知事臨時記者会見記録(平成21年5月23日)

知事臨時記者会見

・日時/平成21年5月23日(土) 16:40~16:57  
・場所/アルファリゾート・トマム
     ザ・タワー1Fアザリア
・記者数/25名(テレビカメラ6台)

会見項目

 

知事からの話題

1 第5回太平洋・島サミットについて

記者からの質問

1 第5回太平洋・島サミットについて

知事からの話題

 

第5回太平洋・島サミットについて

 先ほど、首脳とご夫人の方々が乗られた帯広空港へ向けたバスをお見送りして、PALM5、第5回太平洋・島サミットが無事終了したことを確認させていただきました。開催地の地元として、まずは安堵したところでございます。
 昨日から、あいにくの雨でございましたが、ただ、予定されていた行事は滞りなく全て実施され、麻生総理とPIF(太平洋諸島フォーラム)各首脳の記念撮影も外で行われ、それも良かったなというふうに思っているところでございます。地元の皆様のご協力に心から御礼申し上げたいと思います。
 まず初日、出迎えに地元の子どもたちが旗を振って迎えてくれました。同じくお迎えした雪だるまは、地元の子どもたちやホテル関係者が苦労して作られたものであります。南の島国、雪には縁のない方々にとっては、大変興味深そうに見ていただいて、そして触って、写真も撮っていただき、良かったと思ったところでございます。
 また、こういった地元のお子さん方に加えまして、警備の関係の道警の方々、それから消防関係もこの富良野の広域の消防の方々、帯広の方々、西十勝の方々に万が一に向けてのご協力をいただきましたし、また、医療関係でも占冠村の診療所のお医者様方に対応していただき、幸いなことに大きなことはなかったわけですが、こういった目に見えない多くの方々のご協力があって、今回のサミットの無事の終了が確保されたことをあらためてうれしく思う次第であります。
 子どもたちは、お出迎えしてくれると同時に、今日最後の交流プログラムで、それぞれの国を決めてグループ討論という形で地元交流プログラムにも参加してもらいました。私も各テーブルを拝見しながら、それぞれ、だいぶん事前に勉強をして臨んでいただいたのかなと思ったところでございます。
 この地元交流プログラムに参加していただいた子どもたちは、上川管内、十勝管内の地域ごとの子どもたちでありまして、何を食べていますか、どんなスポーツが有名ですかとか、正に我々に身近な質問をして、それに真剣な表情でお答えしておられる首脳、あるいは奥様方を拝見して、やはりこうした地元交流プログラムを実施して良かった、また、北海道の子どもたちにとっても、我々のふるさと北海道で島サミットが行われたことを永く記憶に留めることができるようなイベントになったなとあらためて思ったところでございます。
 私ども道庁からは、各国首脳、夫人の皆様に、美瑛町の陶芸家の方が作られたコーヒーカップと、北海道アイヌ協会推薦の優秀工芸師に作っていただいたアイヌ文様刺繍のタペストリーを贈らせていただきました。
 また、開催期間中には、鵡川の保存会の方々にお越しいただきアイヌ民族の民族舞踊、また、富良野市の団体の方々の着物モダン・リメイク・ファッションショーを含めた夫人プログラム、それから、昨日の総理主催の晩餐会では、十勝の太鼓のチームによる演奏と旭川のチームによるよさこいソーラン演舞、こうしたことを含めて、北海道の魅力に触れていただいたのかなと思っております。
 昨日の晩餐会、今日の知事主催の昼食会、いずれも道産食材をたくさん使わせていただきました。中には馴染みのない食べ物もおありになったのでしょうけれども、いずれもおいしいおいしいと召し上がっていただき、私も大変うれしく思ったところでございます。
 外務省の方もおっしゃっていただいたところですが、会合の場でも、首脳の方々から北海道のおもてなしに満足をするという話が多々あったようでございます。
 私どもとして限られた時間ではありましたが、また、予算はあまりかけていないと思いますが、地元の方々と知恵を出しながら行った我々の準備ということが首脳の方々、あるいは奥様の方々に通じたことは、大変うれしく思う次第でございます。北海道といたしましては、これからも北海道の魅力発信のためにも国際会議の誘致ということに取り組んでまいりたいと思います。
 後先になりますが、先ほどの共同議長記者会見で、総理とニウエ首相から話があったと思いますが、今回のサミットでは、日本と南の国々が共同して、環境問題など世界の大きな課題に対処することの議決もされたようでありまして、それを実現するために日本からは、500億円程度の援助も決まったとお伺いしているところでございます。
 ニウエ首相は、昼食会の際に「これからは、こうやって枠組みが決まったことをいかに実行していくかが大切だ。」と述べておられました。私たちの北海道の素晴らしい環境の中で行われたPALM5の宣言に盛られた成果というものが、これから着実に実行されることを道知事としても願うところであります。
 また、我々北海道自身も、「エコアイランド北海道」宣言を出しておりますので、私たち自身の環境問題に対する対処、加えて、この緑をいかに高めていくか、こういったことなどを通じて北海道自身も世界の環境問題への対処を深めてまいりたいと、このように思ったところであります。
 2日間のご取材、誠にご苦労様でした。ご協力に心から感謝申し上げます。

記者からの質問

(朝日)
 あらためて、今回のサミットの成果に対する意義について一言、お願いします。

(知事)
 今回のサミットは3年に一度日本で開催されている会議の5回目ということでございまして、やはりテーマとして何と言っても地球温暖化問題へいかに対処するかということが大きな課題だったのかなと思っております。
 特に南の島国の方々は、科学的に言えばいろいろあるのでしょうが、地球温暖化で海面上昇といったグローバル・ウォーミングの影響をさまざまな面で受けておられる地域の方々ばかりでございますし、また、環境問題の一角としても言われております、水という問題にも大変ご苦労されている。
 そうした皆様方の共通の課題、また、世界が抱えている大きな課題である環境問題について、去年に引き続き、この緑豊かな、環境豊かな北海道で会議が行われ、そして一定の成果があったということは、大変意義深いものである、これは日本国全体としてもそのように思う次第であります。
 加えて、私ども北海道は、この会議のホスト地域として、今申し上げたように、自然環境の良さ、水のおいしさ、食べ物のおいしさ、空気のおいしさ、緑の美しさ、こういったことを余すところなく世界の皆様方にあらためて発信することができた、というふうに思っておりまして、主催地北海道としても世界に知名度を高めるという意味でも意義があったと思っているところであります。
 また、我々道民も、子どもたちの交流事業への参加などを通じて世界との結びつきということを深めたのではないか、そういった意義もあろうかと思う次第であります。


(道新)
 国際会議の誘致に今後も力を入れていくということですが、自然環境とか北海道の強み以外に、北海道の課題はどういうところにあって、そしてそれを克服するためにどう考えているか、それをお聞かせください。
      
(知事)
 ご案内のとおり、北海道の課題は山ほどあります。
 地球環境問題一つをとっても、「エコアイランド宣言」をしたところではありますが、しかし道民1人当たり、あるいは一家庭当たりのCO2排出量は日本全国平均を大きく上回っているのはご承知のとおりであり、道民一人一人の生活をどうやって改善していくか、加えて今ちょっと申しました、森林、木のCO2吸収の力を我々は今あらためて見直す必要があるだろうと思います。
 一人当たりのCO2排出量、これは我々のガソリンへの依存の高い車社会であるとか、あるいは冬場の灯油依存とか、やむを得ない部分があるわけですが、道民がこういったことを一生懸命やることによって、また、緑をさらに深めることによって、環境問題に対処していくということも、北海道の大きな課題であると思っているところでございます。
 また加えて、ご案内のとおり、ものづくりをはじめ産業のバランスが取れた形になっていない北海道において、景気の回復が緩やかな状況にあった中で世界の同時不況に遭遇し、今、景気・経済が大変に厳しい状況にございます。
 こういった中で、国の補正予算が衆議院を通過し、もうじき成立すると聞いているので、こうした国の動きに呼応する形で、道議会の協力をいただきながら、時機を失することなく景気対策を道民の方々に示していくことも私どもにとって重要な課題だと思っているところでございます。
 目の前ではインフルエンザへの対処ということもございますし、観光立国北海道で、できれば患者さんが出ないような形で対処したいと思っているところでございますが、このことについても、道民の皆様のご理解ご協力を得ながら、しっかりとした対応をしていきたいと。
 その他、さまざまな課題もございますが、そういったことに対処しながら、また、北海道のさらなる活性化のために国際会議の誘致等をしっかりとやってまいりたいと、このように思っているところでございます。


(NHK)
 国際会議の誘致ですけれども、今回の島サミットの経験をどのように生かしていきたいと思っておられますか。実績をどのようにアピールしていきたいと思っておられますか。

(知事)
 去年のG8サミットでは、道庁職員、あるいは道庁に出向してもらった民間の方々が、外務省さんとの付き合い方を含め、いろいろなノウハウを蓄積しました。そして今年、またこうした形で開催することができたので、もちろん、まだまだ勉強しなければならないことは多々ありますが、私ども北海道も、多くの国際会議をやっておられる首都圏なり大阪なり、そういう大きな都市の方々とも引けを取らないくらいの経験を得ることができたのかな、と自負をいたしております。
 これからさらに政府が関与する国際会議に加えまして、いろいろな学術会議であるとか、あるいはそれ以外のさまざまな国際会議についても視野を広げて誘致活動をしっかりやっていきたいと思っております。
 また、まだ明確な形で確定はしていませんが、全国のカリスマの方でいらっしゃいますここの経営者の星野さんが「このトマムリゾートで、国際会議か、まずは国内会議かを定例化できるようなこともやろうよ」とお話をしておられました。それもやはり北海道の売りは何と言っても冬の美しさでありますので、冬の季節にそんなことをやりたいと思っているところでございます。いろいろな知恵を出しながら、また民間の方々と情報を共有しながら頑張っていきたいと思っております。

(読売)
 道の情報発信するのはもちろんなのですけれども、「北海道アイランダーズ宣言」でしたか、国レベルはもちろんですが、北海道独自でこれらの地域に何ができるかということも考える必要があるのではないかと思うのですが、その辺りの知事としての見解をお伺いします。


(知事)
 正直に申しまして、この太平洋・島サミットが実際ここで開催されることが決まる前までは、北海道民にとって南の島々の国というのは、遠いということもあるし、あまりご縁がないというか、知識が少なかったですね。
 しかし、今回PALM5を北海道で実施いただいた中でPIFの国々、あるいは地域のことを勉強させていただくと、道民も好きなマグロがこの地域から来ているとか、結構いろいろな接点もありますよね。それから首脳の方々とお話をすると、雪というものに対する大変に深いご関心と憧れを持っておられるということがよくわかりました。昼食会の際にお話をしていたのですが、次の機会があれば、雪の季節に会合を行いたいということもお話をしておりました。それが実現できるかどうかはよくわかりませんが、これからは南の国々のニュースにも関心を持ちつつ、また何か機会があれば、どこかで接点を持ちたいなとは強く思っております。

(日農)
 先ほどもお話ありました北海道の食材を使った料理について、各国首脳からの感想、反応で特に何か印象に残っている点があればお願いしたいのと、それと北海道の食材のPRという点での成果はどのようにご覧になっているでしょうか。

(知事)
 一言で言えば、「おいしいなぁ、おいしかった」ということでありますけれども。昨日の晩餐会もそうでありますし、今日の昼食会もそうでしたが、本当の多くの北海道の食材、パンの小麦まで含めてホテルのほうでいろいろ考えていただきまして、おいしくいただいたところでありますし、私も首脳の方々がどのくらい食べているかなと見ていましたが、きれいに食べていらっしゃる方々が多くて大変うれしく思ったところでございます。
 それから、これは他の県では真似ができないことで、ちょっと自慢をすれば、北海道はフルコースを全て道産でまかなうだけの海のもの、山のもの、全てがあります。そういったことがセールスポイントでありますので、これからも国内外のお客様に対して道産の食材をアピールした、そういったおもてなしということを観光関係の方々、あるいは飲食店関係の方々と協力しながら進めてまいりたいと思います。
 


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