知事定例記者会見記録(平成25年1月23日)

知事定例記者会見

・日時/平成25年1月23日(水)14:00~14:27  
・場所/記者会見室
 ・記者数/26名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 北海道都市型地震災害対処訓練について
2 インフルエンザの流行について

記者からの質問

1 物価上昇率目標の設定とその効果等について
2 地方公務員給与と地方交付税の削減について
3 BSE(牛海綿状脳症)対策の見直しについて
4 北海道都市型地震災害対処訓練について
5 原発の新安全基準の骨子案について

知事からの話題

 

北海道都市型地震災害対処訓練について

それでは私からは2点、お話をいたします。
 事前に皆様方にもご連絡を申し上げましたとおり、本日(23日水曜日)から25日金曜日までの3日間、札幌直下型地震を想定した対処要領などを確認、体験する訓練を実施中です。
 想定はご承知のとおり、本日午前5時に石狩地方でマグニチュード7を超える大規模な地震が発生し、札幌市内で最大震度7を観測したというのがスタートとなる想定です。訓練は午前5時の参集訓練から始まっておりまして、災害対策本部等の設置を行った後、今まさに、混乱した状況の中で情報収集などの運営を行っているところであります。午前7時5分、私から陸上自衛隊北部方面総監に災害派遣要請をいたしましたほか、私自身、午前8時には災害対策本部に合流をし、危機管理監から運営状況、あるいは災害の状況などの報告を受けたところであります。私自身は業務の都合上、終日すべての参加はできないわけでありまして、明日(24日)は東京で(来年度)予算の関係で要請活動等も行うわけでありますけれども、災害の状況等については報告をしっかり受けることとしており、最終日、明後日(25日)には災害対策本部員会議および記者会見の訓練に再度参加することとしています。
 約60時間、夜間も継続しての訓練というのは都道府県レベルでは初めてということのようです。もとより、「想定外」という言葉を禁句にして道民の皆様方の安全・安心を守るということは、前から申し上げているところでありまして、そういった観点から今回の訓練をしっかりと行い、そして事後的にそのフォローアップを行いながら、われわれとしての体制の整備ということをやっていきたいとこのように考えております。

インフルエンザの流行について

[配付資料:道民の皆様へのお願い]
 それから二つ目は、インフルエンザの流行についてであります。全道でインフルエンザにかかられた患者さんの数が増加をしておりまして、北海道感染症情報センターによりますと1医療機関当たりの患者数が10名を超えるなど、北海道でも本格的なインフルエンザの流行シーズンを迎えてしまったと、このように考えております。新学期が始まりまして児童・生徒のいらっしゃるご家庭あるいは学校など、関係機関には細心の注意をお願い申し上げたいと思います。
 やはり基本的に重要なのは、こまめな手洗い、うがい、そして十分な栄養と休養ということで予防に努めていただきたいと思う次第であります。また、急な発熱や咳などの症状があるときには、外出を控えていただいて、早めに医療機関を受診していただきたいと思います。さらに、マスクをして「咳エチケット」を心掛けるなど、周りの人にうつさないようにすることも大切だと思います。道民の皆様方におかれてはインフルエンザの予防に努め、この冬もしっかり元気に乗り切っていただきたいと思います。
 以上です。
 

記者からの質問

(日本経済新聞)
 昨日ですね、日銀と政府が2%の物価目標ということで共同声明で合意しましてですね、過去振り返って異例の声明ということで政府としてもですね、成長戦略を一緒に進めるということのようです。そこでかつて経済政策をですね、所管する官庁にも知事いらっしゃったということで。

(知事)
 (いたのは)大昔。

(日本経済新聞)
 大昔。今回の措置が力強い経済を取り戻すということで実効性のあるものになっているのかどうかという観点一つとですね、道内の経済に関しても物価上昇となれば企業の体力回復、もしくは労働者の賃金の増加とかですね、そういった点も出てくるのかなと思うんですが、道内の経済の見通しについてもお願いします。

(知事)
 そうですね。なかなか難しい質問でありますが、まず思い起こしますと去年の暮れの政権交代ということが確実視されている雰囲気の中で、いち早く、経済政策を新政権が打ち出される前から為替は円安に振れ始めましたし、株価も、たぶん(景気が)良い方向になるのではないかということで上昇傾向に転じたということは私どもそれぞれ記憶に新しいところであります。そういった中で、補正予算、そして明日も私どもの来年度予算について要望に行くわけでありますけれども、来年度予算についても月内の閣議決定、そしてできる限り早くその成立を期して実行するという強い新政権の思いというのが今現れていると。そういう中での今回の日銀・政府の間の定量的な2%という目標設定を持った取り決めのような、そういう流れになっていると思うんですね。
 もちろん経済対策というのは、「効果が期待できる」という方々、「いや、こういう弊害もあるんじゃないか」という方々の両方おられる。今朝も私は、新聞各紙を興味深く拝見させていただいて、いろんな面から見ることによって評価する方、批判する方、いろいろだなというのを、あらためてしみじみ見ていたのでありますけれども、まずちょっとあまり科学的ではないところから申し上げれば、景気ってやっぱり気持ち(マインド)が大変重要でありまして、その意味ではさっき申しましたとおり、政権交代があったというだけで少しこれは良くなるのではないかという国内、あるいは海外の投資家も含めてなのでしょうか、そういう良くポジティブに評価する中で、少し景気が動き始めたというような形の中で、今回の金融政策当局と財政政策の当局である政府が連携をしながら、スクラムを組みながら日本国経済のデフレ脱却、日本国経済の再生に向けて動きを加速するのだという、それ自身が今までマーケットなり、経済界の方々が期待をしていたその動きをある意味確実なものにする、そのような効果がまずはあるのかなというふうに思う次第であります。そのことが成果を得ることができるかどうか、今申しました財政政策のほうは、まさにこれからでございますので、そういったことを実効性のある形で本当に展開することができるかどうかに掛かってきているのかなという気はいたします。
 金融政策だけでありますと、確かにデフレではございますが、ではその資金がどんどん市中に出てきて、それを活用するだけの資金需要があるかどうかということについては、道内金融機関でもいろいろな見方があるというのも私自身承知もしているわけでありますけれども、そこは気持ちですからね。期待も含めて良い形で展開することを私は大いに期待したいというふうに思っているところであります。
 そういう中で道内の景気の動向ということでありますけれども、やはり私はこの10年間、公共事業のみに依存する経済構造、産業構造からの脱却ということを目指してものづくり、食もありますし、いろいろな精密機械もありますし、いろいろな多様な産業群、企業群を育てていく、あるいは誘致をすることが重要だということで製造業のウエイトを高めるというような努力もしてきたわけでありますが、それでも今でもやはり公共事業に多くを依存する、その依存度が他の府県との比較においては高い道内経済にあって、今回新政権が国土強靱化という掛け声の下に、道内のいわゆる北海道開発予算、あるいは新幹線予算も含めて今までとは比較にならないくらいの増額ということをしていただいているところでありまして、そういったことが建設業界の方々にまずは波及をし、そのことが結局、産業連関というか地域に波及をするわけでありますので、そういった良い効果ということは期待はできるのかなと。
 私ども国の予算の実行に伴って道もお付き合いをしなければならない部分については、まだ実額までの提示はありませんが、交付金という形で道負担の軽減ということにつきましても今回の政権は心配りをしていただいておりますので、やっぱり強靭化という政策の方向性が公共事業への依存度の高い北海道経済の中で、良い効果がもたらされればいいなということを期待するところであります。
 加えて、明日、自民党の北海道総合振興特別委員会というものを開いていただいて、そこで私どもからも要請活動をやらせていただくわけでありますけれども、これはいわゆる道内選出国会議員の会というだけの位置付けではなくて、自民党という政権与党の政務調査会の正式な位置付けのある機関として、いわば政府を挙げて北海道の振興をやっていこうという、これは沖縄と並びの位置付けのそういう地域限定のものだそうでありますけれども、こういった場で、もちろん公共事業、開発予算についてもしっかり要請活動はやるわけでありますが、開発予算には含まれていない新幹線予算、あるいは非公共というのでしょうか、さまざまな政策分野、観光の問題もあります。あるいは農業、水産業をはじめとする一次産業対策、これはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の扱いも含めてでありますが、また再生可能エネルギーね。それについて国に以前から、前政権時代から私が要請をしておりますのは、送電網の整備であるとか北本連系(北海道・本州間連系設備)の充実であるとか、いわばなかなか地元、あるいは事業者だけではやりにくいようなことも含めて要請をしておりまして、そういうトータルとしての北海道のさまざまな分野の要請活動をしっかりやることによって、また今申し上げました委員会でのメンバーの方々、道内外の国会議員の方々にも頑張っていただいて、何としても、道内の経済状況を一歩でも、二歩でも良いものにしていかなければならない、そのように思っているところであります。
 それから賃金についてのお話がございました。賃金の状況も道内は全国との比較において厳しい状況にあるということは承知をしております。そしてそういった中で、私が一つ触れざるを得ないのは、地方公務員給与の削減と交付税との連動という話でありまして、東京というか大都会との比較において比較にならないほど、北海道もそうでありますし、またそれ以外、鳥取、島根と言ったら悪いかもしれないけれど、同じようなやはり田舎度の高い地方においては、地方公務員の給与というものの影響度というのが大きいと思うんですね、民間に対しても。ですから私も総務大臣の前でも申しましたし、確か財務大臣の前でも申し上げたと思うのですが、やはり交付税を減らされるということ、国にお付き合いをしろと言われることによって、道はもうそれ以前に独自縮減をやっているから厳しいのはそうなのですけれども、今(職員給与を)全然下げておられないような県でも(一律)下げることによって、デフレスパイラルみたいな、まさに政府の政策方針とは別の方向で賃金の下落ということにつながって、それが地域経済を縮小させてしまうというふうな悪影響も懸念されるところであって、そういう総合的なトータルの観点から、この地方公務員の給与と地方交付税の削減についても考えていただきたいということも申し上げているところであります。
 何かまたちょっと長くなりましたね。すみません、失礼しました。


(北海道新聞)
 今のちょっとお話に出た地方交付税の関係で伺いたいんですけれども、昨日、新藤総務大臣と地方6団体との協議の中で、総務大臣が25日にも地方公務員の給与について国に合わせて削減するよう求めることを閣議決定するというようなことをおっしゃったようですけれども、現在の道の独自削減率というのはですね、以前から独自削減続いていますけれども、現在の削減率については国家公務員並の7.8%より下回っているというふうに聞いております。そういう中で閣議決定がなされたときにですね、道として道職員給与について、知事としてどのように対応するお考えなのかというのをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 分かりました。私ども地方の主張を全国知事会は地方6団体と共同して協力をし、連携をしながら国に対して主張していると。これは全国の動きとしてしっかりやっています。これは知事会長とも連絡を取りながらやっているところであります。そして、ご承知のとおり先週、総務大臣のお時間を頂戴して、とりあえず東日本で(管理職のみならず)一般職員の給与まで削減をせざるを得ない状況にある3道県で総務大臣のところに要請活動もするなど、私どもとして考えられる限りの地方からの発信ということをこれまでも繰り返してきたところであります。そういった中で、私が直接新藤大臣にお会いした時も言っておられたことを、昨日、総務大臣と地方6団体の会合の場でも総務大臣からお話があったというふうに理解をいたしております。
 もう一つはやっぱり地方のこれまでの行革努力というものを交付税に、これは来年度も含めてというふうに私は好意的に解釈しておりますが、来年度の交付税の中にも反映をできればしたいというようなことを言っておられる。また実施可能な給与削減の時期の調整ということなどについて総務大臣の考え方のご提示もあったようでありますので、そういったことを見守っていきたいわけでありますけれども、25日にも閣議決定ということは私もスケジュール感として聞いているところでありまして、大変危機感を持って今状況を見守っているところであります。

(北海道新聞)
 すみません、追加で。そうしますと閣議決定された場合にですね、国としては7.8%まで給与削減してくださいという要請だと思うんですけれども、現在道の平均だと5.6%というふうに聞いてますけれども、この平均5.6%という削減率をですね、さらに引き上げるお考えがあるかどうかという点を伺えればと思うんですが。

(知事)
 今ちょっとそこまで考えは及んでおりません。来年度に向けてのさまざまな交渉を今職員団体の方々ともやっているところでありますので、そこまでまだ考えは及んでおりません。


(北海道新聞)
 厚生労働省が昨日ですね、2月1日からBSE対策で実施していた輸入規制を緩和すると発表しました。国内措置の見直しでは21カ月齢以上の自治体の検査費用については当面国が負担するということですけれども、いずれは自治体負担に変わると見込まれております。いずれ道独自の負担をどうするかという判断を迫られるかと思うんですが、このBSE問題をめぐっては非定型のBSEが解明されていないとかですね、いろんな懸念の声もありますけれども、今回の決定の受け止めとですね、知事のBSE対策に対するお考えと、今後道民の合意形成をどのように図っていかれるのかというようなことをお聞きします。

(知事)
 BSE問題に限らず道民の、そして国民の食の安全・安心を守っていくというのは大変重要な政策課題であると。これは私ども道庁にとってもそうでありますし、また国にとってもそうであると、このように認識をするところであります。
 そういった中で国のほうでは厚労省から、2月1日から輸入牛肉の月齢制限の緩和、そして4月1日から今おっしゃったとおり検査対象についての一定の緩和と、それから検査費用補助は当面継続するというような方針が今出されていると聞いております。こういうことが道民・国民に受け入れられるかどうかというのは、今後またいろいろな形で出てくると思うわけでありますが、国においても一定のさまざまな国民的な議論も踏まえた上での判断だという認識で大臣が発表されたということはそういうことじゃないかなと思うわけでありますが、私ども道内においてどのように考えるのかということにつきましては、前から申し上げているかと思うわけでありますが、北海道食の安全・安心委員会に設けていただいておりますBSE専門部会で今ご議論を頂いているところでありまして、そこにおいてどういう方向性が出るのか、そのことをまずは見守って、その上で私どもとして、また道議会とも議論を深めながら方向性を考えていきたいと。今段階ではどちらということを申し上げられる段階ではないと、このように考えております。


(北海道新聞)
 冒頭にあった今日から始まった直下型地震の訓練なのですけれども、それについて、まずこの訓練でどんな成果を期待しているのかというのと、もうひとつ、札幌市内の大地震ということで訓練なんか見ていると、例えば札幌市と道で共催でやるような形とか、何かもう少し、札幌市の職員も参加しているのでしょうけれども、何かこう見ている感じだと、何か少ないような気もして、もう少し市と道との連携というのがあっても良いのかなという、見た感じですけれども、思うのですが、そのへんというのはどういうような認識かというのをちょっとその二つをお聞きしたかったのですが。

(知事)
 まず一つ目の、どんな成果を期待しているのか。これは訓練というのはすべてそうでありますけれども、一定の前提を想定をして、それに対処する一つ一つの手順ということを確認しながら、今回の訓練の場合には事態が刻々変わってくるということでありますので、普通のこれまでの訓練とは違う様相を呈しているわけでありますが、ただ、刻々変わっている事態に対してどう対処していくのかということも含めて、一連の訓練、3日間終わった後、一つ一つの場面において、こういう判断、こういう行動が良かったかどうかということを検証し、関係機関で協議をして、そしてあってはならないことではありますけれども、今後道と札幌市が(これまでは)想定外の(ものとしてきた)こういった直下型地震が起こった場合に備えるというのがまさに訓練の成果という、当たり前のことですけれども、あえて申し上げればそういうことではないかと思います。
 それから道と市の連携。まさに昨日、北海道・札幌市行政懇談会の場でも、この訓練についても話題としてしっかり共同でやっていこうということを相互に申し合わせをしたところでありますので、どういう局面を思って今のような感想をおっしゃったのかはよく分かりませんが、私ども道庁も札幌にある、そして札幌市(札幌市役所)も札幌にあるわけでありますから、例えば道庁に札幌市の職員もみんな来てもらって共同でやる必要は全くないわけでありまして、札幌市は札幌市で市庁舎の中でしっかりとこの状況に対処するという訓練を共に連携をしながらやらせていただいていると。私自身はそのように認識をいたしております。また、札幌市周辺の北広島をはじめとする市町村、新篠津も含めて、この石狩エリア全体にも当然影響が出るわけでありまして、避難される方なんかも当然出てくるでしょうし、火災の延焼なり、それから停電なり、いろいろな状況もエリアの中で共通の事象としても出てくると思いますので、そういったところと十分に連携をしながら、今回の訓練をしっかり3日間、続けていかなければならない、そんなふうに思っております。


(HBC)
 先日、原発の新しい安全基準の骨子案が示されました。被害拡大を防ぐ、いろいろ新しい施設だとか対策を求めたりとか、活断層の考え方もより厳しくなっていますけれども、この案をご覧になった知事の受け止めといいますか、ご感想をちょっと聞かせていただければと思います。

(知事)
 今年の7月までに出すと、前々から公約というか、言っておられたものの骨子案という形で(原子力)規制委員会が出されたということは承知をいたしているところであります。地震、津波、テロ、あらゆる分野に対処するためのさまざまな安全対策というものが盛り込まれていると。骨子段階ですから議論の対象としてそういうことだと思うわけでありますが、そういったものをベースにさまざまな分野の各界各層の国民の方々の議論、あるいはもちろん海外の専門家の方のご意見もあるかと思うのでありますが、そういうことを総合的に勘案をした上で、独自性の高い原子力規制委員会の責任において、7月までに案を取った基準ということにされると思いますので、私はそのことを見守っていきたいとこのように思う次第であります。
 何よりも原子力発電所については安全性が重要であると、このことは論を俟たないわけでありますので、引き続き原子力規制委員会の動きということを見守っていきたいと。必要であれば(原子力)規制委員会、お邪魔してまたお話を聞いても良いかなと思うのですが、当面そういう予定はありません。

 

 


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