知事定例記者会見(平成19年1月11日)

知事定例記者会見

・日時/平成19年1月11日(木)  14:30~15:01
・場所/記者会見室
・記者数/33名(テレビカメラ3台)

会見項目

  

知事からの話題

1 平成18米穀年度における北海道米の道内食率について
2 環境教育絵本「きっと また あえる」の発行について

記者からの質問

1 夕張市の退職予定者について(1)(2)
2 夕張市での杉村衆議院議員の発言について
3 知事選の争点と選挙の位置付けについて
4 FTAに関する道の対応について
5 夕張市への職員派遣について

知事からの話題

 

平成18米穀年度における北海道米の道内食率について

私から2点お話をいたします。
 一つ目は、平成18米穀年度、米穀年度というのは11月から10月までを指すわけでありまして、平成18年の米穀年度というのは17年11月から18年10月ととらえていただきたいのですが、その間における北海道米の道内食率が67%まで向上したご報告でございます。
 最近ずっと右肩上がりでございまして、おかげさまを持ちまして北海道米の食率が道内で高まっている。同時に道内外で北海道米の評判が上がっていることはご承知のとおりであります。
 道内食率の向上の要因は、生産者をはじめとして、我々行政、農業団体、経済団体等が大変努力をした。それはもちろんおいしいお米を作るという努力もありますし、また、販売拡大に向けての努力、例の米チェンですね、こういったことが進んだことによるものではないかと思っております。
 私どもは以前から申しあげてますとおり、他の主要米産の県並に80%まで道内食率を高めることを目標に関係団体とともに連携をして、さらに北海道米の消費拡大の取り組みを推進してまいりたいと思っているところであります。
  一方で「おぼろづき」という新品種については、とても評判が良くて、北農五連の新年交礼会の時にちょっと聞きましたら、1月いっぱいぐらいで在庫がなくなってしまうということです。せっかく今評判が高まっている中で、作付けをあまり増やしすぎるのも良くないのですが、一定程度確保するなど、これも行政、生産者等で協力をしながら、計画的なことをやっていかなければならないと思っております。

環境教育絵本「きっと また あえる」の発行について

二つ目でありますが、ここにあります絵本で「きっと また あえる」のご紹介です。
 中は5分もあったら読めますのでぜひ後からご覧になっていただきたいのですが、リサイクルとか環境保全といったことを子どもたち、特に小さい幼児期の子どもたちに分かりやすく説明をしている環境教育絵本であります。
 いわゆる循環型社会、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を題材としていまして、北海道は環境と経済が両立し得る唯一の地域だと私はいろんな所で申し上げておりますが、このことは何も我々が努力をしないで達成出来るものではございません。我々道民一人ひとりが、この素晴らしい北海道の自然環境を守っていくという強い意識を持って対処していかなければならないわけでありまして、その意味では幼児期にこういった形での環境意識を形成する教育を行うということは、私は極めて重要なことだと思っております。そういった背景の中でこういった絵本を刊行しました。これは札幌在住の方が書かれたかわいい絵でありますので、PRしていただきたいと思います。

記者からの質問

(NHK)
 夕張市についてなんですけれども、今年度末の退職者予定が全体の半分にあたる150人余りに達しました。部長・次長職の幹部職の職員全員が退職する事態になりそうですけれども、この事態について、知事としてどのように受け止められますか。

(知事)
 当初、市当局が持っておられた予想をはるかに超える形でトータルの市職員の半数ぐらいの方々が、この4月から辞めることを最終的な意志として表明されたことの重さはよく理解しております。
 元々、人口規模との関係でいえば、夕張と同じくらいの人口規模における市役所あるいは町役場の平均的な職員の数から見ると、平均を相当上回っておりましたので、究極的にはこれくらいの職員の数になることを想定しつつ、夕張の再建計画は検討されてきたと理解しております。
 ただ、急激な形でこれが起こることが、市民の方々に対する市役所としての計画的、体系的な行政サービスがきちっと行われるかどうかについては、私自身も懸念しているところであります。
 今後どういった形で人員配置をし、行政サービスの提供体制を考えるかということを、一義的には市のお考えをお伺いした上でありますが、我々道としても、道職員の派遣を含めて検討していることは、前から申し上げているところであります。
 また、消防をはじめとして、近隣の市町村と連携をとってやっていただくべきことについては、我々道が間に入って汗をかいて調整し、この4月からの年度においても、夕張市民の皆様が安心して生活ができるような市の行政サービスの提供体制をきちんと守っていくことについて、我々も最大限協力をしていくと考えているところであります。

(NHK)
 関連なんですけれども、退職を希望する職員の中には、再就職に向けて年度末を待たないで早期退職を希望する人もいるようです。行政の空白を作らないためには、道職員の派遣についても、前倒しを検討してもいいのではないかと思うのですが、知事のお考えはいかがですか。

(知事)
 結論的には、冒頭お答えしたことと一緒なのですが、年度内についても、求職活動のための有給休暇をとられるなど、それぞれの職員の方のご事情もあるでしょう。
 ただ、そういうのは病欠とかとは違って計画的に考えることができる部分だと思います。
 まずやはり、市当局として、どういう形で年度内の職員の体制が整えられるかというお考えをまずはお聞きして、その上で必要であれば、道職員の年度内前倒しの派遣も検討しなければならないこともあり得るかと思っております。

(北海道新聞)
 同じ夕張の問題なんですけれども、先日、杉村太蔵衆議院議員が夕張市で「この問題は国、道に責任はない」と発言されたようですけれども、これを知事としてどう受け取ったかということと、その関連で道として、今後、夕張がこういう財政状況に至った経緯を検証して、責任を明確化するようなお考えはあるのでしょうか。

(知事)
 一つ目の、杉村代議士の発言というのは、詳細な議事録というのは、報告を受けていないので分からない部分もあるんですけれども、その場にいた人から聞いたところによりますと「夕張市の再建を図っていくためには、国などの責任追求といった視点ばかりではなくて、夕張市の市民の皆さんが、地域の再生に積極的、主体的に取り組む必要がある」といったような思いの発言をされ、そういう中で、必ずしも杉村代議士の全体としての趣旨がうまく伝わらなかったのかなと思っております。
 いずれにしましても、私も市長とも話しをしておりますし、市民の方々とも札幌あるいは向こうでもお話しをして、いろいろな機会に意見交換をしております中で、私自身感じておりますのは、まず市長を中心に市役所で基本計画の素案づくりを改めてきっちりとやっていただく。そういった中で市民の方々も自主的ないろんな取り組みを含めて、自分たちで自分たちの街を守ろうと進んでおりますよね。特に最近で言いますと感動しましたのは、手作りの成人式であります。年末に公明党の方々から申し入れがあった際に、年明けの成人式の場所の確保すらどうなるかわからないというお話しがあって、私としても、新成人の方々の夢を持って羽ばたいて行かれるその場所を確保されるのは、当然のことと思いまして、ちょっと気配りもさせていただいたんですけども、そういった中で、新成人の皆さん方が手作りで全国から資金も集めて成人式をやられた。報道を通じて拝見をしまして、私自身ももらい泣きしました。
 ああいった自分たちの地域を自分たちで守るという動きが、市内のそこここで起きてきていますので、市役所の主体的な動き、そして、市民の方々のこういった自発的な動きを我々道としてもサポートしていきたいし、国も総務大臣が責任ある立場で「子どもや高齢者を含めて、市民生活の最低限の確保は国がやるんだ」といったご発言もありましたし、杉村先生が、自民党のこの勉強会のチームリーダーをされるやとの噂も聞いておりますので、政権与党の枠組みの中で、しっかり自民党の立場で発言をしていただく「コア」として、これから頑張っていただければと思っております。
 昨日、公明党の太田代表もご来道されまして、その際、私からも要請させていただいた重要項目の一つとして、この夕張の問題がございます。
 新幹線等も重要でございますが、やはり今、夕張の市民の生活を守っていくことについての公明党のご理解ご支援をぜひいただきたいことも申しました。
 いろんな形で政府が意思決定をするには、世論のバックもございます。また、道の頑張りもございます。
 そして、世間を支える政権与党の皆さん方の発言もあろうかと思いますので、いろんな形で、私どもとして、夕張の市民の方々が安心して4月以降も生活できるような体制を整備するために頑張ってまいりたいと思っております。
 責任については、もちろんこれからの長い北海道の自治体の行政のあり方、あるいは、さらに言えば、この夕張の問題は全国区の問題になっておりますので、全国の同じような厳しい状況に直面しつつある、あるいはそういう可能性もあるような自治体のために、何でこういう事態に立ち入ったかという経緯なり責任の所在というのでしょうか、そういうことについて、検証することは重要だという意識はございます。
 しかしながら、当面私どもがやらなければならないのは、目の前に迫っております3月までの間に、何とかきちっとした形の夕張市の再建計画というものを市民のご理解を得ながら確定をし、それを国の了解を得て船出をすることが何よりも重要であると思っておりますので、その上で私どもが必要があると思えば、また、市長の意向を踏まえた上で必要であれば、そういうことも検討していくことがあり得るかなと思っているところです。

(読売新聞)
 知事選についてお伺いします。昨日、共産党の宮内候補が表明したことで、主要な候補と思われる三人が出そろったわけですが、今度の知事選の主立った争点は何になると考えられているのか。また、知事選の位置付けというか、そういったことをお聞かせください。

(知事)
 宮内さんとは今日、生協の新年恒例会でお会いしました。大橋道議が私に紹介されて「よろしく」とおっしゃったので、固い握手を交わして共に頑張りましょうということを言い合いました。なかなか若い前向きな若者に見えました。
 その方を含めて、私と荒井先輩と三人立起表明しているわけでありますけれども、そういった中での、主立った争点として何がと、そういうご質問ですね。
 まだ、ちょっと頭の中が整理されていない部分もありますし、また、私自身も来期に向けての公約は、今、大車輪で作業中でございますが、今思うところを順不同に言いますと、一つ目は、行財政構造改革の問題でしょうか。これは知事になってから一生懸命いろんな勉強をして、去年の2月に行財政改革の基本的な方向性を出させていただいて、今それに沿って一年目が経過したところでありますので、まだ一年残っております。このことについて、それぞれの候補がどのような考え方を持っているのか。私の考えは既に明らかにしているわけでありますが、これが一つ争点になるかなと思います。
 それから、地域主権の推進に向けてということもあろうかと思います。昨日、道州制担当の副大臣の林芳正さんが来られまして、いろんな意見交換を、経済界の方、それから市長さん町長さんなどと行ったわけでありますけれども「そもそも道庁というのは地方分権の担当部局の局長名が地域主権局長だ。この言葉から地域主権に向けての道庁の並々ならぬ決意を思わせる」という発言がありました。私としても道州制特区の法律が、相当前から全国知事会の同志とともに手に手を取り合って国に対しての要請活動をし、これは各政党を含めて当然民主党さんも含めて要請活動をし、去年の12月13日にできた法律でございますので、このツールを使ってしっかりと北海道活性化のための第2弾、第3弾の提案をしていくということは当然であります。
 また、第1弾の中でも砂防なり国道なり、そして河川といったものの権限移譲について、これは小さい部分でありますけれども、交付金という財源とセットで取って来た部分でございますので、こういったところでしっかり第一歩を示すことによって、国道や河川はもとよりそれ以外の社会インフラ整備の分野でのさらなる提案ということも当然出てくると思いますが、こういったインフラ整備の部分はむしろ、今、法律に書いてある部分をいかにスムーズに船出をするかということを、開発局とも十分に連携をとりながらやっていくことが重要だと思っておりまして、むしろ第2弾の提案の中身は、昨日経済界の道経連の代表の南山会長も言っておられたのですが、経済面あるいは食の面、あるいは環境の面、農業の面、そういった北海道の活性化に直結するような分野について様々な提案を行っていきたい、ということが我々の意向でございます。ちょっと長くなりましたが、道州制特区法を一つのツールとして、私は地域主権型社会に向けての道の発信、提案をしていきたいと思っておりますが、こういったことについても、一つの争点になってくるかなと。民主党さんは、国政の場で法律にも反対をされましたし、争点になってくるかなと思うところであります。
 それから、やはり経済の再建でしょうか。私も4年間、できる限りの知り得る限りの様々な政策を展開してまいりましたので、今段階での違いということについては、あまり見いだせないと思うのであります。でも道議会では、北海道の景気の回復、雇用の回復の状況がぜんぜん駄目じゃないかという議論も展開されたわけでありますので、経済再建についてもやはり争点になるかなと思います。
 あと二つかな、あと二つのうちの一つは夕張の問題ではないでしょうか。この前の質問でも幾つか夕張の問題も皆様方のご関心、皆様方のご関心というのは道民の方々のご関心でありまして、夕張をどういうふうに再建していくのかは、我々道にとっても、あるいは日本国全体にとっても注目になっております。このことについての争点というものも有り得るかなと思います。
 最後の1点。とりあえず最後の1点ということで、後からまた追加することになったらごめんなさいですけれども、最近私の同僚である知事さん方が全国で3人バタバタと逮捕されました。談合疑惑であります。天の声とか公共事業に関する様々な疑惑。道内でも現職の市長さんが逮捕されました。そいうった中で、やはり私は、こういった疑惑にきちんとした形で対応していくための入札制度の改革ということについても、全国知事会の方針も出たわけでありますので、前からこういった場でも申し上げておりますが、私としての考え方もご提示申し上げながら、一つやはり争点になるかなとこんなことを思っております。

(読売新聞)
 選挙全体の位置付けをお願いします。

(知事)
 このことは、いつも私申し上げておりますが、道知事選というのは4年に1回、我々道民が北海道の将来、北海道が今どんなことになっていて、どういう将来を目指して、どういう施策を行っていくべきかということについて、通常時以上に真剣に考えるいい機会だと思います。そういった中で、それぞれの候補が、私自身も含めてでありますが、現状をどのように認識し、4年後という一つの目標の期間であると同時に、当然その先にある中長期の目標も含めて様々な目標の設定とそれに向けての処方箋、政策のあり方というのを提示をして、その間で道民の方々に選択をしていただくという、とてもいい機会でありますので、そのようなことで道民のお一人でも多くの方々に、知事選に関心を持っていただき、そして議論に参加していただきたいなと、このように思う次第であります。

(HTB)
 FTAの関係ですが、昨日ある会合で知事も断固阻止するというふうに強い口調で言っておられましたけれども、今後の道の対応についてお伺いしたいのですが。

(知事)
 このことは、昨年、何回にもわたって私に対してご質問をいただき、また、様々な会合でも発言をさせていただいておりますが、私ども北海道農業の危機だと思っております。我々行政、そして生産者団体、それから北海道には北産協という商工業含めた、一次産業、二次産業、三次産業、横断的な民間の方々の大同団結した団体もございます。いろんな方々と連携をしながらしっかり日豪交渉の中で、重要品目の関税の例外措置を勝ち取っていかなければならないと、思っているところでございます。その際のやり方としまして、北海道の中で大同団結をして発信をしていくというのは当然でありますが、問題は農業という供給サイドを見ますと北海道だけの問題ではございません。
 先般も、年前に農水大臣のところに2回行ったのですが、1回目行った時は、私は北海道知事として参りました。2回目行きました時には、北海道東北知事会の代表として要請に参りました。東北知事会の皆様方とも、ぜひ一緒にやろうということになっておりますので、やはり生産者地域としてこういった連携も必要でしょう。
 また、南の方も、松岡大臣はご案内のとおり熊本の代議士さんでいらっしゃって、熊本県もそうだし鹿児島県もそうだし、農業を主力産業とする多くの地域との連携というものを模索していかなければならないと思っております。
 また、重要なのは消費者の方々に対する世論喚起ではないかと思っております。今日昼、生協の新年恒例会に参りましたが、生協というのは、まさに消費者と生産者を結んでいく結節点というような活動をしているわけでありまして、そこでも議論として出ていたのですが、やはり消費者の理解を深くしてもらって、この問題に対処していく。
 これは道内の消費者だけではなく、道外の消費者に農業を守っていくということは、単に国内の農業という産業を保護していくということではないんだ。まさに我々日本人の食料安全保障というものをしっかりと守っていくという国民運動にしていかなければならない。こういったことを世論喚起して頑張っていかなければならないんだと、このような思いも持っているところでありまして、シンポジウムであるとか啓発のための様々な活動を、これもいろんな団体とも連携をしながら展開しなければならないと、このように思っているところでございます。

(TVh)
 夕張への職員派遣の件で関連質問なのですが、これからの作業になるかとは思いますが、派遣の規模は大体どれくらいのイメージでしょうか。

(知事)
 これは数字ばかりが先行してしまいますので、今、申し上げるのはあまり適当ではないと思います。市長をはじめとした市当局が、年度明けにどういった体制整備を考えているか、あるいは先程の質問にもございましたが、年度内に有休をとって住民サービスが不十分になる可能性があるとすれば、年度内はどういう体制でやろうとしているのか。部長級、幹部職員の方々は年度内はしっかりやっていただけると思いますが、そういった市としての体制の考え方をお伺いした上で我々としての対応を考えていきますので、今日、数字を申し上げるのは、まだ早いかなと思います。そういうことを皆様方に申し上げるタイミングもどこかで出てくると思っています。

(TVh)
 もう一つ関連で、市から考えを聞くということですが、作業の段取りが年度内ということですともうあまり時間もないのですが、市からはいつ頃までにそういった事の返事を伺いたいと思っていらっしゃいますか。

(知事)
 もう近々ではないでしょうか。一月も中旬に入ってるわけですから、遅くても今月中ではないでしょうか。
 元々、基本的枠組みが11月に出た後、それを計画案という形で検討を進めるとしていたものが年明けになってきている部分がありますので、そういった事と併せての検討のスピードアップを市当局にもお願いいたしているところであります。

 

 

 


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