知事定例記者会見(平成20年8月7日)

知事定例記者会見

・日時/平成20年8月7日(木)14:30~14:52
・場所/記者会見室
・記者数/35名(テレビカメラ2台)
 

会見項目

  

知事からの話題

1 水稲新品種「上育(じょういく)453号」の名称について

記者からの質問

1 北海道空港岡社長との懇談について
2 当別ダム工事にかかる入札について
3 高校生の自殺について
4 アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会について

知事からの話題

 

水稲新品種「上育(じょういく)453号」の名称について

水稲の新品種「上育453号」の名称について、ご報告を申し上げたいと思います。
 「上育453号」と今まで呼んでおりました新品種につきましては、道立上川農業試験場で育成した期待の新品種でありまして、今年の2月に「道産新品種を食す会」というのを厚生年金会館でやりました時も出品されておりまして、私もこの「上育453号」を味わせていただいて大変おいしいと思ったわけでありますが、この度この「上育453号」について5月上旬に農林水産省へ種苗法に基づく品種登録出願を行っていたものが、8月5日付けで正式に出願が受理されました。そして出願にあたって品種の名称も付すことになっていたわけでありまして、この名称を今明らかにさせていただくということであります。
 名前は「ゆめぴりか」といいます。これは今年の2月から3月に道民の方々に公募をさせていただきまして、その中から選んだものであります。「ぴりか」はアイヌの言葉で美しいという意味でございまして、北海道のお米らしい素敵なネーミングだなと思っております。私自身、この「ゆめぴりか」の名称を応募された方に対して、秋ぐらいに、今年のお米ができたくらいにでも感謝状を贈呈させていただきたいと思っているところでございます。引き続き、受理の後の審査が国のほうでも行われるわけでありまして、これが新しい品種として、出願が受理され、審査が完了して、登録されることを心から期待すると同時に、「ほしのゆめ」、「おぼろづき」などに次ぐ、素晴らしい北海道を代表するお米になることを心から期待をしているところでございます。

記者からの質問

(苫小牧民報)
 知事、今日は北海道空港の岡社長と午前中にお会いしたかと思うのですが、もしお会いされていましたら、どのようなお話をされたのかをお聞かせ下さい。

(知事)
 今日、知事公館でお会いしたのですが、そこに、あるテレビ会社さんが来られて取材がありましたけれども、同じことを申し上げます。
 岡社長は6月にご就任されていて、その後ご挨拶ということを思っておられたらしいのですが、サミット等もあって、頃合いも見計らって今日の日程調整になったということで、基本的には再任のご挨拶ということで来られたところでございます。
 私といたしましては、北海道の表玄関としての空港でございますし、まさに苫小牧、千歳をはじめとして、この地域、道央圏中心にさまざまな利用も進んでおりますし、何と言っても道内最大の空港、そしてその運営会社でいらっしゃいますので、これからも道内のささまざまな空港政策というか、空港あるいは交通ネットワークをいろいろ考えて政策的な対応していく上でも協力していただきたい、というようなお話をさせていただいたところであります。
 国際線のターミナルについてのお話であるとか、私からは、ギャラクシー(ギャラクシー・エアラインズ(株)の事業廃止)が残念だったという話、それから国際便のさらなるフライトの拡大に向けての共産圏である中国、ロシアなどについて、防衛省との関係も含めて一生懸命やろうと思いますので、連携を図っていきたいというようなお話もさせていただきました。
 また、私は道内の13ある空港のネットワークをつくることが前から重要であると思っておりまして、と申しますのも、何かというと札幌一極集中といわれている中で、この航空路線の確保、あるいは料金体系、いろいろな面で各空港のエリアがネットワークを組みながら情報を共有し、また連携をしながら対応していくことが重要だと思っておりまして、前からそんなことも考えていたのでありますが、そういったことについての協力要請などもさせていただいたところ、快くそれを受けるというようなお話もあったところです。

(北海道新聞)
 当別ダムの問題なんですけれども、昨日道が指名停止にしていない業者で最終的に落札されたということですけれども、いろいろと市民団体であるとか、あるいは道議会でもこれまでの道のいろいろな判断、経緯について批判的な意見もあるわけですが、こうした過去の経緯も踏まえて、知事のご感想とこの判断に至った経緯について、あらためて伺えればと思います。

(知事)
 当別ダムの工事のこの度の入札の実行、それから昨日ですか、落札者が明らかになったようでありますが、そういった一連の動きに対してさまざまなご意見、道議会でも各会派からいろいろなご意見をいただいたというふうに承知をいたしているところでございます。
 当別ダムにつきましては、長いこれまでの経緯があるのですが、私としまして一番印象に残っているのは、特に17年における、秋口以降のいろいろな経緯だと思います。
 ここに当時おられた方はそんなにおられないとは思いますが、当別ダムをその後続けるかどうかということにつきまして、自然保護を重視する市民団体などの方々から凍結などの申し入れも受けたところであります。
 一方、当別町の方からはさまざまなご要請もいただき、確かあのときは、町民緊急大会ということで、災害対応であるとか上水道、農業用水など確保のためにもこのダムは何としてもつくって欲しいという町民の意向の提示というのもあった記憶があるわけであります。
 その際に町からいただいておりましたご要請というのは、とりわけ、この上水道については、水利権のほとんどが暫定水利権に依存しているところであると、農業用水の放流によって当別川の水位が保たれていて、そこから取水している状況であり何としても安定的な水源の確保が不可欠である、というふうなご要請もいただいているところでありまして、さまざまな議論を踏まえて、もちろんこれは学識経験者による評価委員会の意見なども踏まえて事業継続という判断をさせていただいたという、経緯があるわけであります。
 「予定どおりの完成を」という声が高まっている中で、今週の初め、あらためて当別町長、議長さん、それから商工会長さんなどでいらっしゃって、あらためての緊急な対応ということのご要請をいただいたところでございます。24年度の予定どおりの完成を大多数の町民の意向として強く要請をするというような趣旨のお話が町長あるいは議長などからございまして、私としては、このご要請あるいは町民の方々の思いというものを、強く受け止めさせていただいたところでございます。
 もちろん、さまざまな議論の中で入札の停止の人たちも含めた入札をやるのであれば、「数か月待てばいいではないか」という意見もございました。
 しかしながらここで数か月待つということは、結局、工事に向けての年度でいいますと年度を越えてしまう、施工が一年遅れになってしまう、その分完成も遅れてしまうということは、私はやはりこれは町からの要請にたがうことになるのではないかという思いを持ちました。
 また、入札をやるにしても「指名停止じゃないところだけでやればいいじゃないか」というご意見もあったところでございます。ただ、これは前回の記者会見でも申し上げましたとおり、大変に技術的にレベルの高い、これは必要であればまた建設部からご説明を申し上げますが、そういった技術が必要な中で、やはり経済性という価格面に加えて複数のしっかりとした技術提案というものをしていただいて、その間で競っていただいて、そういったことの総合評価の中でやはり選んでいくことが必要であろうという判断の中で、二つのジョイントベンチャーだけではなく七つのジョイントベンチャーの間で競っていただいたところでございます。
 道議会での議決を得ることができれば、これが本契約という流れになっていくわけでありまして、引き続き道議会のご理解が得られるように私どもとして最大限の努力を図ってまいりたいと思っております。
 それが町民の方々、当別町の皆様方に対するご要請に対する私どもの対応だとも思っております。
 ただし、この指名停止の業者の方々を含めて入札をやるということは、今回、前例としないと、これは私はそのように考えております。

(uhb)
  稚内で学校のいじめと思われる形で、裏サイトで自殺されたという高校生が出たんですけども、これに対する知事の感想と道としての対策をどうとられるかお話を伺えれば。

(知事)
  いじめにあたるような書き込みをインターネットにした生徒が教師から厳しく言われて、それを苦に自殺をしたという案件ですね。道教委からも報告を受けておりまして、まずは事実関係がどうなのかということを詳細に踏まえた上で、対応をしていかなければならないわけでありますけれども、まずは私たち北海道のこれからを背負っていくであろう将来のあるティーンエイジャーが、こういう形で命を失ったということは大変痛ましいし、私自身大変残念に思う次第でございます。
 このインターネット社会、情報化社会というのは大変便利になっているわけでありますが、一方で大変に危険性をはらむ形でこの便利さというものが展開しているという事実も我々あらためて認識をしなければならないと思うんです。ネットに書き込みをするということ、本人はそれほど深い思いもなくやることかもしれませんが、そのことはその書き込みを極端な話、全世界の誰もが見れるような状況になることを作ってしまうという恐ろしさがあるということですよね。ですから、もちろん学校現場におけるこういったことの再発防止に向けての指導強化ということは不可欠だと思うのですが、我々大人世代も含めてこのネット社会の便利性の裏にある危険性ということについて思いを共有しながら、社会全体で対応していくと。そうでなければ、高校生だからということで学校現場だけに任せても、物事の本質というのは変わっていかないのではないかと思うのです。もちろんいじめということを無くしていくという現場における対応も重要でありますが、一方でこのネット社会についての今申し上げたような大人社会全体での対応、こういったことを我々真剣に考えていかなければならないのかなと思っているところであります。
 いずれにいたしましても、この個別の案件については、まずは実態の把握を道教委のほうでしっかりやっていただいた上で、子どもに対する、周りの子ども達も衝撃を持って受け止めていると思いますので、学校現場における適切な指導、モラルの向上をやってもらいたいと思っております。

(北海道新聞)
 来週、政府のほうでアイヌ民族問題の有識者懇談会が始まると思うんですけれども、そこに知事が出席されるにあたって、どういう意気込みで臨まれるかということをお聞きしたいのと、来週お盆に入って、夏休みを取られると思うんですけれども、どのようにお過ごしになられるのか聞かせていただけますでしょうか。

(知事)
 まず、夏休みの方でありますが、予定を立てて予定どおりいったためしがありませんので、今年は一週間くらいは休む予定をしていますが、ゆっくりとどこも行かずにいようかなと思っております。
 それから、政府のほうの有識者懇でありますが、対外的に正式にオープンになっているか承知はしておりませんが、事実上は11日に開かれると私どもはお伺いをしており、当然出席をしようというふうに思っているところでございます。
 それに先立って、先般、道内の有識者懇を立ち上げさせていただいたわけでありますが、そこでの議論をご紹介しつつ、政府の懇談会への思いを申し上げれば、平成8年でしたか、国の検討の懇談会があり、そこで一定の政策の方向性が出たわけでありますが、実はそこで先延ばしというか、先送りになった課題が結構あるわけでありまして、そういったものを今回しっかりと受け止めて、そういうきっかけにしていただきたいと思っているところでございます。
 これは、先般の道の懇談会でもそういうご意見も出たところであります。具体的にどういうところかということは、いろいろあるわけでありますが、総じてみますと、アイヌの方々の生活状況といいますのは、我々の実態調査によりましても、道民の方々一般の比較において、生活保護率が高い、高校等への進学率は低いなど、道内で見ても格差があるんですね。そういったことの実態を、実はアイヌの方々は北海道だけでにいらっしゃるわけではないんですよね。そういった意味で国会決議も出たわけでありますので、政府においてまずは日本全体として実態調査をしっかりとやっていくことも必要かなと思っております。それを踏まえての政策展開ということになるわけでありますが、これまでのアイヌ対策というのは、まず道の対策、道のさまざまなアイヌ振興策があるので、それを国も支援をしていくというスタンスで、今のさまざまな政策が成り立っております。だから私どもは、今までも国費要望の際に、いつもアイヌ政策の際に申し上げておりましたのは、国が主体的になって、いろんな政策を展開していただきたいと。具体的には、補助率の向上あるいは、国会決議も出たのでありますので、直轄的な国主体としての事業展開ということも視野に入れてということになろうかと思いますが、そういった点について、これから我々道内メンバーからは、積極的な意見を申し上げていくことになるのかなと思っているところであります。いずれにしても、道内外のアイヌ問題についての有識者の方々からなる懇談会でありますので、一歩一歩議論を深めながら国としてのアイヌ政策についての意識を深めていただく、こういった場になることを心から期待をし、そういうことに貢献できるような発言をしていきたいと思っております。 

(朝日新聞)
 先ほど出た当別ダムの関係ですが、今回の入札が前例としないとおっしゃって、もう2度とないという決意をおっしゃられましたが、指名停止を受けた業者は談合事件に関わった業者でありまして、今回の知事の判断が談合を阻止するんだという流れに逆行するのではないかと思うんですが、知事のご見解と、当別町民の意志をくんでというか、要請を受けて今回の判断に至ったというご説明がありましたけれども、大多数の道民に不明朗な印象を与えたというふうには思われませんでしょうか。

(知事)
 一つ目の点については、いろんなご意見があるということは十分に承知をいたしております。ただ、繰り返しになりますが、技術的に見て、日本初のやり方をやるといういろんな経緯の中で、もちろん談合をやった人たちは悪いんですよ。悪いのは100%悪いんですが、ただ、このダムの完成というのを緊急に進めないといけない中で、やはり技術提案ということを競ってもらうことが必要であろうという私の判断であります。ただ、いずれにいたしましても前例とはいたしませんので、そういったことでご理解をいただければと思う次第であります。
 それから、道民の方々にもいろんなご議論があるでしょう。ただ、そこは私としては、これも繰り返しになりますけれども、完成をなんとしても予定どおりにやってほしいという、今月初めにいただいた町長や多くの町民の方々のご意見を踏まえたご要請に対して真摯に対応するために、今やらせていただいたということについて、道民の方々にこれからも引き続きしっかりとご説明を果たしていきたいと思っております。それがないと道議会でもご理解がいただけないということでありますので。そのことを具体的に言えば、道民の方々のご理解をいただくということは、道議会でご理解をいただくということで最大限努力をしていきたいとこのように思っております。

(毎日新聞)
 ただし書きの規程が全国の中でも5都県しかなくて、今後前例にしないと、要するに実態として無くてもできている都道府県が多くて、今後前例にしないということは、見直すようなお考えはあるのかないのか、お願いします。

(知事)
 規程自身の見直しをやるのかとどうかということについては、今はそこまでは考えを持っておりません。ただし、これは、今回のような緊急の場合のみの発動でありましたので、前例としないということは、そのように考えております。

(読売新聞)
  HKK(北海道空港)の話なんですが、岡さんの方からは何かお話があったのでしょうか。

(知事)
  さっき私が申し上げた事に対して、協力を密にしましょうという感じだったと記憶しております。1対1でやりましたので、メモを取っていないので、そんな感じでした。
 特に私が印象深いのは、道内空港間のネットワーク化ということを通じて道内の航空業界なり道内活性化ということをバランス良くやっていきたい、という私の思いを申し上げたら、賛同を示されてぜひやっていきたいと。それをリーダシップをとってできるのは知事だし、それに協力をしていくということをおっしゃっていただいたのは嬉しかったです。

 

 


 

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