定例記者会見(平成17年12月28日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年12月28日(水) 14:01~14:27
・場所/ 記者会見室
・記者数/29名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 野呂前道議の「あっせん収賄」事件に関連した職員等の処分について
2 交通死亡事故の状況について
3 今年を振り返って

記者からの質問

1 野呂前道議の「あっせん収賄」事件に関連した職員等の処分について(1)
2 野呂前道議の「あっせん収賄」事件に関連した職員等の処分について(2)
3 日韓航空協議の開催結果について [道内と韓国(ソウル・釜山)間の新規航空路線について
4 知事の年末年始の過ごし方について

知事からの話題

 

野呂前道議の「あっせん収賄」事件に関連した職員等の処分について

   今年も最後の記者会見になりました。私からは三つお話をいたします。
  一つ目は、野呂元道議のあっせん収賄事件に関連した職員の処分等についてです。お手元に資料が2種類いっているかと思います。それをご覧になりながらお聞きいただければと思います。野呂元道議のあっせん収賄事件につきましては、函館地裁において12月22日に懲役2年6カ月執行猶予4年の有罪判決が出されたところです。その判決文におきまして、「野呂道議は北海道保健福祉部幹部職員に対する働きかけを行い、渡島保健所において、既に実施が決定されていた慈愛会病院に対する実地指導を中止させるに至らせた。」と言及されており、道の幹部職員が本事件に関わっていたということは、誠に遺憾であり、重く受け止めているところです。道といたしましても、本事件における職員の関わりにつきまして、独自に調査を進めてきたところであり、その調査結果が、この配付資料の1と位置付けていただければと思います。後程、総務部から詳細にご説明させていただきますが、私どもの調査によれば、慈愛会に対する実地指導の中止というのは、1ページの事実確認結果の(2)に書いてありますが、慈愛会に対する私どもの実地指導は、平成13年度に指導事項が12項目あったわけですが、このことについて一定程度の改善が確認されたことなどを踏まえたものであり、野呂元道議からの働きかけを受けた平成14年度当時の保健福祉部幹部の確認行為による直接的な影響は認められなかったということが私どもの調査結果です。しかしながら同じ資料1の5ページの「3まとめ」ということころの1に書かせていただいておりますが、当時の保健医療局長は元道議から事実上の実地指導中止の働きかけを受けたと。そして、渡島保健所に対して、慈愛会に係る指導状況について誤解を招くような確認を行ったということが認められたとしております。さらには、利害関係者である慈愛会関係者が参加することを知らずに、結果として、飲食の場に同席をしたわけですが、その行為について、所属長に対し、報告を行わなかったということなどが判明いたしました。こうしたことを踏まえて、配付資料の2にありますが、この幹部職員、当時の保健医療局長につきましては、結果として、介護保険施設の運営指導を巡り、道民の方々の疑惑、あるいは不信を招いたもので公務員としての信用失墜を招いたということ。また、条例に基づく報告を怠り、職務上の義務違反をしたことから、減給1/10、1カ月の地公法上の懲戒処分としたところです。次に、当時の渡島保健所次長についてですが、同様の理由によりまして、戒告処分といたしました。その他に、結果として、慈愛会関係者との飲食の場に同席したが、その報告をしなかった職員2名につきましても、この配付資料の2にある訓告処分を行うとともに、当時の関係職員の管理監督者に対しても訓告処分を行い、合計5人の処分を行ったということです。以上が今回の野呂元道議のあっせん収賄事件に関連した、職員の処分についての概要です。私といたしましては、今後、こういった事態が二度と繰り返されないように、今後ともあらゆる機会を通じて公務員倫理の確立、綱紀の粛正に取り組んでまいりたいと考えているところです。
  なお、今回、私自身の処分は行わなかったところですが、これにつきましては、直近の元札医大事務局長の案件との比較においてご説明を申し上げるとすれば、あの事件の場合には幹部職員自身が逮捕された刑事事件であったこと、そしてまだ係争中ではありますが、裁判でも一定の判断も出てきたということを踏まえて、私自身の処分を行った分けですが、今回の場合には、もちろん誤解を招いたということは重いわけですが、この14年度当時の保健福祉部幹部職員の確認行為による直接的な影響ということが、私どもの調査で認められなかったということですので、知事自身の処分は行わなかったということです。

交通死亡事故の状況について

  それから、2点目ですが、交通死亡事故の状況についてのご報告です。今年もあと3日になったところですが、私ども北海道は13年間にわたって交通事故死全国ワースト1という記録を続けてきました。今年はそのワースト1の返上が、14年ぶりに実現可能な状況になっているということです。昨日、12月27日現在の状況で見ますと、道内における交通事故死者の数は301名。昨年同期に比べて82名と大幅な減少を記録しておりまして、1位の愛知県との差が42名という状況になっています。このように道内における交通事故死者が大幅な減少となったということは、道警察や市町村あるいは関係機関、団体、道民の皆様方の総力を結集した、みんなで北海道における交通事故防止に取り組んでいこうという努力の結果であり、これまでの関係諸方面のご努力に心から感謝を申し上げたいと思います。しかしながら、この交通事故により、道内で300名を超える方々が亡くなられたという事実は、重く受け止めなければならないと思っているところであり、ワースト1返上というものが、もしこの3日間、何事もなく終わったとしても、それを一つの契機として、さらに私どもといたしましては、道内における交通事故を1件でも少なくし、交通事故により亡くなられる方々を一人でも少なくするという交通事故撲滅に向けての我々のさらなる新たな運動を展開したいと考えているところです。道民の皆様方のなお一層のご協力をお願いいたしたい。まずは、この3日間ワースト1返上に向けて、さらに努力をしたいということです。

今年を振り返って

  それから、最後ですが今年も最後の記者会見になりました。昨日、一昨日と各社の年末年始のインタビューもお受けさせていただきました。それに先立ちまして、先週の三連休の週末、私なりに自分の頭の中をいろいろ整理してきたわけですが、この1年間を振り返ってみますと、不幸なこともたくさんありました。JR西日本の大事故もありましたし、子どもを取り巻くとても痛ましい事件、まだ未解決のものも含めてたくさんありました。また、道内に目を転じますと、去年、一昨年とありました台風など自然災害による被害はそれほど多くはなかったということに胸をなで下ろしたわけですが、海難事故、漁船を中心とした船の事故が目立ったとても残念な一年であったと思います。ただ、一方で、新幹線の起工式も出来、知床の世界自然遺産も達成出来ましたし、年末の4定で懸案でした循環税も成立をさせていただきました。道政上の課題と思っておりましたことのいくつかが達成できたという年でもあったかと思っているところです。今年は、年当初に、世界へそして未来へということを今年の道政推進のキーワードに位置付けて頑張っていくということを申し上げて、経済再建、地域主権の推進等々、全力投球してきたわけです。行財政構造改革につきましては、ずっと検討してまいりまして、11月の末に素案をまとめさせていただきましたが、年内をめどにこれを完成したいということを何回も申し上げてきたにもかかわらず、残念ながら年越しをさぜるを得ない状況になったわけです。ですから、来年、私が一番にやらなければならない仕事は、この行財政構造改革の18年度からの抜本的な改革の中身をきちっと固めるということから、始まると思っているところです。
  起承転結といいますが、4年間が知事の任期ですので、来年は「結」の年で、今年が「転」だったわけですが、私の任期の総仕上げの年です。引き続き、全力を挙げて新生北海道づくり、そして道庁改革に取り組んでまいる所存です。私からのお話の最後は、報道機関関係の皆様方に対するお礼です。私が週1回の記者会見ということを知事公約に掲げ、最初のうちは本当に出来るかどうかという話もあったのですが、実績ベースでは、週1回を超えるペースで今までやらせていただいたところです。私が入院加療中は副知事が代わりにリレーのバトンをつなぐ形で記者会見を続けてきてくれたわけです。そういう周りの支援もあって、このことが達成出来たわけですが、こういったことが出来た大きな理由の一つは、やはり、道政記者クラブをはじめ報道機関の皆様方の絶大なるご協力があったのではないかと、心から感謝を申し上げたいと思っているところです。
  私自身、この記者会見に臨む時には、毎回とても緊張いたしまして、それまでに、私自身の頭の中の整理をするという習慣が、もう出来てきたわけであります。このことが結果として、道政上の様々な判断について、スピーディーな感覚を持って判断出来るようになった、一つの大きなきっかけにもなっているのではないかと思っているところです。厳しい質問、温かい質問、いろいろいただいているわけですが、どれもこれも私が道政を進める上で、本当にありがたいアドバイスになっています。来年も、心からお願いをいたしまして、私からのお話に代えさせていただきます。

記者からの質問

(北海道新聞)
   野呂元道議の関係ですが、内部通報制度が今年の4月から導入されて、前回、野呂元道議の関係のお答えの中で、再発防止策として、内部通報制度のことをおっしゃったと思いますが、この運用状況についてお伺いします。今、何件くらいきていて、どのような状況なのでしょうか。

(総務部長)
  実績はありません。

(北海道新聞)
  では、2003年につくられた北海道警察の監察目安箱について、こちらの実績は把握しておりますでしょうか。

(総務部長)
  それは承知しておりません。

(知事)
  道警察の方に聞いていただけますか。

(uhb)
  2点質問です。先程、1年間の振り返りで、不幸なことですとか、非常に北海道にとって良かったニュースもありましたけれども、この中から三つを選んでいただいて、ナンバー3と言いますか、上位三つを挙げるとすればどんなものがありますか。
  それと、24日の国土交通省の航空協議で新千歳-釜山線など三つの路線について、というお話しがあったと思いますが、あとは、航空会社さんのご判断だと思いますが、知事は、この間、釜山にも行かれて、今後、どこかの航空会社に働きかけをなさるとか、そういった御予定があるのかどうか、お伺いいたします。

(知事)
  昨日、一昨日のインタビューと、違うことを言ったら駄目なので、同じことを言わせてもらいますが、一つ目は知床です。二つ目は新幹線。三つ目は北方四島の訪問です。これは、昨日、一昨日とご質問のあった社には、お話ししたのですが、私自身、高橋個人にとっても、とても勉強になる、政治家としてこういった場合にどういうように対処すべきかということをとても考えさせられた、北方領土訪問だったなと思っているところです。 
  それから、国土交通省の航空交渉の中で、道内については3路線についてリストアップされたところです。丁度、私が先々週釜山に提携交流の調印のために行ってまいりまして、その際にも、私どもからも話題提起しましたし、また、先方の経済界からも話題提起があったわけですが、釜山と北海道との間の直行便をというお話しがあったところでございます。私どもからいろいろな働きかけをしていた中で、丁度、航空交渉の中で、釜山-新千歳便がリストアップされたというのは、とても喜ばしいことだと思っているところです。ただ、この路線が本当に採算に合うかどうかということを、航空会社が、多分、基本的には韓国サイドの航空会社、大韓航空かアシアナ航空か、その辺りになるかと思いますが、いろいろアセス、事前評価をして、行きはどのようなものか、帰りはどのようなものかということをやった上で、採算性を見極めた上での就航という運びになってくると思うわけです。まずは、釜山でも関係者に申し上げたのですが、チャーター便などを飛ばすことによって状況の見極めを、実績を作った上でのステップが必要かと思っているところです。いずれにいたしましても、釜山から帰国直後に、担当部長である企画振興部長にはこういった話し合いを釜山でやってきたので、是非、関係諸方面、これは航空会社も含めてですが、道からも積極的にアプローチをするようにという指示は、既にいたしているところです。

(北海道新聞)
  野呂元道議のあっせん収賄事件に関連してですが、この職員の処分は重いものだと考えておられるかどうか、よろしくお願いします。

(知事)
  私は、極めて重い処分であると考えています。
  これは例をもとにご説明した方がよいかと思いますが、札医大の元事務局長の事案のときに、当時の石狩支庁社会福祉課長に対する処分として、今回の保健福祉部の元局長と同じ処分をした経緯があります。この当時の石狩支庁社会福祉課長は、介護給付の関係の給付の払い過ぎの戻しを少し曲げたという事案でしたが、そういった過誤調整を行うべき期間を短縮したということが、現に法律違反のことをやってしまったのが当時の石狩支庁社会福祉課長であったわけです。しかしながら、他方、彼は、お金は受け取っていなかったということで逮捕までには至ってなかったわけでありますが、明らかに法律違反、悪いことをやった人に対する処分、減給1/10、1カ月ということと、今回、同じだけの処分をしたところです。先程の説明の繰り返しになるわけですが、保健福祉部の局長からの働きかけと、実地監査での中止との間で直接の影響は認められなかったというのが私どもの事実調査の結果でございますが、結果として、彼が行いました関係部局に対する確認行為、それが誤解を招くようなものであったと。誤解をするかどうかは外部の方の判断ですので、外から見て誤解を招くような行為をやったこと自身、やはり公務員としての職の信用を傷つけた、信用失墜を招いたと私ども判断いたしまして、地方公務員法上の懲戒処分ということにしたところです。こういった一つの処分の前例を作りましたので、今後、職員自身が、様々な行政分野で、司、司にある主として幹部職員が違法行為を犯さないというのは当然ですが、そういった刑事事件に至るようなことにならないまでも、外から見て誤解が生ずるような行為、そのことがこれだけ厳しい処分の対象になるんだということを一つの前例として、私はこのことも今後の再発防止、あるいは職員の意識が毅然としたものになってもらうための大きな一歩としたいという思いも込めて、今回、これだけの処分をさせていただいたところです。

(北海道新聞)
  年末年始の過ごし方について教えてください。

 (知事)
  まず年末は、子どもの見回りに東京に行こうかと考えています。その後は、こちらで静かに、雪の中でお正月を過ごそうと思っております。特段の予定はありません。初詣くらい行くかな。そんな感じです。

(北海道新聞)
  初詣は北海道神宮ですか。

(知事)
  私の住んでおりますところから最も近い神社の一つだと思います。歩いてでも行けますので、行こうと思っています。

 (北海道新聞)
  こちらで家族4人で過ごされるのですか。

 (知事)
  はい。

 


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