知事定例記者会見記録(平成24年3月9日)

知事定例記者会見

・日時/平成24年3月9日(金) 17:45~18:08  
・場所/議会知事室前
・記者数/28名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 震災1年にあたって

記者からの質問

1 災害廃棄物の受け入れについて(1)
2 災害廃棄物の受け入れについて(2)
3 アイヌ協会をめぐる問題について
4 バックアップ拠点構想について
5 災害廃棄物の受け入れについて(3)
6 泊村職員の北電社員寮入居について
7 北海道エアシステム(HAC)について 
8 泊原発の再稼働について
9 スキージャンプの高梨沙羅選手の活躍について

 

知事からの話題

 

震災1年にあたって

 それでは、震災から1年を迎えるにあたってということで私から1点お話をいたします。明後日3月11日、東日本大震災の発生から1年経ちます。
 本日の道議会本会議で議長がイニシアティブを取られて、議場にいた議員の方々、そして私ども理事者側も含めて全員で黙祷をささげさせていただいたところです。
 誰もが忘れることができないこの日を迎えるにあたりまして、道民の皆様方の心にもさまざまな思いが去来しているのではないかと、このように思う次第です。
 あらためて亡くなられた皆様方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災され今なお不自由な生活を送っていらっしゃる皆様方に対し心からお見舞い申し上げたいと思う次第です。
 私ども北海道でも、この1年間、道民の皆様方のさまざまな形でのご協力を頂きながら、私ども北海道と強い絆と縁で結ばれております東北の地と、そして被災者の方々の支援に全力で取り組んでまいったところです。今後とも被災地の皆様方の痛みを分かち合い、心を一つにして復興への道のりを共に歩んでいきたいと考えております。
 前回の記者会見の時に申し上げましたが、明後日(3月11日)、札幌コンベンションセンターにおきまして、震災により犠牲となられた方々に哀悼の意を表すべく追悼式を開催することとしておりまして、当日の午後2時46分には、そこ(会場)におられる皆様方と共に黙祷をささげ、亡くなられた方へのご冥福を心からお祈りすることにしています。道民の皆様方におかれましても、この時間に合わせて、それぞれの場所で黙祷をささげていただくことに、ご理解ご協力を頂ければと思います。
 なお、このたび震災から1年が経つにあたりまして、そうした思いを道民の皆様方と共有させていただきたく、3月11日に私からのメッセージを発出させていただくことといたしました。よろしくお願いいたします。
 私からは、以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 知事から今、震災のお話がありました。震災がれきのことでちょっとお尋ねいたします。2点ほどございます。先日の北海道新聞の全道世論調査では、放射性レベルが国の基準以下なら受け入れてもいいですよという声が84パーセントございました。知事はこの数字をどのように受け止めていらっしゃいますかということと、あと、がれきの受け入れに向けた作業、これをスピードアップされるお考えがありますでしょうかというのが1点目の質問でございます。
 もう1点なのですけれども、札幌市の上田市長が国の基準を下回っていても、がれきを受け入れるつもりはないというふうに表明されておりますが、知事はこの市長の発言をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 まず一つ目のご質問についてですが、冒頭の私の発言の中でも申しましたとおり、北海道はこれまでの成り立ちの中でも東北と絆が深い地域ですので、その東北で日本国の歴史上、例を見ない大きな大震災に見舞われて、そういった中で少しでもその被災地の方々をお助けしたいという思いを道民の方々が持っておられるということの表れではないかなというふうに思うわけです。もとより私どもは道職員の派遣、それからさまざまな支援物資の提供、それから被災地からの一時的な道内への避難者受け入れなど、いろいろなことをやらせていただいておりますが、そういった東北支援の一環として、このがれきの広域処理、すなわち現地ではなく私ども道内で受けるという、こういったことにも道民の皆様方のご理解を得て対処していきたいというのが私自身の強い思いでして、ただしこの廃棄物の処理ということになりますと、それは市町村のご理解とご協力を得ないとなりませんので、これまでもさまざまな形で道内の市町村の皆様方に理解を求める努力をしたり、共に考えたり、いろいろなことをやってきたところです。昨日、稚内市長が、やはりここは(受け入れを)やるべきだというご発言を公の場でされたということを聞いておりますし、これで(これまでに受け入れを表明している)11団体に加えて(受け入れを表明した)ということになるのですけれども、まずはそういうお気持ちの首長の方にご理解を頂いて、それからその地域の中の住民の方々に対して私ども道、それから場合によっては国からも担当者に来てもらって、一緒に説明をするというそのプロセスになると思うのですが、まずはやはり入口は首長の方のご理解だと思いますので、その意味で今回の稚内市長のご発言というのは大変心強く思ったところでありまして、直ちに道職員を派遣して、さまざまな議論を深めていきたいというふうに思っております。もちろんスピードアップ、1日でも早くという思いは強く持っておりますが、ただやはりきめ細やかに一歩一歩のプロセスというものも大切にしていかなければならないと思いますので、国は総理まで挙げて経費負担等については前向きにしっかりやると言っておられますが、個々の具体的な、例えばこの経費はどうかとか、個別具体的になりますとまだまだ国の担当、環境省と詰めていかなければならないこともありますので、これから道内市町村で受け入れてもいいよと、あるいは受け入れについてどういう条件なのか、まず話を聞きたいというそういった自治体の皆様方に私どもの職員を派遣して、とにかく議論を深めていくということを一歩一歩やっていきたいというふうに思っているところです。
 それから札幌市長のご発言については、残念だという思いはありますが、市長は市長の信念として言っておられるということだと思いますので、それぞれのご判断かなというふうに考えます。


(HTB)
 今日の道議会の中でアイヌ協会をめぐって、札幌支部のシンポジウムですとか道教委の事業をめぐって不適切な支出の可能性が次々指摘されたのですが、知事としてはこれをどう受け止めますか。

(知事)
 公金を使っている以上、不適切であるという疑義が少しでも発生した場合には、それが実態であるのかどうか、事実関係をしっかり把握して、不適切であればそれを是正していくと、必要であれば補助金を返還してもらうということを実行していくというのは当然だというふうに思っております。


(日本経済新聞)
 震災1年ということで、昨年からバックアップ拠点構想、まとめていますけれども、あらためて道としてバックアップ拠点構想にかける知事の思いと、あとは新年度から具体的にどういったようなアクションをこれから取っていかれるのか、この2点についてお聞かせください。

(知事)
 バックアップ拠点構想というのは、去年の3月11日の前日の私の政策発表の際に発表したものですけれども、その翌日この大震災が起こりました。そしてこの1年間を振り返りますと、首都圏直下型の地震の確率というのが相当高まってきているという研究者の研究成果が次々と発表されていますし、また西のほうでは、東海、東南海等のこの3連動地震ということについてもその可能性が高まっているというようなことがいわれている中で、全く(災害の発生が)ないなんてあり得ないのですが、経験則上比較的災害があまりないこの北海道において、日本国全体のバックアップ拠点としての役割、貢献を果たしていかなければならないのではないかという私自身の思い、あるいは道庁としての思いというのは、ますます強まってきているというふうに申し上げなければならないと、このように思っているところです。
 有識者の方、これは京都大学の藤井教授も含めて入っていただいた中で、いろいろなポイントを今年度いっぱいにまとめて、次はこのアクション、あるいは日本国全体への提案をしていくという段階に平成24年度は入ってくると思うわけです。
 先般、美唄市で食料備蓄の実証実験の様子も拝見させていただきましたが、北海道は何といっても食料供給基地でありますので、食料の備蓄ということについての提案ということをしっかりやっていかなければならないと思いますし、道議会でも議論のございます再生可能エネルギーも賦存量において宝庫であると。しかしながら、議会でも先生からお叱りを受けましたけれども、その賦存量が高いのにそれを利活用してきているということがこれまでなかなかできていないというのも事実でございますので、私ども道の財政だけでは限りはございますが、道外企業の皆様方の北海道への進出の気持ちはたくさんありますので、融資であるとか、そういったことを活用しながら再生可能エネルギーの供給基地としても成り立っていきたいと。そのことはやはり北本連系(北海道・本州間連系設備)の送電網の充実とのセットの部分もありますが、そういったこともしっかりやっていきたいと。
 それから、産業や行政機能の分散化の受け皿。これは、首都圏なりで大変集中している地域のデータセンターの分散化の受け皿として、北海道は比較的災害が少ないということに加えて、データセンターなどは、冷房コストというものが何よりも大変な事業なので、北海道への進出によって、気温の高い首都圏なり大阪圏から移転すると、冷房コストが格段に、半分以上ダウンできるという実績も提示できる。その意味では、経済合理性もあるということを私ども申し上げておりますが、そういったデータセンターの誘致も含めて、産業行政機能の分散化の受け皿というような、いくつかのポイントについてしっかりと全国あるいは国に対して提言をしていかなければならない。
 また、道議会でも公明党から質問もございましたが、船をまるごと病院にするという病院船ですね。これは、現にアメリカでは国際的にも大変に成果が上がっているわけでして、また日本というのは日本海側、太平洋側とある中で、どこで何が起こるか分からないということを考えた場合にどちらにも目配りができるような港を母港としていく必要があると、その意味で道内にそういう適地が必ずあると思いますので、そういった地域と連携をしながらのこの病院船の母港化の議論など、さまざまな北海道の優位性を十分に活かせる提案について、その実現を図っていきたいと、そのことを平成24年度、しっかりやっていきたいと思っております。


(NHK)
 2点ございまして、先ほど野田総理のがれき処理に関して財政支援のお話を少し触れられましたけれども、財政支援をされるということ自体の評価は、どのようにお考えかということをお伺いしたいのが1点と、あと2点目がちょっと話変わってしまうんですけれども、泊村の職員が北電(北海道電力)の社員寮に入居して北電がお金を受け取っていたという事案がございましたけれども、これについては、家賃を正規に支払って問題ないという声がある一方で、緊張関係でなければいけないのに依存関係がうかがわれて不適切だという二つのご意見があるんですけども、知事としてはどのようにご覧になってらっしゃるかというところお伺いできますか。

(知事)
 まず、一つ目の、野田総理、あるいは細野環境大臣など政府の要人の方々が、このがれきの他県における引き受けについて財政支援をしっかりやっていくということを発信していただいているというのは、大変心強く思っております。 
 しかしながら、個別具体的に例えばこの経費はどうなるのか、例えば稚内市では、管理型の処理施設とそうではない施設があって、そうではない施設で受け入れる場合に、管理型にシートなどを被せるのは対象経費になるかとか、個別具体的なものはたくさんあるのですが、ただ包括的な方向性として、総理自ら、そして担当大臣もしっかりと財政支援の方向性を出していただいたというのは、前向きに議論を深めたいと思っている広域自治体たるわれわれ都道府県としては、大変ありがたいことであると、このように率直に思っているところです。
 それから、もう一つの泊村の職員が北電の社員寮に入っていたことは、報道を通じて見てはいるのですが、詳細のところはよく分からないので、なかなかコメントはできないですね。
 ただ、適正な形でしっかりやる必要があると、これは一般論としてそういうことだと思います。


(日本経済新聞)
 HAC(北海道エアシステム)についてなのですが、3月の第2週も終わりまして、来年度まで3週間と。議会の議論を聞いていても、来年度のHACの姿がなかなか見えないという状況がまだあると思うのですが、来年度以降の姿は、道議会の23日閉会日、この時点までには、知事として、道としては何らかの形をある程度決めるという、そういうスケジュールを今描いていらっしゃるのかお聞かせください。

(知事)
 道議会は、今日で一般質問の4日目を終えたところですが、もちろん道議会での議論への対応というのが中心ですので、一方でその答弁の中で申し上げております、さまざまなHACから出てきた数字の精査ということを精力的にやりつつ、また、道議会でのご意見も踏まえて方向性を出していくということをやっていかなければならないわけです。今日の一般質問の中でこの議会のうちに議論を集約すべきじゃないかというご質問があり、お答えをしましたが、道議会でのご議論を尽くして、方向性を出していただき、私どもとしての判断を固めていきたいと考えております。
 その前提として、HACから出てきておりますさまざまな数字について、精査をしていくということだと思っております。

(日本経済新聞)
 今の見通しだと、やはりその来年度、道だけの支援だけでは安定した企業体としてやっていけるのかどうかというのは、かなり不安があると思います。そうすると、他の民間事業者との協力関係も結ぶだとか、そういうことになるとやはり時間はかなり水面下で必要にはなると思うのですが、そのあたりその時間の制約というのは今大丈夫なのでしょうか。

(知事)
 まず第一に、これは議会の中でも、新幹線・総合交通体系対策特別委員会で、建設部から説明したと思うのですが、私どもだけではなくて、株主構成でいえば、JAL、それから札幌市が出資している札幌丘珠空港ビルへの支払い猶予の申し入れというものも、もう水面下ではやっておられるようですが、正式にはこれからもやっていかれるでしょうし、そういったことをもろもろ見極めながら今後の方向性を出していくということじゃないかと思っております。


(朝日新聞)
 2点ありまして、1点目は泊原発なのですけれども、北電が昨日、バックチェック(耐震安全性評価)の関係で地質調査をやり直すということが表明されました。地質調査、それから海底の音波探査とか、ボーリング調査とか、いろいろやらないと最終的にバックチェックの中身というのが、なかなか評価というのが出ないということになると思うのですけれども、知事はこれまで、やはりバックチェックについても重要なポイントとして挙げられていましたけれども、その結果を最終的に地質調査なりを待って、それを出るまではなかなか再稼働の議論というのはできないというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 その(バックチェックの)個別具体的なプロセスについて、私は、今お答えするだけの知見がないのですが、以前から申し上げておりますとおり、泊原発に係る耐震安全性の評価ということについては、しっかりやっていただく必要があります。
 それは、国の原子力安全・保安院からの事業者たる北電に対するリクエストでもあり、それを北電として真摯に受けて、この陸域と海域の追加調査ということを実施するということですので、その結果というものをしっかり見極めていく必要があると、このように考えております。


(朝日新聞)
 もう1点すみません。ちょっと変わるのですけれども、女子スキージャンプのワールドカップで高梨さんが優勝されたのですけれども、それについて知事どう受け止められているのか。ちょっと話が変わって恐縮なのですが。ワールドカップで初めて女子で優勝されたのですけれども、その辺の活躍をどうご覧になっているかということを。

(知事)
 上川町出身の15歳の高梨沙羅選手。山形県の蔵王で行われたワールドカップ(ジャンプ)の第11戦で優勝ということで、大変うれしい限りです。
 第10戦、11戦、12戦とあって、銀メダル、金メダル、銀メダルを獲得しまして、大変に若い道産子選手がこうやって素晴らしい成果を出し、そして日本人選手として初の優勝という快挙を成し遂げたということは、私も一道民として大変うれしく思う次第でして、まだ今シーズンは試合も残っていますけれども、シーズン終了後に、彼女の頑張りに対して、なにがしかの私ども道としての感謝の気持ちをお伝えしたいなというふうに思っております。


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