定例記者会見(平成17年11月25日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年11月25日(金) 13:30~13:48
・場所/ 議会知事室前
・記者数/23名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 第4回定例会の開会にあたって
2 新たな行財政改革大綱について
3 平成18年度に向けた政策展開について

記者からの質問

1 新たな行財政改革大綱に対する自民党からの申し入れについて
2 新たな行財政改革大綱について
3 経済の再建に向けた金融支援施策について
4 日露首脳会談について
5 安全操業船の解放について

知事からの話題

 

第4回定例会の開会にあたって

  私から三つお話いたします。
  一つ目は、今日、いよいよ第4回定例会が開会いたしました。冒頭、私から、補正予算についての説明を申し上げたところですが、それと併せて、長年の懸案でありました循環税についての条例の提案もさせていただいたところです。今回の議会は、何と言っても昨日発表させていただきました「新たな行財政改革の取組み」の素案についての議論が中心になるかと思いますが、加えて18年度の政策展開、道営競馬や当別ダムへの対応、さらにはアスベスト対策、出店調整など含めてのまちづくり3法関連、それから地域主権関係で道州制、三位一体改革、また、北方領土問題、国の構造改革への対応などなど、様々な問題が議論されていくのではないかと思っているところです。前から申し上げているとおり、道議会と道庁は車の両輪ですので、各会派とも活発かつ厳しいご質問、それに対しての私どもの考え方の提示が展開されることを心から期待しております。また、本日、16年度決算をお認めいただいたということも、昨年の経緯を考えますと、とてもうれしく思うところです。

新たな行財政改革大綱について

   2点目は、昨日、本部員会議で決定をさせていただきました「新たな行財政改革の取組み(案)」についてです。中身は、皆さん方もご覧になっておられると思いますし、また、昨日の道議会総務委員会でも報告をさせていただきましたので、詳細は省略させていただきますが、まだ、素案のスタートラインです。これから、まだまだ書き込んでいかなければならないところが、各社、書いておられたとおり職員適正化計画の問題を含めて、多々あります。それから、互助会への対応などなど、皆さん方お気づきのとおりたくさんあるところです。昨日、本部員会議で、私から幹部の皆さんに申し上げたのですが、職員団体をはじめ、関係団体、関係方面と出来る限り早く調整を経て、成案を早く得ていかなければならないという思いを強く持っているところです。それから、これも本部員会議で申しましたが、今回の道庁改革というのは、危機を好機ととらえ、道庁の我々の仕事の見直しの好機であり、縮小する形ではなく、その部分を官から民へしっかりと移譲をする形でビジネスチャンスを広げ、雇用の拡大にもつながるような、そういった改革にしていかなければならないと、改めて思っているところです。これからさらに成案に向けて、私が先頭に立って一生懸命やってまいりたいと考えています。

平成18年度に向けた政策展開について

  それから、18年度に向けての政策展開についてですが、これにつきましては、今週2日間にわたって、幹部職員との議論を重ねてきたところです。私の任期の最終年度ということですので、行政改革を軌道に乗せるのは当然ですが、財政再建、経済再建など様々な政策の仕上がりに向けての重要な年度であると考えています。21日、22日の議論の時も、冒頭申し上げたのでお聞きになられたかと思いますが、まずは何と言っても少しずつは良くなってきたけれども、全国との間で差のあります経済再建について、さらに磨きをかけていく、加速化していく。「食」、「観光」、「知的資源」といった分野を中心に地域、あるいは産業界と経済界と連携をしながらこの取り組みを進めていくということです。その一環と言ってもいいし、特出しでもいいのですが、経済界、特にやはり中小企業がこの北海道を支えておりますので、中小企業をはじめとした幅広い事業者の方々、NPOなども含むことを考えておりますが、新たな金融支援制度の創設を相当の規模で考えていかなければならないのではないかと考えております。
  加えて、先程も申しました循環税の条例提案もいたしましたが、この条例がお認めいただければ、施行は来年後半を予定しているわけですが、周知期間、あるいは準備期間でそういうことにならざるを得ないわけです。しかしながら循環型社会構築に向けての努力というのは、出来る限り早く着手しなければならないというのは当然ですので、税制導入を前倒しする形で来年度当初から、この循環型社会構築に向けての政策をやっていかなければならないと思っています。この中身につきましても、限られた財源の中でどうするか、今、最終的な議論をしているところです。加えて子育て支援、あるいは今、国、地方とも医療費の増嵩というのが問題になっておりますが、私どもとしては、必ずしもこの医療費の問題というのは、国で経済財政諮問会議等で議論されているようなマーケットメカニズムを単純に導入していい分野であるとは思っておりません。地域地域のご高齢の方を中心とした、住民の方々の医療レベルを維持あるいは、向上させながら、いかに医療費というものの削減を図っていくかということについて、私ども道庁としても取り組みをしていかなければならないことなどを含めた地域医療の充実。その他、多くの課題があるわけですが、前から申し上げているとおり、選択と集中の観点に立って、来年度もしっかりと政策展開をしていきたいと思っているところです。
  これら具体的な中身につきましては、今後の予算編成過程の中で詰めていきまして、例年どおり来年の2月に予定されている第1回定例会前に、改めて発表をさせていただきたいと思います。
  私からは以上です。

記者からの質問

(STV)
    昨日、自民党から行財政改革について、批判というんでしょうか、提案があったと思うんですが、この中ですぐに具体化に向けて、検討ができるようなことは何かありましたか。ご覧になっていかがですか。

(知事)
  要点を絞った1枚の資料と、別添として詳細なものがたくさんありましたが、神戸議員のお話しによれば、40時間以上を費やして議論をされたということで、そういったご努力に対して敬意を表したわけであります。たとえば、今、職員数適正化ということを鋭意検討させていただいておりますが、そういったことについて、条例改正も視野に入れてというご提言などもありました。そういったことは、私どもも検討していかなければならないのではないかという思いがございますし、それから、官から民へということをいろいろと言っておりますが、たとえば、道有施設を、民間の指定管理者制度に限らず、市町村への開放といいますか移譲と言いますか、そういったようなご提案もございました。一つ一つ精査をしてまいるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、ああいったご提案をいただいたというご努力に対して敬意を表すると、今段階では、それくらいにさせていただきたいと思います。

(日本経済新聞)
  以前、行革の絡みで知事は、道民に負担をかけるので職員の給与もという話をしていたと思うんですが、昨日、公表された行革の取り組み案をみると、負担がいつまで続くのか、負担がいつなくなるのかということがなかなか見えてこないんですが、一方で、職員の給与は2年という年限をつけているということは、2年後には道民の負担はなくなると考えて良いのでしょうか。

(知事)
  そこは、まだ、明確にお示しするような段階ではありませんけれども、5年間の工程表、あるいは10年目標というような構造的な改革を進めることによって、昨日も本部員会議でも申し上げましたが、健全な持続可能な道の行財政構造というものができていけば、自ずとそういう中で、一つ一つ見直しというものがなされていくのではないかと、いかなければならないのではないかと思っております。

(日本経済新聞)
  負担がなくなる前に、給与削減の年限だけを先に決めるというのは、順番として、逆ではないかと思うのですが、

(知事)
  何の年限ですか。

(日本経済新聞)
  給与削減の期間が2年ということは、負担が2年後になくなるから、給与削減が2年間です、ということを示さないと、順番が逆というか、議論が内向きかなというふうに思ったのですが。

(知事)
  そこは、私は必ずしもそうは思いません。いろんなことが同時解決でありますので、給与削減も一つの方策でありますけれども、そういったことを通じて、道の行財政構造が健全なものになってくれば、自ずと様々なことの先が見えてくる、そういうことでないかと思います。

(毎日新聞)
  先程の金融支援策ですが、相当な規模というのは具体的には、どれくらいのイメージですか。

(知事)
  もう少し待ってください。そのうち、確実に言います。

(NHK)
  日露首脳会談が終わりましたけれども、こと領土問題については、具体的な進展はありませんでしたが、日本政府の対応も含めまして、その成果について知事のご見解をお願いします。

(知事)
  今年は領土問題が発生してから60年という節目、節目という言葉はこのことについては使いたくないのですけれども、いずれにしろ60年たったということで、私どもとしても、昨年、総理ご自身が北方領土を洋上から視察をされるという、歴代総理としては初めてのこともしていただいたということで、相当期待を高めておりましたことからしますと、正直言って失望し、残念であったとこのように思っております。特に、同じ思いをもっておられた元島民の方々の思いを私なりに思いをはせると、その気持ちを強く感じます。そういった中でちょっといくつか言うとすれば、一つは、今年の内閣改造でいろいろな事情があったのでしょうが、こういった問題の要である外務大臣が交代されたことです。11月にプーチンさんが来日されると分かっていた訳でありますので、そういった中で外交努力というのは継続だと思いますので、残念だなと思います。もう一つは11月の初めでしたか、知事会がありましたときに、総理に時間をちょうだいいたしまして、道議会議長やは根室市長さん等と一緒に総理に要請を改めてやったわけですが、今から思えば、そのときの総理のご対応は、昨年の9月に洋上視察をされて、そのときは私もご一緒させていただいたのですが、そのときほどの熱意というのが、もうちょっとあれば良かったなという思いがあります。いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、元島民の方々の思いを考えた場合に、私としてはとても残念だし、正直言って失望をいたしております。しかしながら、そうはいっても物事は前に進みませんので、まずは私ども北海道として出来ること、すなわち国民の方々、道民の方々の啓発活動に向けては、改めて気を引き締めて展開をしていかなければならないと思いますし、また、自治体外交というのでしょうか、サハリン州との交流というのは引き続ききちっとやっていくということを、この前も文書をもって先方知事とも約束をいたしましたし、また、極東地域との経済交流もさらにやっていかなければならないと思っております。また、この問題はさらに長期になることが想像される中で、若い世代を中心とした交流意識を高めていくということを、我々自治体として再度戦略を練っていかなければならないのではないかと思っているところです。

(uhb)
  それに関連して、11月3日に首脳会談を前に安全操業で拿捕が行われて、首脳会談の当日に船長が起訴されるとような事態があって、そして会談があったらすぐに戻される。非常にけん制にもとれるような、ロシア側のやり取りについてどのように思われますか。

 (知事)
  たまたまこの時期になったという見方もあるし、今おっしゃられたマスコミの方が書いておられるようなロシア側の政治的な意図があったということも、そういう見方もあるだろうし、いろんな見方があると思います。ただ、私としては、今となると、昨日の未明かな、無事、羅臼港に船長さん以下戻ってこられたということ、その直後に羅臼町長と漁組の方が私のところにもご報告に見えられましたが、そのことに安どをしたというのは事実です。そういった中で安全操業の協定の枠組みで、ガラス細工と書いている報道もありましたが、相手方の様々な状況のバランスの上にたった操業の状況でありますので、このことの安定というものをもっと目指して、私ども北海道としても国なり関係省方面にもっと働きかけをしていくことも重要であると思っております。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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