知事定例記者会見記録(平成21年12月28日)

知事定例記者会見

・日時/平成21年12月28日(月) 14:00~14:25  
・場所/記者会見室
・記者数/22名(テレビカメラ2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 平成22年度政府予算案について
2 交通安全について
3 今年を振り返って

記者からの質問

1 補助ダム事業の検証について
2 北海道新幹線について
3 知事の年末年始の予定について

知事からの話題

 

平成22年度政府予算案について

[資料:平成22年度政府予算案について]
 今年最後の記者会見となりました。ここまでお付き合いいただいてありがとうございます。私からいくつかの話題についてご説明をしたいと思います。
 一つ目は、まず配付資料があると思いますが、22年度の政府予算案についてでございます。12月25日に閣議決定されました。私どもとして土日返上でその概要の情報収集にあたりまして、道に関連する明らかになっている部分について取りまとめましたのでご報告申し上げます。
 まずは年内編成ができたことは大変良かったと思っております。元々、鳩山政権は年内編成を目指すと言っておられたのでありまして、いろいろな作業が遅れ気味というような報道を聞く度に、少し不安も持っていたところでございますが、何とか年内にまとめていただき、それも御用納めの前にまとまったということは、本当に鳩山総理をはじめ、関係の皆様方のご努力に心から敬意を表する次第であります。
 開発予算でありますが、1ページ目にありますとおり、4,754億円ということでございます。これは対前年比17.3%の減と、大きな減でありますが、全国が18.5%のさらに大幅な減でありますので、いわゆる北海道シェアについては、9.6%。これは前年が9.5%でございましたので、若干伸び気味という形で確保できたかなと思っているところでございまして、全国も「コンクリートから人へ」ということで、公共事業予算について大変厳しい中で、道内には一定のご配慮をいただいたのかなと受け止めているところでございます。
 しかしながら、中身については、この2枚目にもございますし、事前に皆様方も情報入手しておられるかと思いますが、農業関係予算など、本道にとって大変厳しい結果となっているところでございまして、今回、この真ん中より下ぐらいにございます、新たな交付金創設として決定されておりますので、こういった関係の交付金なども活用するなどして、総合的な対処が必要だと思っております。
 3ページ目以降は、開発予算以外の各省計上分のうち、主要なものを拾える限り拾ったわけであります。北海道新幹線、これは4ページですね、来年中に新規着工に対応できるようにということで全国で90億円が確保されたわけでありまして、札幌延伸に向けた道筋がついたものと受け止めております。今後の調整、これはどちらかというと私どもサイドに球が投げかけられた形だと思っておりますが、さまざまな調整を加速度的にやっていきたいと思っております。
 それから子ども手当でありますが、22年度限りの暫定措置として、子ども手当といわゆる児童手当との併設、今まである児童手当も暫定的に残すという少しややこしい形ということのようです。少子化対策で重要だという認識は私もそのとおりだと思いますが、この子ども手当については全て国の責任で行うと明言されておられたこととの関係においては、金曜日に各社の取材があったところに対しては大変不満であると申し上げたところでございます。
 22年度私どもとしてどのように対処するか、これから他県の動きなども見極めた上で検討をしていきたいと思っております。
 それから、アイヌ政策について。これは今年の7月に前政権時代にまとまりました有識者懇談会の報告を受ける形で、具体的に政策を進めることを議論する場について、早く立ち上げていただきたいということは前から申し上げていたところでありますが、年明け1月中にも「アイヌ政策推進会議」の開催が決まり、来年度に向けても予算が計上されたことは大変うれしく思っているところでございます。
 有識者懇談会の報告の中にもございます立法措置等の前提となる生活実態調査、道外については全くないわけでありますので、そういったことの実施を含めて、アイヌ対策が国レベルで進められることを私どもも大変期待しているところでございます。
 それから、地方財政に関してでございますけれども、まずは地方交付税の総額確保、これが増えたということは大変うれしく思うわけであります。しかしながら、ご案内のとおり地方税収が大幅に減少すると見込まれていることから、引き続き厳しい財政運営であるということは事実だと思っております。
 また、自動車関係税の暫定税率につきましては、当分の間、税率水準を維持することとされております。いろいろな議論はあるのでしょうが、私ども地方の立場からすれば、税源が確保されたということを評価させていただきたいと思います。
 その他、農業の戸別所得補償制度、医療問題など、いろいろな形で予算に反映されておりますが、これはまたそれぞれご関心に沿って、今ご質問いただいても良いですし、担当課にご質問していただいてもよろしいかと思います。
 総じて、国の予算の政府案も厳しいものとなったというふうに見ておりますが、私ども道内もその厳しい経済雇用情勢を踏まえまして、先に決定されました2次補正予算も含めて、本道の重点配分など必要な予算の確保に全力を挙げてまいりたいと考えているところであります。
 それから、例の事業仕分けとの関係について。これは資料がなくて恐縮でありますが、仕分け結果が出た段階では、私どもも大変危機感を持ちまして、道内の実体を踏まえた上で、緊急に政府・与党にも申し入れをさせていただいたわけでありますが、今回の予算の政府案の閣議決定の中身とすり合わせてみたところ、まだ詳細がわからないところは多々ありますが、完全に仕分けのままで困ってしまったというのは、あまりありません。
 あまりないという意味は、交付金化するような中のひとつになったというものもございますので、これは今後、制度設計なり中身を精査し、かつ、それがどれだけ額的に道内に確保されるかということの中で、あらためて仕分け結果と予算との関係をチェックしなければならないと思っておりますが、とりあえず金曜日の25日の政府案閣議決定の段階の総枠の範囲内では、仕分け結果で×、×、×とあったのは、そんなに影響はないかなという感じを持っているところであります。
 予算についてはとりあえずそういうことであります。

交通安全について

[資料:交通事故概況等について]
 二つ目の私からのお話は交通安全についてであります。今日が28日でありますので、今年も明日以降残り3日です。北海道は今ワースト2位であり、交通事故で亡くなられた方が215人もおられるわけでありまして、去年よりは若干減ってはおりますが、愛知県のワースト1と7人差の全国ワースト2という大変厳しい悲しい状況にございます。
 この3日間が勝負だと思っているところでありますが、これから帰省される方、何としても安全運転にご配慮ください。
 それから、お酒を飲む機会も多いと思いますが、飲酒運転はしないでください。
 道警とも連携をしながら道民の方々のご協力を得て、何としても5年連続ワーストワン回避を達成したいと思っております。皆様方のご協力をお願い申し上げます。

今年を振り返って

 最後は、今年一年を振り返ってということで、皆様方にも大変お世話になったと思っております。
 8月の下旬に総選挙により政権交代、鳩山総理の内閣が誕生いたしました。予算編成を含め、今までの前例では想定できない、なかなか情報が入りづらい中で、今回の25日の予算の政府案が決定したということも、私なりにほっとはしておりますが、まだまだわからない部分が多々あるなと思っているところでございます。
 新政権が掲げておられる、地域主権国家への転換、そして政治主導による政策展開、こういった政策の方向性に強く期待をしております。そしてそのことは来年以降もそのように思っているところでございます。
 私は道民の皆様方の利益を代弁する形で「言うべきは言う」そして「要請するべきは要請する」「提案するべきは提案する」こういったスタンスでしっかりと発信をしていかなければならないと、あらためて強く思っているところでございます
 今年の5月には、「太平洋・島サミット」がトマムで行われました。9月には「ねんりんピック」が行われました。こういった、世界にそして道外に向けた発信もさせていただいたわけでありますが、一方で世界同時不況の影響などによって、道内景気は、持ち直しとは言われておりますが、実感がない大変厳しい一年でもあったと思っております。
 それから、新型インフルエンザ、ちょうどゴールデンウィークの直前くらいからだったと思いますが、やっと道内もピークアウトとは言われておりますけれども、まだまだ油断はできないし、しっかりと対処していかなければならないと思っております。
 農業の分野では、冷湿害による大きな被害がありました。「ゆめぴりか」が本格デビューの年だったにもかかわらず、量があまり確保できなかったということもありました。
 それから漁業の世界では、ザラボヤの被害、これは私も渡島と胆振、実態を拝見させていただきにまいりましたけれども、今でもその状況を思い出すと、自然の驚異というのはすごいなと思ったところでありまして、それぞれいち早く対処させていただいているところであります。
 厳しいことばかり、今申しましたが、一方で、いろいろ前向きなことも進んだかなと思っております。「麦チェン」とか「酒チェン」とか、民間主導の、そして我々も協力する形の農商工の連携の動きもございました。それから新エネルギー導入の取組もございました。さきほどちょっと触れました、ゆめぴりかも本格デビューしました。
 それから中国の映画の影響等もあって中国からの観光客が大幅な増加がございました。また併せて台湾の総領事館にあたる札幌分処(台北駐日経済文化代表処札幌分処)がスタートし、これからまた台湾からのお客様も期待できるかなと思っております。洞爺湖有珠山地域の世界ジオパークネットワークへの加盟ということもありました。また道東と道北2か所のドクターヘリの導入、順不同で大変恐縮でありますが、アイヌ古式舞踊がユネスコ無形文化遺産「代表一覧表」に記載決定など、良いこともあったと思っているところでございます。
 年末、来年度予算案の前に閣議決定されました国の二次補正予算も踏まえて、道内、今若干明るい兆しが出てきたというものの、依然として厳しい雇用対策など、しっかりとやっていかなければならないと思っているところでございます。
 年末を控えて、企業の資金需要、労働相談のニーズが高まることも予想されるわけでありまして、道といたしましても、年末まで、中小企業や道民の皆様方からのご相談をお受けするなど、しっかりと対応していかなければならないと考えております。
 この一年間、道政記者クラブの皆様方におかれましては、お付き合いをいただいて、誠にありがとうございました。至らぬ点も多かったと思いますが、来年も引き続きよろしくお願いをいたします。

 

記者からの質問

(共同通信)
 来年度の予算の関係なんですけれども、ダム事業について、国の直轄では北海道では4ダム事業、また、補助事業では厚幌ダムについて、継続するべきかどうかも検証の区分化をされたのですけれども、これについての知事としての受け止めと、今後の対応をお聞かせください。特に厚幌ダムについては、国交省から継続すべきかどうかの検証をしてくださいとの要請が道に対してあると思うのですけれども、今後あらためて道として厚幌ダムの事業についての検証をするお考えがあるのかお願いします。

(知事)
 要するに、補助ダムのほうのお話ですね。
 ダム事業の検証ということは、これは政府予算案の前から議論になっておりまして、今回の25日の閣議決定の中では、直轄ダムについてはそれぞれの箇所の予算が計上されているようでありますが、補助ダムについては、まだまだ調整しなけばならないところも多いということで、年度末まで、決定、公表を見合わせると理解をしているところでございます。
 そういった中で厚幌ダムについてのご質問でございますが、補助ダムについては、厚幌ダムも含めて、私ども今までも申し上げておりますとおり、これまでも節目節目でそれぞれの治水なり、利水上の必要性や妥当性を検証しながらやってきておりますので、その必要性については、変わらないものと考えているところでございまして、そのことをあらためて国に意見を示していかなければならないと思っております。

(共同通信)
 そうすると、あらためて検証するお考えというのは特にないということですか。

(知事)
 はい。今段階では。


(日本経済新聞)
 北海道新幹線についてお伺いします。
 先ほど知事は、札幌延伸への道筋がついたという評価をされたのですが、先週金曜日の予算案が決まった段階でも、国交大臣の発言などを聞いてますと、延伸に道筋がついたというか、かなり慎重な言い方をされているところがあって、これも前原さんの発言なのですが、90億円の留保はついたけれども、まったくの白紙であるというような発言もされていて、道筋がついてというよりは、かなりあやしいところもあると思うのですが、この発言を聞いた限りでは、あらためてこの留保分の意味合いというか、知事がどのように考えているかということと、今後の調整を加速度的に進めていきたいというお話もされていたのですが、具体的に来年、どういった形で延伸に向けた道筋をつけていらっしゃるのかということをお聞かせください。

(知事)
 既着工分については、結構十分な予算をちょうだいしましたので、これは今年度の補正分も含めてという評価でありますが、今年度の補正といっても結局工事は来年度でありますので、その意味では、22年度既存の整備中の新幹線、函館までの工事費は結構潤沢にいただいたなと思っております。21年度当初予算比でいいますと、8割増くらいの予算でありまして、これは前政権、現政権を通して、こういった形にしていただいて大変評価をしております。
 その上で90億円の話です。国交大臣の慎重な言い回しの記者会見というのは、私は残念ながら拝見をしておりませんが、ただ90億円という予算が計上されたというのは事実ですので、それをどのように有効に活かしていくかということについて、まさに我々が、まずはイニシアチブをとって動いていかなければならないと思っているところです。
 今、未着工区間として北陸、西九州、それと北海道と3地域でありまして、その中で条件の整ったところからやっていくというお話もあるようですが、例えば採算性であるとか環境への負荷がどうかとか、沿線の自治体の努力度ですとか、いろいろな条件があったと思うのですが、そういった点については、私ども北海道は、長年の運動の中で概ね心を一つにして一生懸命やってきています。
 札幌市長さんも大変一生懸命動いていただいておりますし、採算性は道都札幌までくれば、当然良くなるというのは想定の範囲内でありますので、そういう意味で、そこらあたりの条件はうまくいくかなと思います。
 しかしながら並行在来線についてのJRの協力を見極めるというような発言もあったように聞いておりまして、ここについてはどういうことになるのか、まずは国交大臣のご意向を確認する必要があるでしょうし、また、そのご意向が分かった段階で、それに対してJRさんが、どういう形でその支援をいただけるのかどうか。そこら辺りを年明け詰めていくということになるのかと思っています。
 そこがうまくいけば、この90億円の有効活用につながってくるかなと思っております。
 ですから今段階では、いろいろな議論があって、一時期は白紙だと国交大臣がおっしゃった中で、来年度新規着工すれば、若干予算をつけるというところまでいったということを今段階では心から喜んで、残された課題については年明けに、関係者と調整、情報収集しながら調整をしていきたいと、申し上げたいと思います。


(北海道新聞)
 政権が替わって、知事、いろいろとご苦労された部分もあると思うのですが、今年、年末年始のお休みですね、どのようにお過ごしされるのかお聞かせください。

(知事)
 毎年と一緒でありますが、札幌で静かに家族と犬と過ごそうと思っております。何年か前に、御用納めの次の日に総務大臣が夕張市に入られたことがありました。今年は今この時点でそのようなご連絡はないですし、おそらく今後もないと思いますので、年末年始は、静かに札幌で過ごそうと思っております。


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