知事定例記者会見記録(平成21年12月10日)

知事定例記者会見

・日時/平成21年12月10日(木)18:50~19:11  
・場所/議会記者室
・記者数/27名(テレビカメラ2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 平成21年第4回定例会の閉会にあたって

記者からの質問

1 北海道議会の開会時間の遅れについて
2 コンピュータソフトウェア問題への対応について
3  子ども手当の財源について
4 東郷ダムについて
5 夕張市の財政再生計画について
6  中国・北京における道の情報拠点について
7  北海道エアシステムについて
8 支庁制度改革について   

知事からの話題

 

平成21年第4回定例会の閉会にあたって

 若干、開始の時間が遅れた関係で、閉会も遅れましたけれども、無事、第4回北海道議会定例会が先ほど終了したところでございます。
 1年の総締めくくりとなる議会だったわけでありますが、事業仕分けの問題をはじめとして、政権交代後のさまざまなことに対する対応や、経済・雇用対策あるいは地域交通に関わる課題など、そういったことを中心にいろいろなことに対する対応について、活発に議論が行われました。
 また、経済対策、インフルエンザ対策などを中心とした補正予算についても議決いただいたところでございます。
 これから年末に向けて、今回の議会の議論を踏まえて、私どもは、いろいろな対応を進めていくわけですが、国のほうでは第2次補正予算について総枠の閣議決定の後、今、詳細の詰めをしておられると理解しておりますので、この詳細が明らかになったところで、今までどおり時機を失することなく、私どもとしても国の政策を十分に活用しながら年末年始に関わらず、連続的に道内の景気・雇用対策を立てていかなければならないと考えているところでございます。

記者からの質問

(朝日新聞)
 今日も民主政権への基本的な意見書とか決議案がでて、大幅に開会が遅れて、それに対する率直なご感想をお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 今回の場合は、意見書、決議書、といった形式を含めてどうするのかということが、関係各会派の間で議論がなかなか調わずに開会が遅れたということだと思います。都道府県議会にしろ国会にしろ市町村議会もそうだと思いますが、いろいろなことを決めて議論することは、表の場の議論もありますが、やはりそこに至るまでの過程のいわゆる根回しというか、そういうことでスケジュールが遅れるということは良いこととは思いませんが、よくあることですので、今回はそういうことの一環だったのかなと思っているところです。私としては、今日という、当初予定していた最終日に無事閉会したということは、良かったなと思っております。


(朝日新聞)
 違法コピーの件なのですけれども、道に対し、損害賠償請求がされた場合に、どういう対応をとられるのか、たとえば、道幹部の方の給与から出したりとか、そういったことを考えておられるのか。それとも一般財源から捻出するのか、そのあたりお話をお伺いします。

(知事)
 マイクロソフトさんではない別のメーカーさんとの間でいろいろと調整あるいは実態把握を鋭意進めているところでございますので、メーカー側がどういう対応をしてこられるか、まだ私どもとしてもわからない部分がございますが、もうご承知のとおりだと思いますけれども、他県の例というのが一つあります。そういうことも参考にしながら、私どもとしてどう対処していくかということは、これからの議論だと思っております。
 ですから今段階でどういう対応をするかということまで考えは進んでおりません。またどこかのタイミングで私どもの考え方を皆様方にもお知らせ申し上げることができるかと思っております。


(NHK)
  今回、議会で事業仕分けの話、影響額が出たりしたのですけれども、またそれとは別に政権の公約、マニフェストに絡んで子ども手当の財源を地方に負担してもらおうかというような声が政府の中でも国の中でもあって、麻生会長などもいろいろ発言されたりとか、神奈川の知事さん、発言されたりしているのですけれども、知事としてどのようにお考えですか。

(知事)
 一言で言えば断固反対であります。少子化対策が重要だという認識は共有をさせていただきますが、そもそも、もともと全額国費負担ということを前提にマニフェストにうたわれたと少なくとも私は理解しております。また地方自治体に裁量の余地がまったくない今回のような子ども手当という施策は、当然のこととして国が全額負担されるべきものと考えておりますので、そのことを強くアピールをしていきたいと思います。
 なお、聞き及びかと思いますけれども、神奈川県の知事さんから檄文のような、憲法違反だから訴訟も辞さずと書いてありましたか、そのような趣旨の意見書に賛同したらサインを、というのが来ていたのですが、私はすごく優しい性格なので、趣旨は賛成だけど、まだ決裂も何もしていないのにそういう訴訟云々ということまで言うのは、いかがなものかということで、ちょっと修文を提案させていただきました。
 お受けいただければ、知事会という組織の枠組みの意見書とは別に、有志で意見書をまとめるというのが松沢知事さんのお考えのようでありますので、そういったことにも賛同していきたいと思っております。いずれにしろ、断固反対であります。


(北海道新聞)
 昨日、ダムの意見交換会がありました。国直轄と補助ダムだったんですけれども、あと一つ、今道内で進んでいる農業ダムの東郷ダムがあるのですけれども、当初の完成予定から十数年経って、今も毎年三億円くらいかけて調査を続けていると。道としては、ずっと負担金を支払っている立場だと思うのですけれども、開発局から道に対して今後の完成見込みとかについて何らかの説明があったのか、あるのか、それともまだそういう説明がなくて、いつ完成するのか道としても把握していない状況なのかということと、もし、今後の見通しが立っていないのであれば、今後も開発局の先が見えないまま負担金を払い続けるのか、それとも道として、国直轄ダムとはいえ、何らかの意見を国のほうに伝えるお考えがあるのかどうかをお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 まず、完成から17年ですか。未だに使えないダムというのは、これは一般常識としてあきれるほどの問題であると思っておりまして、大変遺憾に思っているところでございます。しかしながら、そうは言っても開発局を中心に行われるさまざまな調査とか検証とかいろいろなことに対して私どもとしても負担金はお支払いを申し上げている立場にあります。
 ある意味、そんなこと言うのであれば何で10年前に言わなかったんだというお叱りを受けることは覚悟で申し上げれば、今、新政権の下で国交省所管のダムばかりではなく、本件は農業ダムでありますので、農水省さんが総点検されるとお伺いしておりますので、そういった中できちっとした方向性をぜひ出していただきたいし、また私どもとしてもそれに向けて必要に応じ意見を言っていかなければならないのかなと思っているところでございます。
 ただ一方でこの富良野のエリアは農業で成り立っている地域でありますので、農業者の方々が今まではダムができることを前提に暫定的に水を確保しておられます。ではダムをやめるとすればどういう代替策があるかなど、やっぱりトータルで提案なり議論をしていかないと、単にやめたということだけでは無責任になってしまいますので、そういうことを含めて、私どもからも東郷ダムの問題については、いろいろ言っていかなければならないのではないかなということを先般、農政部長と議論をしたところでございます。
 質問後先になりましたけれども、完成に向けて説明があったかということについて、私は少なくとも報告は受けておりませんが、農政部誰かいますか。

(農政部職員)
 はい。まだ具体的な説明は受けておりません。


(日本経済新聞)
  夕張市の財政再生計画についてお伺いします。先日、市のほうから素案のたたき台というようなものが出されたと思うのですけれども、今時点でその内容に対しての知事の評価ですとか見解をお伺いできればと思います。

(知事)
 一部報道に出ましたが、明日、夕張市さんからいただいた、たたき台(夕張市財政再生計画(二次集計結果))に対する私どもとしての考え方というものを、事務的にご説明に伺うことにしております。
 個々の項目については申し上げませんが、やらなければならないことは、まずは、追加的な財政需要として想定されるものがいくらなのかということは、夕張市さんと私どもの間で認識を共有しつつ、確定していくことは不可欠だと思っております。
 そういった額に沿って、今度は道がどういう支援をし、国にどういう支援を求めていくのかという作業のプロセスになってくると思っておりますので、その大前提の数字を固めるという意味において、私どもからも夕張市さんのたたき台に対するご意見を申し上げるあるいは、場合によっては書類をにらみながらの共同作業というようなことも念頭に置きながら、できる限り早くその額の確定をした上で、夕張の体力の限界というようなことを、市長がいつも言っておられますので、そういった市長のお気持ちにも十分に配慮しながら、他の道民の方々のご理解を得て、全国的にも注目を浴びておりますこの問題の解決の方法として、どこまで、どういうことがあり得るかを、やはりスピード感を持って議論を進めていかなければならないと思っております。
 
 
(uhb)
 道の北京事務所の件ですけれども、今年1月知事が北京に訪問された際に、開設の方針を表明されたかと思うんですが、その後1年経過して、もし開設時期等、具体的に話が進んでいるのであれば、その内容とどんなことを狙いとして考えておられるのか。

(知事)
 北京には既に札幌市が、日中経済協会北京事務所の中にオフィスを持っておられます。私どもも、その日中経済協会北京事務所内に少しスペースをお借りして、デスクを一つ持って、道から今直ちに職員を派遣するということは、なかなか財政負担なり、その効果の検証等もできない中で、慎重な考え方を持っております。
 むしろ大連や上海にそれぞれいろいろな組織の場をお借りして既に道職員を派遣しておりますので、その職員に、一定期間出張のような形で拠点活動を北京で行ってもらう。具体的には月1回1週間程度交替で行ってもらうというようなことを想定しているのですが、まずはそういったことによる効果を見極めていくということからスタートしようかなと思っております。
 経済がダイナミックに動いている上海も重要だと思いますし、長い歴史を持って北海道との経済交流が進んでいるということで、大連も重要だと思います。しかし一方でやはり北京は中国の首都でございますので、そこへのアンテナも重要だといういろいろな思いの中で、今のようなまずは試行的なことを行った後、またあらためて判断をしていきたいと思っております。スタート時期は年度内のできる限り早いタイミングから、来年年明けぐらいからかなと思っております。
                           

(STV)
 HAC(北海道エアシステム)についてなんですけれども、今回の議会の中で、丘珠空港への路線の集約も検討しているというようなことも出ていたんですけれども、そのアイディアそのものに対して知事はどういうふうに考えていらっしゃるかということと、このHACの問題を道としてどう解決に導きたいか、知事としてのお考えをお願いします。

(知事)
 まだ結論は出ておりません。それはご案内のとおりでありますが、HACについてはJALから持ち株の割合を低めさせてほしいと、また路線の撤退等いろいろな申し入れがあったところでありまして、一方でA-net(エアーニッポンネットワーク)の問題については方向性が出てまいりました。
 そうすると、それを前提にしますとHACは丘珠便2路線、それから後は新千歳便を持っておられるわけで、それを一つの拠点に集約すれば当然、人員を含めてコスト削減にはなりますよね。それだけであれば、千歳にというのもありだと思うのです。一方で千歳については、これは強くA-netや全日空に申し入れをしたのですけれども、今までと同じだけの便を、そして道外からの千歳の便と乗り換えについて融合してほしいということを強く申し入れていまして、これは札幌以外の各地の強い要望ですので申し入れているわけですが、そのことをHACから見ると競合相手になってしまうのですね。
 それだったら差別化をして丘珠に来るということが競合を避けるという意味で、それなりに経営的に方向性が出るのではないかなという判断もあると思います。いろいろ考えるとHACが丘珠に移ってくるということについては一定の効果も期待できるかなと今私どもとして思っている状況でございます。
 ただ、丘珠の問題ですから当然、札幌市との議論もありますので、いろいろこれからさらに詰めていきたいと思っております。


(毎日新聞)
 12日、14日と支庁制度改革の条例に基づく公開協議、地域の協議が行われると聞いておりますが、どのようなお話になるのかは行ってみないとわからないところもあるんですけれども、知事が協議に臨むにあたって、どのような心構えでいるですとか、どのようなことを伝えたい、またどのようなことを聞きたいと今の時点でお考えなのかということをお伺いします。

(知事)
 既に3地域をまわらせていただいて、残った2地域についてどうするかということをいろいろ内部でも議論をしていて、当初は日高、檜山それぞれの支庁長から、いろいろな疑問点があるので、事務的な議論を詰めていきたいというような地域のご意向だと聞いておりましたので、そういうことであればまず事務的にやってもらって、私もいつでも行きたいということを内部で議論しておりました。
 そういう中で、道議会で木村先生から、知事はどうして行かないのかというご質問を受けて、行かないとは言っていないので、いつもで行きたいのですけれども、むしろ向こうのご要望がそういうことだと私は理解していて、あらためて先方それぞれのご意向を確認させたら、来たいというのであれば拒否はしないというお話でありましたので、それぞれ別途の日程の調整をつけて、私自身もおじゃまさせていただくことにしたところであります。
 何を議論するかということについては他の3地域と一緒でありますが、地域の話をお伺いする根拠としての条例(北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例)の第3条第2項が施行されておりますので、まさにそれを根拠にしっかりと地元からお話をお伺いするということをこれまでもやってまいりましたので、広域事務の内容等についてのご質問、あるいはご意見に対して私どもとしての考え方をお伝えして、双方向で議論を深めて方向性を出していきたいと。1回になるのか2回になるのか、しっかりと議論を深めていく必要があると思っております。
 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理し、作成しています。

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