知事定例記者会見記録(平成21年6月2日)

知事定例記者会見

・日時/平成21年6月2日(火) 14:31~14:59  
・場所/後志支庁3階1号会議室
・記者数/19名(テレビカメラ2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 まちかど対話について

記者からの質問

1 道の観光振興の施策について
2 直轄事業負担金について
3 まちかど対話について
4 アイヌ政策について
5 国の補正予算成立に伴う道の対応について
6 支庁制度改革について

 

知事からの話題

 

まちかど対話について

 今日、私からのご報告は、後志管内でのまちかど対話についてでございます。昨日の午後から今日にかけまして、羊諦山麓を中心に6つの町と村を訪問させていただきました。
 まず昨日は、喜茂別町の「きらめき工房」というところで、女性の方々が規格外品の農産物を使っていろんな製品をつくっておられるところを拝見して、特に味噌が口コミで情報が広がってネット販売を含めて好評で、頑張っているというお話をいただきました。
 それから、真狩村の「まっかりまんま」というところに参りまして、あそこの名産のユリ根を使ったコロッケづくりに取り組んでおられる地元の方々とお話をし、私もコロッケづくりのお手伝いをして、試食もいたしました。このユリ根コロッケは、昨年のG8サミットの夫人プログラムの「北のまるしぇ」で首脳夫人にも好評だったということでございました。高校生の方々も参加されて、私も大変満足いたしました。
 それから、今日になりまして蘭越町の高齢者生活福祉センター「こんぶ」というところに参りました。豪雪地帯で除雪も大変な中で高齢化が進んでいる蘭越町が、町内のお年寄りの皆様方に居住あるいはデイサービス、食事の宅配など、いろいろな高齢者対策をやっておられる、そのセンターにお邪魔をし、高齢者の方とお話をしたり、いろいろな福祉サービスの現状などを見させていただきました。
 それからニセコ町学習交流センター「あそぶっく」。地域のNPO法人が指定管理者を受けておられまして、ニセコ町の図書館の中で子どもたちに読み聞かせをやっておられますが、ここに布を使った絵本があり、これは私、初めて見ましたが、大変に迫力のあるおもしろいものでありましたけれども、そういった現場も拝見させていただきました。お母さん方、赤ちゃんたちと記念写真も撮らせていただきました。
 それから倶知安町の「北海道トラックスデベロップメント」さんにお邪魔をして、オーストラリア人のロビンソン社長ともお話をいたしました。倶知安町、ニセコ町にまたがるニセコエリアでのさまざまな開発が進んでいる中で、この北海道トラックスデベロップメントさんもその一角を有しておられ、コンドミニアムも大変素晴らしいものを拝見をいたしました。 そういった中でこの社長さんのほうから、ニセコエリアの観光開発について、それぞれのビジネスの形で進める状況から一歩進んで、行政も入って調和のあるこの地域全体としての、一体としての観光開発の必要性などのご意見をいただき、我々としても行政課題として、これから検討しようと思ったところです。
 それから、今日の昼はこの羊諦山麓の各町村でおいしい食べ物、あるいはアウトドアの関係の観光開発などで、最前線で努力をしておられる5名の方々とお話をし、意見交換をしたところでございます。
 私的に大変興味深かったと思うのは、後志ではそれぞれの町のおいしいものは町の人は知っているのだけれども、広域で連携してそれぞれの食べ物が何でも食べられるようなレストランがないじゃないか、それをぜひつくろうというようなお話もございました。また、アウトドアライフのメッカとしての後志羊諦山麓エリアにおいて、アウトドアのさまざまな観光整備をしていく上で、もうちょっといろいろな規制緩和なり行政の連携が重要ではないかというようなお話もいただき、これも我々これからの行政に生かしていきたいと思ったところであります。
 最後は京極町の「ようてい森林組合」さんにお邪魔をいたしました。この辺り全体の森林の事業をカバーしておられる組合さんでありまして、羊諦の山からとれた松で作ったこのネーム(プレート)もいただきました。そして作業の現場なども拝見をさせていただき、地球環境にやさしい木製品の良さということをあらためて認識させていただきました。
 最後のご報告ですが、日豪の観光交流促進協議が昨日一日ございまして、夜は私どもがその歓迎レセプションをやらせていただき、そこでご挨拶をさせていただいたところであります。こういった協議を通じ、ニセコあるいは羊諦の観光がより活性化することを期待しております。

記者からの質問

(NHK)
 まず、去年の世界的な金融危機で外国人観光客の減少とか心配されて、ここニセコ地区というのはすごくオーストラリアの観光客の方が多かったり、海外の方にも人気のある地域なんですけれど、観光客の落ち込みとか心配されたりしたと思うのですが、そういったこともありつつ、実際にこういうニセコ地域などを視察してみて、地域の方とのお話を伺って、そういう影響というか、どういう感想を持たれたかという部分と、影響みたいなものというのは知事自身感じられたかなというのをお伺いしたいというのと、直轄負担金なんですが、昨日、うちの社が全国都道府県、政令市さんにアンケート調査をとったところ、4割にあたる27の自治体が何らかの形で納得できないというような回答をされたそうです。大阪なんかは支払いを拒否したり、検討中としているというところが30カ所くらいありまして、あと、北海道もそうだと思うのですが、新たなルールづくりを進めた上で支払うというのを答えた自治体も15くらいありました。こういったことについて、知事のご感想といいますか。

(知事)
 まず、昨年からの世界的な金融危機、GMも潰れるくらいの厳しい世界的な景気後退の北海道観光に対する影響ということでございますが、いろいろな数字は出てきておりまして、確かに年の前半はG8サミット効果もあったけれども後半からは厳しくなったというお話をよくお伺いするところであります。
 こちらニセコエリアでどうかということについて、後から必要であれば支庁長から補完させますけれども、今日、話を北海道トラックスデベロップメントさんあたりからお伺いしたところによれば、不動産の物件はそれなりに売れてきているし、むしろここで少し観光客の動きが一段落のところで、さっきちょっと申しました、このエリア全体としての開発について、いろいろとじっくりと考えたらどうかというようなご提案もあったわけであります。
 逆に言えば、ちょっと足踏み感はあるものの、やはりこれから将来に向けて中長期的にも、ニセコあるいは羊蹄山麓エリアの観光客という意味では、地元の方々は比較的強気な見方をしておられるのかなという思いを持ったところであります。
 ただ、この世界同時不況に加えて、新型インフルエンザの問題もございますし、まだ北海道で患者さんの確認はないところではございますが、他国から見れば、日本国の中で、もう患者が確認されたということは、兵庫県であろうが、大阪であろうが、北海道であろうが一緒だと思います。
 そういった意味でのこの新型インフルエンザの影響というのがこれからむしろ夏よりも冬のシーズンに向けて出てくる懸念もないとは言えないわけでありまして、そういったところを注意深く見極めつつも、我々の観光プロモーションはしっかりやっていかなければならないかなというふうに思っております。
 それから、直轄負担金でございますが、先週5月29日に、資料が国交省さんから、私どもに対しては開発局さんのほうからご提出をいただきました。提出いただいたご努力というのは十二分に評価をいたしたいと思います。
 ただ、私もそのものを拝見させていただきましたが、あれで十分なのかどうかというのは、ちょっと精査をしないとなんとも言えないと。もう不十分だということを、声高々に言っておられる知事さん方もおられるようでありますが、私はその意味では、御社のアンケート調査にもたぶん精査中と答えたはずです。
 その上で、不十分であれば、その段階でそのように評価をし、情報開示が不十分であれば議会等との関係で道民に説明がつかないということを前から申し上げておりますので、そういった方向での対応になるかと思うわけでありますが、今段階では、関係各部にしっかりと精査するように指示をいたしているところであります。
 その結果をできる限り早く、私に報告をしてもらった上で、次のステップに向けての発信あるいは国へのさらなる要求、そういったことにつながっていくのではないかと思っております。
 いずれにしても、この次の段階の話ですけれども、今年だけで終わる話ではなくて、来年度以降ずっとこの議論は続くとすれば、そのプロジェクトチーム(全国知事会「直轄事業負担金問題プロジェクトチーム」)のメンバーとしても、新しいルールづくりということについては、いろいろと検討していかなければならないとは思っております。


(読売)
 今回、後志支庁を回った率直な感想を一言あらためていただきたいのと、今回、観光の関連の施設といいますか行事などを回っていらっしゃったりするのですけれど、道として観光の推進についてのどのような施策が必要だと感じたか、その2点をお願いいたします。

(知事)
 今回、後志にあらためて入らせていただきましたが、思い起こせば去年のG8サミットに向けてこの管内のルスツリゾートにメディアセンターもできることもございましたし、また夫人プログラムの企画立案の段階など、いろいろな形でこの後志の観光あるいは地域の良いところをたくさん、去年も見せていただいたつもりでございました。
 今回あらためて入らせていただいたわけでありますが、特にこの羊蹄山麓を中心に多様な観光資源にあふれているということをあらためて思いました。
 昼の会食の席で、ロス・フィンドレーさんというオーストラリア人の方で、もうこちらに長く生活をしておられて、アウトドアのいろいろなビジネスをやっておられる方のお話によれば、後志は観光の柱となるものがないんだと言っておられましたけれども、それはトラディショナルな伝統的な観光のスポット、すなわち寺院があるわけではないし、そういった日本的な伝統的な意味での観光の柱はないわけでありますが、ただスキーを含めて、アウトドアのさまざまなことを考えたら、その宝庫でありますし、おいしいものもたくさんあるわけであります。
 その意味で私はやはりこの後志というのは素晴らしい観光の適地であるなと、やはりここが観光入込み客数でいえば全道の中で一位二位を争う地域であるということをあらためて認識をいたしました。
 ただ、あえて言うとすれば、昼の昼食会でも話しが出たのでありますが、一つ一つの町がそれぞれの素晴らしいものを誇っているわけでありますけれど、全体として、後志なら20市町村で多いわけでありますので、例えば羊蹄に限っても横の町あるいはここの近隣で何かおいしいものを総合的に売り出すとか、そういった相互連携をしながらというところがちょっと足りなかったのかなと。
 そういったご努力をさらに積み重ねていただければ、より多くの観光客が、まずは道民の間では札幌圏から増えるでしょうし、また北海道のゲートウェイである新千歳空港を通じて、海外のお客さま、あるいは道外のお客さまも、より多く後志に入ってこられるのかなと、このように思ったところでございます。
 それから、これからの北海道観光振興の施策というのは我々の永遠の課題なわけでありますが、私はここ一余年申し上げておりますのは、観光の地産地消ということであります。 北海道は沖縄と常に観光のライバル県として数字を見たり、いろいろ議論をしたりしているのでありますが、北海道観光の一つの特徴というのは、入込み客の8割が道産子、我々北海道民自身なわけでありまして、その意味では、我々北海道民が道外に観光に行くだけではなく、この広い道内でありますのでいろいろ行ったことがない所もたくさんあると思います。
 そういった道民の方に道内の行ったことがないとか、あるいはリピーターとしていろいろ楽しんでいただくという、道民観光キャンペーンのようなことを今年もさらにしっかりやっていかければならないのかなと、こんなふうに思っているところでございます。
 また、例年やっておりますが、東京、名古屋、大阪、そういう人の多く住んでおられる大都市圏への売り込み、これもしっかりやらせていただいております。加えて、この後志、まさにニセコエリアはオーストラリア人を中心として観光客が多いわけでありますが、それ以外にも海外、特にアジアからのお客様がどんどんと道内に増えておりますので、こういったアジアの方々に対する観光のキャンペーン、これをしっかりやっていかなければならないと思っております。
 私自身、今年の1月に北京に参りました。我々が事前に思っていた以上に、中国の方々も北海道に関心を持っていただいているということを再確認できて大変嬉しく思ったところでございます。


(朝日)
 先週の政府のアイヌの有識者懇談会の件で伺います。常本委員のほうから生活実態調査の結果が提出されていまして、それを見ますと生活ぶりというのが依然改善されていないというふうに結果が出ています。アイヌ民族の方に伺うと、これが民族の今の実態をよく反映したものだという声が聞こえますし、座長の佐藤座長のほうも懇談会後のブリーフィングで数字としてきちんとした実態を示していただいたというような趣旨のご発言がありました。
 知事自身はご欠席されたんですが、道内を何カ所か回られた経験を踏まえて、常本委員の提出された調査報告書についての評価をまず伺います。

(知事)
 常本先生を中心に北大さんがアイヌ協会のご協力も経て実施された調査概要につきましては、東京のほうの懇談会自身は私は議会とバッティングしましたので欠席いたしましたが、その前に内々に見せていただいていまして、大体の概要は承知をいたしているところでございます。
 やはり、アイヌの方々の生活の状況というのはなかなか厳しい現状にあるということが今回のサンプルを相当多くした調査の中でも明らかになったわけであります。我々としてもこういったアイヌの方々に対する生活支援あるいは教育支援、すなわち加藤理事長からいつもお伺いをいたしておりますが、協会としても決議をしておられるさまざまな対策に対して、国の支援をしっかり受けながら我々自身もやっていかなければならないとこのように思っております。


(朝日)
 その関連の質問でもう一つお願いします。道の調査というのも昭和47年から継続的にされているのですが、サンプル数が少なくて実態をきちんと反映していないという批判もあります。そうした中で、今後、常本委員の調査が出てきた中で、道の調査というのも今後も続けるのかどうか。逆にサンプル数が少ないのを続けると、実態をきちんと反映していないものを道民に誤ったメッセージを伝えることにもなりかねないわけでありますが、そのへんの今後の方針について、知事自身のお考えを伺います。

(知事)
 サンプルの問題があるにしても、継続的に調査をするということ自身に意味があるということは私はあると思います。しかしながら、今回の北大さんの調査の状況、内容等をあらためて担当部局を中心に精査をした上で、今ご指摘の点も踏まえて必要な改善があればやっていきたいとこのように思います。


(道新)
 昨日成立しました国の補正予算についてお聞きしたいんですけれども、かねてから知事は今厳しい不況の状況を踏まえて、国の予算が成立したら道としても速やかに対応していく旨の発言されていると思うのですが、今回の補正予算かなりいろんなメニューが入っている予算だと思うんですけれども、道として6月の議会でどのように対応されるのか、これについてお聞かせください。

(知事)
 国の補正予算が成立いたしました。実はもうちょっと早く成立してくれるのであれば、もう既に終わってしまった5月中にございました臨時会に例の人事委員会の勧告の案件に加えて、ゴールデンウィークぐらいまでは補正予算のインフラ整備の部分などを中心に議会にご提案を申し上げられればということも内々いろいろと検討していたのですが、間に合いませんでした。という流れの中で、2定(道議会第2回定例会)にはできる限りのものを反映をさせていきたいというふうに思っております。
 先ほどの流れからすれば、インフラ関係、公共事業関係はできる限り計上いたしますし、またいろいろな基金事業とかいろいろあるんですね。
 ただ、そのいくつかのものは、先般、道選出の国会議員の方々にも申し上げた経緯はあるんですが、なかなか担当省庁さんの制度の詳細についての検討が遅れているというか進んでいないというか、そういった部分が結構ございまして、我々として道議会に提案をさせていただこうにも、できない部分もいくつかございます。
 そういったところはできる限り早く国と担当省庁としての方針をお示しいただいた上で、私どもとしてはできる限りとにかくこの2定に、先ほど申しました公共事業関連、プラス雇用などできる限り多くの議案の提案に結びつけていきたいとこのように思っております。
 そして、次は3定でありますので、その間もったいないので必要に応じ、臨時会の開催ということも視野に入れて、できる限り早くこの国の補正の効果を道民の津々浦々まで浸透させる努力をしていきたい、機を失することなく対応していきたいとこのように思っております。


(日経)
 支庁制度改革の意見交換会について2点お伺いしたいんですけれども、昨日をもって14支庁全て説明が終わったと思うんですけれども、終わった段階の地元の意見を聴いた収穫といいますか、そのあたりを知事のご意見を一つお伺いしたいと思います。
 もう一つ、振興局地域の意見として機能の維持とか、むしろ強化してほしいという声も少なからずあったと思うんですけれでも、それを全て聴くとしますと改革の後退にもつながるような気もするんですけれども、そのあたりの対応を今後どのようにしていくかお伺いしたいと思います。
           
(知事)
 今、ご質問の中でおっしゃっていただきましたとおり支庁制度改革の中で振興局地域となる皆様方との私が参加しての議論という意味では条例制定後、これでワンラウンド終えさせていただいたところであります。
 いろいろなご意見というかご要望を中心に、それぞれの地域の特性も踏まえていただいたところでございまして、これから我々として、こういった皆様方のご意見、あるいは道民の皆様方のご意見、あるいは道議会のご意見、いろいろな方々のご意見を踏まえた上で、我々としての考え方を、広域事務の内容であるとか、総合振興局、振興局の組織体制の大枠であるとか、そういったことをこれからお示しをしていくわけであります。
 もともと何でこの支庁制度改革を進めるかという3本柱について申し上げているところでございまして、その一角はやはり行政改革ということもあるわけであります。その意味ではいろいろなご要望はいただいているわけでありますが、それぞれの5地域からのご要望に沿えるところと沿えないところというのがあるわけであります。
 いずれにいたしましても道議会なり道民の皆様方のご意見なり、できる限り多くの方々のご意見を集約する形で我々の考え方をご提示を申し上げ、あらためてまた5地域の皆様方とも議論を深め、そういったプロセスを経て成案を得てまいりたいとこのように考えております。
 


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