知事定例記者会見記録(平成22年12月22日)

知事定例記者会見

・日時/平成22年12月22日(水) 14:00~14:20  
・場所/記者会見室
・記者数/26名(テレビカメラ3台)

会見項目

 

知事からの話題

1 「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想」の担当組織の設置について

記者からの質問

1 子ども手当(国と地方の負担)について
2 北海道新幹線(機構の利益剰余金の取扱等)について
3 子ども手当(滞納保育料、給食費の徴収)について
4 新千歳空港インターチェンジについて
5 道職員住宅の公宅料について

知事からの話題

 

「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想」の担当組織の設置について

[資料:北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想の担当組織の設置について
 それでは、私から1件ご報告でございます。
 北海道フード・コンプレックス国際戦略特区構想。これはご承知のとおり道経連(北海道経済連合会)さんが中心になって、札幌市さん、江別市さん、函館市さん、帯広市さんが共同で国に対して提案をされているものです。このことに関しまして、私ども道としての担当組織を設置することにしたというご報告でございます。
 私ども北海道は、食クラスターということを、北海道価値を活用した北海道モデルの戦略の一つとして実行してきたところでありまして、全道を視野に入れながら、さまざまな助成なり、独法化を果たしました北海道立総合研究機構などと連携しながらいろいろ取り組んできております。その一環として、今申しました北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区は、国の成長戦略に呼応する形で民間の方々と四つの市が構想を提案されていたわけでして、私ども道としてもこの構想をバックアップしてきていた経過がございます。
 これまで関係者とさまざまな意見交換等を繰り返している中で、経済界からの道に対する強いご要請や、提案をしている4市以外にも広がりが出てきているなど、道内のこの構想についての気運がさらに高まりを見せてきたということ。
 また、併せて国のほうも、こうやって北海道をはじめとして全国からさまざまな(総合特区)構想の提案を受ける形で、制度設計、通常国会の法案提出ということを視野に入れておられるそうでありますが、この制度設計のほうも整いつつあるという情勢認識の中で、私ども道としても担当組織を設置し、これからさらにこの総合特区構想の効果の全道への波及に努める、また、研究開発機能のネットワーク化など、さらに充実していくことを狙っていこうということで、平成23年1月1日付けで経済部に担当組織を設置することにしたところです。
 今後、この経済部の担当組織を中心に、総合政策部、農政部、水産林務部、関係の総合振興局、振興局も参加をするプロジェクトチームを発足させて、体制のさらなる充実を図っていこうと考えているところでありまして、通常国会において、この関係法案というものが成立した後のありようとしては、今、国に構想の提案を行い法律ができた後、またあらためて国は地方からの提案を受け付けるということで流れが進んでおりますので、法律に基づく新たな提案という段階では、道もこの提案者の一角を担うような形で、今後議論を深めてまいりたいと考えているところです。
 私からは以上1件のご報告であります。

記者からの質問

(北海道新聞)
 子ども手当について2点お尋ねをします。先ごろ、来年度からの増額分については国が全額負担することに決まりましたけれども、このことについての知事のお考えと、それと、神奈川県の知事さんは子ども手当自体の地方負担を拒否されるという方針を示していらっしゃいます。各自治体にも同調することを求めていらっしゃるようですけれども、このことについては、知事どのようにお考えになるのかお聞かせください。

(知事)
 一昨日ですか、子ども手当の関係5大臣会合があって、5大臣の間で決着をみたというふうに報告を受けております。その中で、今おっしゃられたとおり、3歳未満の子どもに対して7,000円を上乗せし、2万円にする。その部分(上乗せ分)は国が負担をされるということで決着をしたことについての私の考えということだと思いますが、ある意味、神奈川県の知事がおっしゃるとおり、国が責任を持って子ども手当を支給するということをずっとマニフェスト以来言っておられたので、実は二つ目の質問との関係で、児童手当の部分をやはり残してというのは少し問題があると思うのですが、一つ目について言えば、上乗せ分を国で負担をされるというのは当然だと思っております。しかしながら、この合意の中身を拝見いたしますと、それに向けて地方分、国と地方の適切な負担調整というのですか、地方特例交付金の減額などということにも触れておられるというのが、これはなかなか見えにくいのですよね。そこはちょっと見極めていかなければならないのかなと思っておりますが、まずは、一般的に言われております上乗せ分を国が負担されるというのは、妥当だと考えております。
 それから二つ目の神奈川県の知事さんの行動につきましては、実は去年も松沢知事さんは同じことをしておられました。去年の経緯は、子ども手当の初年度であったので、この児童手当法に基づく児童手当の支給の仕組みを残すということに結果としてなってしまったのは遺憾ではあるけれども、初年度だからやむを得ず受けるというのが知事会全体のスタンスでしたので、私はその意味では、この神奈川県の知事さんの思いというのは共有をするものであります。しかしながら、強硬的な手段を取っていくかどうかということにつきましては、そのことによって北海道の子ども達だけに何がしかのしわ寄せがくるということになれば、それはそれで私どもとして本意とするところではございませんので、麻生会長をはじめとする知事会としての動き、あるいは他県の動きなどを見極めながら、神奈川県さんがどこまで対抗措置ということを強硬にやられるのかどうかまだ見えない部分ありますが、我々として、このお声かけに対するお答えというのは、今後見極めていく必要があるかなというふうに思っております。


(北海道新聞)
 北海道新幹線の件なのですけれども、昨日、鉄道機構の利益剰余金を1兆2千億円、国庫返納するという方針が決まりまして、北海道新幹線の札幌延伸の財源という意味では痛手の部分があるのかなということと、それと、これからその2兆5千億という整備新幹線の費用をどう確保していくかということが大きな課題になるかと思うのですが、その辺の戦略というのを、これからまた北海道としても練り直していかなければいけないのではないかというふうに考えているのですが、知事として今後どういう戦略で北海道の悲願である北海道新幹線の札幌延伸という形を実現に持っていくのかというその辺のお考えを。あと、その剰余金の国庫返納に関する率直なご感想と、この2点お願いします。

(知事)
 これも昨日、機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の利益剰余金の取扱いについて、関係大臣さんが合意をされたということのようでありまして、その中身を拝見しているところですが、まだ詳細をいろいろ確認中でありまして、わからない部分もありますが、少なくとも新規着工分、我々で言うと札幌延伸分に向けて、期待できるような費目というのは見当たらないというのは大変残念であります。
 ただ一方で、報道は先行しておりますが、国土交通大臣さんはここで(整備新幹線を)先送りということを決められたということは、私どもとして正式な形では報告は受けておりませんので、その意味では私どもとしては、引き続き経済界なり沿線自治体の方々と連動した活動というものをしっかり続けていかなければならない、こんなふうに思っているところです。
 加えて、並行在来線の支援ということも私どもの一つの柱であったわけでありますが、これは発表された資料を見ますと、1千億円ということが書かれておりまして、この中身についても今詳細を確認中でありますが、青森の青い森鉄道さん、並行在来線で、青森県さんが大変強く主張をしておられたのに対応するようなルールになっているのかどうか、そのことを見極めた上で、私どもとしてもこの並行在来線の問題、これは二段階ありまして、今、現に工事が進んでいる部分の新函館までの並行在来線についても来年度には方向性を出していかなければならない、そこでもやはり国の助成がどういう形かというのは大変重要でありますので、またその先、札幌まで延伸ということになりますと、当然、約1兆円と今段階で言われています新規着工の予算、これも重要でありますが、加えて、やはり全国どの地域よりも広大と推察される並行在来線の我々としての考え方を固めていく上でも、この国の並行在来線の支援の仕方というものも見極めていきたいので、いろいろな意味で、今回の利益剰余金の扱いについて、詳細情報収集をしつつ見極めていく必要があるわけでありますが、冒頭のご質問との関係で言えば、どうも、どう見ても札幌延伸に向けての1兆円に直接充当されるような計上が見当たらないというのは、残念であります。
 今後どういったところにさらなる財源というものがあり得るのか、今までいろいろ当たって、この剰余金しかないということを考えておりましたので、我々外にいる立場でどこまで探れるかということはありますが、まずは政府自らが、やはり整備新幹線、全国3地域については、前向きに考えるということをずっと言っていただいていたわけでありますので、主体的に財源探しということを行っていただきたいと。そして、そのことに向けての私どもの要望を粘り強く発信をし続けていきたいと、このように思っております。

 
(時事通信)
 子ども手当に関連してですね、地方の要望に従ってですね、子どもの給食費と保育料の滞納分をですね、子ども手当による優先徴収ということが盛り込まれたようですけれども、これについては、どのように評価されていますか。

(知事)
 このことは、私ども地方からずっと前から要請を申し上げていた点でありますので評価をしています。
 もちろん、保育料、それから(学校)給食費もそうでありますが、経済的な困窮の状況の中で、どうしても払えない方もおられる。そこは、我々行政としても、もう事情を十分に勘案をしなければならないわけですが、客観的に見て、お支払いいただけるような情勢にある方で払っておられない方が現におられるという事実もありますので、今回の子ども手当のこの5大臣合意の中で、ご質問でお述べになられたような取組みを認めていただくということは、私どもとしては大変評価をさせていただいているところです。


(HBC)
 2点質問させていただきます。1点目なのですが、道が推進している新千歳空港インターチェンジについて質問させていただきます。道ではですね、インター新千歳に降りまして空港まで夏場で4分短縮というふうにうたっているのですが、私が予定ルートを実際に走りまして調べましたところ、夏冬ともに現在のルートよりも時間がかかるという結果になりました。また、空港利用者に聞きましても、これに20億円をかけるのなら別のことに使ったほうがいいんじゃないかというような声も多く聞かれました。ですので今一度、新千歳空港インターチェンジの必要性について、知事の見解をお聞かせください。これが1点目です。
 2点目が道職員の職員公宅についてお伺いいたします。職員公宅の家賃が、民間の賃貸物件と比べて半額程度と安く、道の外部監査人からもですね、引き上げが必要だという意見が出されております。知事は公宅の家賃を適正だというふうにお考えなのでしょうか。また、外部監査人の意見を受けて今後どう対応していくのか教えていただきたいと思います。

(知事)
 一つ目は新千歳のインターの関係ですね。いろいろなご意見があろうかと思います。それから実際に走っていただいたのは、大変ご苦労様でした。ただ、走行時間短縮がどれくらいかというのは、季節にもよりますし、また交通道路環境にもよりますし、一概に1、2回走ってたまたまどうだったということではなかなか計れない部分があろうかと思います。私どもとしては、この新千歳インターについては、地元から、千歳市街地を通過するには、信号機も多くて、とりわけ冬場は時間がかかってということもあって、何とか新しいインターを作ってくれというご要望を前からいただいたところであります。そういった中で、まさに今おっしゃられたとおり、無駄な公共事業をする、それだけのゆとりは我々はありませんので、平成19年度に外部有識者の方々からなる政策評価委員会にかけさせていただきました。そしてそこでいろいろなご議論をいただいた結果、この事業は進めるべしというご決定をいただいたところでございまして、これに委員長総括というものも付いているのですが、それももしご関心があれば、後から申しますけれども、そういった外部委員会の事前評価を踏まえて、平成21年度から事業に着手をいたしているところです。ですから、今段階においては工事を始めたので早く完成をしなければならないというふうに思っているところです。もちろん、いろいろなご意見があるでしょう。一つ一つのご意見にすべてお答えするのは、もちろん難しいところでありますので、今申し上げたようなプロセスを経て、私どもとしてこの事業に着手をしているということについて、ご理解をいただければというふうに思います。
 それから、もう一つの、道職員住宅の公宅料について、外部監査人から包括外部監査でご指摘(意見)を受けているというのはそのとおりであります。私どもなりに担当職員から申し上げたと思うのでありますが、純粋に民間の賃貸の住宅と比較するというのも一つでありますが、同じような感覚で、我々の道職員住宅と同じような位置づけとしては、民間の企業さんの補助も入っている民間の社員住宅、それから国家公務員の住宅とか、そういうものと比較しますと、でこぼこあるのですが、道の職員向けのものが、すごく安いということでもなくて、私が報告を受けたところによりますと、例えば道内民間企業社宅との比較でいいますと、2DKで見ると道のほうが1,000円くらい安いのですが、3DKでいいますと道のほうが5、000円くらい高いとか、いろいろな数字があるところでございます。ただ、結論的には包括外部監査で、そういったご指摘(意見)を受けておりますので、私どもとしては、やはり道の財政再建ということをしっかり取り組んでいる立場でございますので、この包括外部監査人のご意見をしっかり踏まえて、他県の状況なども踏まえた上で、今、改定の必要性について議論を深めているところです。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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