知事定例記者会見(平成19年4月12日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年4月12日(木) 11:18~12:03
・場所/記者会見室
・記者数/35名(テレビカメラ6台)

会見項目

  

知事からの話題

1 2期目にあたっての抱負
2 北電伊達発電所の燃料輸送パイプラインにおける漏油検知装置の不正な改造について
3 「北海道障がい福祉計画」の作成について
4 北海道立子ども総合医療・療育センターの愛称とイメージキャラクターデザインについて

記者からの質問

1 地域医療の件について
2 子育て・福祉について
3 農業関係について
4 2008サミットについて
5 特別職の人事について
6 日豪EPAについて

知事からの話題

 

2期目にあたっての抱負

選挙に入る前に、再選したらまたお付き合いくださいと申し上げたわけでございますが、再選させていただきましたので、また、これから週1回、ぜひよろしくお願いいたします。 先程、選挙管理委員長から当選証書を授与していただきまして、ここから新生北海道の第2章がスタートと思っているところでございます。
 2期目でありますので慣れたところもあるのですが、やはり気持ちを新たに改めて、この道政のために、これから4年間中長期的に何をやっていくべきかを考え、一生懸命やってまいりたいと思っているところでございます。
 選挙期間中は、とにかく全道出来る限り回ろうということで7,200キロですか、回って参りました。極めて駆け足ではありましたけれども、それぞれの地域の方々が地域資源を活用した地域おこしにとても頑張っておられるお姿を再確認出来たと同時に、この北海道が広大なるが故にいろんな問題を抱えていることも再確認させていただいたわけでありまして、その意味ではこの選挙戦は、私にとって2期目に向けて、いろんな勉強の機会にもなって大変有意義だったなと、疲れはしましたが、そんな風に思っているところでございます。
 先程、職員に対するあいさつの中で三つの目標を申し上げました。
 「自立する北海道」、「未来に夢と希望が持続する北海道」、「日本をさらには世界を支える北海道」という三つの目指す姿を掲げさせていただきました。
 これは今まで申し上げてきたことを、改めて整理したということでありますが、こういったことを目指して、様々な政策を展開していきたいと思っているところでございます。
 特に、前から申し上げているとおり、知事の仕事というのは全方位であるわけでありますが、今回の選挙戦を通じて、地域の再生ということ、そして、それと裏腹ではありますが、道民の方々の暮らしづくりということに、しっかりと対応していきたいとの思いを強くいたしたところでございます。
 早急にまずは取り組もうと思っていることは、地域の緊急課題となっている地域医療の確保ということでございまして、この問題を強力に進めるための専掌の組織を保健福祉部の中に設けます。そして、公約に掲げたそれぞれの政策、奨学金ということも書きましたし、道職員としての医師の採用、地域に派遣することなどをやっていく事になろうかと思います。
 そして、さらには道が今取り組んでいます移住対策とタイアップする形で、全国からお医者様を集めることにも取り組んでまいりたいと思っております。
 北海道の自然環境など、その素晴らしさを医師確保についても、しっかり活用してまいりたいという思いも持っているところでございます。
 それから、地域の活性化、地域の再生に向けて企業誘致なども当然ですが、今まで以上にきめ細やかに各市町村と連携を取りながらやっていくということもあります。
 さらに、まちづくり全般にわたる様々な課題の解決に向けて、市町村と道とが連携して対応出来る総合的な支援体制を整備したいと思います。
 また、市町村の財政状況が大変厳しいところも多々あるわけですが、第2の夕張を出さないという意味からも、市町村の財政健全化に向けた取り組みについて指導、助言する体制も速やかに整えてまいりたいと思っております。
 こういう体制の中で、公約に書かせていただいた交付金制度の創設などについても、至急、制度設計の詳細を詰めていきたいと思っております。
 また、市町村長の皆様方との双方向の意見交換、連携ということも選挙戦中申し上げてまいりましたので、そういった場づくりも至急検討していきたいと思っています。
 こういったことと平行して、北海道を世界に売り込む絶好のチャンスとなりますサミットにつきましては、来週早々にでも誘致推進協議会のメンバーの方々と一緒に要請活動に取り組んでまいりたいと思っております。
 これから4年間、まずは私が2期目に向けて新生北海道・第2章とタイトルを打って掲げさせていただいた公約を一つ一つ着実に進めていくわけですが、加えてどういう難題、または災害ももちろんあってはならないことでありますが、いろんなことが出てこようかと思っております。そういった様々な課題に対して、しっかりと対処していきたいと思います。道民の方々の目線に立って、しっかりと道民の皆様方のために働いていきたいという思いを今噛みしめているところでございます。
 冒頭申しましたとおり、この週1回の記者会見は顔の見える道政ということで、この4年間皆様方のご協力をいただいてやってきたところでございますが、これからも引き続きやってまいりますので、私を含め道庁と道民の方々との架け橋となって、今日お集まりのマスコミの方々には、これからも心からご協力をお願いしたいと思っています。

北電伊達発電所の燃料輸送パイプラインにおける漏油検知装置の不正な改造について

それから二つ目は、北電の伊達発電所の燃料輸送パイプラインに係る不正改造についてであります。
 昨日、私自身、知事公館で北電の社長とお会いしまして、いろいろとお話をさせていただいたところでございます。
 今回のことは、3月締め切りの全国総点検の直後に明らかになったということもあり、私としても大変遺憾であることを申し上げた上で、原因の究明、再発防止、そして、何よりも情報公開を徹底的にすることで近隣の住民の方々を含め、道民全般に対して我々が安心をして、原発を含めて安心出来るような状況にしていただきたいと強く要請させていただいたところでございます。
 道による立ち入り検査は4月10日、11日の2日間現地に入りまして、その結果については現在精査中でありますので、まとまり次第公表させていただきたいと思っております。

「北海道障がい福祉計画」の作成について

三つ目は、北海道障がい福祉計画の作成についてであります。
 障害者自立支援法に基づきまして、各都道府県に作成が義務づけられている障害福祉計画をこのたび作成させていただいたということであります。
 この計画は、希望するすべての障がい者が地域で暮らせる社会の実現を目指し、本人を主体とした支援体制づくりを進めていくという位置付けのものであります。
 この計画におきまして、平成23年度末までに、現在、福祉施設に入所している方々のうち、約2割の方々に地域生活へ移行していただく。
 また、退院が可能な精神障がい者の方々、約1,700人が地域生活へ移行できることとする。
 また、福祉施設から一般就労へ移行する障がい者の数が、平成17年実績の4倍の年間420人となることなどを目標としているところであります。
 こういったことを実現するために社会福祉法人など民間事業者等を支援し、平成23年度末までに、住まいの場でありますグループホームやケアホームについて、約4,300人分整備し、約2.3倍まで増やすということ。
 また、日中の生活の場として、一般就労を希望する方々が一定期間訓練などを行う就労移行支援サービスを約2,100人分整備する。
 それから、一般企業等で採用されることが困難な方々の働く場となる就労継続支援サービスについて、約8,200人分の整備を行うなど、障がいのある方々が安心して地域で生活ができるよう着実な基盤整備の促進を考えているところでございます。
 そして、この基盤整備を進めていく財源といたしましては、去年の暮れに昨年度の補正予算ということで国が積み増した補正予算の中から66億円を国から交付金として確保し、北海道障害者自立支援対策臨時特例基金を作っておりますので、これを最大限に活用して、今申し上げた中身を進めてまいることにいたしております。

北海道立子ども総合医療・療育センターの愛称とイメージキャラクターデザインについて

四つ目は、道立の子ども総合医療・療育センターの愛称、そしてイメージキャラクターデザインについてであります。
 本年の9月に開設するということで、今、着々と準備を進めているわけでありますが、広く道民の方々に周知するとともに、子どもの施設でありますので、子どもやその家族の方々にとって親しみのある施設にするために愛称とイメージキャラクターを募集しておりまして、このたび決定をいたしたところであります。
 施設、子どもセンターの愛称につきましては「コドモックル」とさせていただきました。
これは、応募された山口(征治)さんの作品であります。イメージキャラクターが杜多(利香)さんという方の作品であります。アイヌの伝承にあるコロポックルをイメージしたものだそうです。このイメージキャラクターの愛称は別途公募する予定です。
 愛称については、全国から250件、キャラクターデザイン269件の応募があり、この中から有識者や利用者代表の方々による選考委員会によって、以上申し上げたこの二つに決定したところであります。
 最優秀賞作品などを8月下旬に開催いたします落成記念式典において表彰させていただくことといたしております。

記者からの質問

(北海道新聞)
 地域医療の件なんですけれども、今、抱負の中でおっしゃった移住促進事業とのタイアップについて、もう少しイメージ的なものを教えていただきたいというのと、あと公約の中で掲げられていたものについて、いつぐらいで何人規模かというのをそれぞれお聞かせ願いたいんですが。例えば、対策室設置はいつぐらいかというのと、医師不足について、今、道医療対策協議会で25人足りないという状況ですけれども、道として何人医師を採用する予定なのか、奨学金制度の創設は何人ぐらいがめどなのかということと、根室などで期待されているドクターヘリの導入について、いつぐらいを目標にしたいというところがございましたらお聞かせ願いたいんですが。

(知事)
 移住計画との関係について、まず申しますと、北海道は多くの日本人の方々から見てもあこがれの地、行ってみたい地域で常にトップクラスに位置付けられますので、その意味では、この人口減少時代の中で一人でも道民の方々が多ければいいということで、以前から移住計画そのものは、関心のある市町村との連携の下に進めさせていただいているところです。
 そういった中で、ちょっと発想を広げて、お医者様でも全国の方々の中で同じような意向を持っている方がおられるであろうということで、お医者様に特に焦点を当てる形で掘り起こしが出来ないかということです。
 具体的にこれからどういう形で進めるかにつきましては、知事政策部を中心にやっていくことになろうかと思いますけれども、やはりお試し滞在みたいな形でまずは住んでいただいて、その際に可能であれば診療活動もお手伝いいただくとか、そういったところから徐々に進めて行ければという思いを持っているところでございます。
 それから、地域医療の関係で対策室をいつからかということですが、これは、組織あるいは人事を含めて新体制になりまして、私の2期目に向けて6月早々からスタートでありますので、そのタイミングに合わせて他の組織あるいは他の幹部人事も含めて、これが一つのタイミングになろうかなと思っております。
  それから、あと具体的な職員採用の詳細設計、何人をどうするかについては、ドクターヘリの就航のめども含めて、これからの詰めになってくるかと思っております。
 特に、このドクターヘリについては、単に予算措置が出来ればということだけではなく、きっちりとした受け入れの病院、あるいは地域の受け入れ体制など、詳細設計をしっかり地域と連携しながらやっていかなければならないことでありますので、慎重にかつスピード感を持って検討を進めてまいります。
 いずれにしましても、私はこういったことを含めて168本の公約を掲げさせていただいておりますので、4年前にやったのと同じようにローリングの手法で着実に進めていきたいと思っております。

(北海道新聞)
 子育て・福祉に関して4点ほどお聞きしたいと思います。
 まず1点目、子育てについて公約で知事は仕事と育児の両立ですとか、女性の再就業のニーズを満たすために女性の働く場を創出すると公約なさってますけども、道の調査でも育児休業の規定がある事業所が、全国平均より少ないという結果が出ています。
 具体的にどのように仕事と育児の両立を図るお考えなのか、これが1点目です。
 2点目は、産婦人科の先生のお話で、公約でやはり助産師外来など助産師の活用を進めるとおっしゃてますけれども、道内の助産師は札幌圏に集中しているという現実があります。地方での活用をどのようにお考えになっているのか、というのが2点目です。
 3点目は障害者自立支援法です。先程、障害計画を拝見させていただいたんですけれども、例えば、昨年来1割負担というのが非常に問題になっている中で、全国の4割の都府県が独自の軽減策を持って、それが結果的にこの4月から国の軽減策につながったというようなことがあります。道として例えば今回の計画にあります地域生活支援の中で、例えば就労支援、それから工賃を上げるとか、そういう中で国の施策を超えるような道独自の施策を何かお考えなのか。また、先程のお話の中では、財源は全て国の補助金の中でというふうにあったんですが、道が独自の財源を持って何か当たられるということをお考えになっているのかという点。
 最後に4点目として、先程、知事が7,200キロ選挙期間中に行かれて、地方の問題点が浮き彫りになったということをお話しになっていましたけれども、例えば高齢者福祉のホームヘルパーの移動などで、実際に介護をしている時間帯というのは、報酬もヘルパーさんの収益としてまわるんですけれども、移動時間中は報酬は発生しないというのが厚生労働省の見解として出ています。
 こういう中で、例えば移動にそれほど時間のかからない都市部であれば問題はないんですけれども、北海道の場合、特に、冬なんかは30分、1時間移動にかかることがあって、この間の賃金が結局ヘルパーさんなのか事業所なのか、いずれにしても弱いところにしわ寄せを行っている実態があります。
 例えばこういうふうな北海道独自の環境に基づく問題点について、北海道独自で何らかの補助を出すとか、そういったことを具体的に考えていることがあるのかどうか、以上4点についてお答えいただければと思います。

(知事)
 まず子育て支援でありますけれども、確かに育児休業制度を導入している事業所の数は、全国平均と比べますと少ないですね。
 ただ、時系列的に見ますと確実にその割合は高まってきているところでございまして、私としてはこの傾向は心強いかなとは思っております。そしてこれをさらに高めていくことを企業のご理解を得ながらやっていかなければならないと思っております。
 その実現の方途としては、例えば平成17年度から一定規模以下の企業を対象として、社会保険労務士の資格を有する方々をアドバイザーとして派遣する事業などを実施させていただいて、この育児休業制度を含む一般事業主行動計画の策定の推進というようなことに援助させていただいていることもございます。
 また、国の交付金制度を踏まえて行われておりますファミリーサポートセンターの活動支援もやらせていただいておりますし、それから北海道すきやき隊を結成して、子育ての支援、そして仕事との両立支援に積極的に取り組む企業の登録やPR、あるいは先進的な企業の表彰といったことも実施しつつ、少しでも企業の方々に育児支援のための環境を整備していただく、そういう我々としてのサポートをしてきているところでございます。少しずつではありますが、この育児休業制度の導入を含めて道内の企業の方々にも、こういった面で積極的な行動を行っていることが社会における企業のイメージアップに役立つのではないかという雰囲気が少しずつ出てきていると理解をしておりまして、道新さんとおっしゃいましたよね、たまたま昨日御社の社長にお会いした時に、御社の地下にスペースがあるそうなのですが、そこを使って例えば保育施設ができないかを検討すると言っておられましたが、やはり道内企業の中でも少しずつそういうことを検討することが社会的な企業の位置付けとして重要だという認識が徐々に産まれつつあると思っております。
 そういったことを我々行政が旗振りをして、もっともっと高めていくことの中で、今ご質問にございました育児休業制度を導入する企業もさらに増えてくるでしょうし、また、働きながら子育てをしやすい環境整備をする企業の数も増えてきて、全体としての北海道の子育て環境のレベルアップにつながってくると思っております。
 二つ目が助産師外来ですね。これについては、昨年の12月に道から道内で分娩を行っている63の病院に対して助産師外来の意向調査を行った経緯がございます。
 助産師外来につきましては、こういった資格を持っている方々のグループから私本人にもございましたし、また、保健福祉部に対しても、ぜひこういうことをやって欲しい、やるべきである、これは北海道のためになるというご提言もございましたので、こういう調査もやったのですが、6病院が既に助産師外来を開設してございます。さらに9病院くらいが今後開設を検討しているという回答をいただいておりまして、確かにご質問の中であったとおり、助産師さん自身は道央圏・札幌圏に集中はしているのですが、この検討中とお答えいただいた病院には、札幌圏以外にも幾つも含まれていますので、こういった方々としっかり連携をしながら、取り組みを進めてまいると同時に、それ以外の分娩を行っている病院の方々に対しても、うまくいっている事例なんかもご提示しながら、我々きめ細やかに対応し、私が公約に書かせていただいた助産師の活用と、助産師外来のさらなる導入をしっかりと進めていきたいと思っております。
 それから自立支援法の関係ですよね、道独自の軽減策、これはなかなか辛いのですが、今の状況では難しいかなと思っております。ただ、知事会との連携の中で、私どもから強く国に対していろいろな要望・意見を伝えてきた中で、今般、国の方で一部制度改正により利用者負担のさらなる軽減も実現したと思っておりまして、また、先程の計画の中でご説明申し上げたこととも関連してくるんですが、我々としてさらなる事業者に対する激変緩和措置といったことも、しっかりやっていくことを考えているところでございます。例の基金を活用した特別対策事業、こういったことをさらに進めながら障害のある方々が様々なサービスを活用しながら地域で安心して生活していただけるような支援をしていくと同時に、本道は特に雇用の状況も厳しいことから、就労支援も重点的にやっていきたいと思っているところでございます。
 それから4番目が高齢者の福祉についてですね。このホームヘルパーの移動の負担が大きいことは私も前から十分承知しているところでございます。
 こういったことは引き続き国に対して強く要望してまいりたいと思っているところでございます。
 道独自でこれを出すことをやりたいのですが、今の状況ではなかなか難しいかなと思っております。そういった財源捻出をするためにも、まずやっぱり北海道経済の活性化、そして道の一般財源を増やしていく努力をしっかりやらなければならないと思っているのですが、一方で、高齢者福祉につきましては、全国に先立ってこの4月に北海道高齢者総合相談・虐待防止センターを札幌に設置しました。
 こういったことを通じて、高齢者の方々の権利擁護、あるいは高齢者虐待の防止に向けての取り組みを市町村の皆様方とも連携をし、支援をしながらやってまいりたいと考えているところでございまして、これからも4年間いろんなお声を踏まえながら高齢者の方々の福祉の充実に向けて、さらなる取り組みの努力をしてまいりたいと思っております。

(日本農業新聞)
 農業関係で二つ質問したいんですが、選挙戦から一貫して、強い産業構造づくりと訴えてこられたと思うんですが、その産業構造づくりといった時に、既存の農業、今のままでいいのかと考えられているかということなんですが、北海道は大規模化して大量ロット販売して、食料基地としての地位を築いてきたわけなんですけれども、例えば、小麦とか米とか砂糖とか乳製品であるとかのいわゆる高関税品目でありまして、EPAとかWTOによる自由化の脅威に非常にさらされやすい体質も一方で残ってしまっているというのも、国内での販売競争に巻き込まれやすい体質も残っていて、産業構造を今のままでいいとお考えなのか、それとも農業についても、さらに強い農業構造について何か取り組んでいかれるというふうに考えておられるのかどうか、ということが1点目。
 二つめが、今後の最重視テーマとして、地域再生と道民の暮らしづくりということなんですが、地域というのは、農業が職場としてあるという場合が多いと思うんですが、北海道外から新規就農でという方が、数年前に比べるとだんだん減ってきているというデータがあるようですが、そうなると新規就農で入って来る人もいない。農村の方の人口も減っている。地域再生と道民の暮らしづくりということは、農村再生といってもいいと思うんですが、そういうことをできるかどうかという部分があります。先程、医師の部分でちょっと暮らしを活用して移住の方でもということがあったんですが、その辺を絡めながら道外からの新規就農、農村への人口の移住、その当たりは、、どうてこ入れしていこうというお考えか、この2点お願いします。

(知事)
 一つめの力強い農業構造への取り組み。結局、今までやってきた我々の努力ということをしっかり継続して取り組んでいくことに尽きると思うんですけれども、まず、売れるものを作る。当たり前のことですが、消費者ニーズを踏まえて、これは道内外、それから海外の消費者ニーズも踏まえて、しっかりとした取り組みをしていくというのが、まず何よりも重要だと思っております。加えて、徐々に変わってきていると思うんですが、大量生産をして、そのまま道外に売ってしまうという状況から、地元でいかに生産したものに付加価値を付けていくかということ。この4年間、私は口を酸っぱくして言ってきたことでありますが、地元で付加価値を高めるということを今まで以上にやっていくのも重要ではないかなと思います。EPAにつきましては、選挙戦中も言い続けてきたところでありますけれども、北海道の農業を守る、これは北海道の農業を単に守るという保護的なことだけではなく、日本国全体の食料セキュリティーという観点からもしばらくはこういったことを守っていくことが重要なんだという世論づくりも含めて、日豪EPAの問題に対処していくのは当然だと思っているところでございます。
 担い手をいかに確保するか、安全・安心をどうするか、基盤整備をどうするか、農業の抱える問題というのは、我々は常に対処しておりますので、引き続き取り組んでいくことかと思っております。
 また、国が新たなる農業政策を展開することになりまして、まだまだこれからでありますので、スタートを見た上で、制度そのものは北海道の農業を想定したものであろうと、やはり国際競争力を増すためにやっていく方向だということですが、実行した上で、スタート状況を見た上で、なにがしかの制度のさらなる調整が必要な部分があれば、また国に対して物を言っていくこともあろうかなと思っております。
 新規就農への支援ということにつきましては、日本国全体で人口も増えていない中、道外からの移住促進の中で新規就農の方々を確保することは、言うは易く、実行することについては、相当きめ細やかな対応が重要だということはよく分かるのでありますが、農業という分野に入っていただく研修とか農業大学校の話もありますし、いろんな研修機関との連携もありますでしょうし、そしてその次に重要なのは、経営基盤をいかに安定させていくかの手伝い、融資も含めてのことになろうかと思いますし、さらには地域の連携、すなわち実際に農業を始められる地域の近隣農家の方々、行政の方々との連携、そういったことも重要ではないかと思っております。
 それから、別海では、新規就農で入られ、夫婦で一生懸命頑張っている方々ともお会いをいたしました。農業といっても多様ですけれども、北海道の農業のために新規就農の方々をいかに増やしていくかということは、とても重要な課題だと私自身も思っております。
   
(NHK)
 サミットの関係ですが、政府が行った事前調査で、宿泊施設や会場で概ね合格点を得たのかなと受け止めているのですが、北海道サミット誘致実現に向けて、他にはないプログラム、具体的には首脳ご夫人のプログラムとか、そうしたお金をかけなくても出来るようなプログラムをいかに提示していくかが鍵になると思うのですが、来週上京するに当たって、新たな提案を考えておられるでしょうか。

(知事)
 誘致に名乗りをあげたのもつい最近ですし、オール北海道で協議会を立ち上げたのもつい最近です。その意味では、改めてオール北海道で北海道サミット実現に向けて強い熱意を国の方に、官邸の方に、あるいは外務省の方に、そして自民党・公明党、政権与党の皆様方にアピールをしてくることが、来週の要請活動の一つのポイントだと思っております。
 そういった中で、実際に決められるタイミングも目の前になっていることもございますので、今おっしゃられた夫人プログラムは前総理から今の総理になられて、夫人外交というものも重要な位置付けになってきたと理解しておりますので、メニューを考えているところであります。
 来年のサミットは、環境ということが一つの統一テーマになるんだと理解しておりますので、地域の近隣近場であれば、有珠山噴火の後の緑の再生、まさに環境再生に向けてのボランティアを中心とした活動がございますので、そういったことをご夫人の皆様方に見ていただく、あるいは本当に近いところにしらおいポロトコタンもありますので、そういった北海道らしいアイヌ文化にも親しんでいただくこともあるでしょうし、そういう近場で設定されるメニューもあるでしょう。あるいは、知床、ラムサール条約に指定されている釧路湿原をはじめとして、どこもここも北海道は環境再生、自然重視といった素晴らしい候補地ばかりですので、幾つかメニューを用意して提示をさせていただき、北海道ならではの提案というのを、やってまいりたいと思っているところでございます。
 プレスセンターをどうするかにつきましても、議論はいろいろあるようですので、近場でやるのか、それとも札幌でするのか、こういったことも含めて、国と詰めなければなららないなと思っています。

(北海道新聞)
 2点ほどお伺いしたいのですが、特別職などの幹部職員の人事が入ってくると思うんですが、人事構想の基本的な考え方を伺いたいというのが1点と、先日一部報道で高橋知事が山本副知事の退任を示唆したという報道がありましたけれども、事実関係を確認させてください。

(知事)
  初登庁でありますので、これからであります。ただ、選挙戦の中で私が道民の方々にお約束を申し上げた新生北海道・第2章のタイトルの下に公約がございますので、それを4年間かけて実現していくために、最善最適の人事、組織づくり。こういったことをやってまいりたいと考えております。

(北海道新聞)
 山本副知事の退任を示唆したという報道がありましたけれども、事実関係については。

(知事)
 今申し上げたところに尽きると思っております。 

(北海道新聞)
 先程、少しお話に出ました日豪EPAの関係なんですが、知事は、先程、高関税品目の保護だけではなく、日本の食料セキュリティを守るという観点で努力されたいというようなお話だったと思いますが、今現在、一般消費者に日豪EPAの問題がどの程度浸透しているかということに対するお考えとこの先交渉が始まると思いますが、それに向けて一般消費者へのPRという面でどのようにお考えかという2点伺いたいのですが。

(知事)
 消費者への浸透度ということについては、御社と我々と共同で、選挙戦の前に大ホールでシンポジウムをやりましたよね。あの時に消費者代表の方もご参加いただいて議論がございました。まさに消費者の方々も同じ思いで議論に参加していただいたと私は理解をしております。
 一般的に消費者の方々は、安く安全・安心なものでおいしいものであれば、別に日本国のものに限らないというご意見もあろうかなと思っていたのですが、ああいったシンポジウムの場でパネリストとしてご参加された消費者代表の方が、我々と同じ思いであったということを再確認出来たことは、もう一つ今のご質問に対するお答えになろうかなと思っています。
 今後のさらなるPRということですが、実は選挙直前になりますとなかなか新聞に私の名前でアピールすることも難しいこともありましたので、北産協(北海道産業団体連絡協議会)の枠組みの中で、経済界の方がお書きになったこの問題についての我々北海道の主張を、ある全国紙にもご協力いただいてアピールさせていただいた経緯もございます。
 そういったいろんな事を通じて、道内外の消費者の方々にさらにアピールをしてまいりたいと思っております。

 

 


 

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