知事定例記者会見記録(平成23年5月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成23年5月19日(木) 16:00~16:20  
・場所/議会記者室
・記者数/22名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 平成23年第2回臨時会の閉会にあたって
2 北海道観光PRのための中国訪問について
3 東日本大震災により被災された方々の就職を支援する「合同面接・相談会」の開催について

記者からの質問

1 大間原発に関する道の対応について
2 道議会での意見交換について
3 泊発電所1号機・3号機の営業運転の再開について
4 大阪府議会の君が代条例案をめぐる動きについて

知事からの話題

 

平成23年第2回臨時会の閉会にあたって

 それでは私から3点お話をいたします。一つ目は、本日、平成23年第2回北海道議会臨時会が閉会いたしました。議長、副議長のご選出をはじめとして、各委員会の構成も決定されました。道議会の新しい体制が定まったわけであります。また、人事案件についてもご同意を頂きました。それを踏まえて、先ほど道の監査委員にご就任いただくことになった池田、大谷両道議会議員には私から辞令を交付させていただきました。これから2定の議会(第2回北海道議会定例会)に向けて、さまざまな議論を深めていく、そういった体制もできまして、引き続き道議会と十分に議論を戦わせていきたいと考えております。
 そして合わせて、こういった臨時会での提案は異例ではありますが、総額48億円を超える補正予算を追加提案させていただきまして、先ほど、原案どおり全会一致で議決を頂いたところでございます。議会での議論でお聞きにもなられたとおり、今回の予算は前回3月30日の第1回臨時会の補正と合わせて、まだまだ緊急に対応しなければならないことを順次やっているだけでございまして、2定議会に向けてさらなる補正予算の上積みといったことにも議論を深めていかなければならないと考えているところです。合わせて2定議会に向けては、1定議会では骨格予算ということでスタートした今年度の政策予算、形式的にはこれも補正予算という形になるわけでありますが、こちらの編成作業のほうもしっかりと議論を深めていきたいと考えております。これが私からの1点であります。

北海道観光PRのための中国訪問について

〔配付資料:2011年 中国訪問行程
 それから2点目は、大変駆け足でありますが、5月22日の日曜日から25日までの日程で、私自身中国を訪問いたしまして、上海そして北京と、震災後の北海道観光あるいは北海道の物産の安全性のPRを行う出張をしたいと思っているところです。経緯は、前にもこの記者会見の場で触れたと思いますが、4月の中旬に国交省観光庁長官の溝畑さんにお会いした際にお話があったのですが、その少し前に長官が全国の風評被害の解消に向けてのPR活動で北京を訪問した際に、中国サイドから北海道に対する大変深い関心が示されて、そういったことを踏まえて長官から私に対して、早い時期に北海道のアピールを中国関係者にしたほうがいいというアドバイスを受けました。そして観光庁のご協力も頂いて、今回の訪問の実行ということになったところです。
 上海には、昨年の9月に上海万博で訪れましたが、北海道に対して大変関心が高いということを私自身も実感したところでありまして、その上海、それから中国の首都である北京、それぞれの地域でのアピールを通じて、北海道観光を中国の方々に強く印象付けてきたいと考えています。日程はまだ調整中のところもございますが、旅行会社さん、メディア関係者さん、それから政府、航空会社などできる限りアポが取れる範囲で対応したいと考えています。

東日本大震災により被災された方々の就職を支援する「合同面接・相談会」の開催について

〔配付資料:東日本大震災により被災された方々の就職を支援する「合同面接・相談会」
 3点目は、今回の震災により被災された東北の方々の就職を支援する合同面接・相談会の開催についてです。
 これは今日の議会でも質疑の中にありましたけれども、今回の東日本大震災によりまして多くの方々が住居や仕事を失われて大変困難な状況の中で、北海道に1,200名を超える方々が避難をしていらっしゃいます。18日現在で1,261名と私ども認識しておりますが、震災から2カ月が経過して、こういった被災者の方々の生活、単に避難生活を続ける状況から生活再建に向けての就職活動を行うというふうに被災者の方々のニーズも変化し、また高度化している状況の中で、私どもとしてできることはないかという議論をしていたわけですが、このような中で被災者の方々を雇い入れることで支援したいという声が道内各地の企業の方々から上がってきたところであり、こういった道内の方々の支援の思いというものを、可能な限り被災者の方々の雇用に結びつけるために、今回の合同面接・相談会を開催をすることとしたところです。
 24日札幌市、26日には福島県郡山市、それから27日には福島市でいずれも午後開催することになっています。
 こういった機会を通じて、被災をされ仕事を失われた方々がお一人でも多く、安定した生活を取り戻していただけるように心から願う次第でありまして、報道機関の皆様方にもぜひご協力を頂きたいと思います。私からは以上です。

 

記者からの質問

(STV)
 2点ございまして、まず1点目なんですけれども、青森県の大間原発に関してなのですが、先日15日の民主党岡田幹事長が現地視察しまして、建設中ですが、計画を進めるべきという見方を示しまして、依然として現在の枠組みでは、北海道側の意向というのは抜きにして決められるという、その辺の現在の枠組みについてと、今後国に対してですね、距離的には20キロちょっとなんですけれども、それでも北海道側の意向というのは、現在の防災計画、その中に含まれる指針ではないけれど、何らかの働きかけをするようなご意向というのがあるのかというのがまず1点目です。
 もう一つは、ちょっと全く変わるのですが、議会改革なんですけれども、前回(の記者会見で)、答弁調整について一部質問が出ていますけれども、あらためて正副議長が就任されまして、答弁調整に関しては、副議長でしょうか、一語一句まではですね、事前に決めるのはいかがなものかというような要請がありましたので、今後、見直しについて今後の答弁調整についての知事の考え方をお聞かせいただければと思います。

(知事)
 一つ目の大間原発、今日も議会で質疑が出ていましたけれども、今のEPZ(エマージェンシー・プランニング・ゾーン)の考え方では10キロメートルということでありまして、泊原発でいえば、岩宇4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)であり、青森の大間原発では函館市が含まれないという現状。
 ですからこれを見直していくためには、やはりEPZそのものの見直しということをやっていかなければならないわけで、このEPZというのは、風向きとか地形とかいろいろな状況の中で、どういう形までの最悪(の事態)を想定して被害の区域を考えなければならないのかという技術的な面からの検討がベースにあるのですが、そういったことを踏まえて、こういった避難の方法をやるために、こういう整備をしなければならない。あるいは、そういったことを踏まえた地域に交付金を交付しようというトータルとしての考え方になっているのがEPZでございまして、前段の技術的な検討とかこういうことは地域では24日からの専門委員会でもやろうと私は言っておりますけれども、後段の交付金などの議論ということは、これはやはり国を巻き込んでやる以外にないわけでして、その意味では、EPZのこの議論を大間について、今の10キロメートルを20キロメートルにしろ30キロメートルにしようというのは、なかなかそれを主張する根拠もないかなという現状にあるという認識はございます。
 しかしながら、福島においては、30キロメートルを超えるエリアの方々も含めて何らかの避難の対象となっている現状を鑑みた場合には、やはり私はこの大間をめぐる岡田幹事長の発言を一つの大きなきっかけとして、函館の方々が大変危機感を持って、(危機感を)より高められたというのはよく理解する、共感を覚えたところですので、今できることは、事実上の情報提供なり、説明を我々として要請していくことに尽きるのかなと思いまして、このことは国なり、それから事業者J-POWER(電源開発株式会社)に対して、これから言っていきたいと思っております。
 また、これは詰めきれていませんが、青森県さんが持っておられる情報を、青森県と北海道との間で、県同士ということで、情報の共有なり情報の提供などということが可能かどうか、そういったことも含めてこの大間原発の情報収集等については検討を深めていきたいと考えております。
 それからもう一つは、議会の答弁のあり方についてですが、新議長、新副議長とも前向きなご発言がございましたので、私どもとしても、しっかり2定議会(第2回道議会定例会)に向けて議論を深めていきたいと思っております。
 ただ若干誤解があるのですけれども、一言一句までの調整はやっていませんので、今日もいろいろと私もその場でこれはおかしいなと思って、答弁書に書き込んだり、そういうことは常にやっておりますので、ただ、今のような形でやっている答弁の調整の仕方、議会側と私どもの間における調整の仕方についてどうするかということをこれからしっかり深めていきたいと思っております。
 これは前回の記者会見の時と同じかと思いますけれども、そうは言っても、全く事前に私どもとして質問の中身すら教えていただかないような形でやるのが本来の議論だと言われたらそうなのですが、例えば、今日私も自分で質問に答えていた時も思ったのですけれども、その場で詳細にわたってのご質問をぜひしたいと思われる先生方もおられる。しかし、それをその場でやはりすぐに答えるということで、丁々発止になると、答えるべきほうも大変抽象的なことにならざるを得なくて、それは質問された議員の方の趣旨に本当に誠実にお答えしていることになるかどうかという問題もありますので、いろいろなケースについて、メリット、デメリットというものを整理した上で、議会側、議会全体の皆様方との議論であると同時に、各会派毎の皆様方との議論含めてだと思いますが、議論を深めてまいりたいと思っております。
 短い時間の中で効率的な議論を進めていくという要請と、しかし、議会議論を活発化しなければならないという要請と、そこをどういうふうに調整していくのか、皆様方のご意見もぜひお願いしたいと思います。


(NHK)
 泊原発についてお聞きします。泊原発は1号機が点検中で3号機が調整運転中ということですが、昨日、菅首相が安全が確認されれば点検中の原発も稼働するということを記者会見で述べていましたけれども、泊原発の場合はどのような環境とか安全対策が整えば再稼働できると考えていらっしゃるのか知事のご見解をお聞かせください。

(知事)
 今のご質問に一言で答えると、そこまで我々考え方を整理する素材がやはりないというのが現状ですね。
 もう少しかみ砕いて申し上げれば、3月11日大震災があって、3月30日に、今回のことを踏まえて、どんなに高い津波が来ても、そして電源が全て失われたとしても、それに対して安全対策がしっかりなされているかという国からの指示が事業者にあって、それが緊急安全対策ですけれども、それに対して事業者たる北電がこういうこと、こういうことという案を提示をして、それを国が「了」であるということをおっしゃられたのが5月6日でしたか、ゴールデンウィークの最中。その結果を踏まえて我々として安全協定に基づいて5月12日に泊原発の立入調査を行ったと。確かに、機器類の整備などについては確認したということを、これは今週の16日になってからホームページで公表していますが、その次の日、17日、今週の火曜日に、原子力安全・保安院の担当に来てもらって、我々の疑問点をいくつかご質問をさせていただき、そこは確かマスコミフルオープンだったので皆さんもお聞きになられたかと思いますが、いろいろな質疑の中で、私どもとしては2点大きな疑問点が残っているという認識を持っております。
 一つは、福島原発と地震との関係について。今までは津波が原因であの状況に至って、その復旧・復興をやっているという認識だったわけでありますが、つい最近になりまして、津波の前にあった地震そのものが福島原発における機器損傷の原因となったか否か。それは確定的にそうだということを言うだけの情報を我々が持っているわけではないのですが、この質問に対する回答というものをまだ頂いておりません。
 それからもう一つは、浜岡と泊を含む他の原発との違い。これは菅総理もそもそも地震の発生確率が違うということを何回もおっしゃっておられる。官房長官もそのようにおっしゃっておられるということは理解しておりますが、我々も行政のプロ、向こうも行政のプロが来たわけでありますので、やはりもう少し深い議論として、例えばということで申し上げれば、確かに浜岡と他の原発というのは地震発生の確率において相当違うというのは理解するものの、その同じ前提の中で、福島だって(確率は)低かったのではないでしょうかと、そういう中で福島があれだけ大きな想定外の地震が起こったということをどう説明されるのですかというところで、必ずしも十分なご回答を頂けなかった。そこについてのやはり補足的なご説明というものがない限り、繰り返しますと、福島原発の事故と地震との関係、それから浜岡原発の停止に係る地震の発生確率、そういったことについての私どもからの質問に対して明確なお答えがなかったので、そういったところを中心に、追加的な情報提供ということを今求めているところでありまして、やはりここについて、どうなんでしょう、まだ庁内で議論はしておりませんが、あらためてやはり原子力安全・保安院に、原子力・安全保安院が良いのか、官邸主導だという話もあるので、いずれにしろ国にしっかりとしたご説明をしていただかない限り、今のご質問の泊の発電所をどうするこうするというところまで私どもの頭の整理はついていないというのが現状だと認識しております。


(時事通信) 
 大阪のほうに話は飛ぶのですけれども、大阪府議会で地域政党の議員団が、公立学校の先生について、入学式や卒業式での君が代斉唱を義務づける内容の条例案を出すということで、数の上で通る方向のようなのですが、これには罰則はないようなのですけれども、一方で、大阪の知事が職務命令違反を繰り返す先生について懲戒免職を可能にする方向に持っていきたいような発言をしているようです。これについて知事、どのようにお考えでしょうか。

(知事)
 それぞれの地域における教育行政のありようというのは、それぞれの地域の特徴の中で若干違うというのは当然だと思うわけでありまして、大阪府内においては大阪府議会の最大会派である維新の会の皆様方から見て、そういうことが必要であろうという認識が持たれるような大阪府の現状にあるのかなと、そんなふうに推察するところですけれども、道内でどうかというのは、道議会で最大会派の自民党あるいは公明党の方々がどういうふうにお考えになるかということだと思いますけれども、私自身は、そこについて、今 、コメントを申し上げるだけの情報量がないので何とも言えませんが、ただ北海道でもそうだし大阪でもそうだと思うのですけれども、君が代うんぬんということだけではなくて、やはり子どもたちの学力のレベルなり体力のレベルなり、子どもたちが元気になってもらうということを何よりも求められますので、そういったこと、教育の究極目標ですよね、それを実現するために、今、おっしゃったようなことが北海道の現状の中で必要なのかどうか、大いに道民的な議論も深まったらいいと思います。


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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