定例記者会見(平成17年8月10日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年8月10日(水) 16:31~16:51
・場所/空知支庁2階 支庁長室
・記者数/5名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 「まちかど対話」(空知支庁・南空知地域)について

記者からの質問

1   産炭地域のまちづくりについて
2 市町村合併について
3 空知の新しい姿について
4 米価低迷にあえぐ空知の稲作農家の今後の経営について
5 総選挙について

知事からの話題

 

「まちかど対話」(空知支庁・南空知地域)について

  今日は定例の記者会見ですが、まちかど対話を1日弱かけて回ってまいりましたので、そのご報告です。空知管内には会合等を含めて何回か来ておりますが、まちかど対話ということでは昨年に引き続き3回目になりました。今日は、南幌、長沼、夕張の1市2町を訪問させていただきました。南幌町では、農業生産法人の「(有)フローア」というところと「なんぽろ みどり会」にお邪魔しました。フローアは、いちご狩りです。観光向けのいちご狩りをやってまして、それも冬、2月にやっているということです。これは道内唯一とのことです。今はやりの高設栽培というのですか、採るときにしゃがまなくていい、我々が立って採れるような位置のビニールハウスでした。今の時期は、観光農園ではなくて、ケーキ用のいちご出荷ということで、若干酸味が強いと言われましたけれども、採って食べたところ、やはり甘かったです。それから、なんぽろみどり会は、南幌町の農家のお母さん方5人で、それぞれの農園から朝採りの野菜を持ち寄って、一緒に加工した味噌や三升漬け、なんばんみそを、私も試食させていただきましたが、売っているところです。丁度、南幌温泉、日帰り温泉ですか、その直売所の隣にあるので、リピーターといいましょうか、よく知っている人たちが買ってくれると言っておられました。生産者が責任を持って消費者に届けるというか、直接売るわけですから、これほど確実なものはないと思いました。
  それから、南幌町の次は長沼町に参りました。長沼は、ご案内のとおり、米作、おいしいお米で有名ですが、長沼のもう一つの顔である情報化で先進的な地域の取り組みをやっているところですので、商工会でテレビ会議システムによる「マオイ夢祭り」実行委員会の会合に参加させていただきました。以前に、西興部村に行って感銘を受けたのですが、あれだけ千何百人しかいない小さな村でIT化を進めているのは素晴らしいと思ったのですが、長沼でもこういった取り組みをやっておられるということです。ITというのは、これだけ広い北海道の中で、特にツールとして便利なものだという認識は前からありまして、長沼町において、町出身の北大のIT関係で有名な山本教授のアドバイスもあって、こういった取り組みをされたと聞いておりますが、この情報基盤整備、いろいろな災害等の情報も提供が可能なわけで、素晴らしい取り組みをやっておられると思いました。そういった中で、町長から説明があったのですが、住基カードの発行がすごく多い。それは、地元で知恵を出しておられて、たとえばパークゴルフの割引や図書券など、そういったサービスをセットにして発行しておられて、3,800人が所有している。これは、人口規模を考えた場合に、相当発行率が高い地域だと思った次第です。
  最後は夕張市でした。夕張のメロン農家。もう最盛期の出荷から後半に入っている時期ですが、今朝採ってきたメロンの出荷の状況を農家にお邪魔して拝見しました。夕張メロンは、今や日本国内でも有名なメロンのブランドになっていますが、厳重な種子の管理、何でも金庫の中に入っているという話もありますが、それから、品質管理についても、いわゆる共撰という、自分のところの農家だけではなくて、その地域で第三者も含めて、厳正に品質をチェックするというシステムで一元出荷の管理をしておられる。こういったブランドを守るための生産者のご苦労というものを知り、そういったことがあるからこそ夕張のメロンというものが、今、これだけ高いブランドになってきたんだということを思った次第でした。
  夕張市で、地域の魅力を活かしたまちづくりというテーマで懇談をさせていただきました。4人の方それぞれ夕張市民で、それぞれの立場で地域づくりに努力しておられる方々とのお話し合いでした。夕張といえば、石炭の歴史があり、今申しました夕張メロンというブランドがあり、そして冬場の映画祭があるという、いずれも北海道を代表する観光、あるいは食のブランドになっているものを抱えている地域でして、空知の中でも観光客の入り込みがとても多い地域です。そういった中で、さまざまな地域の魅力をつくる、そして、それを活かすためのまちづくりについて、皆さん方のお話をお伺いしたわけです。夕張メロンが45年経っているいうというお話もありました。それから、石炭の歴史村が25年、映画祭ももう16年になるそうです。観光ボランティアの方々ともお会いしましたが、それぞれがそれぞれの立場で努力して積み重ねてきた中で、今日の夕張の様々な魅力というものが出てきたのかと思った次第です。最近は、富良野がライバルであるという話が出てまいりました。それに対抗するかのように、観光ボランティアの方々がメロン色のお揃いのジャケットを着ていました。夕張を思う気持ちでがんばっておられる姿に感銘を受けた次第です。
  それぞれの地域における一つひとつの努力は小さいかもしれませんが、こういったことの積み重ねの上に空知のこれからということが出てくるのではないかという感想を持ったところです。
  私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
  地元記者クラブを代表して北海道新聞です。
  まず、夕張を訪問されたということで、夕張は旧産炭地の宿命とも言える財政難で苦しむ中でのまちづくりということで、今後、産炭地域はいくつもあるんですが、どのような町づくりを行っていくことが最良であるとお考えかということが一つ。
  あと、市町村合併についていくつか質問させていただきます。空知で今、市町村合併が進んでいるのは岩見沢など3市町村のケースだけなんですが、南空知、中空知、北空知とありまして、その市町村合併問題についてどのように認識していらっしゃるか。27市町村あるうち、新しく岩見沢となる町を除いても、総務省が示した人口1万人未満の市と町というのが14くらい残る格好なんですが、お考えとしては、いくつぐらいの町ができることが望ましいとお考えでしょうか。
  それに関連してもう一つ、今後、道で市町村合併の枠組みを示す格好になると思いますが、思い描いていらっしゃる空知の新しい姿というか、旧産炭地の将来像を含めてビジョンを伺えればと思います。

(知事) 
  まず、夕張に特化してのご質問ですが、確かに、旧産炭地で人口も最盛期の十分の一に激減をしいるということをはじめ、財政が厳しいということは私も前職以来、お付き合いしておりましてよく認識をいたしているところです。しかしながら、その一方で、日本でも有数のブランドとなったメロンもございますし、冬場の夕張には映画祭もありますし、いろんな形でまちづくりに向けてご努力をしておられる。そういった一つ一つの地域の中におけるご努力が輪となっていけば、次の時代の夕張のまちづくりに展望が開けてくるののではないかと思います。これは、北海道がどうするということはではなくて、地域の中での自発的なまちづくりに向けての動きというものが第一歩であって、そういったことを、道としてもどういうお手伝いができるかどうかということが自然の流れではないかと思っているところです。
  合併問題につきましてですが、確かに、空知管内は今のところ、岩見沢を含む3市町村の枠組みのみが進んでいるということで、南幌町含め3町の枠組みについて、住民投票の結果等々を含めて、町長さんが辞められた。これは道内でも有名な経緯であると認識しているところです。そういった中で、合併新法ができたわけですが、これは前から申し上げておりますが、合併問題というのは、一にも二にも地域の方々が自らの責任と意欲において話し合いをし、決定をしていかれるということで、そういった動きがベースにあって、それを道としてどういう形でお助けするかということに尽きると思います。人口1万人という基準についてもお話が出ましたが、それは総務省がそのように出しておられるだけで、私どもとして別に1万人ということにこだわる必然性も全くないと思っております。要は、この地域において、どういう形でさらに合併を進めるのか、進めないのか。先程、夕張の財政難の話も出ましたが、これから国の財政もなかなか厳しくなる中で、道庁自身も今、行財政構造改革をやっておりますので、国からの助成を道が肩代わりするということは不可能です。そういった客観情勢の中で、市町村の皆様方が、将来の財政の問題を含めて、また、産業などまちづくりの共通性ということで、どういった市町村の合併のフレーム、枠作りがあるかということをいろいろ議論をしていただくことが一番だと思っております。そういった様々な地元のご意向を踏まえた形で、合併新法の中では、都道府県が合併の組合せを出すということになっておりますので、地域のご意見を十分に踏まえた上で、そういった組合せなども出してくるわけですが、我々、道庁サイドから押し付け的に、例えば、空知の地における合併の考え方はこうであるということを言う気持ちは、私は一切ございません。地元で一義的にお話し合いをしていただくということではないかと思っております。

(北海道新聞)
  もう一点なんですが、米価低迷で、空知の稲作農家の経営について、収入、経費を差し引いたら手取りが百万円単位で減った農家も珍しくないと聞いていて、各稲作農家も低農薬に取り組んだりしているようですが、実際、産地同士の価格競争に生き残っていくための方策があるのか、道の支援なども含め、お考えをお聞かせください。

(知事)
  これは一にも二にも、売れる米作りを生産者の方々がご努力をしてやっていかれるということに尽きると思っています。道内でどこよりもお米を作っておられる上川と競い合っておられるわけでありまして、そういった米どころでさらに美味しい品種の改良、こういったことは、道庁の方も当然お手伝いできるわけですが、まさに消費者に、消費者である実需者に受け入れられるような売れるお米作りを農家の方々、一戸一戸が、場合によっては、情報を共有しながら、あるいは、直接、消費者の意向を反映しながらご努力をしていかれることの積み重ねの上に、今の問題への対処というのが出てくるのではないかと思います。一方、私ども道庁は、道内の米の消費率のアップ、これは道民運動としてやろうというこで、一生懸命やらせていただいております。もろちん10年前位と比べますと、道民の方が道産米をお食べになる比率が40%もいってなかったそうですが、今は、だいたい6割くらいまできております。ただ、私は8割まで上げたいと思っています。例えば、秋田など米どころの地域は100%に近い県内消費率を誇っておりますので、北海道米も今や味の面では、どこのお米にも負けないという自負を持っておりますので、そうであれば、我々道民自身が北海道の美味しいお米を食べていくという運動を一生懸命進めさせていただいているところです。地産地消というのは、お米に限らないわけでありまして、こちらはお米どころだから、お米を食べるのは当然だと思っておられると思うんですが、例えば、昆布について見ますと、こちらは昆布はとれないから関係ないと思っておられるかもしれませんが、昆布も日本一の生産量でありながら、道民は最も食べないと言われているわけでありまして、これは広い道内、それから570万の人口を要する北海道の中で持ちつ持たれつの部分だと思います。ですから、道産米をお米のとれない地域、道東、道北であるとか、そういったところも含めて支庁を通じて、ホクレンさんと北農中央会さんと連携をしてキャラバン隊なども派遣をして売り込みをやっておりますが、それとは逆にこちらでとれない道内産のものも、是非、こちらで食べていただくという相互のご努力が高まっていくことによって、北海道経済が高まっていくということになると思っております。お米についても、そういったことを一生懸命やっているところです。
  
(北海道新聞)
  総選挙について、知事のスタンスですが、前回の2003年の選挙の時には、自民党の公認候補の応援に歩かれてると記憶しています。今回、10区の中でどのような対応を予定していらっしゃるか。情報として、山下貴史さんの公認はしないと対立候補を立てるという方向で進んでいます。前回、2003年の時に、知事が真っ先に駆けつけられたのが、この岩見沢で山下さんの応援だったと思います。今回、公認候補の応援にまわるのか、山下さんを応援するのか、それとも10区を避けるのか、そのあたりをお願いします。

(知事)
  これは10区に限らず、一般論からお答えしなければならいないんですが、この選挙応援というのは、公務優先というのが大前提であるということを前から申し上げているところです。公務が空く土日とか、平日でも夜とかの時間帯であって、まず、ご要請があることが大前提ですが、ご要請をいただいた上で、これまでのお付き合いとか、政策の類似性とか、この問題で本庁でマスコミの方々からご質問を受けた時に申しましたのは、今、マニフェスト選挙ですので、各党のマニフェストの中で、北海道が求めているような事項についてどのような記載をしていただくのかということも大きなポイントだと思います。そういったことも含めて、政策面での私どもの考え方との類似性等々、総合的に勘案して、応援をするかどうかということを決めていきたいというのが、基本的な線です。(公認について)10区についてどうするか、これを自民党さんがされるかどうか、これは自民党さんのお考えなので私が何を言うつもりもありませんが、山下さんとは同じ霞ヶ関の出身で同世代でもありますし、よく存じ上げている関係でもございます。今後、どのようなご要請があるかどうか踏まえた上で、私自身の対応を考えていこうと思っております。 

 

 


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