知事定例記者会見(平成19年6月28日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年6月28日(木)16:50~17:08 
・場所/議会知事室前
・記者数/21名(テレビカメラ4台)

会見項目

  

知事からの話題

 1 陛下から賜った映画フィルムについて
 2 知的クラスター創成事業(第2期)の採択について
 3 牛肉ミンチ問題に関する対策などについて

記者からの質問

 1 全道食肉処理施設への立入調査について
 2 ミートホープ雨水利用情報を受けての、苫小牧保健所の立入調査について
 3  宮澤元首相のご逝去について

知事からの話題

 

陛下から賜った映画フィルムについて

それでは私から3点お話しします。
 先週の土曜日から天皇皇后両陛下が行幸啓でご来道されて、全国植樹祭にご臨席。
 そしてその後、道内各施設のご視察をいただいたわけであります。
 そして、この行幸啓の際に天皇陛下から映画フィルムを賜ったことは、既に皆様方にご報告を申し上げたところでございます。
 道立文書館で調査いたしましたところ、14巻のうち雪中の軍事教練を除きます13巻は、昭和11年に道庁から宮内庁に献上したものということが分かったところであります。
 記録によりますと昭和11年9月から10月にかけまして、北海道で陸軍の特別大演習と地方行幸があったそうでありますが、この行幸に際して「北海道の沿革及び都市」、それから「北海道の国立公園」、「北海道の産業」をテーマとした映画作成を企画をし、昭和11年9月8日全9巻を完成したという記録が残っております。
 これに加えて、昭和4年に道庁で作成をした「北海道の拓殖」というタイトルを付けております2巻。それから「北海道の拓殖実習場」、これが3巻を加えて全14巻を昭和
11年の9月14日に宮内庁に献上したという記録があったところでございます。
 この14巻を献上したうち「北海道の産業(畜産業編)」というものは今回賜った映画フィルムには含まれていなかった、天皇陛下とお話しを申し上げた最後に「探したけれど見つからなかった」ということをおっしゃっておられたところでございます。
 なお、代わりと言っては何ですが、賜った14巻のうちの一つに入っております「雪中の軍事教練」につきましては、製作年、献上年、あるいは献上申し上げたかどうかも含めて、私どもの方では今のところ経緯については不明であります。
 いずれにしましても、今回賜った映画フィルムは大変貴重なものでありますので、何とかデジタル映像化を試みて、道民の方々にも観ていただけるような形にしようと思っているわけですが、今のところ私どもが外見でチェックしたところによりますと、必ずしも良好な保存状態とは言えないわけでありまして、専門家のご意見もいただきながら、修復、複製品の作製等、必要な措置を行うのにどれくらいの期間が必要か、今段階では明確に申し上げる事ができないわけですが、できる限り検討し、実施をしてまいりたいと思っているところであります。
 なお、今回賜った14巻のうち、「北海道の拓殖」と題する前編と後編、この配付いたしました資料で申しますと12と13。昭和4年製作のものでございますが、これにつきましては、当方に保存したものがあるところでございまして、これは道立図書館に行っていただければ、閲覧はいつでもできることになっているものでございます。

知的クラスター創成事業(第2期)の採択について

二つ目のご報告は、知的クラスター創成事業の採択についてでございます。知的クラスター創成事業、これは札幌市と北海道の共同提案でございますが、IT分野の技術開発等のためのものということで、1期目実施をし、今2期目に向けて更に継続をするということで文科省に申請をしていたところでございますが、配付資料のとおりの中身の形で採択が決定したということが、文科省から通知があったところでございます。

牛肉ミンチ問題に関する対策などについて

3点目のご報告でございますが、牛肉ミンチ問題に対する対策などについてのご報告でございます。
 6月22日、これは私から皆様方にお話し申し上げる機会がなかったかと思いますが、当日の道議会答弁、あるいはその日担当の副知事でございます近藤の方からは皆様方に申しあげたかと思いますが、牛肉ミンチ問題対策会議というものを設置いたしまして、第1回の会合を6月22日に実施したところです。
 私からは、その前の記者会見の時に皆様方に申し上げたかと思うのですが、今回の事案、事件と言っていいんでしょうね。ミートホープの案件というのは、道内外の消費者の方々に対して、安心・安全のおいしい食を提供している北海道の役割からして詳細を見極めた上で、他の道内の同種の事業所においてどうなっているのか場合によっては調査しなければならない、と言うことを申し上げたわけでありますが、今回そのことも含めて、担当部局、関係者の方に指示をいたしまして、いろいろ検討を対策会議の方でしてもらっているところであります。
 また、この立入調査の実施、議論になっております国など関係機関との連携のあり方、これは道内の関係部間も含めてでありますが、これを検討しなければなりません。
 それから、食にかかわる告発、苦情等がもちろん国にも寄せられているわけでありますが、私ども道庁の方も出先を中心に様々なものが寄せられているわけでありまして、そういうものの処理方法も改善し情報を一元化するということと、今申し上げたことと重複いたしますが、それにどういった形で対応するかということの点検、こういったことをやっていかなければならないと思います。
 また、加えて悪質案件の場合には、やはり必要に応じてDNA分析ということもやらなければならないのではないかと。このDNA分析というのは、量的な把握ができない、あるいは時間がかかる、それからコストが相当かかる等もあるわけですが、しかしながらやはり悪質なもので重複回数、いろんな苦情なり情報が寄せられた案件については、こういったことの実施も含めて、検査方法の内容の改善、こういったこともやっていかなければならないと思っているところでございまして、以上申し上げたことを中心に牛肉ミンチ問題対策会議で検討し、できる限り早く道としての対応をとりまとめてまいりたいと思っているところでございます。
 そして、こういった検討の中で、二つ目のご報告は、このミンチ問題への対応として食肉処理施設に対する立入検査を実施するということでございます。議会での答弁もあったわけでありますけれども、夏の時期、食中毒の多発時期を迎えますと食品添加物等の夏期一斉取り締まりといたしまして、飲食店等に対する監視指導、あるいは食品の検査等を実施いたしているところでございます。今年も7月1日から2ヶ月間実施することといたしているところであります。
 そして、今回の事件を踏まえて、今回の夏期取り締まりの一貫としまして、道内全ての食肉処理施設、これは約700カ所、具体的には702カ所、平成18年度現在で私どもそのようにあると承知をいたしていますので、こういったところに対しまして、札幌市など保健所を設置する4市と連携しながら、重点的な立入調査を実施しようと考えているところでございます。この立入調査は食品衛生法に基づく適正な表示が行われているかということを確認するとともに、営業者の衛生管理意識を啓発するというような目的でやろうと考えているところでございます。
 この調査の重点項目といたしましては、製造管理の記録保存の確認、製造過程の原料肉の仕入れがどういうふうになっているのか、それから製品の製造、出荷状況、表示がどうなっているかということの確認、そして、一連の製造行程の中での各種記録表示と製造状況の整合性をきっちり検証すると。後からご質問も出ようかと思いますが、これまでミートホープについて類似にわたる様々な情報をいただき、その度に検査、調査にも入りながら、不正を見抜くことができなかったという反省の下に、様々な記録表示、製造状況の整合性を検証するということ、総合的に検証するということをしっかりやってまいらなければならないと思っております。
 また、加えてこの立入調査先の各事業者に対しまして、リーフレット等により衛生管理意識の啓発を行うということも考えているところでございます。
 今回の立入調査の結果につきましては、まとまり次第公表することといたしておりますが、このような取組みを実施することによりまして、道内外の消費者の皆様方から北海道の食に対する不安感をぜひ解消し、信頼回復をしっかりと図っていかなければならない、このように思っているところでございます。
 そして、三つ目にミンチの問題で皆様方にご報告しなければならないのは、ミートホープの今回の偽装情報、国あるいは国の農政事務所、あるいは我々道庁にいろんな事が寄せられている中で、道と国とのやりとり、あるいは道庁内の各部間のやりとりについての事実関係の確認、そして問題点の有無、こういったことを今検証チームを立ち上げてやっているところでございます。
 報道等でも伝えられております、昨年の3月の下旬に道と国の出先との間で何があったのかということ。記録がないことは前から申し上げているところでございますが、改めて関係者のヒアリングを含めて、今詳細の調査をしているところでございまして、これにつきましても、できる限り早く結果を取りまとめて皆様方にご報告をしなければならないと思っているところでございます。
 こういった国と道との連携の重要性につきましては、去る6月26日に近藤副知事が農水省消費・安全局の町田局長と面会をした際に、双方が連絡を密にしていこうということの確認をし合ったところでございます。
 いずれにいたしましても、まだ中間的な状況でございますが、今回の事件に係る我々の対処を含めたこれまでの経緯や事実の把握とそれに伴う反省とともに、今回の事案を踏まえて、これから北海道の食の安全をいかに信頼回復をしていくかということにつきまして、私がトップになって道庁一丸となって対処していかなければならないと思っているところでございまして、食をセールスポイントにしている北海道の知事として本当に残念で、道民の方々にも申し訳なく思っているところでございます。

記者からの質問

(朝日新聞)
 立ち入り調査の結果がまとまり次第公表ということなんですが、そのめどはどれくらいになるかということが1点と、今日、苫小牧保健所が雨水を冷凍のブロック肉の解凍に使っていたという情報を受けて立ち入り調査をしていると思うのですが、これについて何らかの情報はありますか。もし本当であればビックリするようなことだと思うのですが。

(知事)
 約700社の立ち入り検査につきましては2カ月間かけてやりますので、その後できる限り早くということですが。めどは言えますか。

(保健福祉部保健医療局長)
 8月末まで調査をしますので、9月中に何とかできればと思っております。

(知事)
 9月中に、1カ月以内にまとめたいということで対処したいと思います。
  それから、雨水の調査の件は何か聞いていますか。                         

(保健福祉部保健医療局長)
 調査中です。

(知事)
 調査中でございます。また、必要に応じ、ご報告させていただきたいと思います。

(北海道新聞)
 宮澤元首相がお亡くなりなられましたが、それに対するコメントと、お会いしたことがあれば、その思い出など一言いただければと思うのですが。

(知事)
 国の役所におりましたので拝見したことは何度もあるのですが、直接1対1でお話しした記憶はございません。甥でいらっしゃる宮澤洋一代議士につきましては、大蔵省、今で言う財務省の私の2年先輩でいらっしゃいますので、役人時代からよく存じ上げておりますが、宮澤喜一元代議士とは面識はないところでございます。
 いずれにいたしましても、戦後の日本の政治の中で、極めて重要な位置を占めてこられた政治家のお一人というふうに認識をしているところでございまして、このたびお亡くなりになられたこと、心からご冥福お祈り申し上げたいと思う次第でございます。

 

 


 

この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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