知事定例記者会見(平成18年5月18日)

知事定例記者会見

・日時/平成18年5月18日(木) 14:37~15:02
・場所/上川支庁4階 展望会議室
・記者数/13名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 まちかど対話について
2 第57回全国植樹祭について

記者からの質問

 1 エア・ドゥの安全について
 2 コスモバルクに対するコメントについて
 3 苫小牧市長に関する報道について
 4 道立高校の再編問題について
 5 DMV(デュアル・モード・ビークル)について

知事からの話題

 

まちかど対話について

 「まちかど対話」で上川管内に入らさせていただきました。
 上川管内にはこれで3回目なんですが、上川は一県と同じくらい、岐阜県あるいは青森県と同じくらいの広さがありますので、昨日、今日で回らせていただいた6町、知事となって初めて回らせていただいたところであります。
 東川町から入りまして当麻、愛別、比布、和寒、鷹栖、それぞれの町を訪問させていただきました。天候にも恵まれましたし、何よりも桜がとってもきれいでありました。本当に春を満喫しながら、天候にも恵まれまして、素晴らしい「まちかど」の経験をさせていただいたと思っているところでございます。春先は気温が低く、天候も不順だったことを大変心配しておりましたが、昨日、一昨日ぐらいからとっても暖かくなってきましたので、昨日も田植えを東川でさせていただいたわけであります。一気に遅れを取り戻して、今年も豊穣の秋を迎えるのかなという思いを持ったところであります。
 今回の「まちかど」の印象は、上川という内陸型の厳しい気候であるけれども、素晴らしい自然環境に恵まれた中での農業王国「上川」の素晴らしさということではないかなと思った次第です。
 昨日からの行程を追っていきますと、昼に東川に入りまして、兵庫県から修学旅行で来ておられる中学生の皆さん方と田植えを経験させていただきました。小学校の時以来でありますが、とっても有意義でした。農業王国北海道の知事として、田植えをするのが初めての経験というのは恐縮なのですが、一つ一つのこういった作業、本当に農家の方が苦労されている。そういったご努力を、我々道庁あるいは市町村が一緒になって技術指導、研究開発、色んな意味で支えている。そういった中で私も子供たちと田植えをする時に一つ一つ植える苗に秋までちゃんと育って素晴らしい稲となって、我々に恵みをくださいという思いを込めて、田植えをさせていただいたところでございます。
 昼に子供たちと地元の食材を使った、まさに地産地消のカレーライスを食べました。兵庫県の芦屋市の子供たちでしたが、都会の子供たちにとってこういった自然の中で農業の生産の現場を自ら経験すること、そして地元の食材を使ったおいしいものを食べて、とっても思い出になるのではないかなと、お話をしていてそんな印象を受けました。
 その後、東川の写真でまちおこしということで、文化ギャラリーを拝見させていただきました。高校生による写真甲子園で昨年優勝した旭川工業高校の生徒さんが撮った写真が私どもの「広報誌ほっかいどう」の表紙にも掲載させていただいたこともあったわけでありまして、とても興味深く拝見いたしました。
 それから当麻町に参りまして知的障害の方々が一生懸命機織りとか木工品といったものの作業をしておられる「かたるべの森」を訪問させていただきました。そして、短い時間お話をさせていただきました。色々な質問を受けたりし、楽しい一時を過ごさせていただきました。障害のある方々が地域で活き活きと暮らしていくこと、我々と一緒に交流することの重要性を再認識させていただきました。
 同じ当麻で大阪から就農されたバラ農家、若い方ですね、30代くらいかな。二人お会いしました。実は初めてお二人にお会いしたのではなくて、一昨年台風被害で大変な思いをされてですね、今就農されて3年目ですから、一昨年は1年目ぐらいで、ビニールハウスに壊滅的な被害を受けて、大変苦労されたんですけれど、その後、もう一度思い直して、周りの方々のご協力もあって立派なバラをハウスで育てておられるところを拝見させていただきました。お若いのにしっかりとした考え方を持っておられ、とても感動をいたしました。この地域の可能性というものを実感させていただいたところであります。
 それから比布町のイチゴ農園、「比布と言えばイチゴだ」と町長は自慢しておられましたが、イチゴ農園に参りましてイチゴも食べさせていただきました。
 それから和寒町ではキノコ生産組合に行って参りました。黄色い色のキノコ、色の鮮やかなのは毒キノコと小さい時に教えられた記憶がありますが、あれは味のしっかり出る、お味噌汁にも良いキノコで、これにこだわっているというお話でありました。
 いずれもこの地域における減反、水稲から何か別のものへの転作、あるいは出稼ぎ対策の中で考えてきて、地域ブランドとして定着しているわけです。こういった地域の特性を活かした努力、そしてそういった中で大変な苦労をされているというお話を伺いまして、いろいろと私どもも勉強させていただきましたし、また、そういった中で頑張っておられる皆様方のたくましさというものを感動を持って拝見させていただいたところです。
 鷹栖町ではちょっと趣を変えまして子育て支援を行う、いわゆる「すきやき隊」の方々とお子さん、お母さん方とお話をさせていただきました。
 それから自主防犯パトロール隊、これは子供を巡る不幸な事件が今相次いでいる中で、地域の安全を我々地域住民が守っていこうというネットワークづくりというのを道庁と道警と連携しながら全道民運動としてやっています。鷹栖は昭和53年にこういった防犯協議会をスタートさせていて、他地域に先行した取り組みをやっておられるということもありお邪魔をし、お話をさせていただきました。5月10日、連休明けに赤れんが庁舎前をスタートした私からの道民の安全メッセージ、これが鷹栖町にも届いているということも確認させていただきました。とてもうれしく思いました。ワンちゃんの散歩を兼ねて見回りをするという方々ともお会いしました。
 相前後しますが、昨日の夕方は愛別町の蔵らで、今回訪れた6町の方々とタウンミーティングをいたしました。6町それぞれ出ておられました。鷹栖町はトマトジュースですね。地域ブランドになっております。住民の健康のために始めたと言う話でありました。また、当麻町では「でんすけすいか」ですね。農業大賞をとられた苦労話。比布町は20代の若い農業の担い手、青年の方から、イチゴは農業の高齢化の中で、なかなかつらいものもあるので、それに変わる新しいものを一生懸命やろうとしている。それから消費者との交流。いろいろなことをやっているというお話がありました。愛別からお越しの方は、酒米にこだわっておられる、酒米作り、そしてそれをつかった地酒つくりと、こういったまちおこしのお話をいただきました。東川町、ここはおいしい水が売りのところであります。おいしい水で、おいしいものを作るという取り組みをお伺いしたところであります。
和寒町は、この方だけが商工会の方でありましたが、農業と商業の連携による越冬キャベツのブランド化、こういったご努力の話をいただきました。
 タウンミーティングのテーマは、地産地消であったのですが、いろいろ皆さん方がやっておられるお話をお伺いしていて、私ども道庁が道民運動として、去年一昨年ぐらいから始めております産消協働を、産消協働の言葉は皆さん方ご存じないようでありましたけれども、地域地域で展開しておられるという姿を拝見できました。とても力強く、かつ、私どもの政策の方向としたところが正しかったんだなという思いもあって、とても、うれしく思ったところであります。こういった各地の取り組みが上川を盛り上げ、そして上川から全道にそのことが広がっていけば、北海道全体がさらに元気になっていくのではないかと思った次第でございます。 支庁、道庁を挙げて一緒に頑張っていきたいと思っております。
 今回の行程の最後に、道立の施設でありますが、北方建築総合研究所に寄りました。例の耐震偽装問題、ご当地、旭川、上川と言うより、札幌なり全道の問題になっているのでありますが、こういった中で、道庁が責任を持ってチェックすべき分野について、構造計算書の再計算を頼んでいる研究所に寄りまして、職員の激励をさせていただきました。
 そんなことで、駆け足でありましたが、今回も有意義な「まちかど」をやらせていただきました。

第57回全国植樹祭について

 私からはもう一つの話題がありまして、第57回全国植樹祭に私自身参加をさせていただくということであります。桜のきれいな北海道、桜と梅とチューリップとみんな一緒に咲いていると、昨日、兵庫県の子どもたちも、とても感動してました。今年の植樹祭は、20日の土曜日から岐阜県の下呂市で行われ、天皇皇后両陛下がご臨席になられます。私ども北海道は、来年植樹祭を行いますので、慣例により出席します。お手元の資料でございますが、来年は第58回全国植樹祭が、苫東地域で行われます。次期開催県知事として、今年、岐阜県に参りまして、岐阜県の古田知事から、植樹祭のリレーシンボルの受け取りを行うということを予定しております。昭和36年以来、46年ぶりとなる本道での開催を全国にアピールするつもりであります。
 第58回の植樹祭のコンセプトは「三つのC」持続、協働、循環ということであります。昨年知床が世界遺産になって、本道の自然の価値が世界的にも評価されている中で、森林づくりにつきましても、道民の皆様方と一緒に、明日へ、そして未来へ、北海道の北の大地の森づくりということにしっかりと取り組んでまいりたいということであります。

記者からの質問

(HTB)
 知事は、日ごろからエア・ドゥの安全についてご発言をされてきましたけれども、先日、機体を損傷しまして、それを24時間公表しなかったことに対して、そのお考えについて教えてください。

(知事)
 エア・ドゥ旅客機の鳥との衝突による主翼の損傷について、一般道民への公表というのが、発生から一日遅れた。公表が翌日になったということについては、色々なご事情があったのでしょう。国への報告とか、対処をどうするかとか。現に欠航便が今日まで23便ということになっていますので、そういった原因もあったのでしょう。
 やはり、こういった航空会社は、スカイマークエアラインの時にも発言させていただきましたが、何と言ってもお客様の安全があって初めて成り立つ事業であります。そういう意味では、こういったトラブルがあったことを何よりもまず、国民の方、道民の方に報告をしなかったことは、問題であると思う次第であります。
 今後、今回のことを反省材料として、エア・ドゥにおかれては、一般的なこういった情報提供を速やかに行っていただきたいということを是非、徹底していただきたいと思います。

(STV)
 既に昨日のうちにコメントを出されていると思いますが、コスモバルクが今の段階で戻ってこれないことについて、またコメントをいただければと思います。

(知事)
 コメントで出させていただいたとおりなんですけれども、レースで優勝、これは私自身も興奮をしました。本当に良かったと思っていたのですが、その直後に入った、とても不安な情報で、私自身もとても心配をしております。
 まだ、病気にかかったかどうか、疑義の段階ですので、これから確定することになるのでしょうけれども、何としても無事であることが確認されて、戻ってきて欲しい。これからますます道営競馬のため、あるいは道営競馬に籍を置く馬として頑張って欲しいコスモバルクですので、無事の帰国というものを心から期待していると申し上げたいと思います。

uhb
 苫小牧の桜井市長が、飲食店内で女性にいかがわしい行為をしたということで、報道がされている。本人も大筋で認めているようなんですけれども、その点に関しまして、知事としていかが思われますでしょうか。

(知事)
 ご本人に確認をさせていただいだわけではないので、報道以上のことはちょっとわかりませんが、事実だとすれば、これはもう遺憾なことであると言わざるをえないと思っております。先程も植樹祭のことで申しましたが、苫小牧市役所と連携をとってやらなければならないこともたくさんございます。それからそもそも苫東地域の企業進出が、流れに乗り始めたところであります。苫小牧港の公的整理という問題も含めて、連携してやっていきたいと思っている矢先でありますので、色々な意味で、とても私自身ショックを受けているところであります。
 例の米軍の訓練移転、千歳・苫小牧が地元ということで、今までも受け入れについて、地元と連携をしながら、地元の意向を十分に踏まえた形で、私ども道も動くと申し上げておりますので、このことに向けて、今回の市長さんの個人的な問題というのがどういうふうになっていくのかということを見守っていかなければならないと思っております。
 いずれにいたしましても、訓練移転につきましては、基本方針は変わっておりませんので、そういったことで対処していかなければならないと思っております。

(北海道新聞)
 道立高校の再編の問題で、道教委が出している指針素案ですけれども、地元の上川管内でも、郡部の高校を中心に、存続を求める署名活動なんかを起こしているんですけれども、知事は、地元でそういった動きが起こっているということを、どういうふうに聞いてられるのかが一点で、もう一つは、DMVなんですけども、デュアル・モード・ビークル。上川管内で、検討会議を設けてですね、2ルートが富良野と旭山と開かれたんですけれども、その辺の可能性というんでしょうか、あればお願いします。

(知事)
 道立高校の再編の問題。一般論として言えば、道内は、少子化で、人口減少というのが、全国を上回る状況で進んでいると。そういう中で高校でも、いわゆる間口が少ない、学級数が少ない高校が増えてきているという問題をとても残念に思っているところであります。
 道教委の方では、平成20年度からの高校教育の基本的な考え方を示す「高校教育に関する指針」というものを作成しているのですが、その中で今おっしゃられたような高校の再編ということも出していこうということだと理解をいたしております。
 現段階での考え方としては、いわゆる3間口、すなわち1学年3学級以下という場合には再編あるいは統合していくと。それから、場合によっては市町村に移管というようなこと、いろんな方向性を模索していきたいということになっているということでございます。
 子どもたちの教育の効果というものを考えた場合に、一定規模の子どもたちの集まり、グループがより効率的効果的な教育効果が出てくるということから、こういった一定規模が必要だということについては、皆様方も、市町村の首長の方々も理解は共通だと思うんです。
 ただ、一方で学校が無くなることに伴う地域への悪い影響、こういったものの懸念もあって、様々な議論が出てきていると思う訳でありますが、平成20年度までの指針策定に向けて、生徒の皆さん方の通学の条件、統合すると当然遠くなるわけですから、そういうのをどうするかとか。それからやはり、なんといっても地元の市町村の皆様方のご意見というものを十分にお伺いしながら、指針というものを取りまとめられるように、私もそのようなものだというふうに理解をしているところでございます。

 それから、デュアル・モード・ビークルのお話。これはですね、支庁長が新しい富樫さんに4月から変わりましたけど、前支庁長が、彼は1年しかいなかったのですけれども、変わる直前くらいに、僕の卒業論文だと報告に来てくれたのをよく覚えています。
デュアル・モード・ビークルはJR北海道が、技術の粋を集めて始めた。
 あの廉価性がすばらしいですよね。それから北海道のような過疎地域における様々な活用の方向性が考えられている中で、各地で色々な検討が進んでおり、この上川管内でも、全道初めての施策というか、最寄りのルートでやりたいということで検討しているということを聞いているところであります。
 2ルートあって、どっちにするのか。お客様がどれくらい来るかどうか。それから、なんといっても普通の列車と違って、乗るお客様の数が限られてくるという問題があるので、経済性とか採算性とか、色々なことを勘案しながら、これから議論をすすめていくということだと思っておりますので、引き続き新支庁長のもと、色々な検討をしてもらって、その結果を私がお伺いをして、必要であれば、そういうこともまた議論していきたいと思っています。

 

 

 


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