定例記者会見(平成17年12月1日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年12月1日(木) 15:31~15:58
・場所/ 議会知事室前
・記者数/26名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 北海道競馬について
2 ふるさと銀河線に係る「代替バス輸送計画」の決定について
3 道内の観光魅力の再発見について
4 企業立地に係るワンストップサービス体制の実施について

記者からの質問

1   建築確認申請における耐震強度の偽造問題について(1)
2 建築確認申請における耐震強度の偽造問題について(2)
3 三位一体改革について(1)
4 三位一体改革について(2)
5 医療制度改革について

知事からの話題

 

北海道競馬について

   私からは4点ご説明いたします。
 今日で今定例会の一般質問が終了いたしました。行財政構造改革、それから循環税をはじめとして、予想されたとおり、様々な問題についての議論が展開したところです。これからは、予算特別委員会をはじめ、各委員会審議ということになり、私自身の出番は、予特の知事総括ということになるわけです。これまでの質問は、道政の上で、私ども様々な点で参考になることばかりですので、いろんな点で反映してまいりたいと思っております。その意味で四つの話題提起です。
 一つ目は、北海道競馬についてです。このことにつきましては、一昨日の道議会一般質問にお答えする形で私の考え方をお示しいたしましたので、一部繰り返しになりますが、改めてご説明します。道営競馬につきましては、道財政が極めて厳しい中で、全力で財政再建に取り組んでいるわけでありますので、赤字のまま競馬を恒久的に続けるということは基本的には難しいわけであります。しかしながら、北海道競馬の場合には、他の地域の競馬事業とは違って、馬産地を抱えていおり、日高、胆振地方を中心に日本一の軽種馬生産地に立脚した中で行われているという点では、特殊な事情があるわけでして、今ただちに廃止をするということになれば、生産者、関連産業などなど、大きく地域経済に影響を与えるいうことでございます。そういった中で、私といたしましては、北海道地方競馬運営委員会の建議も踏まえた形で、3年を限度に継続をするという決断をいたしました。建議では継続ということを書いた上で、明確な目標(ハードル)を設定しろということがあったわけでして、そういった形での判断をしたところです。その場合の目標(ハードル)といたしまして、二つ、道議会で申し上げたところです。一つ目は、目標年である3年間の内に今年の最終的な赤字額を半額にするということ、二つ目に、かつ、単年度収支が均衡する見通しを得ること、この二つを掲げたところです。この二つの目標を超えられなければ、残念なことではございますが、廃止せざるを得ないと考えているところです。競馬事業というのは、収益を出して、地域自治体、我々道の財政に貢献するというものが、本来の目標で始まったわけでありますので、この目標自体も甘いというご意見も中にはあろうかと思いますが、やはり馬産地に立脚する道営競馬という観点から、こういった方向性でこれから我々道庁一丸となって馬産地、地域の関係者の方々と連携をとりながら、一生懸命、目標達成に努力をしてまいりたいと考えております。当然のことですが、国なりJRAへのご支援というものを、これから強く要請していくということが、大前提です。私どもとして、道議会でご説明いたしましたが、今後ミニ場外ですとか、道外発売の拡大であるとか、それからインターネットでの発売、あるいは、支出面では不断の見直しをさらに続けていくというわけですが、法律改正で民間委託が可能になった部分もあります。こういったことも最大限使ってまいろうと思っております。今回の案は、実は競馬事務所を中心とした現場から上がってきた案です。であるからこそ、私は、この目標というのは達成可能であると、このように考えているところです。我々が関係者と一生懸命努力をすることによって、十分に達成可能な目標である。しかしながら危機感を持って、高い課題を設定しないと気が抜けてしまうわけでありまして、そういう意味では、競馬事務所をはじめ、関係諸方面が危機感をもって自らに課した目標に一丸となって、その達成に向けて努力をしていきたいと考えています。

ふるさと銀河線に係る「代替バス輸送計画」の決定について

   それから二つ目ですが、ふるさと銀河線に係る代替バス輸送計画の決定ということです。来年4月に廃止されることになっております、ふるさと銀河線の代替交通の確保につきましては、これまで運輸局主催の「ふるさと銀河線代替交通確保協議会」、いわゆる地元協議会と言っておりますが、ここを中心に代替バス運行の検討が進められてきたわけですが、11月27日に開催されました第3回目の協議会におきまして、代替バス輸送計画が正式に決定したところです。詳細は省略いたしますけれども、網走側を運行する北見バスや、十勝側の十勝バス、さらには関係機関と連携しながら準備を進めてまいりたいと考えております。

道内の観光魅力の再発見について

  三つ目は、道内の観光魅力の再発見についてのご報告です。皆さんに写真のコピーをお渡ししていると思いますが、今日から12月の1ヵ月間、道内のテレビで放送するスポットCMにおいて、私から道民の方々に「出かけよう、私たちの北海道へ」というメッセージを送って、北海道観光をアピールすることにしました。なぜかといいますと、道内の観光客というのは大きく分けて三つあるわけです。570万の人口がありますので、地産地消でいつも言っていることですが、我々自身が我々のすばらしい食べ物なり、素材なり、観光を楽しむという道内客の部分、それから道外の日本人、それから外国人となっているわけです。この中で最も母数が多いにもかかわらず、一番落ち込みが見られるのが、この道内のお客様、道内観光客です。この部分がなんで落ち込んでいるのかということは、いろんな説がありますが、そもそも道内の景気回復が遅れて道民の方々が出控えているという説もありますし、一方で道内よりも道外の方が楽しい。これは海外も含めてでありますが、どんどんと海外にいっておられるという説もあります。いずれにいたしましても、私としては、あるいは観光連盟の方でも道内の大会で議決をされたそうですが、道内客をいかに道内に呼び込んでいくかという、その意味での北海道の魅力再発見。このことのキャンペーンが重要だという認識の元に、こういったことを始めたところです。もちろん道内客を呼び止めるためには、このCMだけでは不十分ですので、これ以外にも様々な形で私ども行政として民間の方々と連携をしながら、いろんな運動をやっていかなければならないと思っております。

企業立地に係るワンストップサービス体制の実施について

  四つ目ですが、企業立地に係るワンストップサービス体制の実施ということです。特に、道外企業の誘致につきましては、私も経済界のトップの方々とも連携しながら、時間を見つけては出来る限り多くの道外企業の方々へのトップセールスもやらせていただいております。そういったことをきちっとフォローアップするような意味も含めて、企業立地に向けた各種相談への対応、それから工場等立地する際の各種申請や届出、これが縦割りでいろんなところへいかなくてはならなくて大変だというのは当然ですので、こういったことを一元的に対応する相談窓口として、「企業立地総合支援室」を本庁の経済部と各支庁に設置をすることにしました。それから、窓口では、事前のご相談にも応じますし、また、事務進捗のフォローアップなども実施することにしています。私からは以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
  マンションなどの偽造問題なんですが、道が国土交通省の指示で、21日から24日に調査をして、道の担当課の方では、道の調査した分については安全だということを報道機関に話しているんですが、知事ご自身も文書調査と立入調査、抽出調査もやっておられますが、それで道民に安全という宣言が出来るのかどうかという認識をお願いします。
 
(知事)
 この問題は、道議会でも取り上げられましたが、いろんな要素がありまして、二つに分けてお話します。私ども道で調査を行いましたのは、まず、特定行政庁という行政機関自身が確認をしている主体と知事が指定をしている民間の確認検査機関です。これは合わせて14機関あるわけですが、そこに対して審査方法や体制について調査しました。現時点においては、そのスコープの範囲内では、問題がないことを発表をさせていただいたところです。まず、この段階、すなわち審査方法及び体制について問題がありまして、大臣指定で道内に支店のあるところ、あるいは道内に支店がなくても道内の様々な建物について、確認検査をやっているところがあります。そこについては、国土交通大臣が責任を持って指定をしているわけですので、国の方で調査をやっているわけですが、その結果が、道と同じレベルまでなっていないんです。すなわち、道内でいえば、大臣指定の部分というのはマックス8社あるわけですが、ここについてはそもそも審査方法なり体制そのものについても、まだ、安心だということは確認されさていないというのが一つあります。一部報道で出てるかと思いますが、大臣指定の中で、今話題の中心になっおりますERIを含めて、2社が実質具体的に16年の確認検査に関与しているわけです。
 それからもう一つは、審査方法なり体制について問題がなければ全て安全かという次の段階の問題ですが、そこはこういった方法なり、体制について大丈夫であっても、そういったところに不正の目的でデータを入力すれば、当然そうしたことに伴う問題が起こりうる可能性があるわけです。そこについてのさらなる、先程申しました審査方法、体制のチェックが第1弾ということだとすれば、第2弾のチェックとしては、今申し上げたような部分を含めての調査確認ということが当然必要だと私は思っているところです。ここにつきましては、今、政府でも国交省中心に様々な検討が行われておりまして、例えば、こういった問題の対象となったマンションについて、希望があるところに対しては、全部耐震検査を国が支援をするような形でやろうではないかということを検討しているという情報も得ているところですので、北海道としても、さらなる調査について、どういう形でやるのかということを国に対して強く申し入れをいたしているところです。国から明確な指示、考え方が出次第、私ども道として出来ることをやっていくという意味で、議会での答弁をさせていただいたところです。まずは、国交省に是非お願いをしたいのは、たぶん他の都府県もだいたい済んでおられると思いますが、検査方法、体制のところについて、どこが大丈夫で、どこが大丈夫ではない、48社でしたか、そのうち18社くらいは審査方法等についてすら問題があったということは、情報として聞いているんですが、それがどこか、その中に道内で仕事をやっているの検査機関が入っているかどうかというところも不透明ですので、国交省におかれては、まずはその情報を提供してほしい。その上で、あるいは、それと同時に、今申し上げた意味での第2弾の調査の部分について、必要な考え方の整理、それからこれは当然すごいお金がかかりますので、助成の部分の考え方を含めて、我々にご相談をいただきたいと思っているところです。いずれにいたしましても、私ども道庁として、相談窓口を設けておりますので、是非、いろんなご疑問、ご不安がおありになる場合には、そちらの方へお問い合わせをいただきたいと思っております。
 
(uhb)
 関連してなんですが、富山の方でERIに関して、もちろん国交省マターということなんですが、姉歯建築事務所に関わっているかどうかという件数だけでも確かめたということなんですが、そういったことはやる予定はないですか。

(知事)
 富山がどこまでやったかということは、確認いたしておりませんが、何をどういう形で富山を含めて地方がやっているかということを確認して、道としてやるべきことがあれば当然やっていきたいと思います。

(uhb)
 あとは、生活者目線、北海道と全く関わりない部分ではなくなってきましたので、そういう意味で、生活者としてどのようにお感じになっていますか。

(知事)
 私自身も、今現在は公邸に住んでおりますし、東京にある家も一応一戸建てなんですが、やはり家というのは、我々庶民の一番のある意味、夢ですよね。そのことについて、こういうあってはならない、犯罪だと思いますが、まだ、そういう議論にはなっていませんが、こういった偽造をやったということ自身は、世の中悪いことは山ほどありますが、最も庶民には許されない犯罪ではないかと思います。ただ、そのことの糾弾はそのことの糾弾として、法律に基づいて粛々とやっていただくとして、今、私ども行政が、あるいは知事としてやらなければならないのは、まさに、ご不安に思っておられる道民の方々に対して、この不安をいかに払拭していくかということですので、先程、申し上げたような基準で出来る限り早く対処していかなければならないと思います。

(共同通信)
 三位一体改革で、今日午前中に、補助金削減で3兆円の税源移譲が地方側と正式合意したのですが、それについてご感想は。

(知事)
 まず、前向きに評価できる点をいくつか挙げましょう。
 一つは、前から私どもが要望しておりました施設整備費を対象とすることができた。ちょっと下品な言葉ですが、風穴を空けた。これは一つ評価できることだと思います。第2番目は、我々が相当激しく抵抗いたしました生活保護の分野については、対象外になったことです。三番目は、総理あるいは総理の意を受けた官房長官をはじめ官邸が、大変なご努力をしていただいた。以上三点は、私は率直に評価したいと思います。
 以下、数えると評価しない方が多くなるのですが、評価しない方を順次申し上げます。まず第一に、施設整備費は確かに対象となり風穴を空けたことにはなりますが、5割のカバーというようなことをお伺いをいたしているところです。本当にこれで良いのかということについては、やはり地方サイドとして疑義があります。我々の裁量においてできるという道が広がったという点では評価いたしますが、財源移譲の部分でこれで十分かという点は残るかと思います。それから二つ目、生活保護は、先程評価のところでも申しましたが、生活保護はそもそもこの三位一体改革の国と地方との議論のスタートラインの段階で対象に入っていなかったものです。その意味では、実は評価できるようでできないというように思うわけです。三つ目は、義務教育費が典型的ですが、補助率引き下げで数字のみ合わせたという点が多いということは極めて不満です。こういう状況下であるからこそ、私どもとして、地方でもまだ(他の知事さんと)会っていないから他の意見もあるかもしれませんが、私の立場としては、政府サイドとしては、ここまで三位一体改革で地方の言い分を聞いたんだから、次は、あの方々から言えば本丸である交付税の削減という意味での改革であるとおっしゃっておられるやの情報も漏れ伺っております。私ども北海道としては、あるいは高橋個人としては、これだけ霞ヶ関から我々の不満が残るような中身の改革しかしていただいていない中で、とっても交付税改革の大前提となります地財計画の見直しも、中身を議論しないで単に交付税の額を何千億減らす増やすなんていうのはあり得ないわけで、その中身を国と地方が一緒になって議論していって始めて交付税改革ということになるわけですが、その前提条件としての信頼感というものを、地方サイドではまったくない、生まれてこなかったような今回の決着の中身ではなかったかと思います。
 いろいろ言いましたが、ここでひとつ決着のようでありますので、次は次期改革への期待をしたいと思います。

(北海道新聞)
 昨日、医療制度改革の大綱が出たのですが、まだ、具体的な中身はこれから出るのかと思いますが、これまでの厚生労働省の試案を見ても、医療費の抑制に絡んで、適正化計画を都道府県がつくらなければならなくて、それに対して、ペナルティーが課されるような可能性も出てきている中で、地方への影響も結構大きいと思うのですが、それについて知事の見解をお聞かせください。

(知事)
 これも議会でご質問がございましたので、私どもの考え方はご説明申し上げたので繰り返しになりますが、今回の医療制度改革の厚生労働省試案が、政府与党案等々にこれから固まっていくのかもしれませんが、その中で、評価できるところもありますよね。たとえば地域において、今まで以上に医療連携体制を構築すべしであるとか、生活習慣病の対策をはじめとする健康づくりなど予防中心のことをやっていこうとか、こういった点は私どもとしても積極的に取り組むべきと思っておりますが、今、ちょっとおっしゃられた都道府県を単位とする形での新しい医療の制度ということについては、私ども地方サイドも、全国知事会を通じても意見を申し上げておりますが、疑問であると思っております。それはなぜかと言いますと、まず診療報酬制度あるいは医療法、こういった制度、権限は国が留保しておられます。ですから、私ども地方でできる裁量の余地はそんなにないわけです。やはり、こういう診療報酬制度等々の権限を有している国が、医療費の適正化、抑制ということについて、主導的な役割を果たすべきであり、このような意味で都道府県単位で計画を策定する等のことについては疑問を持っているということです。ただ、いずれにいたしましても、私は、道庁内でも保健福祉部にいつも言っておりますが、北海道という日本の中でも一人当たりの医療費が高い地域、そして、他地域以上に少子高齢化が進んでいる地域にあって、いかに地域住民の健康の状況を維持向上させながら、医療費の適正化を図っていくかということは、我々自身ももちろん取り組んでいるわけでして、そういったことと制度的にそれをどのように仕組んでいくかということは私どもとして別であると思っております。

(NHK)
 先程の三位一体改革の中で、地方と国との信頼感がまだ育まれない中、今後の検討課題となる交付税の見直しの議論が進んでいくわけですが、これまで知事も答弁されてますが、改めて交付税こうあるべしというのはどうですか。

(知事)
 交付税というのは、国がたまたま徴収をして配分をしておられますが、地方固有の税源であるというのが基本認識です。行政サービスを見ても、国対地方では我々の方が多くの仕事を今でもやらせていただいております。これから道州制等の議論あるいは地方分権、地域主権推進の議論の中で、ますます地方の、これは都道府県に限りません、市町村の方がむしろメインになると思いますが、役割というものが重要になってくる中で、交付税というものについて、どういう考え方、どういう哲学に沿って、どういう形で見直しをしていくのか、そういった中で交付税の額を増やしていくのか、減らしていくのか、これはまさに国と地方が対等の立場で議論していかなければならない大きな問題ではないかと思っております。

 


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