知事定例記者会見記録(平成21年5月14日)

知事定例記者会見

・日時/平成21年5月14日(木) 13:01~13:25  
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 四島交流(第1回)訪問の中止について
2 A-net丘珠空港発着路線の新千歳空港への集約化について

記者からの質問

1 四島交流(第1回)訪問の中止について
2 A-net丘珠空港発着路線の新千歳空港への集約化について

 

知事からの話題

 

四島交流(第1回)訪問の中止について

 一つ目は、四島交流の第1回目の訪問の中止ということについてであります。
 昨日の夜、私にも正式の情報が入ったわけですが、5月15日明日から実施を予定しておりました本年度の第1回目の四島交流事業、私自身も参加をさせていただく予定でしたが、これを中止せざるを得なくなったということであります。
 理由は、ロシア側の内部手続きの遅延と伺っているところでございますが、例の出入国カード問題がようやく解決して、これで行けることになったと安堵していた矢先に、こういった結果になったということで、私自身も大変に残念でありますが、同時に参加を予定しておられた旧島民の皆様方をはじめとする訪問団にとって大変残念な限りであります。
 これまでも、交流事業のロシアとの最終的な交渉合意というのは、出発の前日あるいは前々日といった間近になってから出てくるというのが通例でございましたので、そんなに今まで気にしていなかったのですが、前日というのはまさに結団式であり、本当は今日の午後に根室に行く予定であったわけでありまして、このような事態を想定するような状況にはなかったわけで大変に残念であります。第2回目以降の訪問事業が予定通り実行できるよう、外務省にはしっかりと相手方のロシア側と調整していただきたいと、このように思っております。
 昨日の夜も領対(北方領土対策本部)本部長とも、私どもとして考えている今後のスケジュールを見ながら議論しましたが、私のほうもいろいろスケジュールが入ってきておりまして、9月に予定されている訪問事業のどれかに参加をさせていただければということで調整を行ってまいりたいと考えております。

A-net丘珠空港発着路線の新千歳空港への集約化について

[配付資料:A-netの丘珠空港発着路線の新千歳空港への集約化に係る道の対応方針
 
 二つ目は、A-net(エアーニッポンネットワーク)丘珠空港発着路線を新千歳空港へ集約化するのではないかという事案についてであります。
 本件につきましては、4月15日の記者会見の席において私のほうから、札幌市さんをはじめとする道内の関係する市や町の自治体のご意向を把握した上で、今後の対処方針を固めるということをお話し申し上げ、4月23日に関係市町との意見交換を開催いたしました。この意見交換会において、関係市町から寄せられた意見をもとに、道の基本的な考え方をお示しをし、関係市町にはそれぞれの地域における意見の集約を依頼させていただきました。
 4月下旬から5月中旬にかけて、担当局長などが関係市町を訪問し、地域の意向を把握するとともに、道内の経済団体の意向の把握に努め、本日までに関係機関の意向の確認を行った結果、概ね道のお示しした基本的な考え方に賛同いただいたものと受け止め、この度、道の対応方針を取りまとめたところでございます。
 お手元の資料のとおりでありますが、丘珠空港利用者への影響や、地域経済の影響などが懸念されることに加えまして、丘珠空港がこれまで新千歳空港との役割分担のもとで、道内航空ネットワークの中核としての役割を果たしてきたというような事実に鑑みまして、丘珠空港を引き続き維持していくことが望ましいということから、北海道の総意として、全日空に対しましては、このA-netの丘珠から新千歳への集約化について再考を求めること、そして再考にあたっては地域と十分な時間をかけて協議を行うこと。
 また、国に対しては、丘珠空港が引き続き道内航空ネットワークの中核としての役割を果たすことができるよう努めていただくこと、全日空と地域との間で十分な時間をかけて協議をなされるよう全日空に働きかけていただくこと、こういったことについて、要請を行っていくことを考えているところです。

記者からの質問

(NHK)
 北方四島関係なんですが、先日も知事が会合でご発言されたり、ロシアの知事、プーチン首相との会談でご発言されたりですね、プーチン首相と麻生総理が領土問題について話し合ったり、こういう機運が盛り上がって、領土問題に関する関心が高まっている時に、こうした、何ていうのでしょうか、手続き上のミスというか、こういったことで交流事業が中止になってしまうということについて、どのように影響があるとお考えでしょうか。

(知事)
 そうですね。まさにおっしゃるようにですね、去年のメドベージェフさんのご来道、ご来日、それからその後も麻生さんとメドベージェフ大統領の間の話し合い、あるいはこの2月にあらためて、サハリン州で両首脳が会談をされて、我々の世代で解決をしようというような申し合わせがされたと理解をしております。
 そして今回のプーチンさんの来日など、私自身も日露の知事会に来賓としてこられたプーチンさんに対して、直接、行政区域に北方領土を含む知事として、領土問題の早期解決の申し入れをさせて、発言もさせていただいたところであり、まさにいろいろな形で機運が盛り上がっている中で今回中止せざるを得なくなったということを本当に残念でならないわけであります。
 理由は、先ほど申しましたとおり、ロシア側における関係省庁等との調整に時間がかかったという内部手続の問題というように聞いているところでありまして、それ以上、私どもとしてその詳細について知りうる立場にはないわけでありますが、大変に残念であり、私自身も、どうしてこういう事態になってしまったのかということを率直に大変不満に思うところであります。
 ただ、そこばかりを言っていても仕方ないので、2回目以降この交流事業がしっかり行われるように、ロシア側に外務省からしっかりと督促をして調整をしていただくということが重要であると同時に、やはり今年度の一連のこの交流事業の中で、私自身、あらためて四島を訪問し、我々の意向をしっかり伝えると同時に島民の方々との交流を深めるという事業に参画をするということを、何としても実現をしたいと、このように思っているところでございます。


(朝日)
 四島のからみで、日本テレビ系列のモスクワ特派員の方が、ロシアのビザの発給を受けまして、択捉島に渡ったということが報道されてますが、事実のようなのですが、日本の法的立場を害するということで外務省のほうも遺憾の意を表明されてます。
 まず、この一連の行為について知事のご見解を伺いたいのが一つと、今回のビザなし交流の中止が事務の手続きの遅れということが言われてますが、このモスクワ特派員の行動が影響したというふうにお考えになるのかどうか、そのあたりをお聞かせください。

(知事)
 まず、この日本テレビ系列の記者さん、モスクワ支局長さん、これは事実として公表されておりますので、STVの記者さんがご出向という形で出ておられる。その方が、ロシア国発給のビザを取得をしていて、択捉島に滞在をしたと。
 これは、私は平成元年9月の閣議了解で国民に対して北方領土にロシアのビザを取得して入域することを控えるよう要請をしているという、国の方針と違うことをやられたということと同時に、やはり今まさに先ほどのご質問でも出ましたこの問題について、日本側の機運が盛り上がり、私自身も四島に参って、私自身よりもむしろ旧島民の方々が楽しみにしておられたこの交流事業の目の前でこういうことをされたと。
 結果として、これは二つ目の質問にかかってくるわけですけれども、私は直接の影響があるかどうかはコメントする立場にはありませんが、ただそういったご指摘をされる向きが国内で多いというのは事実であるということだと理解をしているわけであります。いずれにしても結果として、こういう国の政府の方針に違うことをされたマスコミがおられた一方で、交流事業の中止により、故郷を訪問する希望が叶わなかった旧島民の方々の心情を考えると、まさに島民の方々の気持ちを逆なでしたというふうに思うわけでありまして、私は大変遺憾でございます。
 道議会でもこのことが大変問題になっているようでございまして、今、道議会の北方領土対策特別委員会の喜多委員長ともいろいろ話をさせていただいておりますが、日本テレビさんなどに対して、道と道議会と連名で抗議要請ということを行おうというふうに思っているところであります。
 あえて一言申し上げれば、やはり北海道の放送局でいらっしゃる立場からすれば、北海道民のこの問題に対するやむにやまれぬ思い、あるいは、旧島民の方々の思いというものはどこの放送局の方々よりもよくわかっておられた立場の方でいらっしゃるはずなのに、もちろん社としての方針で命令を受けたからと言われればそれだけかもしれませんが、やはり北海道民の意向というようなことを、一つやはり本社の中でも議論をしていただくようなこともあってしかるべきだったんじゃないかというように思うと、私自身大変残念でございます。
 いずれにいたしましても、道と道議会で連名による抗議要請というようなことを今調整中でございます。


(uhb)
 四島がらみですけれども、今回どうしてこんなことになったのか、事務手続きの遅れということでロシア側は説明しているようですけれども、知事もどうしてこうなったのかよくわからないというふうにおっしゃってますけれども、何か裏にロシア側が意図してるところがあるのではないかというふうに思われるかどうか。他にも理由があるのではないかとお考えになるかどうかが一つと、それから知事が12日の日に知事意見交換会でプーチン首相に直談判されました。非常に勇気ある発言だったと思いますけれども、こういったことでロシア側を刺激してしまったのではないか、というふうにお考えになるかどうか。それで今回の対応になったのではないかというふうにお考えになるかどうか、その2点についてお伺いできますでしょうか。

(知事)
 どうでしょうか、よくわかりません。そこをいかに詰めても事務的な手続きの遅れという以上のことはどこからも回答として戻ってまいりませんので、よくわかりません。
 いずれにせよ、過去よりも将来に向けて、2回目以降について予定通りできるということを心から強く願っていると同時に、今年度中にあらためて私自身も日程を仕切り直して参加をしたいと、そのことを申し上げるのでコメントにかえさせていただきたいというふうに思います。


(uhb)
 後段の部分については。

(知事)
  後段。それもわかりません。
 ただ、引き続き言えば、私から麻生知事会長にそのような時間を設けていただけないかとお願いをしたわけでありますが、知事会長のほうも快く引き受けていただいて、ご自身のご挨拶の時間を短縮してまで、私に時間を分けてくれました。ということは、やはり日本国民の総意としての領土問題の解決に向けての思いだと、私は考えておりますので、知事会の仲間に心から感謝したいと思っております。

(道新)
 ビザなしの関係です。先ほどロシア側とのやりとりが慣例的に前日とか前々日になってそういう連絡調整がつくというのは、今までもそうであったというお話がありましたけれども、今回外務省に対して2回目以降きちんと実施できるようにご要請をされるというお話ですが、手続きをもうちょっときちんと事前に固められるように、直近までいかなくても。実際過去の例でいくと、色丹島まで行って、国後島まで行って上陸しようと思ったらロシア側のほうの入域手続きが担当者がいないというようなことで一日待ったり半日待ったりというような事態も過去にも起きておりますので、そういったことも含めて、今回のことに限らずもう少し円滑に事務手続きがちゃんと余裕をもってできるようなことも含めてご要請をされるというようなお考えはおありになるのかどうかということをお伺いしたいのですが。

(知事)
 おっしゃるとおりですね。そのようなことが必要だと思います。
 今回の経緯については、この四島交流事業というのは相互に話し合いをしながら進めていくわけでありますけれども、第1回目の四島交流を5月15日から実施することについて、4月23日に札幌で行われた四島交流代表者間協議において日露間で一致したところであるということを外務省からお伺いをいたしているところでありまして、そういった経緯はあったようではあります。
 しかし、おっしゃられるとおり、もっと安定的に我々が実際に訪問するその事業に参加をする立場から事前にしっかりと調整を固めてやっていただくということを日露双方の政府筋に心からお願いを申し上げたいと思います。


(読売)
 エアーニッポンの関係なんですけれど、道の対応方針が出たんですけれども、知事ご自身が全日空に申し入れに行かれるとかそういうお考えはおありなのかどうかという1点だけなんですがお願いします。

(知事)
  1回目の申し入れは副知事に行ってもらうつもりでございますが、状況を見極めた上で必要であれば私自身ということも十分にあり得ると思います。


(道新)
 今の関連なんですけれども、この本日出た対応方針では4点ほど懸念される影響が記載されているわけですけれども、逆に全日空側は新千歳に集約することによって北海道に来る観光客が増えるであるとか、あるいは冬期間特に問題になっている就航率、運航率の低さを解消できる。機材繰りであるとか天候の影響で欠航が多いですよね、丘珠の場合は。それが解消できるとか、そういうメリットも全日空側は強調していると思います。この点について、知事はどのように評価されているのかということが1点。
 それから、こういった要請をしていく、今回もこういった全日空側の経営判断は当然ながら経営上の問題ですよね。そこから発生してきた判断だと思うんですけれども、それを道としてこういう形で要請してることになりますと、赤字の補填といいますか、コスト削減につながるような何か資金面も含めた具体的な全日空に対する支援、これもお考えになるのかどうか、この2点を伺います。

(知事)
 全日空さんから新千歳に集約した場合のメリットとして、今、おっしゃられたようないくつかの点が発信されているということは承知をいたしております。そういったこともあり得ると思いますが、先ほど経済団体のところは詳しくは申しませんでしたけれども、商工会議所さんは共同要請に参加をしていただけるのでありますが、観光振興機構さんのほうはそういったお立場ではないというふうにお伺いをいたしているところでございまして、いろいろな関係者それぞれのお立場でいろいろな思いの方々がおられるのではないかというふうに思っているところでございます。
 そういった中で、今の段階では、関係諸方面と調整をした結果、我々の基本的な対応方針ということで申し入れをしに行くわけでありますが、その後さまざまな展開の中で、さまざまな判断ということは、これからもあり得るかなというように思います。
 それから、財政的な赤字補填等については、現時点において道としては考えておりません。
 


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