知事定例記者会見記録(平成22年11月5日)

知事定例記者会見

・日時/平成22年11月5日(金) 14:00~14:23  
・場所/記者会見室
・記者数/22名(テレビカメラ1台)

会見項目

 

知事からの話題

1 交通死亡事故多発非常事態宣言の発表について
2 「北海道未来づくり環境展2010」及び「北海道カーボン・アクション・フォーラム設立大会・記念シンポジウム」の開催について

記者からの質問

1 北方領土問題(北海道としての対応)について 
2 北方領土問題(ビザなし交流の意義)について
3 北方領土問題(菅総理への要請)について
4 TPP(環太平洋連携協定)について
5 情報管理のあり方について
6 国の出先機関改革について

知事からの話題

 

交通死亡事故多発非常事態宣言の発表について

[資料:交通死亡事故多発・非常事態 緊急メッセージ]
 私からは2点お話をいたします。一つは、交通死亡事故多発非常事態宣言の発表についてであります。ご案内のとおり、道内の交通事故死亡者の数が11月3日に172名という状況になりまして、東京都と並んで、まさに2年10カ月ぶりに全国ワーストワンという状況になったわけでありますが、さらにこの4日には、安平町で1名のお年寄りの方が交通事故で亡くなられて、単独でワーストワンという、本当に厳しい状況になったところです。
 北海道は、平成17年以降、5年連続して全国ワーストワンを回避し続けているところですが、今年も年末に向けて、何としても6年連続の(ワーストワン)回避に向けて、取り組んでいく必要があると考えているところです。
 このため、昨日、「交通死亡事故多発非常事態」を宣言するとともに、関係者を召集いたしまして「交通死亡事故抑止緊急対策会議」を開催し、11月4日から1カ月を緊急対策期間といたしまして諸対策の実施について徹底を図り、道警本部長さんと私の連名で道民の皆様方に対し「緊急メッセージ」を発表させていただきました。
 道といたしましても、道警察あるいは関係のさまざまな機関・団体の方々と連携をして、死亡事故の防止にしっかりと取り組んでいこうと、このように考えているところでありますが、運転される方は、スピードダウンあるいは交差点等での安全確認などしっかり行っていただき、くれぐれも安全運転に心がけていただきたいということ、そして歩行者あるいは自転車の利用の方々も、交通マナーをしっかりと守って、悲惨な交通事故の防止に努めていただきたいとこのように思っております。
  また、マスコミの皆様方にも呼びかけについてご協力よろしくお願いいたします。これが1点目であります。

「北海道未来づくり環境展2010」及び「北海道カーボン・アクション・フォーラム設立大会・記念シンポジウム」の開催について

[資料:北海道未来づくり環境展2010]
 それからもう1点は、後ろにポスターもございますが、「北海道未来づくり環境展2010」そして「北海道カーボン・アクション・フォーラム設立大会・記念シンポジウム」の開催についてであります。
 この未来づくり環境展は、一昨年の北海道洞爺湖サミット後のポストサミット事業ということで去年から開催しているものでありまして、昨年に引き続き、今月の11、12の2日間、開催することといたしております。
 そして、24回目を数えます北海道技術・ビジネス交流会、これはビジネスEXPOと通称しておりますが道内外の38の企業・団体の参加を得てあわせて開催をいたします。
 主な内容は、この配付資料にございますので省略いたしますが、燃料電池の紹介であるとか、雪氷エネルギーであるとか、いろいろなことを考えております。そして11日には、「北海道グリーン・ビズ認定制度」の2010年認定書授与式も開催いたします。また、先月20日の記者会見でご報告いたしましたが、この12日に「北海道カーボン・アクション・フォーラム」の設立にあわせた記念シンポジウムを開催することとしております。
 設立大会には、フォーラムの会長でございます北海道環境財団の辻井理事長、発起人の北海道経済産業局長さん等がご出席ですが、私も出席をさせていただく予定ですので、積極的なPRをよろしくお願いいたします。私からは以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 北方領土問題についてお伺いしたいんですけれども、先日、ロシアのメドべージェフ大統領が国後島を訪問したことを受けまして、政府としては対抗手段のほうを検討しているようなんですけれども、北海道として、独自の対抗手段というのを取るお考えはありますでしょうか。例えば、ビザなし交流の受け入れを中止するとかですね、今、経済交流をやっているのを見直しするとか、ということを選択肢としてはあるとは思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。
 
(知 事)
 結論的には、そういうこと(対抗手段)は考えておりません。
 まず、サハリン州と道との間で経済交流、人的交流、さまざまな形で事業展開をしているところですが、これはグローカリズムという世の中の流れの中で、お隣同士が国境を越えて交流をするという趣旨の下に行っているわけで、こういう国と国との間の領土問題で緊張関係が続くときだからこそ、私は地方政府としてこのことは続けていかなければならないのではないかと思っているところです。
 それから、ビザなし交流の受け入れということも言及されましたが、これは、例えば、(北方領土)島民の患者さん、なかなか島内では対応できないような病気なり、怪我なり、そういった患者さんを引き受けるというのが主たる内容という認識をしており、こういう人道的なことは、何が起ころうがやはり続けるべきであるというのが私どもの思いでございますので、そういうふうに考えますと、道単独としての事業の面で対抗手段というのはなかなか考えにくいのではないかと思う次第です。


(読売新聞)
 関連なんですけれども、ビザなし交流の意義については、当初、信頼関係の醸成ということで始まっていたと思うんですけれども、それでも今回のようなことが起きてしまったと。あらためてビザなし交流の意義というのはどういうふうにお考えでしょうか。

(知 事)
 まず、今回のロシア大統領の(北方領土)入域問題については、国としてしっかりとした毅然とした態度を取っていただきたいと。これは、私ども道民の全員が共有する思いでありますし、そのことは、私も道民を代表して、それを直接(国に)お伝えしなければならないと思っているところでありますが、そういった中でこのビザなし交流の意義ということを我々地元として思いますのは、私も一度参加させていただいた時も思ったのですが、今、現に島に住んでおられるロシア人の方々とは、気持ちの上での意思の疎通、信頼関係というものは、やはり、いつの日か我々が待ち望んでおります領土問題が解決した後に必要になってくるものでありますし、私自身参加をさせていただいた観点から、そういったことの醸成には大変役に立っているのかなという実感を持っているところでございます。
 また、こちら(日本人)の旧島民の方々の墓参であるとか、あるいは、人的交流を行うというのは、やはり、今申しましたような人と人との信頼関係というものを醸成する上でも重要ではないかなと。旧島民の方々が墓参に行って、ふるさとを思うことがこれから生きていく生き甲斐というようにお感じになって、また、引き続き一緒にこの領土問題の解決に向けて取り組んでいくというご努力をお願いをしたい中で、いろいろな意味で、私はビザなし交流というのは意義があるのかなというふうに思っているところです。
 ただ、いずれにいたしましても、やはり、国において、政府において、毅然とした態度をしっかりと取っていただきたいというふうに思っております。


(STV)
 2点ございまして、1点が関連の北方領土の関係だったのですが、聞くところによりますと、15日に菅総理にお会いになるということで、知事も1日の臨時記者会見でおっしゃっていましたが、北方領土への菅総理の訪問ですね、この時に要請されるお考えがあるのかということが一つと、あとTPPの関係だったのですけれども、民主党のほうでも方向性が、参加に向けて協議を行っていくという、9日の日に閣議決定というか方向性が出される見込みですけれども、現時点でこの方向性について、道としての立場といいましょうか、受け止めをちょっと伺えればと思います。

(知 事)
 まだまだ15日は先のことですので、予算委員会(国会)の動向などで流動的な要素もございますが、今日、道議会の特別委員会でも申し上げましたとおり、私どもとしては、事務的には、その日に総理にお会いをして、領土問題についてさまざまな要請を申し上げるという機会を設定していただくべく、調整を最終的に行っているところです。
 そのタイミングというのは、APEC(首脳会議)が13日、14日に横浜でありますので、たぶん日露首脳会談も14日の予定で今進んでいるのでしょうか、ですからその後ということにはならざるを得ないわけでありますが、ただ14日ですべてが終わりということはあり得ませんので、14日に向けてのこれからのさまざまな政府の動きも我々情報収集をしながら、そしてさらには14日の首脳会談そのものの結果も踏まえて、その段階で私どもとしての必要なお申し入れをしっかり行いたいというふうに思っているところであります。今ご質問のございました菅総理の(北方領土)ご訪問というのも、私としては、このことはしっかりご要請をしたいと、このように考えております。
 それから、TPPの関係につきましては、来週の月曜日に道議会臨時会開催の運びで今事務的に準備が進んでいるところでありまして、(意見案の)議決をいただいた後、許されれば、私自身、知事としての思いも発言をさせていただき、道議会の皆様方と気持ちを合わせながら、このTPPの問題に対する道としてのスタンスということを鮮明にしてまいりたいとこのように考えております。中身的には、今まで申し上げていることと変わりはないわけでありますが、農業を基幹産業とする北海道として、原則的にすべての関税を撤廃するというような形でのTPPへの日本の参加ということについては、やはり政府として相当慎重にご対応をしていただきたいと、また、参加をするにしても、国民的な議論をしっかりとして、一定の国民理解が得られた後に、参加に向けてスタートしてほしいというのが思いでありますので、そういったことをしっかり発信していかなければならないとこのように思っております。


(時事通信)
 中国の漁船のビデオ映像が流出したり、警察の重要な捜査資料がさらされたりといった情報管理のあり方が問われるような事態が続いているわけですが、これについて知事、何か感想なり、こうあらねばならないといったことありましたらお願いします。

(知 事)
 尖閣諸島関連のビデオ、どこか新聞に出ていたような気もしますけれども、それからテロの情報が、このAPEC横浜開催の直前に漏洩したというようなことも聞いておりまして、それぞれの人たちがそれぞれ意図を持ってこういうことをしたのかなと思いますと、やはり情報管理というものの重要性ということをあらためて思うわけであります。
 これは人ごとではなく、私ども道も、道内のさまざまな情報というものを持っているわけでありますので、やはりこういった道管理の情報についてしっかりとした管理というものを、あらためて、関係部局には周知をしていかなければならないということを思っているところです。


(北海道新聞)
 国の出先機関改革についての話です。近畿や九州などではですね、国の出先機関の受け入れについて積極姿勢を見せていると。道もですね、以前、道州制特区のお話の中でですね、受け入れについての見解を示されていたところでもあると。近畿や九州は出先機関の受け入れに積極的ですけれども、一方で財源の問題が片付いていないところも相当あるという状況でもあり、手放しで受け入れるかという問題もありますが、そういった中で、道としてはこの出先機関の受け入れ等についてどういう姿勢で臨まれるのかということについて、姿勢について伺えればと思うのですが。

(知 事)
 このことはまずは政権交代で鳩山由紀夫さんが総理になられた当初、原口総務大臣の時でありましたが、政権として、政府として、国の出先機関は原則すべて廃止であると言われて、地方はどうかというご質問がございまして、我々47人の共同体である全国知事会として受けようということになり、そのことに向けてのさまざまな論点整理ということを私もメンバーになったプロジェクトチームで、議論を進めてきているという現状にありまして、これは開発局に限らず、各省が持っておられる全国の国の出先、道内にも多々ありますが、そういった機関も原則廃止。そのことは、(各出先機関が)持っている仕事については整理統合できてしまうものもあるでしょうし、我々が移譲を受ける部分もあるでしょうし、そういったことをしっかり受け入れるということを、ある意味、知事会のメンバーの一員の、北海道としても対外的にすでに意思決定済みという状況にあるわけであります。
 ただ、その後もう1年経ちますけれども、なかなか、一歩一歩進んでいるのか進んでいないのかよくわからない状況の中で、今おっしゃられたとおり近畿につきましては、各県議会、府議会等の議了も得る形での、地方自治法に基づく「特別地方公共団体」、いわゆる広域連合の形に向けて一歩一歩進んでおられまして、ただ近畿地方整備局のエリアの中では奈良県さんが不参加ということで、そこはそれぞれの県のご判断ですけれども、外から見ているとそこはどうなるのかなと少し思うところはあります。また、九州のほうは、地方自治法に基づく形ではなく、新たな立法措置を国に求めておられるようでありますので、どちらが進んでいる、どちらが進んでいないとは言いにくいわけでありますけれども、そういう状況にある中で北海道がどうするかということですね。
 北海道は今、ご質問の中でも触れられましたとおり、道州制特区法に基づきまして、開発局が現に行っておられた砂防事業、開発道路、2級河川、こういったものについて、権限移譲ということを先んじて行ってきたわけでありまして、細かいところは後ろに地域主権局長がいますので聞いてほしいのですが、我々としては不満はいっぱいあります。ただ、一応、スムーズに、今年度からスタートしているという意味においては、他県に先んじて取り組みを進めてきているという状況にありますので、そういった中で私どもが苦労した点というものを、全部問題としては洗い出しておりますので、そういった観点から知事会に対しても、本当にこれは性根を入れてやるとしては大変ですよと、やる場合のポイントはこういうところだというのは、いろいろとご提言を申し上げているところでございます。要は政府自身が本気になって取り組む気になるかどうかという1点に尽きるわけでありまして、財源のことをよく言われます。もちろん財源移譲というものをしっかりしていただく必要があるのですが、その前に私どもとしては、ずっと前に国の出先と我々道との権限移譲、統合ということについては、2段階統合論ということを言っております。まず、国の出先機関が一つの統合体になって、徹底的に共通部門を中心にスリム化をしてほしいと。その上で、道への権限移譲であり人の移譲であるというようなことを申し上げております。そういったことを大前提に、権限・財源の一体的移譲の確実な制度設計。もちろん時間が経過すれば当然今まで国と道が二元で行っていたことを、道が一元的に行うことによって、順次スリム化は少しずつは進むでしょうが、移譲直後においては、国が行っていたのと同じだけの財源がなければできないわけですので、そういう財源と権限の一体的な移譲の確実な制度設計ということの重要性、それからそれ以上に私は大変だと思うのは、人員移管のルールづくり。国家公務員さんが地方公務員になるわけでありますので、その身分をどのように考えていくのか、それから退職金を含めて、そこも財源の話ではないかと言われたらそうでありますが、どういう制度設計にするのかということなど、しっかりとした制度設計がないとなかなかこの話はうまくいかない。ただ、それはいろいろとそういう障害はありますけれども、要は政府において本気で取り組む気になっていただければ、我々は元々受けるということは決断をしておりますので、議論は加速的に進むのではないかというふうに思っておりま


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