのように進めていくのか、知事の見解をお聞きしたいと思います。 
 
(知事)
 道内は、多くの箇所でそういったことの作業を検討しなければならないところがあるわけでありますけれども、なかなかその作業が全国との比較においても進んでいないという現状にあると認識しております。ご承知のとおり基礎調査、そしてそれを踏まえて当該市町村の同意という手続きを経て指定を行うということになるわけでありますけれども、やはりわれわれとしては、この今回の伊豆大島の事案等も踏まえて作業を加速化していかなければならない、そんなふうに考えております。
 
 
(日本農業新聞)
 先ほどのコメの生産調整の質問に関連してですけれども、併せてですね、経営所得安定対策、前の戸別所得補償ですね。その支払いもですね、見直しだったり、あるいは廃止だったりという意見も出ているのですが、この点の政策の方向性について、知事は今後どうあるべきだとお思いでしょうか。
  
(知事)
 一つ一つの項目ごとというよりも、そういうことを含めてトータルでどういう方向の農業政策を目指していくかというところがちょっとまだ見えないところがありますので、その方向性が北海道が目指すものと一致するかどうか、そして今度は施策のツールとしてどういうふうに考えていくかという議論だと思いますので、一つ一つの項目についてコメントは控えておこうかなと、そんなふうに思います。 
 
 
(朝日新聞)
 ちょっと話が戻るんですが、カジノの件なんですけれども、道内のカジノの導入についての、まず知事の基本的なお考えと、そういった問題点についてどうお考えか教えてください。
 
(知事)
 昨日の小樽で開催された会議はカジノ創設サミットとネーミングされていたんですね、あらためて見たら。「カジノ」がなぜ特記されるかというと、カジノを日本国内でやるためには、法律を整備しないと。日本国というのは原則ギャンブル禁止ですからね。競輪にしろ競馬にしろ法律が整備されています。そういう意味では、(「カジノ」が)注目されるのかなと思うのですが、私が常に念頭に置いておりますのは、そのカジノの部分も含めてのIR。統合型観光リゾートというのですが、要するに観光王国北海道ですので、お子さん連れで(北海道に観光に)来られた、おじいちゃん、おばあちゃんも、3世代でもいいんですけれど、若い人だけの場合もある。そういう観光客の方々が心から楽しめる、そういったアミューズメント的な、統合的なリゾート施設というものを、ぜひ観光王国北海道、日本国全体の観光入込客の10%をわれわれが担うということを常に言っている北海道の立場で、しっかりと整備をしていきたいという思いの中で、いろいろな活動をさせていただいているつもりであります。
 その意味では、もちろんカジノもありますけれども、そこは実行するために法律がないとできませんので、先ほど申しました実施法ですけれども。それ以外の例えば国際的な会議、国際会議の誘致も北海道は一生懸命やっておりますので、サミットもやりましたし、そういった国際施設も整備されている。あるいはミュージカルであるとか、世界のいろいろな著名な歌手などをお招きするような、そういうことができるような劇場であるとか、まさに総合的な、統合的なリゾート施設をぜひこの北海道につくっていきたいという思いの中で、私はいろいろ活動をしているつもりでございます。
 そういった私どもの思いに対応するような形で、今年に入ってから、釧路市、小樽市、苫小牧市が、市長をヘッドに、その地域を挙げる形でご要請に来ていただいたというのは、大変心強いところでございまして、今、関心のある地域、今段階で絞り込む必要はありませんので、みんなで盛り上げながら、国の様子も伺いつつ、われわれとしてのさまざまな勉強をしていくと、機運を盛り上げていくという状況だと思っております。
 そういった中で、ここも先ほどご質問で触れられたと思うのですが、治安上の問題、あるいは、細田先生は、家族崩壊ということを懸念する向きもあるんだということをおっしゃいました。治安だけではなくて、教育上の問題もありますよね。いろいろな点について、やはりわれわれ自身も勉強しなければならないし、それから地域の方々にご理解いただくというそういう努力もしていかなければならないし、そういうことも道と市町村と連携しながらやっていかなければならない。もちろん国もですよね。別に北海道に展開するそういう施設が、北海道民だけが利用するわけではなくて、全国の方々、あるいは世界の方々が利用されるので、少なくとも日本国民がどういう意識を持ってそういう施設に対応するのかというのは、もちろん海外で観光客として経験された日本人もたくさんおられると思いますけれども。教育面も重要だと思いますし。そういうことをやはり一歩一歩やっていくという段階に今あるのかなというふうに思っているところでございます。地域振興に大変役に立つ、観光振興に大変役に立つ施設誘致であると考えると同時に、その負の面として想定されることについて、その緩和を少しでも図っていくということの考え方であります。
 それから、例えば、競輪は公営ギャンブルです。競馬も公営ギャンブル。しかし、このカジノ、IRの一角を担うカジノというものが、公営でやるのか、それとも民間主体で国なりわれわれ行政サイドが監督をする、許認可をするという形になるのか。たぶん後者のような議論が進んでいるのかなというのが現時点における私の理解でありますが、担当省庁が決まれば、その省庁の考え方によってまた基本設計も変わってくるかもしれませんし。そういうことも見極めながらやっていかなければならない。まだまだ検討をしていかなければならないことはたくさんありますので、道の観光部局を中心に、情報収集と、道内で関心のある地域の方々との連携、勉強会というのは並行してやっていかなければならないと思っております。 
 
 
(朝日新聞)
 あともう一つなんですけれども、全国学力調査(全国学力・学習状況調査)なんですけれども、各紙で知事に聞き取り調査をして、何割か学校別の成績公表賛成というのがあったと思うんですが、これについて知事はどうお考えか、どうお答えしたのか教えてください。 
 
(知事)
 学力テスト(全国学力・学習状況調査)については、7月に、文部科学省からアンケート調査がございました。3択でしたね。今と同じように学校別の数字の公表は学校のみに任せるのがいいのか、それとも道教委とか市町村教委単位で判断して出せるようにするのがいいのかと、「その他」とありまして、私は「その他」に丸を付けました。それはどういうことかというと、これは単に判断主体がどこか、どこがいいかという単純な問題ではないだろうというふうに思いまして、もとより、今、学力テストの対象になっております小学校、中学校の子どもたちというのは、北海道の明日を担っていく次世代でありますので、やはり一定の学力と創造性と体力と、そういったものを兼ね備えたトータルで子どもらしい、健全な子どもたちに育ってほしいという強い思いを、私は知事としても、また、子どもの親でもありますので、そういう思いを持っているところであります。ただ、それは単に学力を上げればいいということにとどまらないわけでありまして、やはり過度な競争とか、序列化とか、そういうことにどんな意味があるのか、むしろ弊害があるのではないかという思いも強く持っております。
 また一方で、子どもたちの学力の向上ということを実現するためには、教職員の方々がその状況について理解しているだけではなくて、保護者の方々とか、あるいは地域の方々の理解というのも必要なので、そういう学校以外の方々にも分かりやすく説明をしていくということも必要だし、いろいろな配慮をしなければならない要素がある中で、私はやはり、単純に公表について、どこが判断するかということだけではなくて、もっと、その調査結果の公表の仕方も含めて、きめ細やかな議論、そして制度設計、それをやはり国に求めていきたいという意味で、3択の3番目に丸を付けて、(その上で)付帯意見を書く欄があったので、今申したような、文言は一部違うかもしれませんが、そういう主旨のことを書かせていただいたということでございます。
 
  
(毎日新聞)
 HACの関係なんですけれども、今日、報道でも出ていましたが、22日に知事と日本航空の社長が会われたということで、お会いになられたのかという部分と、会って話されたこと、確認されたことなどを教えていただければと思います。 
 
(知事)
 会いました。9月18日に日本航空の植木社長が、定例記者会見において、HAC(北海道エアシステム)を日本航空の子会社にするということを目指して支援していきたいということをおっしゃったのを、テレビを通じて見ました。そのことについて、HACの当事者の主要な一員である道のトップとして、直接確認させていただきたいという思いを強く持っておりましたので、こちらから申し入れをしまして、たまたま(10月)22日に時間調整ができましたのでお会いしました。これを事前にマスコミ等に公表しなかったのは、お互いの意向として、静かな環境の中でトップ対トップで話をしようということでありましたので、事前には公表はしなかったのですが、今ご質問にお答えする形で、このようにお答えをしたところであります。 
  そういう経緯でありますので、別に22日の場で何かを決めたとか、方向性の議論はもちろんしましたけれど、決定、合意をしたというような性格ではなくて、あらためて、先ほど申しました(9月)18日の植木社長が方向性を出されたHACのJALグループへの復帰に向けて、それもできる限り早期の復帰に向けて、JALと道、双方が協力しながら取り組んでいきましょうね、ということを確認させていただいたところでございます。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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