定例記者会見(平成17年10月12日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年10月12日(水) 14:10~14:35
・場所/十勝支庁会議室
・記者数/8名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 まちかど対話について
2 知床世界自然遺産の保全推進に向けた新組織の設置について

記者からの質問

1   屋内スピードスケート場について(1)
2 屋内スピードスケート場について(2)
3 十勝支庁管内の課題について
4 ふるさと銀河線について

知事からの話題

 

まちかど対話について

   私からは二つ申し上げます。
  一つは昨日今日と、まちかど対話で南十勝を回ってまいりましたので、そのことについてのご報告です。十勝管内には、何回もお邪魔をしておりますが、まちかど対話という形で十勝管内に入らせていただいたのは、初めてです。昨日今日と、南十勝5町村を回らせていただきました。天候にも恵まれたせいもあるのでしょうが、印象としては、十勝農業について、あるいは漁業を含めての一次産業について、豊かさを実感したというふうに感じたところです。
 まず、中札内村で昼食を食べさせていただいた後、地元の大豆を使ったこだわり豆腐を作っておられる米山食品というところに参りました。表の方で売っておられたものも試食させていただいたのですが、本当のところを言いますと、その製造現場を拝見した中で、これから木綿とか絹ごし豆腐の型にはめる直前という、生豆腐というのでしょうか、それを一口いただいたのですが、実はそれが一番おいしかったと思ったところです。いずれにしろ、できたての豆腐のおいしさというものを再認識いたしました。
 それから、更別村に参りました。ここは、一人当たりの医療費が全道一低いということが有名なところです。医療費というのは低ければよいということではなくて、当然、その大前提として、村民の方、地域の方が健康でいらっしゃることが大切なわけです。更別ではご多分に漏れず高齢化が進んでいるわけですが、そういった高齢者の方々に対する総合的な保健医療福祉の取り組みという中で、健康診断の受診率の高さ、それが予防にもなっているようなこと、それから、これは別に行政の努力というよりも地域の特徴ですが、更別は高齢者の独居率が低いんだそうです。そういった好条件もあって、医療費の低水準というのが実現できたのかと思います。実は、後志管内の寿都町というところで、家庭医という、専門的分野のお医者さんというよりも、一義的にはすべての科に対応しうるような診断、治療というのが家庭医という概念ですが、そういったことの取り組みを聞いてきたのですが、こちら更別でもそういった取り組みがなされているということを確認させていただきました。
  忠類村では、地元の森林組合だけではなくて、道がやっておりました苗木づくり、種苗センターを引き継がれた現場を拝見しました。そこから苗木が出荷されて、道が行います全道的な森づくりのための苗木になっていくというところです。地域の雇用にもつながってきているというお話があったわけでして、こういった地元の産業があるからこそ、北海道の森づくりがスムーズに行われるのではないかと思った次第です。
 それから、今日に入りましては、まず、大樹町で農事組合法人のコスモアグリに行きまして、農家5戸が共同で事業を進めておられる、酪農、畑作、肉牛などを組み合わせた大規模な複合経営をやっておられる現場を拝見しました。私は、時間の関係で、主として酪農の現場でしたが、自動搾乳機、パーラーというのでしょうか、ラウンドになっているようなところとか、それから子牛がかわいかったですね、ちょっと手をかまれましたが、子牛に餌もやらせていただきました。
 その後、広尾町では、道内でいえば恵庭市などと双璧ですが、子育て支援やブックスタートなど子どもに対するいろいろなケアが、地域の取り組みとして有名なところですが、子育て支援の取り組みを拝見し、子どもたちとご高齢のおじいちゃん、おばあちゃん方が仲良くやっておられる現場も拝見いたしました。広尾の後半は、秋鮭などの水産物の加工処理の様子を拝見し、町内の浜のお母さん方、漁組の女性部の方々、商工会、その他関係の方々と会食もさせていただいたところです。
  これも、晴れた天気のせいもあるのでしょうか、お年寄りもお元気だったし、子どもたちも元気一杯だったし、とっても楽しい一時を過ごさせていただきました。
 それから、前後いたしますが、タウンミーティングを忠類村でやらせていただきまして、南十勝5町村それぞれの地域で、地域資源を活用して地域づくりをやっておられる方々の懇談会をいたしました。地域資源は、ソフトなものもハードなものもあるわけですが、ナチュラルチーズであるとか、ホエー豚の話もありましたし、トラクターBAMBA(ばんば)というのですか、そういう取り組みもありましたし、それからサンタランド、本当にバラエティに富む地域資源の活用についての意見交換、懇談会をさせていただいて、とても勉強になったところです。
  また、十勝管内では、バイオパワーと言うのでしょうか、バイオマスを活用したような酪農地域としての取り組みもありますし、それから、バイオ・エタノールといった取り組みもあるなど、地域資源を活用した先駆的な取り組みについていろいろなお話をお伺いし、興味深く、そして我々道としても、できることはやっていこうという思いを強くしたところです。
  冒頭にも申しましたとおり、十勝というのは、北海道農業の豊かさを象徴するような地域であるということを再認識させていただいたわけでありますが、こういった地域ごとの工夫が総体となって十勝から全道に広がれば、北海道全体がさらに元気になってくるのかなという思いを強くしたところです。支庁にも、是非、頑張ってもらいますが、道庁挙げて、こういった頑張りを一緒にやっていきたいと思いました。
  ご覧になった方もおられると思いますが、私が道産米のCMに出ているということが、すごく話題になりました。釧路管内と十勝管内は道産米を食べないとことで双璧なんですが、実は十勝はワースト1なんです。私が、昨日今日とお邪魔をしたところは、気を遣っていただいたのでしょうか、道産米を使っているという声が、そこここで上がってきまして、私としては、これは相互主義であると、お米を食べると同時に、乳製品も食べる、そして水産物も食べる、そうやって地元のものを大きく北海道全体で地産地消すると、それだけ北海道のGDPが拡大する。いつも言っていることですが、そんなことをみなさんに申し上げ、私自身もそのように再認識をいたしたところです。そういったまちかど対話のご報告が一つです。

知床世界自然遺産の保全推進に向けた新組織の設置について

  それからもう一つは、世界遺産に指定されました知床の保全推進に向けた新しい組織を道庁の中に立ち上げたというご報告です。今までも環境生活部でやってきたわけですが、この度、環境生活部環境室に、総合的な知床担当の参事を置きまして、保全対策、利用調整のそれぞれ担当の主幹等を置きまして、保全推進に向けた組織の体制整備をしたところです。これは指定された直後、ダーバンで私から報告させていただきました、世界にもモデルとなるようなという心構えを申しましたが、知床ルールの作成、あるいはそういったことを含めての自然の保全と利用のシステム、調和のシステムなどをここが中心となって進めていく。情報発信も、是非、やっていきたいと思っているところです。

 

記者からの質問

(十勝毎日新聞)
   帯広市でスピードスケート場の構想が上がっているんですが、市の方では、道に建設費ですとか、維持費について支援をしてもらえればと考えているようですが、それについて道は、現時点で、どのように対処していくのか、お考えを聞かせていただければと思います。

(知事)
  正直申しまして、詳細は、まだまだ詰めておりません。ただ、これまでも市長、あるいは期成会の皆さん方と私自身も意見交換をさせていただいたり、ご要望をお受けするようなこともやっております。また、道教委でも、様々な事務的な打ち合わせをさせていただいているところです。やはり、冬のスポーツの一つのシンボルであるスケート場を地元に整備されたいという思いは、広く言えば北海道全体の地元として、とても意義があることだということは、私自身もそのように思っています。一部、合宿のためにカナダに行ったりするようなこともあるようでして、そういったものが、地元の帯広に出来れば、素晴らしいことであると、その意義については誰も疑いはないと思います。しかしながら、道財政は厳しいということもありますが、道からの支援の一つの要件として、広域的な市町村間の連携、基盤整備がなされるかどうかということがありますので、そういったことも合意に向けて地元のご努力をいただく必要があるというのが一つあります。
  それと、繰り返しになりますが、道財政は全国47都道県の中で最低、明日にでも赤字転落という状況にありますので、そういった中で、道財政もにらみながら、知恵と工夫でどういうことができるかということについて、道教委、道、それから市との間で話し合いを続けていくことになるかと思っています。
    
(十勝毎日新聞)
  先程、今回のまちかど対話で印象に残ったことをお話しいただいたんですが、十勝管内を巡られて、地域の課題として、どのような課題があるというふうに感じられたのかということと、それについて、道はどのように対処していけばいいのかということをお伺いしたいんですが。
 
 (知事)
  課題はそれぞれいろんなところであるわけでして、以前に、こちらの元気いっぱいの有塚会長さんが言っておられた言葉をよく覚えているんですが、「壁は乗り越えるためにある」と。課題を壁と言い換えたのでしょうが、乗り越えなければいけない課題があったら、それを乗り越えることによって、さらなる飛躍になるという言葉が、地元から出るだけ、やはり十勝は元気なんだなといつも思って、その言葉を思い出しているわけです。その意味では、昨日今日、参りました南十勝それぞれの地域地域で、地域の資源を使って地域おこしをされればされるほど、それを一つ一つ積み重ねていく上での課題というのが大きいということを、地元の方々がそれぞれ言っておられましたし、私自身もそのように思ったところです。
  そういったことに対して、地元の方々をお助けするために支庁があるわけです。昨日も、例えば、ホエー豚、なかなか手間暇がかかるんですよと。それから、そのホエーをどうやって確保して、それを供給するかとか、それから、数をまとめて飼育していかなくてはならない、仲間が足りないとか、そのような話もありました。そういったことにきめ細やかに、支庁が中心となってどのようなお助けが出来るかということが、一つ一つの課題に出てくるのかなと思っています。
  また、トラクターBAMBA(ばんば)の話だったんですが、これからどのような展開になるか分かりませんが、国際トラクターBAMBAといっておられたので、国際的に、十勝のワールドラリーのような形を想定されるとすると、それこそトラクターを世界から持ってくるのは大変なことです。ラリーにつきましても、世界の車を新千歳に入れて、そこからここまで持ってくるのも大変だという話を、前にお伺いしたような気がしますが、いろんな形で支庁を超えたサポートが必要になってくるのかと思います。まずは、一義的に、道の取り組みとして、支庁を通じてのサポートということになってくるのではないかと思っております。

(NHK)
  今回、知事が行かれた南十勝ではなくて、十勝でも東北の方になるんですが、ふるさと銀河線、来年4月で廃止ということになりましたが、今、廃止後のバスの運行のあり方ですとか、鉄道施設を今後どう利用するかというのが進んでいますが、道として、来年4月まであまり時間がないわけですが、この問題、今後どういうふうに取り組んでいきたいというお考えをお聞かせ願えればと思います。

(知事)
  今年の3月、昨年度末に、様々な議論の中で、地元の方々の中に道も一員として入って、地元の協議会の中で最終的な方向として廃止、バス転換ということを決めたわけです。その後、北見市の条例で運用が決まっておりました第一基金の取り扱いであるとか、バス転換で、どこの業者さんにやってもらうか等々について、ほぼスケジュールどおり、作業が進められていると認識しているところです。
  昨日の夜は、十勝管内全市町村の首長の方々が集まられました。一番遠いところから2時間くらいかけて来られたとおっしゃっておられて、町村会の会長の陸別の金澤町長、あるいは本別町長ともお酒を飲みながらでしたが、個別に銀河線のことについてもお話をさせていただきました。そういったいろんな経緯があった中で、これからまた、地元の方々とお話し合いをしながら、ポスト銀河線ということについて、支庁はまたがりますが、支庁を中心に、また、地元ともお話し合いをしながら進めていかなければならないと思っております。
  また、私、東の方も、是非、行きたいと思っています。例えば、私は企業誘致のトップセールスをやらせていただいて、トヨタ、日産、いろんなところへ行っているんですが、陸別町長へは、日産の会長にも会ったよというような話もいたしまして、やはり、まちづくりのためにはトータルな発想が必要です。また、本別町は、ご案内のとおり、全道一ひとにやさしい地域づくりと、ちょっとお金がかかるかと思いますがそのようなことで、熱っぽく本別町長も語っておられました。東十勝のまちづくり、地域づくりについても、それぞれいろんなお話をさせていただきました。
  昨日、支庁長から気になるデータをもらったのですが、市町村が20あって、それぞれの農業生産の絶対値のレベル、それから伸び率、いろいろあるんですが、銀河線の地域というのは、10年間の伸び率がほとんど横ばいか、あるいはマイナスというところばかりなんです。だから、銀河線とはちょっと離れるわけですが、豊かな十勝の農業という中で、あの地域がどうして10年間あまり伸びていないのか、一番伸びているのが、新得、中札内、音更、幕別等々の順です。そういった中で、東の方の落ち込みというのが、気になりました。陸別、本別、池田は横ばいで、足寄はなぜかマイナスです。そういったところの現状分析みたいなことを、地元の方々、それから支庁も調査をやって、これから戦略を練っていこうというようなことも、支庁長と話しをしました。そういったことを含めて、トータルとしての十勝の地域づくりに、我々道庁も、微力ながら貢献していきたいと思っているところです。
 
(北海道新聞)
  スケート場の関連なんですが、今、お話がありましたが、北海道が補助するためには広域的な要素も必要だということだと思うんですが、広域的というのが、例えば、利用での広域的なものを求めるのか、それとも、帯広市が今中心になって建設しようとしているんですが、他の町村も含めて、一体となって建設していくという、他の町村も財源を支出して、帯広市を中心に十勝全体で作っていくという、建設に当たっての財源を含めた広域的なものを求めているのか、それとも施設が出来た後の広域的な利用のものを指しているのか、広域的なという意味を知りたいんですが。 

(知事)
  この件は支庁長サポートしてください。

 (十勝副支庁長)
  広域的にというのは、今、おっしゃったようにいろんなことがありますので、建設が共同でなければダメなのかとか、利用が広域でないとダメなのかとか、いろんな考え方があると思うのですが、今の段階では、広い意味で皆さんが協力し合って、協力の仕方もいろんな立場によっていろいろあるでしょうから、どういうことが考えられるのかといったことを、これから考えていくというような段階であり、今の段階では、これはというものはまだないと理解された方がよろしいのではないかと思います。

 

 


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